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何歳になっても気持ちのいいセックスをしたい…そんな欲深なオジサンたちに女医が教える「夜の生活習慣」

プレジデントオンライン / 2022年6月30日 12時15分

出典=『女医が教える性のトリセツ』

男性が何歳になっても性行為を楽しむにはどうすればいいか。富永ペインクリニック院長の富永喜代さんは「十分な勃起を得られない『ED』の治療には、薬の服用と運動を並行して行うと、薬の効果が上がる。その場合、週3回30分程度のランニングが目安になる」という――。

※本稿は、富永喜代『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■食事制限と運動、禁煙…自分でできるED改善プログラム

EDとは、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、維持できない状態が持続すること、または再発することです。たとえ性欲があっても、毎回思うように勃起を得られないと、自信を失い、心理的にもセックスから遠のいてしまいます。

現在はバイアグラやシアリスなど治療薬もあります。しかし保険適用ではないため、安価ではありません。医師に処方箋を書いてもらうのはハードルが高いと思う方もいるでしょう。またインターネットでは偽薬が出回っているため注意が必要です。

病院に駆け込む前に、まずは自分でできるED治療についてお話しします。実は世界的にも、日本はED患者が多い国です。

EDの原因として、加齢・糖尿病・心血管疾患・高血圧・テストステロン低下・慢性腎臓病・神経疾患・外傷・手術・うつ病・薬剤・睡眠時無呼吸症候群・肥満・運動不足・喫煙などが挙げられます。このうち、肥満・運動不足・喫煙は、自分でも改善できるものです。

また、太っている人のほうがそうでない人よりも、EDになるリスクが1.7倍高いという実証も出ています。つまり食事制限と運動で肥満を解消し、禁煙に努める――これが自分でできるED治療法です。

■世間のオジサンが夜な夜なランニングをしている理由

ED治療薬の服用も大切ですが、治療薬と運動を並行して行うほうが、ただ治療薬を飲むよりも、薬の効果が上がることが実証されています。この際、運動の強度はやや強め、ランニングだと30分程度が目安です。はじめは週3回を目標にしましょう。

富永喜代『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA)
富永喜代『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA)

運動習慣が身について肥満を解消できれば、前に述べたEDの引き金となる生活習慣病などの改善にも結びつきます。とはいえ、「生活習慣病の予防のため」と言われても運動のモチベーションは、上がらないかもしれませんね。

私の患者さんでも「先生、オレ、運動が好きじゃないんだよね~」と口にする方もいます。そういう方には「世間のオジサンが夜な夜なランニングしているのは、なにも生活習慣病予防のためじゃないの! 勃たなくなる恐怖心と戦っているからよ!」と一喝します。するとあら不思議。皆、すぐに運動を始めるのです(笑)。

何歳になっても気持ちのいいセックスをしたい――そんなスケベ心こそ健康を握るカギ、と言っても過言ではないはずです。

EDのアプローチ
出典=『女医が教える性のトリセツ』

■下半身全体の筋力アップは、すべての中高年にとって喫緊の課題

ランニングや筋トレなど、やや強めの運動がEDに効果的なことを述べました。しかし筋肉を鍛えるのは、女性にとっても重要です。

しかし昨今のコロナ禍では、思うようにジムに通えないものです。そんな中、密を回避しながらできる運動として注目が集まるのが「ヴァーチャルフィットネス」です。これはヘッドセットを装着して、VR(仮想現実)の世界を飛びながら、効率的に体幹を強化するものです。

ゲーム感覚でできるので、トレーニング経験がない人でも楽しみながら行えるのが特徴です。富永ペインクリニックでも、78歳の女の人がVRフィットネスで筋力アップに励んでいます。

高齢になるほど、長時間のトレーニングは難しくなります。短時間で効率よく運動ができるVRフィットネスは、今後ますます注目されるはずです。

VRフィットネス
出典=『女医が教える性のトリセツ』

■中高年で始めるべきスポーツ、注意すべきスポーツ

ここまで読んで、「さあ、少しでも運動不足を解消しよう」と思った方、その意気です! しかしその際、少し注意が必要です。

それは、若いころにやっていたスポーツは怪我をしやすい、ということ。例えばあなたが中学時代にテニス部員だったとします。中高年になりテニスを再開する際、脳はこれまで同様に「できる」と思い、運動するよう手足に命令を下します。

