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世界で話題沸騰「15歳の時に知っておきたかった」進化論の研究から生まれた"最新モテ理論"

プレジデントオンライン / 2022年6月11日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kiwis

全世界100万人に影響を与えた「進化論的モテのノウハウ」がある。このたび日本語版『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』を監訳した作家の橘玲さんは、「誰でも『若いときに知っていれば人生が変わったのに!』と思うことがあるだろう。これはまさにそのような本だ」と語る。非モテ男性に福音をもたらすその内容とは──。(第1回/全5回)

※本稿は、ジェフリー・ミラー、タッカー・マックス著、橘玲監訳『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

■女性はどんな男性を望むように「進化」したのか

女性たちはずっと悩んできた。「素敵な男性はどこにいるの?」。男性も悩んでいる。「なんで女性とつき合えないの。ぼくがヘンなことをいったから?」。そして、どちらの疑問に対しても、誰も答えをもち合わせていない。

ヒトの脳のうちの原始的な部分は、優れたリーダーやヒーローがいて、若い男女がパートナーと出会うための儀式がある共同体を前提に「設計」されている。

そこでは思春期になると、すべての男性にガールフレンドを見つけるチャンスが提供された。何十万年も続いた狩猟採集社会には、そんな性文化が根づいていた。

でも不幸なことに、現代社会に生きている君は、先祖たちが享受してきた優れた性文化の恩恵を受けることはもうできない。

そればかりか、親や教師、知識人や専門家たちは、バカげた話ばかりを吹き込もうとしている。彼ら/彼女たちは、君の幸福になどなんの興味もなく、ただ自分がいい気分になるために勝手なことをいっているのだ。

■「メスの選択の壁」を乗り越える

本来なら、もっとずっと前に、モテるためには、女性がどんな男性を望むように「進化」してきたかを理解し、そんな男性になる方法が語られるべきだった。

これは「革命的(revolutionary)」な話ではなく、「進化論的(evolutionary)」な話だ。生物学的に見れば、賢い動物のメスは、自分のつがいとなる相手(メイト)を、一定の基準にもとづいた好みによって選ぶ。その基準に達しなければ、つがいにならない。

これがモテの基本で、その逆はない。生物学では、これは「メスの選択(female choice)」と呼ばれる。

「メスの選択の壁」はあまりにも巨大なので、迂回(うかい)する方法はない。君にできることは、この現実を受け入れたうえで、自分を女性の選択基準に合わせることだけだ。

逆にいえば、それさえできれば、将来のガールフレンドが君に魅力を感じ、望みをかなえてくれる。──それが一夜の逢瀬でも、生涯の伴侶であっても。

■モテに必要な5原則がある

モテに必要なことはすべて、5つの重要な原則で説明できる

その原則を進化論的に明らかにしたのが本書『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』だ。あなたがモテたいなら、本書に書いてあることをそのまま実行するだけでいい。

方法はものすごくシンプルで、あとはどうやってそれを実行に移すのかの話になる。頑張ってついてきてくれれば、君は幸せになり、君と出会った女性も幸せになるだろう。みんなが得をする。

■アメリカの若者も、誰も「モテの原理」を知らない…

何年か前の感謝祭のディナーで、ジェフ(本書の共著者のひとりで、進化心理学者のジェフリー・ミラー)は親戚の若者たちと雑談していた。みんな典型的なアメリカの男子高校生や男子大学生で、たいていは彼女がいなかった。

若者たちが性に関する進化の理論を知りたがったので、ジェフは、女性たちはなぜ自虐ネタのうまい男性が好きなのかとか、ラップダンサー(ストリップクラブなどで客の膝の上に乗るなどして踊るダンサー)のチップの額が生理(排卵サイクル)によって変わるという研究(ジェフはこの研究でイグノーベル賞を受賞した)について説明した。

若者たちは誰も、そんな話を聞いたことがなかった。

彼らのなかには、ファンダメンタリスト(キリスト教原理主義者)もいれば、無神論者もいた。若い共和党支持者もいれば、リベラルの最先端を走る者もいた。でも共通していることがあって、それは女性とのデートやセックスのことで頭がいっぱいなのに、“それ”についてほとんど何も知らないことだった。

■「若者のバイブル」の著者と出会う

そこでジェフは彼らに、どうやってモテについて学んでいるのか訊ねた。こうして扉が開いた。

ジェフリー・ミラー、タッカー・マックス著、橘玲監訳『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』(SBクリエイティブ)
ジェフリー・ミラー、タッカー・マックス著、橘玲監訳『モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた』(SBクリエイティブ)

何人かが『地獄でビールを出してくれればいいのに』や『クソ野郎が一番になる』などのタッカー(本書の共著者のひとりで、作家のタッカー・マックス)の本を挙げたのだ。

若者たちは、これらの本に忠誠を誓っていた。現代のパーティ文化を知るためだけでなく、デートのバイブルになっていたのだ。

ジェフは、アメリカの若者たちがモテについてどれほど無知なのかに驚くとともに、このタッカーなる人物についてもっと知りたくなった。

そこでタッカーの著作を読んでみたのだが、謎は深まる一方で、「???」の文字が頭に浮かぶだけだった。

■「若者のモテのバイブル」はただのNG集だった

数カ月後、ジェフはテキサス州オースティンで開かれた心理学会に出席する機会を利用して、オースティン在住のタッカーに会ってみることにした。ふたりはすぐに打ち解け、ジェフはタッカー・マックスのファンである若者たちのことを話した。

