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「俺が必要だろ?」と夫に"レイプ"行為され…不倫セックス動画を見つけた40代女性の屈辱

プレジデントオンライン / 2022年5月28日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/simarik

現在40代の女性は20代のときに出会い系サイトで知り合った1歳上の男性と結婚した。夫は有名な重工業系メーカーで働き、当初は多忙な中でも子育てにも関わった。ところが、3人目の子ができた頃から、夫の態度が豹変。職場の部下との不倫が発覚し、女性が問い詰めると自暴自棄になった夫の暴言暴力が始まった――。
ある家庭では、ひきこもりの子供を「いない存在」として扱う。ある家庭では、夫の暴力支配が近所に知られないように、被害者の家族全員がひた隠しにする。限られた人間しか出入りしない「家庭」という密室では、しばしばタブーが生まれ、誰にも触れられないまま長い年月が過ぎるケースも少なくない。そんな「家庭のタブー」はなぜ生じるのか。どんな家庭にタブーは生まれるのか。具体事例からその成り立ちを探り、発生を防ぐ方法や生じたタブーを破る術を模索したい。

今回は、15年以上連れ添った夫に不倫された40代の女性の事例を紹介する。なぜタブーは生じたのか。タブーのはびこる「家庭」という密室から、どのようにして抜け出すことができたのだろうか……。

■多忙な夫との出会い

山陰地方在住の辻川結衣さん(仮名・40代)は、大学4年の頃、就職活動の忙しさの中、当時付き合っていた彼氏とすれ違いが続き、別れた。やがて就職先が決まり、大学卒業間近になると、何となく、友達の間ではやっている出会い系サイトをのぞいてみた。そして、そこで目に留まった1歳年上の男性とやりとりし、実際に会うことになる。

1歳上の男性は、明るく社交的な性格で、誰もがよく知る重工業系メーカーに勤務していた。辻川さんは、「多少、遊んでる感じがする」と思ったが、2人はすぐに打ち解け、水族館や遊園地などに出かけるデートを重ね、約2年後に結婚。ただ、夫には貯金がなく、結婚指輪を用意することができなかったため、辻川さんの母親が指輪を買う資金を出してくれた。

医療事務をしていた辻川さんは、結婚を機に退職し、その3年後には長男を出産。夫は出産に立ち会い、長男の誕生を心から喜んだ。

夫は仕事が休みの日は、オムツの交換や子供の入浴などをしてくれたが、夫の勤務先は忙しいことで有名な企業。平日は日付が変わるまで帰宅できないのは当然、出張や休日出勤もザラで、なかなか育児に関わることができなかった。

それでも夫は時間を作り、長男と2人で職場の家族イベントに出かけたり、長男が「釣りがしたい」と言えば道具をそろえ、一緒に釣りに行ったりした。また、小さい頃は鼻づまりがひどい子だったが、夫が自ら口で鼻水を吸い取り、献身的に看病したこともあった。

それから4年後、辻川さんは次男を出産。やはり夫は出産に立ち会い、2人目のわが子の誕生をとても喜んだ。多忙な中、夫は極力育児に協力し、数カ月に1回は、家族で動物園や遊園地、キャンプなどに出かけた。

そして、次男が生まれてから約1年後の2014年、33歳になった辻川さんは3人目を妊娠。ワンオペ育児が大半ながらも、穏やかな幸せを感じていた。

■夫に違和感

ところが、辻川さんは3人目の妊娠がわかった頃から、夫に違和感を抱き始める。なんとなく、辻川さんに対する夫の態度が冷たく感じられるようになったのだ。

冗談まじりに辻川さんが、「最近冷たくない? もしかして浮気してる?」とたずねると、当時34歳の夫は、「こんなおじさんがモテるわけないだろ」と答えた。

やがて2015年、辻川さんは長女を出産。夫は長女の誕生を喜んだ。しかし、相変わらず忙しい夫は家にいないことが多いため、家事も育児も辻川さんのワンオペ状態。しかし長男のときは子煩悩といえるほどかわいがり、次男の時は育児に協力的だったにもかかわらず、この頃の夫は家にいる日でも、長女の育児に関わろうとせず、長男や次男にも関心が薄いようだった。残業や出張で不在がちな夫だが、辻川さんは、「家にいても家事も育児もやってくれないなら、いないほうがマシ」と思うようになっていた。

