6時間遊ぶだけで報酬6000円…憧れのバイト「パチスロの打ち子」を二度とやりたくないと思ったワケ
プレジデントオンライン / 2022年6月25日 13時15分
※本稿は、野村竜二『潜入ルポ 経験学歴不問の職場で働いてみた』(鉄人社)の一部を再編集したものです。
■バスタ新宿に手配師が現れるという情報の真贋
1日に1500便以上が発着する日本最大のバスターミナル「バスタ新宿」。
新宿駅南口からスグという好立地のおかげで利用者も多く、高速バスを使う人にとっては、なじみ深い場所といえるだろう。
驚くなかれ、そんなバスタ新宿の待合室では、仕事を斡旋する手配師に声をかけられることがあるというのだ。
これまで、高田馬場や横浜寿町など、労働者が集まる場所では手配師の仕事を受けてきたが、バスタにそんな奴いるのかよ、とさすがにツッコミを入れたくなる。
よし、それなら実際に現地へ行って調査してみようじゃないの。はたして本当に手配師はいるのだろうか。いるとすれば、どんな仕事を斡旋されるのか。
まさか高速バスで現場まで移動させれられるなんてことはないだろうけど……。ちょっと緊張してきた。
■朝8時、出発ロビーに現れた男の正体
何時に行けば手配師に会えるのかわからないので、ひとまずネットでバスの発着時刻表を確認した。
どうやら午前7時からの1時間が、到着するバスの数が多い時間帯のようだ。
人が多いときに手配師も来るはず、という予想のもと、2月上旬、平日の朝7時にバスタ新宿を訪れることにした。
人が集まっているのは、3階にある観光案内所か、4階の待合室に限られる。おそらく手配師もそのどちらかで声をかけているにちがいない。
よし、まずは3階の観光案内所だ。
しかし、そこにいたのは成田空港からバスでやってきたであろう、外国人旅行者ばかり。一応休憩スペースになっているが、これはダメそうだ。
エスカレータを使って4階へ。一方、こちらは人があふれている。
これから旅行にでも行くのだろうキャリーケースを引くテンションの高い人もいれば、出張にいくのかダルそうなサラリーマン、虚ろな目でベンチに座っている若者は深夜バスで到着したばかりなのだろう。
なかにはベンチの上で大きなイビキをかいている中年のオッサンもいるし。
うむ、ここなら手配師が現れても不思議じゃない。ベンチに腰を下ろして、キョロキョロと周囲を見回す。それっぽい奴はいないだろうか。
数十分経っても声をかけられる気配すらないので、立ちあがって歩いてみる。時刻は朝8時を回ったところだ。
すると、俺の方にスマホ片手の男性が歩いて来た。おおおっ、もしかして手配師だろうか。なにやら話しかけてきたぞ。
■手配師が案内した仕事は「打ち子」
「お兄さん。こっちに来たばかりの人?」
帽子を深くかぶっていて顔はよく見えないが、身なりはしっかりしてる。30代くらいの男だ。とりあえず、話を合わせよう。
「まあ、そんな感じですね」
一拍間があってから、彼が早口で話し始めた。
「じゃあさ、お金に困ったりしてない? これから手伝ってほしいことがあるんだけど……。時間あるかな?」
よっしゃ! ようやく見つけたぞ。彼が手配師ってことで間違いなさそうだ。
「そうですね。まあ、はい。時間ありますよ」
俺の返答を聞いて、彼もパッと笑顔になった。
「本当に? よかったー。君、パチスロの経験ってある?」
パチスロ? まあ、友達と一緒に打った程度だけど……。
「はい。まあ、少しだけですけど」
「これから俺の指示通りに打ってもらいたいんだけど、大丈夫かな? 打ち子のバイトなんだけど」
ふーん。パチスロを打つだけの仕事か。
「もちろん、軍資金は全額持つから安心して。その代わり勝ってもそのぶんはいただくから」
つまり、彼の分身として、指定されたスロットを打ち続けろってことみたいだ。
手配師の紹介だから、てっきり肉体労働をさせられるもんかと思ってたけど、違ったみたい。
そもそも、この人は手配師ってわけじゃなく、ただ、人手が欲しくてバスタで探していたわけだし。
■抽選だけで1500円、座ると時給1000円
「時給はいくらくらいですか?」
「開店の抽選を受けてもらうだけで、1500円。それとパチスロ台を打ってもらうのが時給千円。これでどうかな?」
