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これをしたら一発アウト…1次、2次は通るのになぜか最終面接で落ちる人に共通する"ある話し方"

プレジデントオンライン / 2022年9月6日 12時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

就職や転職の面接ではどんなことに気を付けるべきなのか。人材コンサルタントの井上和幸さんは「1次、2次、最終面接のそれぞれでは面接官の視点が違う。そのことを把握していれば、自ずといい結果が出るだろう」という――。

■1次、2次、最終で問われることは異なる

採用面接では、およそ一般的な面接ステップとして1次面接、2次面接、最終面接が行われ、それぞれの面接官を人事担当者・責任者、現場責任者、社長・役員が務めます。

企業によっては合間で適性検査が実施され、最近では最終面接後にレファレンスチェック(経歴、身元照会)が行われるケースも増えてきました。

この1次、2次、最終での面接官の視点の違いが、どの段階まで進めるかに影響を及ぼしているのです。

■1次面接で見られるのは「過去」

書類選考と1次面接でチェックされるのは、応募者の「過去」についてです。

人事担当者あるいは人事責任者が、職務経歴書に書かれている応募者のこれまでの経歴をチェックし、自社の部門が要請している要件を満たしているかを確認します。

人事とは企業の<社内アウトソーサー>です。経営陣や現場が採用要件として挙げてきた「スキル○年」「学歴・会社歴」「人物像」などをスペックマッチします。

提出している履歴書もしくは職務経歴書の記述が「第一関門=書類選考」突破の大きな鍵を握ります。書かれていないことは相手には見えません。職務経歴署にはあなたのこれまでの職務における経験や取り組み、実績の詳細をしっかり記述しましょう。

面接においては、上記の通り、面接官である人事担当者や責任者の方は、現場や社長から預かった「求人票」の要件にマッチするかどうかを見ることが多いので、面接中には<MUST要件><BETTER要件><求める人物像>の記述に合致する要素を持つことを分かりやすく伝え切ることが非常に大事です。

■2次面接の面接官は「未来の同僚」

2次面接で見られるのは「現在」です。募集ポジションの事業・組織の責任者が、応募者の実務能力をチェックします。

1次では大枠の話で評価されても、2次では詳細かつ具体的な業務経験が聞かれます。また面接官との会話の中で、自身の意見や提案が問われるでしょう。

ここでは、当該事業や部門であなたがいかに即戦力性を持つかについての情報にフォーカスして伝えるべきです。また、面接官自体が入社後の上司、あるいは同僚、場合によっては部下となるケースが多いので、特にグッドコミュニケーションに徹することが得策です。

面接官が、「この人と一緒に働きたいな」「自分の部下、あるいは上司になってほしい」と思ってくれるかどうかが大きな勝負となりますから、その視点で気持ちよく時間を過ごしましょう。

ある意味、日頃のあなたの上司や同僚、部下たちとの関わり方や目線、距離感などが問われます。

■実は面接時に最も話をしやすいのは社長

最終面接で見られるのは、「未来」についてです。社長や役員が、その人の中長期的な観点での可能性、本人のビジョンを確認します。受験者自身の将来展望や応募企業に対する将来イメージ、ご縁があったときにその中で自分がどのようにやっていきたいのかといった展望があるかどうかが問われるのです。

特に創業社長やオーナー社長は「現状にとどまらない何か」「将来的に大化けしそうな人かどうか」といった、応募者の“突出したもの”“未来に得られそうなもの”に目がいきます。

そもそも応募者の多くは、面接者が社長そのもの、あるいは創業者である会長・CEO(最高経営責任者)などであった場合、身構えます。それなりの幹部職経験者であっても、社長面接の前に不安を覚え、面接対応についてご相談・アドバイスを私たちに求めることが少なくありません。

大丈夫、あまり構えすぎないでください。

あなたが最終面接まで歩を進め、入社を希望しているような会社であれば、実はその会社のどの人よりも、面接時に話しやすいのが社長・経営者です。

ここで言う「入社を希望しているような会社」とは、理念がしっかりしている、成長している、革新的な事業やサービスを展開しているなどの条件を満たす企業を指します。大変な局面にはあるが、変革しようとしている、伝統をしっかりと伝承しようとしているなど、本質的な事業経営テーマを持つ企業だからこそ、あなたはその企業の門を叩こうとしているのでしょう。

もちろん経営者にもさまざまなタイプがあります。快活な人もいれば強面の人もいて、寡黙なタイプも存在します。しかし、いずれにしても、その企業の取りまとめ役として事業・経営の全責任を背負えるだけの人ですから、視界の広さと、ものを見る時間軸の長さ、好奇心・包容力などの面において、No.2の人以下に比べ、突出したものがあるはずです。

もし、そうでない人が社長職に就いていたら、その会社の経営のあり方については、そもそも慎重に再確認したほうがよいかもしれません。

■最終面接で落ちてしまう人ができていないこと

社長相手の最終面接で、とにかく気を付けてほしいのは、次のような点です。

① 胸襟を開ききる:相手は百戦錬磨の経営者です。
すぐにあなたの本質は見透かされるでしょう。あれこれ飾ろうとせずに、肩の力を抜いて、丸裸で臨む気持ちが大事です。

② 端的に話す:経営者は総じて気が短い生き物です。
自らがものすごい数の判断を日々繰り返しており、冗長なこと、まわりくどいことを嫌います。もしあなたがダラダラ話し始めて、結論が見えないプレゼンテーションをしたら、その途端、にこやかに聞いてくださっている社長の頭の中で(「ああ、この人はダメだな」)とNGが出ていることでしょう。

