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「頑張って勉強する人に東大はムリ」東大生集団が考える最短で東大合格するための勉強法

プレジデントオンライン / 2022年6月5日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/inarik

東京大学に合格する受験生は、勉強にどれぐらいの時間を割いているのか。東大生集団「カルペ・ディエム」は「勉強はただ時間をかければいいというものではなく、効率が重要。勉強を頑張ってしまう人は、東大には合格できないだろう」という――。

※本稿は、東大カルペ・ディエム『東大大全』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

■東大生にとっての勉強は机の上だけで行うものではない

「東大生は、受験期間中どれくらい勉強していたんだろう?」と考えたことはありませんか?

「東大生ともなれば、何時間も勉強していたから東大生になれたのだろう。じゃあ一体どれくらいの時間、机の前に座っていれば東大に合格できるのだろうか?」。そんな疑問を持ったことがある人は多いのではないかと思います。

しかし、この質問は東大生がされて一番困る質問だといっても過言ではないのです。なぜなら、この質問はそもそも前提にしている勉強の定義が全然違うからです。

東大生にとって、勉強というのは何も机の上だけで行うものではないのです。目を開けているときはいつだって勉強していて、日常生活の中に勉強が根づいてしまっているから、起きていればその間はすべて「勉強時間」と見なされるのです。

日常の中に自然と勉強がある感覚、これを「日常思考」と名づけてみましょう。東大生は、日常思考が優れているので、いついかなるときも勉強をしています。

■日常の中に自然と勉強がある感覚が染みついている

例えばテレビでニュース番組を見ているとき、ロシアとウクライナの戦争や、コロナ問題、それに伴う物価の上昇……、さまざまなニュースが流れてくると思います。そしてその裏側には、世界史や日本史、地理の勉強があります。

このとき、東大に合格できる人は「あぁ、この話はこの前習ったこの分野とつながるな」というように、勉強とのつながりを1つのニュースから見出すことができるのです。

■普段耳にする言葉からでも英語や古文の学びにつなげる

ほかにも、よく耳にする言葉からも見つけ出します。

ゲーム好きな人であれば、オンラインゲームでパーティーを組んでプレイしますよね。「パーティー」という言葉はよく使われる言葉で、みんなで集まって騒ぐ宴会のことを指すこともありますし、ゲームなどでつくる1つのチームを指して「パーティーを組む」なんて言います。

寿司レストランにて赤ワインで乾杯する多民族の人々
写真=iStock.com/ViewApart
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ViewApart

しかし、「パーティー」とは実際、どういう意味なのか知っていますか。

「パーティー(party)」は英単語の「part」から派生しています。「part」というのは、「全体に対する一部分」のことを指しているので、「このパート(部分)は彼が担う」というようにカタカナ語としても使用します。そこから派生して、「多くの人の中で、一部の人が集まる」から「宴会」、「多くの人の中で一部の人だけで団体をつくる」から「団体」のことを指すのです。

また、「パートタイムジョブ」といえば、「その人のいろいろな時間のなかで一部の時間だけ働く」ことを指しますが、これも「一部」ですよね。このように、普段使っているカタカナ語からでもいくらでも英単語の意味を学ぶことができます。

普段使っている何気ない言葉のなかには古文単語に立脚するものもあります。

物事が終わるときに「けりをつける」という言葉を使うことってありますよね。この「けり」って一体どういう意味なのか、みなさんは知っていますか。

古文の授業で、助動詞に「けり」という単語があることは知っているはずです。「なりにけり」のように、文末に終止形の「けり」をつける活用法も習ったと思います。実は、今でもその名残で「けりをつける」=「文章が終わりを迎える」という意味になり、転じて「物事に決着をつける」という意味で使われるようになったのです。

■「勉強なんて役に立たない」という人は役立てようとしていないだけ

「勉強なんて社会に出てから役に立たない」と言われますが、それは知識を役に立てようとしていないからであって、役立たせようと思ったらこんなにもつながりを理解できます。

普段の生活からでも「これって勉強とつながるかも」と思えるポイントを探すことが重要です。

東大入試は、こういう「日常生活とのつながり」が入試として問われることがあります。次の問題を見てください。

設問
メキシコとC国はいずれもかぼちゃが第1位品目であるが、日本の国内市場で取引されるかぼちゃは、この両国産と北海道をはじめとする国内産がほとんどを占めている。このように、メキシコとC国から多くのかぼちゃが輸入されている理由を、それぞれの自然的条件に触れながら、あわせて2行以内で述べなさい。