しかし悲しいかな、関節や筋肉、骨の強さは当時よりも確実に衰えています。そのため自分が思っているように身体が動かず、必要以上の負荷をかけてしまったり、バランスを崩して転倒する危険性もあります。くれぐれも慣らし運転を大切にしてくださいね。

また久々にラケットを握ったものの「自分はもっとサーブが上手かったのでは?」「こんな球も捕れなくなってしまったのか」など自信喪失につながりやすく、せっかく始めた運動に対して、負の気持ちが生じてしまうのです。

中高年がスポーツを始めるときに 気をつけたいこと
出典=『女医が教える性のトリセツ』

もし中高年になって今の自分を変えたいという方は、新しいスポーツをオススメします。

テニスやサッカー、バドミントンなど、メジャーなスポーツはすでに自分よりも上手な人が大勢います。経験豊富なベテランと実力差がある中で、自分は初心者から始めなくてはならないのです。

「なにくそ!」と思える方は良いかもしれませんが、多くの場合、その実力の差をなかなか埋められず、ストレスを感じるようになります。なんだか楽しくない、という気持ちから運動するのが億劫になってしまうのは、本末転倒です。

しかし新しいスポーツなら、皆、スタートラインがほぼ一緒の初心者なので、新しい気持ちで始めることができます。左の表はニュースポーツの一例です。気になるものがあれば、ぜひトライしてみてくださいね。

ニュースポーツの例
出典=『女医が教える性のトリセツ』

■ED予防に効果的な精力が蘇る食材

生涯現役を目指すのであれば、ぜひ見直したいのが食事です。特にED対策でオススメするのは「地中海料理」です。地中海料理は野菜、全粒穀物、オリーブオイル、適度な量の乳製品、卵、魚、鶏肉をとる食事法です。

EDの大きな要因として、血管の老化と神経の障害が挙げられます。つまり血管を若々しく保ち、抗酸化作用のある食事を毎日とることで、血管が強くなり、血流が改善し、結果として陰茎の海綿体静脈にも血液がどんどん送られることにつながるのです。

中でも中高年がとるべきは、質の良い油です。特にオリーブオイルには血管を健康に保ち、動脈硬化を防ぐ働きがあるほか、身体全体のめぐりを良くする働きがあります。

逆にラードやバター、パーム油などの飽和脂肪酸はコレステロール値を上げ、ドロドロ血を作るので、血流が悪くなります。血流の悪化はEDの元凶です。

とりたい油/控えたい油
出典=『女医が教える性のトリセツ』
とりたい食材/とりたいサプリメント
出典=『女医が教える性のトリセツ』

男性ホルモンのテストステロンを増加する食材には、にんじん、玉ねぎ、山芋、ニンニクなどの野菜があります。

ラットを使った研究では、ニンニクと高たんぱく質の食事を合わせて食べることで、テストステロンが増加するという結果が報告されています。筋肉を増強させる高たんぱく質を合わせて食べることは、人間にとっても大切なことです。

また、血管を守る抗酸化作用が強い食材としては、にんじん、かぼちゃ、トマト、ブロッコリー、ぶどう、ブルーベリーなどの色が濃い緑黄色野菜や果物がオススメです。

EDの改善だけではなく、健康寿命を延ばすためにも、これらの食材をバランスよく取り入れて、日々の食事を楽しんでください。

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富永 喜代(とみなが・きよ)
富永ペインクリニック院長
医学博士。日本麻酔科学会指導医。1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、2万人超の臨床麻酔実績を持つ。2008年愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業。全国から患者が集まり、のべ23万5000人の痛みを治療し、性交痛外来では5000人のセックスの悩みをオンライン診断する。YouTube「女医 富永喜代の人には言えない痛み相談室」は開設1年で総再生回数3200万回再生、チャンネル登録者数17万人、TikTokフォロワー5.5万人。Facebook は年間1300万人にリーチする。

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(富永ペインクリニック院長 富永 喜代)

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