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「好きな人ができた」結婚20年にして離婚を切り出された妻が"70インチ大画面TV"でやった仰天の逆転戦略

プレジデントオンライン / 2022年9月8日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/MilanMarkovic

「熟年離婚」の割合が過去最高を記録した。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「最近は夫から妻に対して離婚を切り出すケースも増えている印象がある。それでも、探偵や上司、子供などを巻き込んでなんとか離婚を回避しようとする女性も多い」という――。

■「熟年離婚が過去最高」三くだり半される妻が増加

「熟年離婚の割合が過去最高」というニュースを耳にした人も多いのではないだろうか。

8月24日に厚生労働省が発表した報告書によると、2020年に離婚した夫婦のうち、20年以上同居した熟年夫婦の割合が21.5%で、統計のある1947年以降で過去最高を記録したという。1990年の13.9%と比べても約1.5倍に増えた。

離婚件数自体は減少しているものの、熟年離婚の割合は増加。その傾向は、40代以降の夫婦からの相談の案件も多いことから、私自身も実感している。とくに最近は、男性のほうから妻に対して離婚を切り出すケースも増えている印象がある。

長年夫婦として生活を続けたのちに、「別れてほしい」と三くだり半をつきつけられた妻はどうするか。当然のことながら、納得できるような破格の条件を提示されない限り、すぐに離婚を承諾することにはならない場合がほとんど。経済的なことや子供のこと、プライドや世間体など、さまざまな問題がクリアにならない限り、「何があっても別れない」「離婚は許さない」と考える妻のほうが多いのも事実だ。

では、一度離れてしまった夫の心をどうやって取り戻すことができるのか。

実際に、夫から別れを切り出された妻が、離婚を回避できたケースにはこんな戦略的なケースがある。

■【CASE1】親を巻き込み「夫の不倫動画上映会」

1歳年上の今の夫と27歳の時に結婚した会社員のK子さん(47歳)は、昨冬「好きな人ができた。離婚してほしい」と、夫から切り出された。翌春に高校を卒業する予定の子供が一人おり、突然の夫からの離婚宣言に動揺を隠せない。

「結婚して20年、仕事のことや子育てのことではいろいろぶつかることもありましたが、問題が起こるたびに夫婦で乗り越えてきたつもりです。まさかここにきて、夫の女性問題によって夫婦の危機が訪れるとは想像できませんでした」

それまで浮気の心配も一切なかった夫だけに、「好きな人ができた」という夫のひと言の重みと本気度を感じたというK子さんは「ちょっと時間がほしい……」と返すのが精いっぱいだった。「マジメで優しい夫に裏切られたこともショックでしたし、(私も会社員で収入はありましたが)今さらひとりで生きていく覚悟もありませんでした。とにかく、そのまま離婚に同意するわけにはいきませんでした」。

背中合わせでそれぞれ腕を組んだ、問題のあるカップル
写真=iStock.com/solidcolours
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/solidcolours

夫からの三くだり半に精神的なダメージは大きかったものの、別れたり泣き寝入りしたりするつもりはまったくなかったというK子さんはその後すぐに探偵を雇い、決定的な証拠を押さえるために夫の動向を監視した。夫は「好きな人ができた」と、あたかもこれから交際したいといったニュアンスで言っていたが、すでに交際しているのではないかとK子さんは疑ったのだ。

「はじめての浮気が本気になってしまった夫はガードが緩く、あっという間に相手の女性と密会している現場を押さえることができた」

「有利に離婚を進めるためではなく、修復のために探偵を雇った」というK子さんは、数週間後、子供が部活の合宿で不在のタイミングで、夫の両親と自分の両親を食事会という名目の下に自宅に呼び寄せた。お互いの両親と夫がリビングにそろったところで、「お食事の前に、ちょっとこれをご覧ください」とK子さんは70インチのテレビの大画面を使って動画を流しはじめた。それは、夫が浮気相手の女性と居酒屋で談笑しているシーンや、ラブホテルに出入りするシーンなど、明らかに夫の浮気を示す動画の数々だった。

一瞬で青ざめた夫以上の反応を見せたのは、70歳超の夫の両親だった。その場で土下座して謝ったという。「K子さん、ウチのバカ息子が本当に申し訳ない。ご両親にもなんとお詫びしたらいいのか言葉もない」と頭を床にこすりつける両親を見ているうちに、「僕はとんでもないことをしてしまった」と夫は涙を流しはじめたのだった。

「もともと夫は心根が優しく、『親孝行な息子』でありたいと思っているタイプ。だからこそ、両親が土下座をしている姿を目の当たりにしたら、気持ちが変わるんじゃないかと考えた」というK子さんの読みどおり、夫は浮気相手と会うことをやめるとその場で約束し、実行したのだった。

探偵を雇う費用は税込みで約110万円。痛い出費だったが、K子さんにとっては夫をつなぎとめるための「不倫動画上映会」という切り札には必要不可欠なものだったのだ。

■【CASE2】上司を巻き込み「夫は左遷&愛人は退職」

「夫と子供のために尽くしてきたような結婚生活だったのに、この年で別れるなんて身勝手にもほどがある」と憤りを隠せないのはH菜さん(51歳)。

学生時代、勉強に励んだH菜さんは、念願の有名企業に就職したものの、働きはじめて2年目で妊娠が発覚したため結婚。同じタイミングで夫の海外赴任が決まったこともあり、仕事を辞めて夫に同行した。