高いのか安いのか相場がさっぱりわからない。まあ、特別疲れるわけじゃないだろうし、別にいいか。
「はい。その条件で大丈夫ですよ」
「ほんとに? ありがとー。今日は歌舞伎町にあるマルハンに行くから、9時20分ごろには店の近くにいてね」
■「深夜バスに乗る人ってお金ないことが多い」
つーか、そもそも、なぜバスタでパチスロの打ち子バイトを探してたんだろう。聞いてみよ。
「え? まあ、言いづらいけど、さっき欠員が出たんだよね。そういうときはここに来て時間がありそうな人を探すんだよ」
ふーん。それにしたって効率が悪いと思うのだが。バスタにいる奴が全員パチスロ打てるわけじゃなかろうに。
「まあ、そういうときは、抽選だけお願いしたりとかね。ほら、深夜バスに乗る人ってお金ないことが多いからさ」
しれっと失礼なことを言うやつだ。
彼曰く、少し前までツイッターを使って欠員の補充をしていたそうだが、台の情報を狙った同業者から連絡が来ることもあるようで、俺みたくズブの素人の方が使い勝手がいいのだそうな。
別れ際にラインの連絡先を交換し、彼はどこかに行ってしまった。俺以外にも欠員を補充しに行ったのだろうか。
ひとまず仕事が見つかってよかった。集合時間に遅れないようにしなくちゃ。
■200人もの行列が待っていること
集合まで少し時間があるので、「打ち子」についてネットで調べてみた。何も知らないままじゃ、さすがに不安だし。
パチスロの打ち子というのは、店によっては「軍団行為」として禁止されているようだ。バレると出禁の対象にもなるらしい。
集団で根こそぎ収益を出し続けると、最悪の場合、威力業務妨害として訴えられることもあるそうな。そんなの聞いてないんだけど……。
しかも、打ち子本人は当たりハズレに関係ないので、無類のパチスロ好きじゃなきゃできない仕事のようだ。
ああ、調べれば調べるほど、耐えられるか不安になってきた。大丈夫かなあ。
そんな不安をよそに時間は進み、時刻は9時20分。もう、集合時間だ。
店の前までやってくると、ビルを囲むようにスゴイ数の人が並んでいる。
すげえ、平日の朝だってのに、ざっと200人はいるぞ。その9割以上が男で、チャラついた格好の奴らが目立つ。これは場所柄だろうか。
手配師の彼からラインが来た。
「もう着きました? とりあえず、抽選を受け終わったら、コマ劇のファミマの近くにきてください!」
了解と返事をして、列に並ぶ。続けてラインが鳴った。
「抽選結果が50番以内だったらプラス500円払いますよ!」
マルハンのような大型のパチンコ屋は、早い者勝ちではなく、集合時間に来た客で抽選をし、整理券を受け取って入場するというシステムをとっている。そのため抽選を引くだけの、「引き子」というバイトもあるぐらいだ。
■初めて見たパチンコのシビアな現実
この店舗は9時30分が集合時間なので、それまでに集まった人の中から順番を決める。
パチ屋に朝一から並ぶのは初めての経験なのでちょっと緊張するぞ。
ソワソワしながら待っていると、店員が整理券を渡しにやって来た。この整理券で、並びの人数を確認し、その数字を分母にして抽選するわけだ。
俺が受け取ったのは207番。俺の後ろに並ぶ人数を含めたら、300人はいるかもしれない。
もうすぐ、集合時間の9時30分というところで最後尾から大きな声が聞こえてきた。
「もう間もなく締め切りまーす! 10、9、8、7……」
そう、パチ屋のスタッフが大声で呼びかけているのだ。そこに向かって複数の男がダッシュしている。
この時間に遅れたら抽選を受けれないので、彼らにとっては死活問題なのだろう。大人の男がダッシュしてるのは少し滑稽だ。
不幸にも少し遅れてしまったオッサンがいたようで、店員に懇願している。
「何秒か遅れただけじゃないですかぁ。お願いしますよぉ」
しかし、取り付くシマもない。
「残念ですが、あちらの一般入場列に並びなおしてください」
一般入場は抽選した客全員が入った後の、いわば、本当の最後尾だ。オッサンは肩を落としてその列に向かって行った。パチ屋ってこういうところはシビアなんだよな。
■いまさらながら後悔していること
集合が締め切られ、いよいよ抽選である。数分で順番が回ってきた。
パソコンにつながれた青いボタンを押す。えい! 50番以内よ、来い!