気づけば、長女を妊娠したのを最後に、夫とは完全にセックスレスに。娘を妊娠するまでは、夫婦一緒に入浴することもあったが、それもしばらくない。そこである夜、辻川さんは勇気を出し、酔ったふりをして夫を誘ってみた。

辻川さんが腕を絡めると、すかさず夫は、「やめろ!」と言って振り払う。まるで汚いものでも見るような目で見られた辻川さんは、ショックを受けるとともに、さすがにおかしいと思った。

女性に手を上げる男性のシルエット
写真=iStock.com/DragonImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/DragonImages

「ずっと前から違和感はありましたが、3人の子育て中で、なかなか決定打にたどり着くことができませんでした。連絡先のメモなどが出てきても、『キャバクラ嬢からもらったんだよ』などと言って誤魔化されて、おかしいおかしいと思いながらも、ずっと信じようとしていました」

夫は結婚当初から、ゴルフや釣り、キャンプなど、自分の趣味にお金を使う人だったが、最近は特に散財ぶりが目に余るようになっていた。夫は給料すべてを家に入れ、「自由に使っていいよ」とは言うものの、毎月クレジットカードで、給料を使い果たしてしまう。そのため辻川さんは、子供の将来のことを考え、長女が2歳になる年に保育園に入園させ、事務のパートに出ることにした。

■決定的な証拠

夫は年々不在がちになっていった。家にいる間もスマホをいじってばかりで、辻川さんの隣には絶対に座らない。話しかけても目を合わせず、時折冷たい視線を向けるだけで、言葉も少ない。何かを頼めば鼻で笑い、「無理」「疲れてる」で済まされ、寝室に入れば速攻背中を向けて寝る。

それでも辻川さんは、「仕事でよほど疲れているんだろう」と思い、言いたいことを我慢。平日はパートから帰宅すると一人で家事をこなし、休日は子供たちを遊びに連れて行き、学校行事がある日はパートを休み、一人で参加していた。

そんな2019年7月。辻川さんは37歳、夫は38歳、長男は10歳、次男は6歳、長女は4歳になっていたある休日、辻川さんは、思わぬことで決定的な証拠を掴む。

iCloudに子供たちの写真を上げていた辻川さんは、写真の整理しようと思い立つ。すると辻川さんは、ふと見覚えのない動画が上がっているのを発見。数年前、夫と2人でiPhoneに変えたのを機に、子供たちの写真を共有できるようにと、iCloudは夫と同期していた。

辻川さんは嫌な予感がしつつも、クリックすると……。

それは夫と見知らぬ女性の、セックス動画だった。辻川さんは凍り付き、やがて自然と涙が溢れ出す。動転した頭の片隅では、「これまで夫に感じてきた違和感の答えは、これだったのか!」と合点がいった。

スマホで動画を再生する人の手元
写真=iStock.com/Worawee Meepian
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Worawee Meepian

泣きながら辻川さんは、その日珍しく家にいた夫に動画を突きつけ、「これはどういうこと?」と問い詰める。夫は面倒くさそうに視線を動かした途端、「何それ? なんで持ってるの? はっ? ちょっと消せよ! 気持ち悪い! なんだそれ!」と慌てる。だが、次第にいらつき始めると、「本気じゃない! 浮気は1回だけだ!」と言い訳を繰り返した。

夏休みになると、辻川さんの両親が孫たちに会いに、辻川さんの家に泊まりに来た。その日も夫は仕事で出かけるという。辻川さんは、子供たちを両親に任せ、夫の後をつけた。すると動画で見た女性と会っているところを目撃。