東京大学 地理 平成28年 より一部抜粋

この問題でC国はニュージーランドだということが分かっています。さて、少し考えてみましょう。

そもそもかぼちゃ自体は夏野菜ですので、日本では夏から秋にかけて国産が市場に出回ります。それでもスーパーでは1年中かぼちゃが売られていますよね。どうやらここにこの問題の答えがありそうです。

私たちは冬至など寒い時期でもかぼちゃをよく食べると思います。しかし、国産だけでは12月にかぼちゃを収穫することはできません。そう、そこで日本よりも低緯度で年中温和なメキシコや南半球に位置するニュージーランド産のかぼちゃを輸入するわけです。

スーパーでさまざまな野菜が1年中買えるのには理由があります。日常生活でも疑問を持ち、すべての物事から「知識」を探す意識を持つことが、東大合格に必要な姿勢といえるのです。

■机上の勉強がすべてだと思っている人はいつまで経っても合格できない

東大では世の中のことと学んできたことを結びつけて考える力を求める問題が多く出題されます。

・なぜ、「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」なのか答えよ。
(夕焼けが綺麗だと翌日は晴れになり、朝焼けが綺麗だと翌日は雨になりやすい)
・「三日坊主」の意味を英語で簡潔に説明しなさい。

このように、普段から勉強していることを使って考える力を東大は求めていて、逆に机の上での勉強だけがすべてだと思っていたらいつまで経っても合格できない大学と言えます。

常日頃から「日常思考」を持ち、しっかりと勉強に対して意識を向けることが東大合格への近道なのではないでしょうか。

■勉強は頑張ってはいけない

みなさんは、東大生にどんなイメージがありますか? 「ガリ勉」「頑張り屋」などいろいろあるかと思いますが、毎日頑張って、つらくても努力を継続できる才能がある人と想像し、自分もそうなりたいと思われるのではないでしょうか?

しかし、そこが一番の落とし穴なのです。受験生にとって最大の敵は「頑張ってしまう」ことなのです。「頑張ることがダメってこと?」と思うかもしれません。はっきり言わせていただきましょう。みなさん、勉強は頑張ってはダメなのです。こんなことを言うと、「勉強を頑張らないと成績が上がらないじゃん!」と思われるかもしれません。ですが、正確には「頑張ったら成績が上がる」という思考がとても危険なのです。

ここでは、無駄な頑張りをし続けないための「目的思考」について紹介します。

■多くの人は勉強に時間をかけただけで満足してしまう

もちろん勉強時間を頑張って増やせば、確かに勉強の成績は上がりやすくなります。でも、勉強というのは「時間」だけでなく「効率」がとても大切なのです。勉強は「時間」×「効率」=「結果」。これが勉強の勝利の方程式なのです。

だから、どんなに長く机に向かっていたとしても、眠くて集中していなければ全く意味がないですし、超効果的な勉強でも時間がたった1分だったら成績は上がりません。そして、多くの人はたくさん「時間」をかけて勉強したことだけで満足してしまいます。

教室と開いた本
写真=iStock.com/onurdongel
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/onurdongel

「こんなに時間をかけて頑張ったんだから成績が上がるはずだ」。そんな、努力神話を私たちは信じがちなのです。

私も偏差値35のときは、1日14時間ぶっ続けの勉強をしようとして失敗しました。短期的に見ればそれで成績が上がる瞬間もあったのですが、長続きはしませんでした。

逆に東大生たちはしっかりと効率化して勉強に臨んでいます。例えば、東大生たちの特徴として、「ゴールを先に見て逆算していく」というものがあります。第一志望校に合格したいと考えたときに、まずは過去問を見るのです。

どんなに問題の意味が分からなかったり、解けなかったりした問題があったとしても、とにかく過去問を見ます。それで、「ああ、これが解けるようにならなきゃならないんだな」と知り、どの分野の問題が解けなくてはいけないのかを意識して勉強する場合が非常に多いのです。

