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「金持ちと貧乏人の格差」の根本理由…文字、通貨、国家、官僚、警察、軍隊の誕生に共通する"ある起源"

プレジデントオンライン / 2022年9月2日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Asobinin

毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」で、8月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サイトの編集部が紹介する――。

■要約サイトで人気だった「8月のビジネス書」ベスト20

第1位:『やわらかく、考える。』(外山滋比古著、PHP研究所)
第2位:『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ヤニス・バルファキス著、関美和訳、ダイヤモンド社)
第3位:『医者が教える 感情的にならない気持ちの整理術 特装版』(和田秀樹著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第4位:『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(黒田尚子著、日本経済新聞出版)
第5位:『部下 後輩 年下との話し方』(五百田達成著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第6位:『22世紀の民主主義』(成田悠輔著、SBクリエイティブ)
第7位:『今さら聞けない お金の超基本』(泉美智子監修、坂本綾子著、朝日新聞出版)
第8位:『仕事は自分ひとりでやらない』(小田木朝子著、フォレスト出版)
第9位:『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(吉田裕子著、大和書房)
第10位:『因数分解思考』(深沢真太郎著、あさ出版)
第11位:『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』(伊庭正康著、明日香出版社)
第12位:『ERROR FREE』(邱強著、牧髙光里訳、文響社)
第13位:『限りある時間の使い方』(オリバー・バークマン著、高橋璃子訳、かんき出版)
第14位:『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(ハック大学 ぺそ著、アスコム)
第15位:『今すぐ転職を考えていない人のための キャリア戦略』(田中研之輔著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第16位:『世界を変えた31人の人生の講義』(ディヴィッドM. ルーベンシュタイン著、高橋功一訳、浜田敬子日本版解説、文響社)
第17位:『視点という教養』(深井龍之介/野村高文著、イースト・プレス)
第18位:『できないのはあなたのせいじゃない』(勝間和代著、プレジデント社)
第19位:『ストレス脳』(アンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳、新潮社)
第20位:『こうして社員は、やる気を失っていく』(松岡保昌著、日本実業出版社)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2022年8月の閲覧数ランキング

■「わからないことは放っておけ」いずれ血肉となる

今月の第1位は、『思考の整理学』で知られる外山滋比古氏の金言集、『やわらかく、考える。』でした。

外山滋比古『やわらかく、考える。』(PHP研究所)
外山滋比古『やわらかく、考える。』(PHP研究所)

変化が激しく、スピーディーに動くことが求められがちな時代だからこそ注目したいのは「わからないことは放っておけ」と題された章。

外山氏は「謎と疑問をそのままにしておくと、ある日偶然、その答えを悟ることがある」「読書においても、本当に影響を受けたと言えるものは、たいていはじめはよくわからなかった本だ」といったことを述べています。

その理由は、わからないから「どういうことだろう」「なぜだろう」と何度も心のなかで反芻し、心に残るから。きっとあなたも似たような経験があるでしょう。

また外山氏は「知識は時間をかけて深まっていく」ともいいます。知識は常に変化しつつ流れていくもの。ほとんどが消えてしまいますが、ごく一部が地面にもぐり、地下へと到達して、やがて泉となって湧き出すのです。

外山氏らしい知との向き合い方に勇気をもらえる一冊。忙しくてもちょっと立ち止まって、未来の自分のために読んでみませんか。

■農耕から生まれた余剰が経済を作り、格差を生み出した

第2位は、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』でした。ページをめくる手がとまらない、読者の知的好奇心を刺激する一冊となっています。

ヤニス・バルファキス著、関美和訳『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ダイヤモンド社)
ヤニス・バルファキス著、関美和訳『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ダイヤモンド社)

さて、あなたはなぜ格差があるのだと思いますか? 著者の答えは「農耕が発明されたから」。農耕技術が向上する過程で「余剰」が生まれたことからすべてが始まったのです。

例えば、文字と通貨は、農民が共有倉庫に預けた穀物の量を記録する過程で誕生しました。そして、通貨の権威付けのために国家が登場したことで、支配者を守る警官や国を運営する官僚、余剰作物を狙う外敵から国を守る軍隊が生まれます。

農耕は、自然の恵みだけで食べていける地域では発達しませんでした。農耕から生まれた余剰が経済の基盤をつくるとともに、格差を生み出したのです。

まるで小説を味わうように、経済の本質を楽しく学べる本書。これ一冊読めば、経済ニュースを違った視点から読み解けるようになるはずです。

■ぶり返すネガティブな感情を簡単に克服する方法

第3位には、和田秀樹氏の『医者が教える 感情的にならない気持ちの整理術 特装版』がランクインしました。

和田秀樹『医者が教える 感情的にならない気持ちの整理術 特装版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
和田秀樹『医者が教える 感情的にならない気持ちの整理術 特装版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