「その子たちはモテてるのかい?」とタッカーは訊いた。

「いまいちだね」とジェフは答えた。

「混乱して、欲求不満になっていて、失礼な言い方だけど、君の本では最良のデートライフを学ぶことができないみたいだ」

「そりゃそうだ」とタッカーは思った。なにしろ彼は自分の本に、パーティで泥酔したあとセックスしたり、友だちと馬鹿をやったりしたことを面白おかしく書いただけであって、“教育的なマニュアル”などぜんぜん書いていなかったのだから。

むしろ自分の話は、「デートで何をしてはいけないか」の教訓として読んだほうがいいと思っていたくらいだ。

■モテるための必要なことはすべて「失敗」に学んだ

「君は進化心理学者で、性の研究をしてるんだよね」とタッカーはいった。

「だったら、その若者たちにもっとマシなモテ本を教えてやればいいじゃないか」
「そんな本はこの世に存在しないんだよ。誰も書いてないから」

ジェフの返事にタッカーは仰天した。

「こんな大事なことについて、基本的なことを教えてくれる本がないなんて、そんなことがあるわけがない。君は間違ってるよ」

いや、タッカーが間違っていた。ジェフの次の質問にタッカー自身、こう答えたのだから。

「君(タッカー)はどうやって、その基本的なことを学んだんだい?」
「ああ……たしかに、トライ・アンド・エラーで、自分で学ばなきゃいけなかった。たくさんの、たくさんの失敗を通じて」

■科学的な公平さを欠いた性教育

それからジェフとタッカーは、夕飯の間じゅう、アメリカ文化がモテの基本を男の子たちに教えることに失敗している理由を語り合った。

ジェフの話では、アメリカの学校は、性教育に関していまだに驚くほど抑圧されている。教師は学生に、どうすれば魅力的になれるのか、出会い系サイトでどんなふうにメッセージを送ればいいのかを教えることができない。大学教育は、学生のパーソナルライフを充実させることよりも、将来の稼ぎをよくすることに注力している。

その空白を埋めるのが、宗教の熱心な信者、ジェンダー論者やフェミニスト、マノスフィア(フェミニズムに反発して男性の権利を主張するネット上のコミュニティ)のミソジニスト(女性嫌悪者)たちで、イデオロギーで歪んだ主張をまき散らしている。そうでなければ、ほとんどのアドバイスは、PUA(ナンパ師)のような非モテを搾取しようとするマーケターによるものだ。

こうしたアドバイスはどれも事実にもとづいておらず、間違っていて、科学的な公正さを欠き、ジェフの専門分野ではすっかり時代遅れになった理論にしがみついている。

■15歳のためのデートやセックスの正しい知識

そんな話をジェフがしていたとき、タッカーの口から独り言が漏れた。

「もし、デートやセックスについていま知っていることのすべてを、15歳か20歳のときに知っていたら、どれだけ人生が簡単になっただろう。30歳の自分にだってきっと役に立つ。人生はずっとよいものになったはずだ。だったら、そんな本が存在すべきだ!」

ジェフが(学生に対してするときのように)深くうなずくと、タッカーはいった。

「ぼくたちで書くのはどうだい? ふたりが知っていることを集めて、わかりやすく、正直かつ軽妙な書きぶりにして、アメリカのすべての若い男性に届くようにするんだ。作家と学者をかけ合わせたら、きっと愉快なものになる! それに科学的でもあるし。迷い絶望した何百万人もの男の子たちが読むことになると考えたら最高じゃないか」

■進化論的なモテの世界へようこそ

「何百万人もの女性を、『いい男がいない』という欲求不満から解放することにもなるだろうね」とジェフは答えた。

夜に街でワインを楽しむカップル
写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kieferpix

「ボーイフレンドをもっといい男にすることができれば、男性にとっても女性にとってもウィンウィンになる」

こうして本書が完成した。女性とのデートやセックスといったスリル満点で恐ろしい、新しい世界に立ち向かうとき、「知っていればよかった」と思うことをすべて書いた。

さあ、進化論的なモテの世界へようこそ。

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ジェフリー・ミラー 進化心理学者
ニューメキシコ大学で心理学の准教授として終身在職権を得て、進化心理学、人間のセクシュアリティ、知性と創造性、人間の感情について教えている。コロンビア大学で学士号、スタンフォード大学で博士号を取得。著書の『The Mating Mind』(『恋人選びの心 性淘汰と人間性の進化』岩波書店)と『Spent』(『消費資本主義! 見せびらかしの進化心理学』勁草書房)は12カ国語以上に翻訳されている。2008年には、排卵期のラップダンサーはより多くのチップを稼ぐという研究でイグノーベル賞の経済学部門を受賞した。

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タッカー・マックス 作家
著書『I Hope They Serve Beer in Hell(地獄でビールを出してくれればいいのに)』は『ニューヨークタイムズ』のナンバーワン・ベストセラーリストに掲載され、世界じゅうで200万部を売り上げた。『Assholes Finish First(クソ野郎が一番になる)』と『Hilarity Ensues(これからお楽しみ)』もそれぞれ100万部以上の売り上げを誇る。

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(進化心理学者 ジェフリー・ミラー、作家 タッカー・マックス)

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