③ 思考・行動が前向きであり、将来の展望を自身で持っている
経営者は現在とともに、常に自社の未来を見ています。特に中堅・幹部クラス以上の採用で経営者が期待するのは、直近の事業を牽引してくれることに加えて、未来を切り開いてくれる可能性を感じられることです。

また、総じて経営者は自社をよい会社にしたいという気持ちが強く、その一環で、前向きであることやツキ・運などにもビビッドに反応します。あなたがツイていそう、「持って」いそうであれば、加算点が期待できます。

毎回、1次、2次は通過するのに最終面接で落ちてしまう人というのは、この部分で引っかかっているケースがほとんどです。もし読者のあなたが該当する場合は、ぜひこの3点についてしっかり備えて次回の最終面接に臨んでください。

■三つのNG

社長面接でのコミュニケーションスタイル、話し方について解説しておきましょう。

社長向きの話し方とは、「結論ファースト」「シンプルに、端的に、わかりやすく、具体的に話すこと」です。まどろこしい、冗長な話し方ほど社長が嫌いなものはないのです。

頭を抱えているビジネスマン
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kuppa_rock

そもそも、「話し方=仕事力」です。面接での話し方は、そのままあなたが日頃仕事をしているときの話し方の映し鏡です。

冗長さはないか、的確に質問の真意に答えているか、わかりやすいか、聞き手が思わず聞き入ってしまうような内容か。これらの点に注意しましょう。

一事が万事。面接は面接の場ということだけではなく、入社後のあなたの働く姿を見せている場でもあるのです。特に社長は、このことにビビッドな生き物です。入社後、あなたがどんなコミュニケーションをするのか、見抜かれていると思ってください。

当然、礼節は不可欠ですが、そのうえで、優秀な人、評価の高い人は、目上の人ともフランクな会話を自然とできます。妙に慇懃(いんぎん)無礼な人は、面接で丁寧に話そうとしているのだとは思いますが、大概、社長面接では人物評価が低く、落ちます。これも、ミドルシニアのあなたのリーダー、エグゼクティブとしての風格や今後の伸びしろを見られているのです。

文章もそうですが、会話においても、妙にかしこまりすぎている人というのは、相手との距離感を詰めることができません。

別に、常に経営者などの目上の人といつも対等に話せということではありませんが、どのような立場であっても、相手の懐に入れるコミュニケーション力や関係性構築力を持っているのか否かは、あなたの雇用される力、抜擢される力、キーパーソンに信頼される力に大きく影響を及ぼします。

このあたりは、なかなか文章だけでは伝えにくい部分もありますが、皆さんも周囲を見渡して、「ああ、あの人、自然体で感じ良いなぁ」「わかりやすい話し方、前向きに感じられる話し方で、また会いたくなるなぁ」などと感じる人がいると思います。ぜひ、そういう人の話し方をベンチマークにしてください。

社長向きの対面姿勢は、「慇懃無礼NG」「ナルシストNG」「貧相NG」です。

■最終面接でなによりも伝えるべきこと

また、面接という限られた場面で、あなたが社長に伝えるべきことは何か。ポイントを絞れば、次の二つについてだけは、ぜひ、しっかりと伝えるように努めてください。

・あなたがリーダーシップを発揮した場面
・あなたがオーナーシップ(自分事として当事者意識を持って課題に向き合う姿勢)を発揮した場面

この両方をしっかりと話せる人。それを通じて、あなたの仕事上の情熱、思い、考え、行動力が伝わって来る人。そして何よりも目の前の社長に対する興味・関心の強さと共感・共鳴を表現できる人。こうした人を、社長は、頼もしい、信頼できる参謀だと評価します。

比較的組織サイズの大きな企業の経営者であれば、面接は限られた時間となることが多いので、今回ご紹介したことを踏まえて、明確に端的にあなたの魅力を伝えきりたいものです。

またベンチャーや中小企業の場合、社長自らがかなり時間を投資して面接・面談を実施することが多く(それほど、自社の中堅・幹部採用が経営にとっての重要度が高いということです)、会食などでじっくりお互いを見極めるための時間を作ってくださることも多いでしょう。

こうした社長面接のチャンスは、たとえ最終的にあなたとその会社のご縁がなかったとしても、これからの社会人人生にとって非常に貴重な刺激と学びを得るチャンスです。ぜひ、物おじせず、積極的に場に臨みましょう。

■面接で絶対にやってはいけないこと

最後に注意すべきことは、人事担当者・責任者、現場責任者、役員、社長、どの面接者に対しても、あなたという人物のあり方、考え方、気持ちや姿勢は絶対に変えてはいけません。

面接官に個別対応しようとして、その都度自分の言っていることや考え方を変えてしまう人がいます。気持ちは分かりますが、そんなあなたに対して企業側では、「前回と今回で言っていることが違うな」「どっちが本心なんだ?」というすり合わせがされ、当然のことながらNGとなってしまいます。

相手に合わせようとするあまり、本来の自分では言わないことを言ったり、同調(迎合)してしまったりして、あとでしまったと思われる方も少なくありません。意味がないのでやめましょう。

転職活動時のみならず、平素の業務においても、「風見鶏」マネジャーは中長期的に見ますと出世の道を閉ざされることになる場合がほとんど。

八方美人では、その人の軸がどこにあるか疑われますし、上司・同僚・部下からの信任を得られないばかりか、実はもっともよく見ていて抜擢・降格の評価ポイントにしているのは社長です。くれぐれも気を付けたいものです。

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井上 和幸(いのうえ・かずゆき)
株式会社 経営者JP、人材コンサルタント
早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。その後、リクルートエグゼクティブエージェントのマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。著書は『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)など。

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(株式会社 経営者JP、人材コンサルタント 井上 和幸)

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