結果は「238番」。ダメだこりゃ。
男が待つ場所に急いだ。
ファミマの前には、バスタで勧誘してきた男以外にも3人が立っていた。
みな一様に根暗な雰囲気だ。年齢はたぶん20代なので、俺と同世代だろう。誰も口を開こうとせず、無表情にスマホを眺めている。打ち子なんてコワモテの兄ちゃんがやるもんだと思ってたけど、案外そうでもないらしい。
「ちょっと待っててくれます?」
例の男が、彼ら3名と金のやり取りをしながら話しかけてきた。どうやら軍資金の受け渡しのようだ。
ようやく、俺の方にやってきた。
「あー、来てくれて助かったよ。他にも何人かバスタで誘ったけど、みんなダメでね」
やっぱり、俺以外にも補充していたのか。
「じゃあ、まずは番号を見せて」
言われるがまま、「238番」と書かれた紙を見せる。
「あちゃー、ダメだったね。ビギナーズラックを期待したんだけど」
はいはい。とりあえず抽選したんだから引き子のバイト代をくださいな。
「うん。バイト代と一緒に軍資金を渡すよ。ただし、念のため身分証の写真を撮らせてくれる?」
は? なんだよそれ。
「お金を持ち逃げされちゃうこともあるし、大事なデータもあるから。念のためにね」
クソ、聞いてねえよ。しかも、抽選の番号が悪かったから強気に出てやがるだろ。こりゃバイト代を受け取ってから番号を見せるべきだった。
まあ、俺の立場は弱いから仕方ない。免許証の写真を撮らせてやろう。
パシャパシャと撮ってもらって、ようやく引き子バイトの1500円と軍資金の2万を受け取った。はあ、名前も住所もバレちゃったよ。マジで悪用されないか心配なんですけど。
■奇妙に感じた手配師からのアドバイス
「今日、野村君に打ってもらいたいのは「凱旋(がいせん)」。今日は○日だから、台番の末尾が○のやつにして」
おっ! 知ってるぞ。「凱旋」ってのは、今一番の人気台「ミリオンゴッド 神々の凱旋」(編注:規制により現在はホールから撤去)の略称だ。これなら打ったことがあるから大丈夫だ! たしか特別な技術は必要なく、分かりやすい台だったはず。
末尾がどうこうってのは、どうやらここのマルハンは日付けと台番(台の通し番号)に関係があるらしく、これが共通してると当たりやすく設定されてるらしい。ま、真偽はわからんが、打ち子の俺には関係ない。
「じゃあ、そろそろ入場だから、動きがあったら逐一ラインで連絡を入れてください」
「はい。わかりました」
「それと、なるべく台の演出を楽しみながら打ってくださいね。店員に悟られたくないので」
当たっても一切リアクションをせずに、同じペースで打ち続けていると、打ち子だと目をつけられることがあるらしい。
本当に店員がそこまで注意してんのか? 考えすぎだろ。
■見る見るうちに金が消えていく
午前10時。長かった準備期間を経て、ようやく入場だ。場内をみんなが一斉に駆け出していく。バーゲンセールみたいだ。
中にはダッシュしてる男もいるけど、店員が両手を広げて必死に止めている。先頭の順番ならわかるが、もう200番台だぞ。そこまで急ぐ必要あるのか?
