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せっかちな人はいつまでも満たされない…「時短」より「スローライフ」のほうが幸せに近付けるワケ

プレジデントオンライン / 2022年8月8日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/franckreporter

幸せになるには、どうすればいいのか。ミニマリストTakeru氏は「現代社会は競争と無縁ではいられないが、いくら競争を続けても幸せにはなれない。時には競争からいったん降りて、自分なりの幸せの基準をつくるといい」という――。

※本稿は、ミニマリストTakeru『貯まらない生活はもうやめよう モノを手放すだけで増える「お金と幸せの法則」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■社会はお金やモノ、地位を「もっと欲しい」と思うようにできている

私たちは誰もが、お金にある程度縛られて生きています。会社の仲間と売上を競い合ったり、ライバルに負けじと仕事を頑張ったり、年収や資産額を他人と比べて一喜一憂した経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

しかしその一方で、誰かが勝ち、誰かが負ける、延々と競争し続けないといけない状態に疲れてしまった人もいるはずです。さらには、自分が周りと比べて勝(まさ)っている時でも、誰かに妬まれたり、嫌がらせをされたり、上には上がいることを知ってしまったりすると、終わりのない戦いに巻き込まれていきます。

こうして私たちは、自分の脳に「負けたくない」「まだ足りない」というメッセージが送られ続けてしまうのです。この世界は、たとえ自分に必要ないものでも「もっと欲しい」と思わせるようにできています。私たちがどれだけ稼ぎ、どれだけいい車や家、ブランドモノ、装飾品を買っても、どれだけ貯蓄しても、どれだけ地位を高くしても、まだ負けているように感じるのは、それが原因です。

お金は確かにあなたの力になってくれますが、お金を手にしたからといって、幸せが保障されるわけではありません。大事なのは、お金との付き合い方です。

■「自分は自分、他人は他人」と割り切る

では、私たちはどうすればいいのでしょうか。私がオススメしたいのは、競争や争いの世界から、いったん、降りてみることです。

もしあなたが今、この競争社会に疲れているのであれば、仕事をしばらく休んでみることも1つの手段でしょう。私も実際に、競争社会に疲れ、病状が悪化し、何度も仕事を辞めたり、長期間休んでいた時があります。そして、私はそれを機会に、周りと競わなくて済むような、自分らしい生き方を模索し始めました。

右端の紙飛行機が1機だけコースを外れていきそう
写真=iStock.com/hachiware
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/hachiware

しばらく考えた末に、「自分は自分、他人は他人」「自分のために好きなことを仕事にして、健康的に、自由に、生活費よりちょっとプラスしたぶんのお金さえ稼げればよしとしよう」という、自分なりの幸せ基準をつくることにしました。そして、誰かより売れなくても、誰かより収入や資産が低くても、誰かに負けても、自分が生きたいように生きていればそれでいいと、割り切るようにしたのです。

ぜひあなたも、自分の意志で、自分を幸せにする基準を決めてみてください。例えば、働く時間や休暇の日数、仕事の内容、必要十分な収入、働き方など、自分らしい自由な生活を考えてみましょう。新たに自分の中で新しい生き方を再構築してから、再スタートするのです。

■すべての判断基準は「自分にとって幸せかどうか」

この大量消費社会の中で、自由な時間をたくさん持っていたり、家族との時間を大事にしていたりしても、賞賛されることはほとんどありません。「社会からドロップアウトした」「ただの負け惜しみ」なんて思われる可能性だってあります。でもこれは、多くの人が競争社会で生きている以上、仕方がないことです。そのことは、理解しておく必要があります。

もし、あなたがこの競争社会から一度抜け出したいのであれば、他人の生き方や幸せは関係なく、「自分にとっての幸せ」を判断基準にしてください。友人や家族との時間を大切にしたり、あるいは趣味や関心事に時間を使ったり、そんなふうに喜びや幸せをもたらしてくれる活動を増やすのです。

競争したくなったら、よきライバルと競い合っても構いません。また疲れてしまったら、休めばいいのです。でも、あなたにとっての幸せだけは、見失わないように気をつけてください。私も根っからの負けず嫌いだったこともあり、無意味に競い合って、勝手に疲れ果て、自分の幸せを見失ってしまうことがありました。

比べるのは、周りではなく過去の自分。自分の幸せを、忘れてはいけません。

■「動きをゆっくり、丁寧にしてみよう」

仕事に追われ、家事に追われ、忙しい毎日を送っていると、心ここに在らずの状態になります。そこで、私がオススメしたいのはスローライフです。仕事が休みの日だけでもいいので、丁寧な暮らしを意識してみてください。大事なのは、1つ1つの動きをゆっくり、丁寧に、心を込めて行うことです。

1歩1歩歩く時、階段を1段1段上る時、歯を磨く時、掃除の1拭き1拭き、お皿を1枚1枚洗う時、野菜やお肉を1回1回切る時、メールを1文字1文字打つ時、コーヒーやお茶を入れる時、本を読む時、ご飯を食べる時│どんな動作も、ゆっくり行うのです。急いではいけません。あえて、「時短生活」を送らない生活をするのです。

朝のキッチンでコーヒーを淹れる男性
写真=iStock.com/AleksandarNakic
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AleksandarNakic

いつもは急いで生活をしていると、ただのなんともない作業でしかありません。しかし、スローライフを送ることで「当たり前の作業はとても尊く、生活に大事な要素」だと気づく人もいるでしょう。いつもは高速道路を走っているかのように猛スピードで走り続けている人でも、一度一般道に降りて、ゆっくり走ってみる楽しみを味わってほしいのです。見える景色がゆっくりになり、小さな幸せにも気づけるようになります。時短生活もいいですが、時にゆっくり落ち着いた生活もいいものです。

