タオルを振り回すだけではない…世界一を目指す「日本の熱波師」たちの異様なサウナ愛
プレジデントオンライン / 2022年8月27日 10時15分
■舞うようにタオルをさばくことで観客を楽しませる
サウナと言っても、温浴施設によって様々なタイプがある。愛好家から人気を集める一つが「アウフグース」だ。
アウフグースとは、ドイツ語で「注入」を意味する単語。サウナ室にあるサウナストーブの石に水をかけ、サウナ室に充満した水蒸気をタオルなどで攪拌(かくはん)させ熱波を楽しむドイツ発祥の入浴法だ。似た言葉で「ロウリュ」というものがある。日本ではこちらが一般的だが、ロウリュはフィンランドで発祥したサウナストーンに水をかける行為を指す。
サウナ室でアウフグースを行う人を「アウフグースマスター」(施設によってはアウフギーサー、熱波師)と呼ぶ。
アウフグースは、音楽や香りを楽しむだけでなく、アウフグースマスターが舞うようにタオルをさばくことで観客を楽しませるショーの要素も持ち合わせたエンターテインメントの一面も兼ね備えている。
一説には、第二次世界大戦後、サウナに入る人が減ったドイツの温浴施設のスタッフがアウフグースを行い、人々のサウナ利用を促進させたのが始まりという。救いを求めていた時代、アウフグースマスターがサウナでそれを手助けした。
■世界大会で競い合う「熱波師のワザ」
アウフグースの特長は、タオルテクニックと物語性を備えたショーにある。イタリアの温浴施設「Cron4」が開催した2007年のチャンピオンシップによりブレイクした。
サウナで汗をかきながら、アウフグースマスターの美しいタオルさばきを堪能する。サウナ内が一つになり、その後も施設内を仲間のような気分で過ごすというショーは、サウナファンの間で話題となり、多くの国のアウフグースマスターが大会に参加するようになった。
そして各国が国内予選を経て優勝者を決定するという、今日のAUFGUSS WMへと発展した。(筆者註:公益社団法人日本サウナ・スパ協会 SAUNA SPA 2022年7月号より一部引用)
大会で競う一つは、熱波師のタオルさばきだ。タオルさばきにも名前がついており、代表的な技は以下の通りだ。
・フラッグ……真横から旗のようにタオルを振る。これも部屋中に蒸気を攪拌する役目。
・パラシュート……後ろから振りかぶり下にタオルを振り下ろす。部屋の上にたまった蒸気を一人一人にぶつけるイメージ。
・エンジェル……天使の羽のように横から背負い投げのように前に振る。これも一人一人に熱波を届ける振り方。
■北海道から始まった日本のアウフグース
これらのアウフグースの技術はいつごろ日本に輸入されたのだろうか。「日本最古のアウフグース」の経緯を知る秋山温泉(山梨県上野原市)の渡辺純一支配人に聞いた。
「元祖は北海道にある札幌テルメ(札幌市北区、現在はシャトレーゼ ガトーキングダム サッポロ)という施設でした。ドイツのバードホンブルグの『タウナステルメ』という温浴施設の支店として、1988年の開業時からアウフグースを導入している珍しい施設だったのです。私は秋山温泉を開業するにあたり札幌に向かい、アウフグースの研修を受けました」
札幌から始まった日本でのアウフグースは、大阪ニュージャパン(大阪市中央区、現在は閉店)やスカイスパYOKOHAMA(横浜市西区)など、各地の温浴施設に広がっていく。そして徐々に知名度を上げていった。
2010年から「熱波甲子園」という熱波師たちがしのぎを削る大会が開かれ、2016年には「熱波師検定」という資格が生まれた。現在、タナカカツキ氏の「サ道」に端を発して空前のサウナブームが巻き起こっており、アウフグースも日本サウナ史上一番の盛り上がりを見せている。
そして2022年7月、満を持してAUFGUSS WMのアジア予選である「AUFGUSS CHAMPIONSHIP JAPAN 2022」がスカイスパYOKOHAMAで開かれることになった。
■「スカイスパYOKOHAMA」が予選会場に選ばれるまで
AUFGUSS WMは2012年から毎年ヨーロッパを中心に行われている、アウフグースの世界大会である。
・ドイツ
・イタリア
・チェコ