■不要な勉強方法はやめ、効率を求める

過去問を見ること自体は時間がかかるものではないですが、その後の勉強の質が変わる重大な行為です。勉強をしているときでも「これは過去問のあの問題が解けるようになるために必要だ」というように、「目標に近づいている実感」が湧きやすくなり、それによって「この勉強って意味があるのか?」と考えずに済むからです。

逆に、ゴールからの逆算がきちんとできていれば、勉強していても「これは自分には不要だ」「ここは力を入れなくてもいい部分だ」と不要なものをそぎ落とし、効率的に勉強できるようになります。これをやっているのとやっていないのとでは、倍以上の差が出るといっても過言ではないでしょう。

■成績が伴わなかったからといって「もっと頑張る」のはNG

また、やみくもに頑張ることはもう1つの大きなミスを誘発させてしまいます。それは、「もっと頑張ってしまう」ことです。自分が頑張っても結果が思うように出なかったときに、「頑張りが足りないから、もっと頑張らないと」と思ってしまうのは間違っています。

一度は聞いたことがあるかもしれませんが、何か業務を行うときに用いられる「PDCAサイクル」というものがあります。仕事の効率を上げるための考え方で、「計画(Plan)を立てて実行(Do)して、それを振り返り(Check)した上で改善(Action)する」というサイクルを徹底することで、次に活かしていくものです。

勉強においてもこれと同じように、「計画を立てる」「実行する」「振り返る」「改善する」という流れの思考が必要になるタイミングがあります。そして、このPDCAサイクルで一番大切なのは「Check」のときなのです。

自分の勉強で効率が悪い部分や意味がないものを、どんどん削っていく姿勢を持たなければならず、逆にうまくいったポイントからそれを吸収しなければなりません。

ですが、「とにかく頑張っている」人は、このCheckの場面で「もっと頑張らないと」という間違ったCheckをしてしまうのです。

■具体的な目標を定めた勉強を積み重ねるべし

頑張ることはいいことですが、間違った方向への頑張りではどんどん無駄な時間が過ぎていき、結果の伴わないPlanとDoだけを繰り返してしまうことになります。つまり、しっかりと効率的に勉強していくためには、この「根性論の頑張り勉強」では意味がないのです。

「どうすればテストで良い点数が取れますか?」という質問をされることがありますが、「じゃあその『良い点』ってのは何点のこと?」と聞き返すと、答えられないことがとても多いです。

「良い点取れればいい」と思っているかもしれませんが、それはどの科目のどの分野のどの問題で何点取ることなのか、明確になっていないからダラダラした勉強になってしまうのです。

東大生はこの「目的」作りがしっかりしています。ほかの人より何倍も努力の「目的」の明確化に対する力を持っているのです。

東大カルペ・ディエム『東大大全』(幻冬舎)
東大カルペ・ディエム『東大大全』(幻冬舎)

例えば、東大生は模擬試験でも本番でも同じように、各科目・各大問の目標点数を1桁レベルで明確に設定しています。「英語のこの問題は自由英作文で12点の配点だから、7点獲得できればいいはずだ。これにかけられる時間は12分程度なので、12分で7点取れるようにこの範囲の訓練をしておこう」というふうに、すべての問題でこのレベルの細かい目的明確化を実践しています。

必要なのは目的意識です。「どのゴールのために何問解くのか? 何個終わらせるのか? 何が終われば今日は目的達成で、どういう状態になるのが理想なのか?」。がむしゃらに勉強を頑張るのではなく、具体的な目的を考えた勉強を積み上げていくことで、成績が一気に向上していくのです。

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東大カルペ・ディエム 東大生集団
2020年6月、西岡壱誠が代表として株式会社カルペ・ディエムを設立。西岡を中心に、貧困家庭で週3日バイトしながら合格した東大生や地方公立高校で東大模試1位になった東大生など、多くの「逆転合格」をした現役東大生が集い、日々教育業界の革新のために活動している。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)の編集、TBSドラマ日曜劇場『ドラゴン桜』の監修などを務めるほか、東大生300人以上を調査し、多くの画期的な勉強法を創出した。そのほか「リアルドラゴン桜プロジェクト」と題した教育プログラムを中心に、全国20校以上でワークショップや講演会を実施。年間1000人以上の学生に勉強法を教えている。

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(東大生集団 東大カルペ・ディエム)

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