今、会社員が貪るように読む…数字を残してないのに高評価を得られる最新"口の聞き方・耳の傾け方"本
プレジデントオンライン / 2022年8月12日 11時15分
■要約サイトで人気だった「7月のビジネス書」ベスト20
第2位:『こうして社員は、やる気を失っていく』(松岡保昌著、日本実業出版社)
第3位:『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(小林弘幸著、アスコム)
第4位:『優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?』(林健太郎著、三笠書房)
第5位:『論破力』(ひろゆき著、朝日新聞出版)
第6位:『独学の思考法』(山野弘樹著、講談社)
第7位:『年収300万円FIRE』(山口貴大(ライオン兄さん)著、KADOKAWA)
第8位:『あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる』(小澤竹俊著、アスコム)
第9位:『できる人は必ず持っている一流の気くばり力』(安田正著、三笠書房)
第10位:『勉強が面白くなる瞬間』(パク・ソンヒョク著、吉川南訳、ダイヤモンド社)
第11位:『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』(伊庭正康著、明日香出版社)
第12位:『NEW SALES』(麻野耕司著、ダイヤモンド社)
第13位:『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?』(上村紀夫著、クロスメディア・パブリッシング)
第14位:『スタンフォードの眠れる教室』(西野精治著、幻冬舎)
第15位:『未来実現マーケティング』(神田昌典著、PHP研究所)
第16位:『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』(大嶋信頼著、祥伝社)
第17位:『ストレス脳』(アンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳、新潮社)
第18位:『スモールビジネスの教科書』(武田所長著、実業之日本社)
第19位:『ハーバードの人生を変える授業』(タル・ベン・シャハー著、成瀬まゆみ訳、大和書房)
第20位:『限りある時間の使い方』(オリバー・バークマン著、高橋璃子訳、かんき出版)
※本の要約サイト「flier」2022年7月の閲覧数ランキング
■結果を残すより早く評価を得るには説明上手になれ
今月の第1位は『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』でした。
![ハック大学 ぺそ『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/8/1200wm/img_382cb80066e2522331f93aa43f3e877a197444.jpg)
ビジネスで相手の評価を得る一番確実な方法は、結果を残すこと。でも、結果を残すより早く評価を得る方法がある。それは説明上手になることだ――。著者は本書の冒頭で、説明力の重要性をこのように説明しています。
では、どうすれば説明上手になれるのか。本書では多くのポイントが紹介されますが、すぐに実践したいのは「抽象から具体へ」の流れを守ること。
具体的な話から始めると、相手は戸惑ってしまうものです。例えば、取引先からクレームの電話があり、課長に対応してほしいなら、「今、A社から電話がかかってきまして、かなり怒ってらっしゃるんです。お怒りの内容は……」ではなく「課長、課長、急ぎのご相談です。今、A社の部長から強い抗議の電話がありまして、課長に出ていただかないと収拾が難しそうです。今回起こったトラブルというのが……」と話し始めるのがベター。説明の内容が「相談」であることを伝えつつ、内容を「重大な抗議」と抽象的に伝えられるので、相手はスムーズに理解できます。
この方法は、雑談でも使えます。例えば、こちら。
■「昨日、渋谷に行ってきたんです」はなぜダメなのか
NG事例は、「昨日、渋谷に行ってきたんです。暑かったけど姪にプレゼントを買いたくて、109の方向に歩いて行ったんですよ。そうしたら、なんと月9に出ていた俳優さんとすれ違ってびっくり!」と時系列で物事を話してしまうようなケース。
正しいのは、「昨日、渋谷ですごくびっくりすることがあって……」と冒頭で「びっくりすることがあった」とトピックを抽象化して伝える方法。このほうが、端的に伝わります。
著者が「こんなにコスパの良いスキルはありません」と語る、説明力。本書を読んでこのスキルを磨き、デキるビジネスパーソンに一歩近づきましょう!
■やる気は「出させる」より「なくさせない」が大事
第2位は、『こうして社員は、やる気を失っていく』でした。
![松岡保昌『こうして社員は、やる気を失っていく』(日本実業出版社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/a/1200wm/img_fa1b74059d1ab4a750d10576c73b6fb2233075.jpg)
あなたの会社のメンバーは、業務に対して十分なモチベーションを保っているでしょうか? もしそうでないなら、本書が良いヒントになるでしょう。
本書の著者は、人の気持ちを理解しない上司の対応などといった「やる気を下げる要因」を取り除けば、社員のやる気は勝手に上がっていくとしています。「忙しい」が口癖で部下と向き合わない上司、「こうに決まっている」と決めつける上司、失敗するたびに責任を部下に押しつける上司……。「あるある」とうなずく方も多いのではないでしょうか。
ポイントは、やる気は「出させる」より「なくさせない」という観点で考えること。やる気を個人的な問題とせず、職場の問題とみなして、やる気を「なくさせない」ための対策を講じましょう。
集団には、同じような人が集まるもの。取り組みを続けていくうちに、「やる気のある集団」が出来上がり、成果が変わってくるはずです。
■不調の原因の多くは、自律神経の乱れにあり
第3位には、季節の変わり目の体調不良に悩む人におすすめの『結局、自律神経がすべて解決してくれる』がランクインしました。
![小林 弘幸『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/d/4/1200wm/img_d41843bda908d78b7fa5d6c843882de8254511.jpg)
季節の変わり目だけでなく、人事異動や引っ越し、親しい人との別れ、進学、就職、昇進、結婚、出産……そうした環境の変化によって、体調を崩したことがある方は多いでしょう。そうした不調の原因の多くは、自律神経の乱れにあります。