・ノルウェー
・デンマーク
・ベルギー
・スロバキア
・ハンガリー
・ポーランド
・オランダ
・オーストリア
・スイス
・ルーマニア
・日本
大会は、各国で予選が行われる。公式審査員たちが20項目以上の基準に沿って審査し、本選に出場するアウフグースマスターを決める。今年は9月12~18日(12日はオープニングセレモニー)にオランダで開かれる。14カ国の予選を勝ち抜いたアウフグースマスターの中から個人および団体の世界チャンピオンが決まる。
1回の演目は15分ほど。3種類のアロマを使用し、熱波やタオルさばきの美しさなどを競う。大会で使用する衣装、小道具、アロマ(自然由来のもの)、音楽や映像もすべて選手が用意する。
なぜ今回、日本がAUFGUSS WMに参加できるようになったのか。
公益社団法人日本サウナ・スパ協会副会長、国際サウナ協会理事でもあるスカイスパYOKOHAMA代表の金(きん)憲碩(けんせき)さんに経緯を伺った。
「元々はスカイサウナという名前で営業していたのです。そして1996年のスカイビル建て替えの際にスカイスパという名称にしました。スカイスパになったころからアウフグースのサービスは始めていましたね」
■最初は「タオルを振り回すサービス」だった
金代表はこう続ける。
「ヨーロッパに視察に行くことが多く、そこで得た知識を社員とシェアしました。アウフグースは温浴施設の裏方であるスタッフが、サウナを舞台に主役になれるよう始めたと言われているので、スカイスパも同じようなスタイルをとっています。ただ最初はアウフグースのショーの要素は取り入れておらず、愚直にアロマ水をサウナストーブにかけてタオルを振り回すというサービスでした」
そこから少しずつ音楽や演劇の要素がアウフグースに組み込まれ、現在の形に変化していったという。
「ここ5年くらいで急激に日本のサウナシーンが進化したと感じています。スカイスパではスタッフ間で様々な意見交換を行い、エクストラアウフグースという有料のイベントを開催したりして、アウフグースマスターがオリジナルの舞や熱波を実演できる場を提供しました」
AUFGUSS WMへの出場を意識したのはいつ頃か。
「2019年9月にオランダでの大会をオブザーバーとして視察した時です。オフィシャルの大会は初めてだったので、やはり衝撃を受けました。技術・熱さ・香り・ショーの構成・アウフグースマスターの所作など細かな採点項目があり、まるでフィギュアスケートのような芸術スポーツ性を感じました。ぜひ日本にこの技術を持ち込みたい、そして日本もこの大会に参加したいと感じた瞬間です」
■費用1億円でサウナ室を整備
しかし、AUFGUSS WMへの出場、日本での予選の開催は簡単ではなかったと語る。
「最大の難関が『サウナ室』の広さでした。世界大会の予選を開催するには、最低でも100人を収容できるサウナ室が必要なのです。もちろん、当時の日本にそれだけ大きな施設はありませんでした」
金代表はスカイスパに100人以上を収容できるサウナ室を造ることを決断した。
「2フロア中1フロアを大改築して、2021年11月に100人超収容できるサウナシアター(約71m2)をオープンしました。それと同時に国際アウフグース協会(AUFGUSS WMの運営母体)とも打ち合わせを進め、やっとの思いでアジア初の予選開催地に選ばれたのです」
今回の改築はサウナシアター・クーリングルーム・男女休憩室等で約1億円かかったとのこと。ここまで金代表を掻き立てるものは何か。
「もちろんサウナシアターを建築するのにも相当費用がかかりました。本当はすべてカプセルホテルにしたほうが採算は良いんですけどね。しかし、日本のアウフグースマスターに、世界と渡り合ってほしいという想いが強いです」
そのきっかけは、2021年にポーランドでAUFGUSS WMを視察した際の出来事だった。
「ポーランドにはアウフグースマスターの箸休めサトシ氏と五塔熱子氏も同行して、世界のアウフグースを見てもらうつもりでした。すると当日、私の友人から2人に、アウフグースを会場でやってみないかと打診があったのです。しかもキャパは300人収容できるメイン会場。二人は突然の大舞台に緊張していて、最初はぎこちなさが目立ちました。しかし、終盤には観客からのスタンディングオベーションが起こる堂々たるショーを行ったのです」
