だいたいの大人の知能は中学生レベル…ひろゆきが「語彙力が低い人のほうが仕事ができる」と言い切るワケ
プレジデントオンライン / 2022年7月30日 11時15分
※本稿は、ひろゆき『無理しない生き方』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
■語彙が減ると、相手に説明しやすくなる
僕は、何かを説明するときには、中学生ぐらいの人でもわかることを心がけています。
なぜそうするかというと、だいたいの大人は、年は取っていますが、知能レベルは中学生からさほど変わっていないからです。
もちろん、中学生レベルよりも高い理解力を持つ人もいますが、びっくりするぐらい理解力の低い人も、世の中にはたくさんいるものです。
そういう人に限って、自分の理解力が低いことをわかっていませんので、説明する側に問題があるかのようになってしまうんですね。
なので、そういう人にも伝わる表現を心がけているのですが、そうすると、語彙(ごい)が少ないほうが相手に伝わりやすいことを実感するんです。
僕も、昔に比べると日本語の語彙が減ったのを痛感しています。
というのも、フランスにいると、1つの物に対して日本語、英語、フランス語の3つで覚えなくてはなりません。とてもややこしいですから、単語が覚えられないのです。
でも、語彙が減ると、他人に話を伝えやすくなるんです。簡単でわかりやすい表現しかしませんから。
「語彙を増やしたほうが相手に伝わりやすい」と思う人もいるかもしれませんが、逆なのだと僕は思います。とくに、専門用語やカタカナ用語をたくさん身につけても、同業者だとか知識レベルの高い人など一部の人にしか通じませんので、説明することが下手になるだけです。
■相手のわかる言葉を使って説明してみる
ちなみに、仕事や趣味などで、専門用語やカタカナ用語を覚えたら、それを誰にでもわかる言葉に言い換えてみると、説明することがうまくなると思います。
親や友人に、「『アジェンダ』はどう説明しよう?」とか、「『KPI』をどのように伝えよう?」など、相手のわかる言葉を使って、噛み砕いた説明の仕方を考えてみることです。
僕も昔は説明することが苦手でした。
たとえば、彼女に麻雀の説明をしても、その説明がわかりにくくて、しかも相手が理解できないことを詰めてしまい、泣かせたこともあるくらいです。そのころは平気で専門用語を使っていました。
![立ったままノートパソコンを片手に説明する女性](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/a/d/1200wm/img_ad83d6c589b9f0eb4f44f28ea425279c300081.jpg)
しかし、そのあと、専門用語を使わずに、ほかのゲームのたとえとか、相手が知っている単語だけで説明をするとか、少ない語彙のなかでわかりやすい表現に言い換えることを心がけたことで、説明することがうまくなったと思います。
要は、無理に語彙を増やす必要はないんですね。
■相手の考え方を変えることはできない
相手に欠点を直してもらいたいときや、職場などで和を乱す行為をなくしてほしいときなど、誰かを説得したいと思う機会があるかもしれません。
でも、説得するという行為は意味がないと僕は思います。
説得するというのは、「説得で相手の考え方を変えられる」ことが前提になりますが、相手の考え方を変えることはできません。
表面上はわかったようでいても、「そういわれても、信じられないな」などと思われて、腹の底から「納得」させることは、なかなか難しいことです。
職場の先輩の、周囲と協調しない態度を改めてもらいたいと思っても、もし後輩に説得されて改めるぐらいなら、最初からとっくに改めているはずですよね。
相手の人がちゃんと論理的に考えることができ、物事を好き嫌いではなく正しさで判断できるのであれば、説得によって変わる可能性はあります。
でも、そういう人は、僕の経験では10%いるかどうかです。
■自分の意見や情報を伝えればいい
説得という行為は、相手を変えられない。
プラスにならないだけではなく、マイナスもあります。最近の流行語を用いていうと、相手を「論破する」というのは、気持ちのいいことかもしれませんが、実際は自分にとって圧倒的に不利なことです。
いいくるめられて嬉しい人なんてこの世にいないわけで、恨みを買ったり、復讐されたりするおそれがありますから。
なので、人と言い合うときや議論するときも含めて、「説得しない」というのは重要なポイントです。
やるべきなのは、あくまで自分の意見を伝えることと、客観的なデータや事実などの情報を伝えることにとどめておくことです。
■説得をあきらめれば苦にならない
それでも間違った考えを変えないのであれば、「この人はそういう人なんだ」と思うしかないんですよね。というか、そう思って説得をあきらめるほうがいいんです。
たとえば、会社のなかで、うまく仕事が進まないと物に当たったり、機嫌が悪くなったりする先輩がいて、職場の空気が悪くなるとします。
このような場合、とりたてて実害がないのであれば、説得してそういう行為をやめてもらうのではなく、放っておくのが一番の対処法です。
![ひろゆき『無理しない生き方』(きずな出版)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/1200wm/img_f2545264a9904bd15dece446066a49fe228293.jpg)
梅雨に雨が続いて嫌な気分になる人は多いでしょうが、「梅雨に雨が降るのが気になって仕方がありません。どうすればいいでしょうか?」とはだれも考えませんよね。「まあ、しょうがないよね」とあきらめると思うんですよ。
それと同じことです。
要は、あきらめていないと、よけいに気になるわけです。何か対処法があるんじゃないかとか、こうやったら説得できるんじゃないかみたいなのがあると、自分に対処可能な問題であるような気がしてしまい、すると、それを変えられない自分にストレスを感じてしまうんですね。
そうではなく、目の前にライオンがいたら「戦ったら絶対勝てないよね」となるように、「これって自分の手に負えるものじゃないよね」と、さっさとあきらめてしまうほうが、よけいなストレスが溜まらないので、ラクになるんですよ。
相手を説得することなどできないのですから、自分を苦しめないために、あきらめることも大切だと思ってください。
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2ちゃんねる創設者
東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は150万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)など。
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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)
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