アメリカの心理学者で哲学者でもあったウィリアム・ジェームズに、次のような言葉があります。

「心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる」

つまり、あなたの運命を変える第一歩は、「心」なのです。だからこそ、スローライフの丁寧な暮らしで、どんなに些細(ささい)なことや当たり前のことにも、心を込めることから始めてみてください。同じことをしていても、そこに心があるのとないのとでは、その行動も、そしてその行動の結果も変わっていくからです。小さなことにも心を込める習慣を、ぜひ身につけてみてください。

■スローライフを実現するためにはモノを減らす

スローライフを送る上で重要なポイントは、まずは減らすことです。

モノが多く、タスクも家事も多い状態では時間が足りなくなり、結局ストレスが溜まる原因にもなりかねません。丁寧でゆっくりした生活を送りたい方は、モノをまずは減らしてみましょう。モノを減らせば、自然と家事も減り、丁寧な暮らしにどんどん近づいていくはずです。

そして、当たり前のことに目を向けてみてください。例えば、早寝早起きや十分な睡眠時間の確保、入浴、適度な運動、毎日の清掃、整理整頓など、学校やご両親からよく言われてきたことを念入りにやってほしいのです。丁寧でゆっくりとした規則正しい生活は、疲れにくく、心を落ち着けてくれます。自然と日々の生活の中で幸せなことに気づき、自分らしい幸せも見えてきます。きっと、ご機嫌な毎日が過ごせることでしょう。ぜひ今日から、自分自身を労(いたわ)り、丁寧に扱うように、もてなすように、ゆっくりと時間を過ごしてみてください。

お金はあくまで、あなたが心から好きな生活を送る手段として重要なものです。ですが、私たちは、自分にとって何が本当に必要なのかを滅多に考えることがありません。その結果、それほど重要ではないことにお金を使ってしまうことが少なくないのです。人によっては、「自分を幸せにすること」を犠牲にすることすらあります。あなたは、自分の幸せにお金を回せていますでしょうか?

実はそれほど欲しくないにもかかわらず、私たちは他人がお金を使っているものにとらわれ、自分の周囲の人と似たようなライフスタイルを送る傾向にあります。周りに影響され、自分にとっての幸せがわからなくなり、自分の幸せを犠牲にして、借金や必要以上の浪費をしてしまい、金銭的に余裕のないライフスタイルを送ってしまうのです。その一方で、節約をしたいがために、自分の幸せを我慢してまでお金を使わない生活をしている人もいます。

この2つに共通しているのは、「そのお金で幸せになれたはずの将来の自分」を失っているということです。

■収入の10%は貯金し、それ以外は自分のために使う

冷静になって、あなたの幸せには何が必要なのか、何が人生に喜びをもたらしてくれるのかを自問自答してみましょう。そうすれば、より注意深く、より明確な目的を持って、お金を使うことができるはずです。自分を幸せにするものにお金を使っていきましょう。

人と比べることができない、数字や金額では表せない、あなたらしい幸せとは何でしょうか。家族との時間? 旅? 友人との時間? 美味しいご飯を食べる時間でしょうか? 本を読む時間? 寝る時間? 自分の幸せを、犠牲にしてはいけません。

予算を細かく決めて、予算内でキッチリ家計を回すのが上手な人がいる一方で、そのような節約法にストレスを感じている人も少なくありません。余裕を持って、節約や貯蓄ができるように、あなたにとっていいバランスを見つけるようにしてみてください。より余裕を持って節約と貯蓄をしたい方に、オススメの方法があります。やることはシンプルに2つです。

① 毎月の貯蓄額を決める。収入の10%を目安にする
② 残り全額は、自分の幸せのためにお金を使っていいと決める
ミニマリストTakeru『貯まらない生活はもうやめよう モノを手放すだけで増える「お金と幸せの法則」』(KADOKAWA)
ミニマリストTakeru『貯まらない生活はもうやめよう モノを手放すだけで増える「お金と幸せの法則」』(KADOKAWA)

こう決めるとどうでしょうか。少しは気持ちに余裕が出てきませんか? 自身の幸せを確保しながら、将来を見据えて貯金をするのです。例えば、収入の90%で生活をすると決めれば、浪費癖のある人でも、自分の欲望に優先順位をつけることができるでしょう。そして、どこにお金を使うべきかを考えるようになり、必ずしも必要のないものにお金を使うことがなくなっていきます。

そして、自分の幸せを犠牲にして極端な節約をしている人も、余裕を持って生活をすることで、「本当の幸せ」とは何かを考えるキッカケとなり、自分が一番幸せになることにお金を使えるようにもなるはずです。節約や貯蓄は、継続することが何より大事です。自分の幸せがわからずにお金を使っても、そして自分の幸せを犠牲にして節約をしても、人生を楽しむことはできません。

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ミニマリストTakeru(ミニマリストタケル)
YouTuber
登録者は10万人超、月間260万PVのYouTubeチャンネルを運営。「ミニマリスト」を目指し始めたのは2015年。難病が再発し、収入も貯金もゼロになったことで心機一転。3000個以上のモノを手放し、住環境や人間関係、家計管理を見直して、一度人生をリセット。ゼロから生活を見直し、節約・貯金・複業・投資を経て、2021年にFIRE(経済的自立)を達成。「モノはより少なく、自由で豊かな人生」を実現するためのミニマリズムを世界に広めている。主な著書に『月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト生活』『月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト整理術』(ともにクロスメディア・パブリッシング)。

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(YouTuber ミニマリストTakeru)

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