■日本初のアジア予選会場に
この出来事で日本のアウフグースも世界に通用すると確信を持ったそうだ。
「2022年4月にAUFGUSS WMの元チャンピオンを招いて、日本のアウフグースマスターにも世界の技術に触れてもらいました。今回、日本代表が本選に出場しても良い結果を出せるかは全くの未知数です。しかし、世界のアウフグースマスターと交流を重ねて互いに研鑽していくことで、世界水準のレベルまで行けると思います。そうやってサウナ施設とアウフグースマスターが連帯して盛り上げていければと感じています。そしていずれは日本でAUFGUSS WMの本選を開催したいですね」
金代表の熱い想いが叶い、ついに日本で初のアジア予選が行われることになった。個人32人、団体13組がエントリーしている。
審査基準は多岐にわたり、個人60点、団体70点満点での加点方式で採点される。また、タオルを落とすなど原点対象項目を行った場合は減点される仕組みだ。審査項目はショー的要素が占める割合が30~40%であり、これには企画力、独創性、センスなど、創意工夫を施す必要があるため、ポイント配分は高くなる。また、会場の雰囲気(盛り上がり)も重要な要素だ。
この大会で個人・団体の1位と2位がオランダで開催される決勝戦に、3位がスロバキアでのプレイオフに進む。
大会の主役であるアウフグースマスターは、どのような想いで大会に臨んだのだろうか。4人の熱波師を紹介したい。
■「アウフグースマスター」たちの意外な経歴
アウフグースマスターの挑戦①~箸休めサトシ氏~
箸休めサトシ氏はスカイスパ所属、ドイツサウナ協会認定アウフグースマスターであり、お笑い芸人でもある。2019年の熱波甲子園秋大会では団体優勝。アウフグースマスターとしては、2009年に横浜市鶴見区の「おふろの国」で活動を始めた。
「当時はアウフグースの知名度はほぼなくて、お風呂にいるお客さまを無理やりサウナ室に呼び込んでいました。最初はやる側もよくわからず、盛り上げるために1000回あおぐなど無茶なことをやっていました。そのうち体力的にも精神的にも疲れ果て、2012年ごろに逃げちゃうんです」
過酷な熱波で喉も枯れて、お笑い芸人として舞台に立つときも声が出なかった。そこから2年ほど経ち、もう一度アウフグースをやるためにスカイスパ所属を決意する。
「スカイスパでは、金代表が本場から持ってきたアウフグースの技術を勉強し直しました。そして2019年ごろから入館料とは別料金でショーアウフグースを始めました」
■「一生懸命タオルを振るだけでは駄目」
箸休めサトシ氏のショーは「カリブの海賊」や「ドラゴンクエスト」など、コンセプトがある。彼は世界のアウフグースに触れた数少ない一人でもある。
「金代表、五塔熱子氏と2019年にオランダへ行き、世界のアウフグースを目の当たりにして、アウフグースの奥深さを知ることができました。今回のアジア予選は本当にうれしいですね。ただ、世界を見てきた分、人にショーを見せるという難しさも痛感しました。一生懸命タオルを振るだけでは駄目で、お客さまに非現実を体感してもらわないといけないのです」
予選大会では個人のほか、団体戦で五塔熱子氏とタッグを組む。「やはり本場を見てきたアドバンテージはあると思います。2019年にオランダで300人の前であおいだ時の審査員が来るので、成長した姿を見せたいです」。
そんな箸休めサトシ氏はプロアウフグースマスター集団の「Aufguss Professional Team」(以下APTとする)のリーダーでもある。APTに所属しているスター諸星氏にも予選への想いを聞いた。
■きっかけはテルマー湯でのアルバイト
アウフグースマスターの挑戦②~スター諸星氏~
スター諸星氏もお笑い芸人であり、2016年ころからテルマー湯(東京都新宿区)でアルバイトを始めたことからアウフグースの世界にのめり込んでいく。
