「課長につかまって3時間残業だよ」に「断れなかったの?」と答えるのはNG…会話の達人はこう返す
プレジデントオンライン / 2022年7月5日 11時15分
■要約サイトで人気だった「6月のビジネス書」ベスト20
第2位:『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』(越川慎司著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第3位:『誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方66のルール』(野口敏著、すばる舎)
第4位:『働くあなたの快眠地図』(角谷リョウ著、フォレスト出版)
第5位:『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力』(枡野俊明著、三笠書房)
第6位:『限りある時間の使い方』(オリバー・バークマン著、高橋璃子訳、かんき出版)
第7位:『Microsoft Wordを開発した伝説のプログラマーが発見した「やりたいことの見つけ方」がすごい!』(リチャード・ブロディ著、坂元信介訳、文響社)
第8位:『世界2.0』(佐藤航陽著、幻冬舎)
第9位:『性格4タイプ別 習慣術』(古川武士著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第10位:『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』(佐々木俊尚著、東洋経済新報社)
第11位:『東大ケーススタディ研究会 伝説の「論理思考」講座』(白木湊著、東大ケーススタディ研究会編、東洋経済新報社)
第12位:『お金に困らない人が学んでいること』(岡崎かつひろ著、すばる舎)
第13位:『新訳 引き寄せの法則』(エスター・ヒックス/ジェリー・ヒックス著、本田健訳、SBクリエイティブ)
第14位:『メタバースとWeb3』(國光宏尚著、エムディエヌコーポレーション)
第15位:『世界一シンプルな問題解決』(中尾隆一郎著、フォレスト出版)
第16位:『できる人は必ず持っている一流の気くばり力』(安田正著、三笠書房)
第17位:『すごい神話』(沖田瑞穂著、新潮社)
第18位:『頭のよさとは何か』(中野信子/和田秀樹著、プレジデント社)
第19位:『現代思想入門』(千葉雅也著、講談社)
第20位:『GAFA next stage ガーファ ネクストステージ』(スコット・ギャロウェイ著、渡会圭子訳、東洋経済新報社)
※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2022年6月の閲覧数ランキング
■仕事は「すぐやる」「すぐ出す」「すぐ答える」
今月の第1位は、北野唯我氏の新刊『仕事の教科書』でした。
![北野唯我『仕事の教科書』(日本図書センター)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/1200wm/img_f2c058f0c88f95731b2dccdce2f75599123088.jpg)
北野氏には『転職の思考法』や『天才を殺す凡人』などベストセラーがあります。
北野氏はこれまで、「売上1兆円グループの大企業」「世界三大外資系戦略コンサルティングファーム」「スタートアップ」という異なる分野の一流企業にて、経営戦略に携わってきました。本書ではその経験をもとに、「自分が若い頃に戻れるなら、つぎはこうする」という仕事術を紹介しています。
本書によると、仕事における最大の武器は「スピード」です。その理由は、仕事を速くさばける人は量をこなせるし、時間をかけて質を高めることもできるから。そして、その人の仕事のスピードは、ビジネス人生のはじめに決まることが多いため、若いうちはとにかくスピードにこだわることを勧めています。
そのために意識したいのは「すぐやる」「すぐ出す」「すぐ答える」。この3つの「すぐ」を身につければ、周囲からの信頼を獲得できるでしょう。そして信頼を積み重ねた結果、自分の好きな仕事ができるようになるはずです。
北野氏は「入社数年目の若い方はもちろんですが、普段なかなか仕事術を見直すことが少ない中堅層の方にも、ぜひお読みいただきたい」と語っています。より楽に、より大きな成果を出せるようになりたいすべての方に一読をおすすめします。
■「残業沼」をうまいことすり抜ける5%の実例満載
第2位は、『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』でした。
![越川慎司『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/d/1/1200wm/img_d19a463d6d05a0ec990bc44ab40f5659120004.jpg)
『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』、『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』に続く、越川慎司氏の「5%」シリーズの新作です。
今作のテーマは「時間術」。人事評価トップ5%の社員が実際に行っている、短い時間で成果を上げる時間術がたっぷり紹介されています。
例えば、タスクマネジメントについて。「5%社員」は、「仕事を引き受けるかどうか考えること」もタスクマネジメントの一部だと捉えています。その上で、引き受けた仕事を「自分でやること」と「誰かに依頼すること」に分けて管理します。
といっても、自分が楽をするためだけに、一方的に誰かを巻き込んでいるわけではありません。ポイントは「相手のベネフィット」と「依頼内容の意義を」しっかり伝え、相手が納得したうえで仕事を依頼すること。そうすれば、自分も相手も気持ちよく、より大きな課題を、より効率的に解決できます。
本書にはこの他にも、今日から使える「5%社員」の時間術が紹介されています。“残業沼”から抜け出したいなら、まず本書を読むことから始めてみませんか。
■「課長につかまって3時間も残業」にどう返せばいいのか
第3位には、2009年に発売され、今も愛され続けるロングセラー『誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方66のルール』がランクインしました。