周りの人に振り回されがち、気持ちの切り替えがうまくいかない、活躍している人に嫉妬してしまう――。ネガティブな感情に手を焼いているあなたには、本書をおすすめします。

本書は、2017年に発売されて以降、20万部を売り上げたベストセラーの特装版。イラストやマンガを交えながら、ストレスを軽減し、毎日を穏やかに過ごすための手軽なテクニックを多数紹介しています。

例えば「気分転換でイヤな記憶を上書きする」。イヤなことがあったときは、人間の脳の性質を利用して、新しい情報で「上書き」しましょう。

ポイントは、やるべきことを機械的にこなして、気を紛らわせること。30分だけ昼寝する、アロマをたく、ストレッチをするなど、自分なりの気分転換方法を複数用意しておくのもおすすめです。

いつも機嫌のいい人は魅力的に見えるもの。本書で「気持ちの整理術」をチェックして、心が乱されたときに備えませんか。

■玄関に傘、冷蔵庫に保冷剤、黒いパンツ3枚は貯まらない

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は、『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』でした。

黒田尚子『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日本経済新聞出版)
黒田尚子『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日本経済新聞出版)

著者は四半世紀にわたってお金の相談を受けてきた、ベテランのファイナンシャルプランナー。その経験から、「日々の小さな行動習慣」と「貯蓄の効率性」は密接に結びついていることに気づいたといいます。

そのうちの一つが「きちんと貯蓄ができている家庭は、部屋がきれいに片付いている」。

玄関にはたくさんのビニール傘、冷蔵庫に保冷剤がぎっしり、クローゼットには黒いパンツが3枚――。もしあなたの部屋がこんな状態なら、投資や収入アップを考える前に、本書を読んで「日々の小さな行動習慣」を見直すべきかもしれません。

まず今日からトライしてほしいのは「ニーズ」と「ウォンツ」に目を向けること。きっと、買い物した後に「なんであんなことにお金を使ったんだろう」と後悔することがなくなるはず!

■「全部ひとりでやらなきゃ病」から抜け出す方法

第8位の『仕事は自分ひとりでやらない』にもご注目ください。

小田木朝子『仕事は自分ひとりでやらない』(フォレスト出版)
小田木朝子『仕事は自分ひとりでやらない』(フォレスト出版)

本書のテーマである「ヘルプシーキング」は、「ひとりで抱え込まず、周囲に助けを求める技術・考え方」というビジネススキル。

できないと思われたくない、迷惑をかけたくないといった理由から、誰かに助けを求めることが苦手な方も多いでしょう。しかし著者は本書で「仕事ができる人こそ、ひとりで抱え込まない」と断言します。

なぜなら、仕事をひとりで抱え込むと、チームの仕事を停滞させかねないから。周囲と連携やすれば、ひとりでやる以上の成果が期待できるというメリットもあります。

本書でヘルプシーキングのメリットや進め方を知れば、まわりの手を借りるハードルがぐっと下がるはず。あなたもそろそろ「全部ひとりでやらなきゃ病」から抜け出しませんか?

■悩み解決には、理想と現実の差分をゼロにすればいい

最後にご紹介したいのが、第10位の『因数分解思考』。

深沢真太郎『因数分解思考』(あさ出版)
深沢真太郎『因数分解思考』(あさ出版)

かわいいパンダの動画を見ながら眠りについた翌朝、日本語を話すパンダが自分の部屋にあらわれた――。ストーリー仕立ての本書は、こんな心ときめくシーンからはじまります。

主人公は28歳の会社員・美咲。自分の頭で考えることが苦手な彼女は、兄から「そろそろ自分で答えを出すことを覚えたほうがいい」と言われて落ち込んでいたところ、パンダ・レイレイに出会います。

レイレイは美咲に、自分の頭で考えるテクニックとして「因数分解思考」をレクチャーしてくれることに。最初に教わったのは「悩み=理想-現実」という式。悩みを解決するには、イコールの左側、つまり理想と現実の差分をゼロにすればいいのです。そう聞くと、なんだかすぐにアクションできそうな気がしませんか?

美咲はレイレイの指導のもと、少しずつ因数分解思考を学んでいきます。因数分解思考の応用範囲は幅広く、人間関係の悩みから、商品の売上アップ、キャリア、恋愛まで。あなたも美咲&レイレイと一緒に、楽しく「自分で考える力」を身につけましょう。

今月も、お金の基本から部下との話し方、キャリア戦略まで、幅広いジャンルの本がランクイン。ほかにも、先月第1位だった『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』が第14位、第2位だった『こうして社員は、やる気を失っていく』が第20位、第11位だった『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』が同じく第11位、第17位だった『ストレス脳』が第19位、第20位だった『限りある時間の使い方』が第13位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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flier編集部 本の要約サイトflier(フライヤー)は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだだけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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(flier編集部)

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