俺も狙い台を取られたら困るので、速足で「凱旋」まで急ぐ。
なんとか言われたとおりの台を確保できた。ラインで取れたことを伝えたら、打ち始めるよう指示がきた。よし、始めましょうか。
右上にある紙幣投入口に1万円札を入れ、貸出ボタンをプッシュ。ジャラジャラジャラーっと、コインが流れてきた。
適当に掴んでスロット台にコインを投入し、レバーをオン。
ボタンを押してスロットを停止。ふう、今日一日でこれを何回繰り返すことになるんだろう。
5分もしないうちに、千円分のコインが消えた。
貸出ボタンを押してメダルを追加。まあ、そんな簡単に当たるとは思ってない。
こんな調子で打ち続けたら1万円がソッコーで溶けた。いまだ当たりそうな気配すらない。
さらに追加で残りの軍資金1万円を追加。しかし、アッという間に目の前の2万円が消えた。
はあ、なんかもう疲れてきた。しかし、スマホを確認してビックリ。まだ10時50分。2万も使ったのに1時間も経ってないのだ。
自分の金じゃなくてよかった。
■俺はあくまでシミュレーションの道具
軍資金が底をついたので、ラインを送って追加で受け取ることにした。
『すみません。2万なくなりました。追加でもらえますか?』
『ファミマ前に来てください。なるべく小走りでお願い』
席を立ち店を出て、先ほどのファミマ前へ。1時間ぶりの再会だ。
「はい。これ」
差し出されたのは先ほどと同じ2万円。
「じゃ、先に行くから。450ゲームまで回して、当たらなかったら他の台に移動していいよ。末尾だけ○日と同じにしてね」
そう言い残して店に駆けていった。そう、彼自身も店で打ってるのだ。
少しぐらい小言をいわれる覚悟をしていたが、2万程度は意に介してないようだ。
台に戻る途中で、彼の姿が目に入った。すでに箱にメダルを詰めている。たぶん、実力はあるんだろうな。
あくまで予想だが、彼が自分で打つのが確実に勝てる台で、俺に打たせているのは実験みたいな感じなんだろう。
たぶん、打ち子を雇って店の傾向を分析しようとしてるのだと思う。
多少負けたとしても気にしてないようにみえるのは、俺に勝ちを期待してるわけではなく、あくまでシミュレーションの道具として利用してるからだ。
さて、追加で3千円打ったところで450ゲームに到達。同じ末尾の「凱旋」に移動する。本当にこんなんで大丈夫だろうか。
逐一報告せよとのことなので、ラインで一報をいれる。
『450ゲームまでいったので、移動しました』
『できればもう少し早く打って』
なんだよ、注意されちゃった。
さて、移動した先の台で、残りの1万7千円を使ったのだが、それでも当たらない。4万円をすべて打ち切ったところで正午になっていた。4万で当たりゼロ。かー! スロットは怖い!
■うまくいっているのに怒られたワケ
軍資金がなくなったことを伝えようとスマホを開いたら、ちょうどラインが来た。
『野村君、急ぎでファミマ来てください』
走って向かう。
「ちょうど軍資金なくなったころでしょ?」
おお、さすがベテラン。金がなくなる時間をきっちり把握してる。
「凱旋のネタはガセの可能性があるから、もうやめとこう」
ふーん、やっぱり俺は実験台だったわけか。一応謝っておこう。
「すみません。全然出せなくって」
「ははは、うーん、まあ野村君以外は割と順調だから大丈夫だよ」
なんか、チクッと皮肉を言われたような……。
「じゃあ、これ」
またしても2万円を受け取る。次はどの台を打てばいいのだろうか。
彼が目を輝かせながら語る。
「じゃあ、野村君はリゼロをそれぞれ30ゲームずつ回していって、ゾーンが良さそうだったら連絡ちょうだい。リセット後の振り分け狙いで、初当たりが軽いのを集中的にお願い!」
えええー、言葉の意味がまったくわからないんですけどー。
「リゼロ」ってのが最近の人気台のタイトルってのはわかるけど、彼の説明は専門用語ばかりで意味不明だ。どうしよ……。
「すみません。『リゼロ』は打ったことないです。っていうか、あんまりスロット自体詳しくないです」
露骨に暗い顔になった。ああ、機嫌悪そう。
「じゃあ、ジャグラー打ってください」
ジャグラーってのは、パチスロの中で一番シンプルな台だ。まあ、打ち方もわかりやすいし、初心者の俺でもなんとか打てる。
店に戻り、言われた台に座って、打ち始めた。
と、先ほどまでとは一転。今度は当たる当たる!