![野口敏『誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方66のルール』(すばる舎)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/8/1200wm/img_382bbdc139033d38b85af2c70d7bea4a70631.jpg)
同僚から「昨日は定時で帰れると思ったら、課長につかまって3時間も残業だよ」と言われたら、あなたはどんなふうに返しますか?「どんな仕事だったの?」「なんとか断れなかったの?」と質問する方が多いのではないでしょうか。
しかし著者によると、こうした会話の進め方はNG。なぜなら、あなたが会話の方向性を決めてしまっているからです。正解は「うわっ、そりゃ災難だったね」と返すこと。そうすれば相手は、安心して愚痴を言い始めるでしょう。
このように、会話では、自分の「聞きたい方向」に誘導しないことが大切です。まずは相手の気持ちが「プラス」と「マイナス」のどちらなのかを察知し、その気持ちに合った反応をするようにしましょう。
仕事でもプライベートでも役立つ会話術が満載の本書。人間関係を円滑にしたい方におすすめの一冊です。
■起床後コーヒーを飲みながらメールをチェックはNG
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は、『働くあなたの快眠地図』でした。
![角谷リョウ『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/e/8/1200wm/img_e89d5d985e9c8ab04c9d4fe6db058e4c99583.jpg)
あなたは、毎日ぐっすり眠れて、すっきり起きられているでしょうか? 仕事中に眠くなっていませんか? もし、睡眠不足で仕事のパフォーマンスが下がってしまっているなら、本書を手に取ってみましょう。
著者、角谷リョウ氏は、スリープコーチとして、計120社、累計6万5000人以上のビジネスパーソンの睡眠をサポートしてきました。もともとは筋トレを教えていたところ、「働く人が一番困っているのは睡眠だ」と気づき、スリープコーチに転じたのだといいます。
仕事の効率を上げたい人が注目すべきは、朝の過ごし方。朝起きたらまず、コーヒーを飲みながらSNSやメールをチェックしてから仕事に取りかかる――。実はそんな過ごし方はNGです。
本書によると、コーヒーのベストタイミングは、目覚めて1時間以上経ち、仕事に取りかかる頃。寝起きに飲むと、ストレスに抵抗したり体内でエネルギーを作り出したりするホルモンを分泌する能力が下がってしまうからです。またSNSやメールは、起きたばかりのフレッシュな脳にストレスをかけてしまうので、重要な仕事を済ませてからチェックするのがベストです。
仕事のパフォーマンスを改善したいなら、まずは睡眠を見直してみましょう。本書が心強い味方になってくれるはずです!
■曹洞宗の住職が語る「放っておく力」の身につけ方
第5位の『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力』にもご注目ください。
![枡野俊明『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力』(三笠書房)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/e/9/1200wm/img_e90c243de138f46419b3e68ccb2fc45667140.jpg)
相手に好かれたくて違う自分を演じがち、世間の平均に気を取られてばかり、優柔不断であれこれ悩んでしまう――。そんなあなたには、本書を読んで「放っておく力」をつけることをおすすめします。
曹洞宗の住職である著者、枡野俊明氏は、世の中には放っておいたほうがいいことがたくさんあると指摘します。情報があふれ、人間関係が複雑化している現代において、すべてに細かく対応するのは難しいもの。そんな時代にあって、「放っておく力」はもはや、上手に生きるための必須のスキルなのです。
今日から実践したいのは、「未来をいちいち気にしないこと」。誰しも、先のことをモヤモヤと心配してしまうもの。でも、どれだけ多くのデータをそろえ、どんなに時間をかけて考えても、未来のことは誰にもわかりません。
ならば、モヤモヤするだけ時間の無駄だと割り切りましょう。そして、今できることにエネルギーを注ぐのです。そうすれば、未来はもっといい方向に変わっていくはずです。
■「人生は4000週間しかない」人生を有意義に使うには
最後にご紹介したいのが、第6位の『限りある時間の使い方』。
![オリバー・バークマン著、高橋璃子訳『限りある時間の使い方』(かんき出版)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/1/3/1200wm/img_13c2b525c285edfaf1fb7e7eafcecdc182399.jpg)
人生はたった4000週間しかない――。本書で著者は、読者にこの驚くべき事実を突きつけます。こんなに短い人生を有意義に使うには、いったいどうすればいいのでしょうか。
ポイントは、「すべてを手に入れることはできない」と認めること。その上で、本当にやりたいことを真っ先にやる、同時に進行する仕事の数を減らす、優先度「中」のタスクを捨てる、の3つによって、タスクを上手に減らし、最も重要なタスクに集中できるようにします。
また、忙しいはずなのに、仕事中についSNSを見てしまうことはありませんか? 著者はその理由を「仕事という苦痛を目の前にして、気を紛らわせてくれるものに逃げ込んでいるから」だと断言します。
つまり、仕事に集中したいからといって、スマホの電源を切ったり、SNSアプリを削除したりしてもあまり意味はありません。それよりも、「仕事が苦痛だ」という気持ちを受け入れ、そんな自分と向き合っていくことが重要なのです。
本書を読めば、たった4000週間しかない人生の時間と、もっと真摯(しんし)に向き合えるようになるでしょう。「人生はたった4000週間しかない」という事実にドキッとした人は、ぜひ手に取ってみてください。
今月も、時間術からメタバース、哲学まで、幅広いジャンルの本がランクイン。ほかにも、先月第7位だった『頭のよさとは何か』が第18位と引き続き多くの方に読まれています。
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(flier編集部)
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