「サウナはもともと好きだったのですが、お金がない。なのでタダで入れるという理由から温浴施設で働き始めました。最初は独学でやっていたのですが、箸休めサトシ氏とコラボする機会があり、アウフグースの基本技を教わりました。その時は『こんな技術があるのか!』と驚きましたね。そこからいろいろな技を練習して、上野の北欧やスカイスパなどに呼ばれて外部でもあおぐようになったのです」
様々な施設で活動をしていく中で技術をさらに高めた彼は、その後APTに加入。そこからアウフグースマスターたちとの交流が始まる。
「いろいろな施設であおぐようになって感じたことは、アウフグースマスターが施設間の橋渡しになることです。そもそも温浴施設同士はライバルですが、僕らがいることで施設の代表同士が交流を持つようになったのです。これまででは考えられないことでした」
■「生きざまをぶつけたい」
今回の予選には個人のほか、団体でスカイスパ所属の永井テツヤ氏と出場する。
「団体での演目は『サ道』作者のタナカカツキ氏、ドラマ『サ道』音楽担当のとくさしけんご氏と永井氏の4人でチームを組ませてもらっています」
アウフグースには、脱水症状などのリスクが付きまとう。しかし、お金をもらう以上、利用者に満足してもらえるよう限界まであおぐことを心掛けているという。今回の予選で、アウフグースマスターとしての生きざまをぶつけたいと意気込む。
「世界大会の出場者は、余裕さや魅せ方のレベルが違う。アロマの香りの持続力や広がり方も考えられていて、あおぎ終わった後のお客さまを見送るしぐさなども美しいのです。どうにかそのレベルまで持っていけるよう、日々練習をしていきます」
■女優・タレントから熱波師の道へ
アウフグースマスターの挑戦③~鮭山未菜美氏~
鮭山未菜美氏は女優・タレントを経てアウフグースマスターになった珍しい経歴を持つ。施設に属さずフリーとして様々な施設を巡業。追っかけもいるほどの人気マスターだ。
「京都出身なのですが、子供のころから親に連れられてサウナに入っていました。上京してから『芸能界は自分の居場所じゃないな』と感じるようになったタイミングでサウナにはまったんです。それからすぐに『熱波師検定』という資格を取りました」
2020年に熱波師検定を受け、アウフグースをしている動画をYouTubeにアップ。動画をきっかけに「サウナ&カプセルホテル 北欧」(東京都台東区)でアウフグースをすることになった。その後も複数の施設から声がかかるようになった。
しかし、フリーのアウフグースマスターはまだまだ少なく、大変なことも多いという。
「コロナの影響で温浴施設が休館した時などは、仕事はほぼゼロでした。ケガをしたら仕事はできなくなり、補償もありません。ただ、大きさや温度の違うサウナ室でアウフグースすることで、応用力が身についたと思います」
各地の施設を飛び回ってアウフグースをする鮭山氏。身体的や精神的にきつくないかと尋ねたところ、「寝る前に次の日の施設のことを考えるとわくわくします。ただただ楽しい』と笑顔で答えてくれた。
そして彼女は、北欧で箸休めサトシ氏や鈴木陸氏と出会い、APTに所属することに。「APTに所属してから、今回ペアを組む鈴木陸さんから技術を学ばせてもらいました。1年半くらい毎週月曜日に北欧で活動しているので、絆もありますし、今回の予選に自信もあります」。
女性アウフグースマスターとして、今後も女性がサウナに興味を持ってもらえるように自分が入り口になれれば、と語るその姿は凛としていた。
■「ハレニワの湯のたま助として大会を盛り上げたい」
アウフグースマスターの挑戦④~たま助氏~
たま助氏は埼玉県熊谷市にある「おふろcafé ハレニワの湯」に所属する女性アウフグースマスターだ。
「始めたきっかけは、会社の研修でドイツサウナ協会認定のアウフグース検定を受けたことです。3年前くらいから練習を始め、今はハレニワの湯以外の施設でもアウフグースをしています。フィットネスインストラクターもしているので体幹や動きなどがアウフグースに生かされてますね」
たま助氏のアウフグースは、身体中をのびのびと使い、しなやかな動きが特徴だ。
「今回の大会出場は、ハレニワの湯のたま助として大会を盛り上げたいという気持ちもあります。個人戦のみの出場で演目は『もののけ姫』です。スウェーデン生まれのアラスカ育ちなので、森や山をテーマにできる題材にしました」