両親や子供たちのいる家に戻ってきた辻川さんは、努めて普段どおりの自分を演じたが、さすがに両親には隠しきれなかったようだ。子供たちが寝静まった後、両親から様子がおかしいと指摘されると、辻川さんは涙をこらえきれず、夫の不倫について話した。

■再構築

夫の不倫相手は、同じ職場の部下だった。セックス動画に加え、女性と会っていた証拠をつかんだ辻川さんは、夫と話し合いを重ねる。夫は「絶対に離婚はしない」と言って謝罪。辻川さんは、相手の女性に慰謝料を請求し、相手の女性の辞職を条件に、夫婦関係の再構築の話をした。だが夫は、相手の女性をかばい、どちらの条件にも首を縦に振らない。

それどころか、バレたことを機に自暴自棄になったのか、夫は辻川さんに暴言を吐き、暴力を振るうようになっていく。

「結果には原因がある。だから不倫した原因はお前にもあるんだ!」と責任転嫁は序の口で、パートを事務系からスーパーやコンビニに変えた辻川さんに、「学びのある仕事につけ。レジ打ちとか底辺の仕事はやめろ!」と、パワハラ・モラハラ発言は当たり前。恐喝・脅しは日常茶飯事に。

口論するカップル
写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kieferpix

夫は、不倫がバレてからはよく家で酒を飲むようになり、酔っ払った時など、辻川さんが不倫の話を蒸し返したり、家事育児を頼んだり、気に入らない言動をすると、妻を突き飛ばしたり床に押さえ込んだりした。

「当然のように人格否定されました。家事育児などでできていないことを指摘されたこともあります。“自分は一切何もしないのに”です。『同じくらい稼げるようになれば手伝ってやる』『俺の家だからお前が出ていけ』とも言われました。明らかに嘘だと思うようなことも平気で言っていました。『俺がいなくなったらどうする? 俺が必要なんだろ?』と言ってレイプまがいのことをしてきたこともあります。悲しくてやりきれなかったけど、自分には力がないと思っていたため、耐えるしかありませんでした」

辻川さんも負けずに言い返すが、腕力ではかなわない。いつしか腕や足には、あざや擦り傷がたえなくなっていた。

「夫はもう、私や家族への愛情がなくなったのだと思います。私のせいで不倫女に迷惑がかかったり、会社を辞めさせられたりする恐れがあるため、私が邪魔だったのでしょう。ただ唯一の救いは、夫は子供たちには暴言や暴力がなかったこと。私の育児に関してはうるさく口出しをしてきましたが、基本子供たちには無関心でした」

穏やかな暮らしは一変、家庭はDV現場となった。子供たちは父親を恐れ、言い争う両親の様子を、ただ不安そうに見ていた。

この先、辻川さんはどのようにして、この不毛な現状を打破したのだろうか。どのように家庭という密室から抜け出したのだろうか(以下、後編へ続く)。

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旦木 瑞穂(たんぎ・みずほ)
ライター・グラフィックデザイナー
愛知県出身。印刷会社や広告代理店でグラフィックデザイナー、アートディレクターなどを務め、2015年に独立。グルメ・イベント記事や、葬儀・お墓・介護など終活に関する連載の執筆のほか、パンフレットやガイドブックなどの企画編集、グラフィックデザイン、イラスト制作などを行う。主な執筆媒体は、東洋経済オンライン「子育てと介護 ダブルケアの現実」、毎日新聞出版『サンデー毎日「完璧な終活」』、産経新聞出版『終活読本ソナエ』、日経BP 日経ARIA「今から始める『親』のこと」、朝日新聞出版『AERA.』、鎌倉新書『月刊「仏事」』、高齢者住宅新聞社『エルダリープレス』、インプレス「シニアガイド」など。

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(ライター・グラフィックデザイナー 旦木 瑞穂)

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