自律神経は、人の内臓の働きや代謝、体温などを自動でコントロールする仕組みのこと。活動的なときに活性化する「交感神経」とリラックスしているときに活性化する「副交感神経」の2種類があり、私たちの健康は2つのバランスによって保たれています。不調が生じたら、「自律神経を整えよう」という体からのサインだととらえましょう。
自律神経を整えるために試してほしいのは、良質な睡眠をとること。まずは「毎日何時間寝る」「何時に寝て何時に起きる」と決めることから始めてみてください。それにプラスして、寝室の環境を整え、副交感神経を活発にするスイッチをたくさん作っておくこと。リラックスできる音楽をかける、眠りを誘う香りを用意する、温めたタオルを首に巻いて首の筋肉を温めるなどが効果的です。
本書には、自律神経を整えるための生活習慣がたっぷり紹介されています。季節の変わり目や環境の変化を健康的に乗り切りたいなら、本書がヒントをくれるはずです。
■傾聴力とは…部下に「静かな時間を提供すること」
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は、『優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?』でした。
![林健太郎『優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?』(三笠書房)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/a/c/1200wm/img_ac1275d35872d2cfaf8f7c0f4dfd5dbb126282.jpg)
リーダーは「聞く力」を磨くべきだ――。よく言われることですが、その理由を十分に理解している人は決して多くないでしょう。
本書によると、リーダーが聞く力を磨くべき理由は3つ。1つ目は、「定年というゴールに向けて仕事をし続けること」が当たり前ではなくなり、「仕事だから、文句を言わずにやってくれ」が通用しなくなったから。2つ目は、好かれる上司は「話を聞いてくれる上司」だから。3つ目は、「聞かないこと」によって部下から上司への反感が高まり、モチベーションの低下や退職につながりかねないから。どれも納得のいく理由ではないでしょうか。
本書は、部下の話を聞くときの心がまえを丁寧に教えてくれます。カギは部下に「静かな時間を提供すること」。沈黙に耐えられない人もいるかもしれませんが、そこはグッと我慢。やわらかく微笑んで、相手が話しだすのを待ちましょう。
傾聴力を磨けば、部下からの信頼度がアップするでしょう。その結果、チームワークが高まって成果が上がるなど、あなたの評価にもつながるはずです。
■自分がやらなくてもいいことは周囲に任せる
第11位の『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』にもご注目ください。
![伊庭 正康『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』(明日香出版社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/0/1200wm/img_305ad5e2b4479e3bdf23c5d469e800a9152994.jpg)
忙しく働いているのに、思うような成果が上がらない――。そんな人には、本書がぴったりです。
本書では、仕事をサクサク進める80の「ワザ」が紹介されています。そのうちの一つは、「自分がやらなくてもいいことは周囲に任せる」。より大きな成果を出すために、誰かに助けを求めるのです。
そのためには、「一人でやったほうがいいこと」と「周囲にお願いするべきこと」の基準を持ちましょう。そして「自分がやらなくても結果に影響しないこと」は思いきって任せて、結果に影響するタスクのための時間を確保するのです。
とはいえ、いきなりお願いされると困ってしまう人も多いもの。気持ちよく任せるために、お願いの予告をしておくのがコツです。お礼を伝えるのも忘れずに。「○○してくれて、ありがとう、おかげ様で○○と来月の契約が決まりました」などと、手伝ってもらった効果を添えることで、相手は「また、手伝おう」と思ってくれるでしょう。
そのほかにも、ムダをなくす方法やうまく根回しをする方法など、ビジネスパーソンが知っておきたい「ワザ」が満載の本書。できるものから試してみませんか?
■まだOLD SALES?「NEW SALES」への移行法とは
最後にご紹介したいのが、第12位の『NEW SALES』。
![麻野 耕司『NEW SALES』(ダイヤモンド社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/8/1200wm/img_98950fcac7afb4b3203e5fd3e7f28121150000.jpg)
時代は刻々と変化しています。もしあなたが営業担当者なら、古い営業「OLD SALES」から脱却して新しい営業「NEW SALES」へと移行するために、本書がこれ以上ない教科書となってくれるでしょう。
「NEW SALES」のキーワードは「7つのS」。現場で働く営業担当者向けの「Story」「Surprise」「Scenario」「Sympathy」と、組織を動かす営業管理職に向けた「Share」「Score」「Significance」に分かれています。
例えば「Surprise」。顧客のご機嫌うかがい営業だったOLD SALESに対して、NEW SALESは顧客に驚きを届ける「サプライズ営業」です。
リモート時代においては、「近くまで来たので挨拶にうかがいます」は通用せず、そう簡単に商談の機会は得られません。そんな時代において、アポイントを獲得するには、サプライズ営業、つまりビジネスの成果につながる情報を提供するのが有効です。
その実践法として、データ情報で気付きを与えること、トレンド情報で気付きを与えること、セグメント情報で気付きを与えることの3つが挙げられています。
例えば、あなたが30代女性をターゲットとする生命保険の営業担当者ならば、「30代女性がかかりやすい病気」「その病気の治療に必要な費用と、それをカバーできる最新の保険商品」をまとめた資料を提供するのです。
一度身につけたノウハウを更新するのは難しいもの。自分のノウハウが古びていることを認めたくなくても、成果を上げるために本書を読んでみてはいかがでしょうか。目からウロコの発見があるはずです。
今月も、睡眠からFIRE、スモールビジネスまで、幅広いジャンルの本がランクイン。ほかにも、先月第6位だった『限りある時間の使い方』が第20位、第16位だった『できる人は必ず持っている一流の気くばり力』が第9位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。
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(flier編集部)
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