施設で週3回ほどアウフグースをしているたま助氏だが、予選に向けて調整することも多いという。
「落としたタオルは使ってはいけなかったり、アロマを掬った柄杓はその都度拭かなければいけなかったりと細かな大会独自ルールに戸惑っています」
たま助氏が狙うのはもちろん予選での優勝だが、この予選に女性アウフグースマスターとして出場することに意義があると語る。
「女性でアウフグースを受けてくださる方は半年前は2、3人でしたが、最近は満員になることも多くなりました。アロマの香りや発汗によるデトックスなど、アウフグースには女性に嬉しい要素は多くあります。自分の長所であるダイナミックな舞や、お客さまへのホスピタリティを通じて、女性客のみならず多くのお客さまにサウナに足を運んでいただければと思っています」
■予選大会から世界へ羽ばたくアウフグースマスター
予選大会は7月4日からの6日間続き、オランダでの本選(1位と2位)、スロバキアでのプレイオフ(3位)に出場するアウフグースマスターが出揃った。結果は以下の通りだ。
(団体戦)
・1位 鮭&鱸コンビ
・2位 WELLBE AUFGUSS TEAM
・3位 サトシ&アスカ
(個人戦)
・1位 五塔熱子
・2位 りゅーきイケダ
・3位 のこのこ窪田
予選大会には連日多くの観客が会場に集まり、決勝戦はチケットが数分で完売する盛況ぶりだった。大会の目玉は演者たちのタオルテクニックだろう。演出がうまいアウフグースマスターもいれば、変幻自在にタオルを操る技巧派のアウフグースマスターもいた。
しかし、会場での取材の中で、どれだけ観客をショーに引き込むことができるかが最も重要な要素だと感じた。
たとえば個人戦1位の五塔熱子氏は、岩見神楽をモチーフとした演目「八岐大蛇」を披露した。大蛇の面を用いた演武でタオルを使用しない場面も多かったが、観客は70度のサウナ室で演じているとは思えない五塔氏の動きに釘付けになっていた。15分の競技時間は一瞬で過ぎた。
これまでの世界大会のチャンピオンは、基本的な技術や知識、サウナのトレンド、演目のシナリオ(本選ではショーそのものの演出に関わるプロデューサーが演者の他にいる場合が多い)だけでなく、アウフグースマスターたちの巧みな話術などのパフォーマンスも求められる。
初出場の日本勢と世界レベルの差は未知数だ。しかし審査員の一人は鮭&鱸コンビの演目を見て涙を流したと聞き、筆者は日本勢が必ず世界大会で活躍してくれると確信している。
■世界と交わり、さらなるレベルアップを目指す
アウフグースの盛り上がりは局地的で、「サウナの楽しみ方の一つ」でしかないかもしれない。しかし、演者と観客がサウナ室という特殊な場所で、ともに汗を流しながらショーを作り上げていく光景はスポーツ観戦のようでもあり、観劇をしている感覚にもなる。
これからヨーロッパのアウフグースマスターと交流を持つことで、日本のアウフグースマスターたちの技術はさらに磨きがかかるだろう。そうした中で、アウフグースがさらに広がっていくことを期待したい。
現在、各地の温浴施設でアウフグースが行われている。アウフグースマスターも増え、切磋琢磨(せっさたくま)しながらレベルアップを目指している。
読者のみなさんも、ぜひアウフグースショーを体感してほしい。アウフグースマスターが体力を消耗しながらも舞やアロマの香りを通じて伝えたいことを全身で体感できるはずだ。
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フリーライター
1987年生まれ、大分県出身。横浜市立大学国際経営学部卒業後、独立行政法人に入講し財務・経理などに従事。不動産会社勤務を経て2021年よりライターとして活動している。サウナ中毒。主に不動産をテーマに執筆中。宣伝会議第44期編集・ライター講座優秀賞受賞。
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(フリーライター 橋本 達也)
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