シンプルなゲーム性なので、特段おもしろくないが、やっぱり当選するとうれしいもんだ。
それから3回の大当たりが出て、台の下皿にコインがたまってきた。ふー、なんとか面目が保てそうだ。ちょっと、トイレっと。
5分ほどで戻ってきたら、スマホにメッセージが。
『トイレに行くなら、連絡をしてください』
はあ、トイレに行くにも逐一報告が必要なのかよ。つーか、知らぬ間に監視されてたのかよ。気持ち悪い!
『席を離れた間に、誰かに台やメダルを取られたら、野村君に弁償してもらいます』
こっわ! どこで文句言われるかわからない。気を付けなくっちゃ。
■ようやく気が付いた真実
時刻は14時。長時間、慣れない動きをしているせいか、レバーを押す手がダルくなってきた。
さっきから、ちょくちょくボーナスに当たってはいるのだが、別に俺が儲かるわけじゃないので何もうれしくない。
最初は当たりが珍しかったので内心喜んでいたが、慣れてきたら、別に俺の金じゃねーし、という投げやりな気持ちになってしまった。
それと同時に、ハズレても悔しくない気持ちも強くなってくる。さっきまで俺だけ勝てないのは申し訳ないと思ってたけど、スロットの勝負と俺の損得に関係がないことに遅まきながら気が付いた。
はあ、今となっては他のメンバーが根暗な雰囲気だったのもうなずける。俺もいまあんな表情でレバーを押してるもんな。
当たってもうれしくない、ハズレても悔しくない。どんどん感情がなくなっていく。
■6時間働いて得た金額は…
その後、心を無にして打っていると、意外や時間が早く進むのに気が付いた。何も考えずにやってると楽なのだ。
その調子で打ち続けること数時間。下皿に溜まっていたメダルはなくなってしまった。
ふう、ラインで連絡を入れよう。
『下皿のメダルなくなりました。追加で現金投資しますか?』
数分後返信が。
『いま、カードにいくら入ってますか?』
『6千円です』
既読マークがついたあと、彼が俺の方に歩いてきた。あれ? 店内で話をしても大丈夫なの?
彼が何やら台をチェックしている。どうやら、俺が伝えた残高が正確か確認してるみたいだ。どんだけ信用されてないんだよ。
耳元で大声を出した。
「じゃあ、もう清算して帰っていいよ。その6千円がバイト代ってことで! お疲れさま!」
現在、時刻は16時前。ちょうど時給にして千円ってわけだ。
無事に金を受け取って帰りの途についた。
最終的にあの男が勝ったのかどうか、知らないし興味もない。長時間パチ屋にいたせいで、キーンと耳鳴りがする。はあ、精神的に疲れたぞ。もう二度と打ち子はやりたくないな。
最後に補足を。バスタで勧誘される仕事は他にも、風俗店のスタッフ、裏ビデオ屋の店員などのグレーな職種が多いようだ。
興味がある人は早朝のバスタで、上京したての男を演じてみてください。
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編集者
1994年生まれ。月刊『裏モノJAPAN』(鉄人社)編集部員。全国各地の怪しいスポットに身一つで突撃する潜入取材が得意。
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(編集者 野村 竜二)
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