「本当は出産後もバリバリ働きたかったが、やむをえずキャリアを中断しました。6年間の海外生活では2人目の子供も生まれ、専業主婦として2人の子育てをした。夫は慣れない海外生活のため家事や育児を手伝う余裕がなく、私はほぼワンオペ。愚痴や不満をぶつける相手もいなかったため、ストレスはたまる一方でした」

帰国後、子供が小学校に上がったタイミングで復職を考えるも、夫からは「まともな職歴やスキルもない30代を雇ってくれるところなんてないでしょ?」と嘲笑されたK子さんは深く傷ついたという。

「夫と子供のためにキャリアをあきらめたのに、感謝されるどころかバカにしたような物言いに、心底腹がたったし悲しかったです」

その後、十数年、専業主婦のまま過ごしたH菜さんが夫の浮気に気づいたのは1年前のことだ。

「コロナ禍で出社の必要がなくなったにもかかわらず、毎晩深夜に帰宅するようになった。お風呂に入っている間に、こっそり携帯電話を見たところ、同じ職場で働いている部下と思しき若い女性と二人でレストランや温泉に行っている画像がたくさん出てきて驚いた。とっさに怒りが込み上げてきたが、とりあえずその晩は夫のことは責めずに過ごしました」

それから1年後、H菜さんは夫から離婚を切り出されたのだった。

離婚届
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

「私に経済力があれば、すぐにでも離婚したかもしれません。でも、今までずっと専業主婦でいた私は、ここで別れてすべての財産を二分にするより、このまま夫婦でいたほうが金銭的には得だと考えました。夫婦関係に愛情がなくなった今、仮面夫婦でも経済的に困らずに暮らせるほうが楽。夫の浮気を許さないためにも、別れないことを決めた」

その後、H菜さんは夫には知らせずに会社に電話をかけ、夫の上司と会って、自分の携帯電話に転送しておいた夫と部下の女性との浮気画像を見せながら相談したとのこと。

「夫の上司は『わかりました。私の管理不行き届きもあったと思います』と謝ってくれました」

数カ月後、H菜さんの夫は人事異動で部下がひとりもいない新部署に左遷、浮気相手の女性は同じタイミングで退職したという。

「上司に何を言われたのか、あるいは浮気相手とどんなふうにもめたのかはわかりませんが、今後、リストラされるリスクもあると話しています。『すまなかった。お前とやり直したい』と夫が謝ってきたこともあり、ひとまず離婚は避けられました。ただ、専業主婦という存在をずっと軽く見てきた上に、不倫をした夫への怒りはこの先も収まることはないと思います」

■【CASE3】子供を巻き込み「お涙ちょうだい劇」

妻の浮気がきっかけで、夫から離婚を切り出されたケースもある。

「浮気がバレて『この家から出ていってほしい。子供は置いて行け』と夫に言われました。あの時ほど、自分の浮気を後悔したことはない」とM美さん(50歳)は振り返る。

22年前に結婚し、34歳で子供を生んでからはセックスレスの状態だというM美さんは、勤務先のショップの店長に誘われるまま数回浮気をした。

「このままセックスをすることなく人生が終わるのかと思ったらさびしくなったんです。相手には愛情はそれほどなかったものの、女として見てもらえるうちに『もうひと花咲かせたい』という気持ちが芽生えました」

二人の関係は相手の転勤によって終わったが、ラブホテルから出てくるM美さんを目撃した友人が夫に知らせたことで浮気が発覚。夫は即時、M美さんに離婚を言い渡したのだった。

「たしかに浮気はしましたが、家庭を壊す気はまったくありませんでした。だから、どうしても夫婦関係を修復したかった」というM美さんだが、妻の一方的な言い分や謝罪に対し、夫はかたくなに耳を貸そうとしなかった。

やがてM美さんが家を立ち退かないことを知った夫は、自分から自宅を出てマンスリーマンションに移っていった。

そこでM美さんは最終手段として、子供に協力してもらうことを考えたという。具体的には、当時はまだ小学生だった子供に、毎日のようにビデオ通話をさせることからはじめた。

「図工の時間に描いた絵を先生にほめられたよ。パパにも見てほしいな」
「サッカースクールでパスをミスしたけれど、どうしたらうまくできるようになるのか教えてよ」
「クリスマスにはケーキを買ってきてね」

というような日常生活の出来事に織り交ぜ、父親に会いたがっていることを伝えたのだ。

クリスマスケーキ
写真=iStock.com/zepp1969
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/zepp1969

ほかにも、「これを書いてくれたら、ママがゲームを買ってあげるよ」と報酬で誘い、M美さんが下書きを書いた手紙を清書させもしたとのこと。

「『パパに会いたくてたまらないから帰ってきてほしい』『パパがいないと悲しい』などと、妻の私ではなく、あくまでも子供のために別居や離婚を考え直してもらうよう、必死で働きかけました」

こうした子供の協力のおかげで、約半年後に夫は自宅に戻ることになった。数年たった現在も、「まだ完全に信頼関係を回復したわけではないが、熟年離婚にはいたらず、ほっとしている」と語る。

■捨て身の戦略と努力が、熟年離婚を回避する鍵

岡野あつこ『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)
岡野あつこ『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)

長年、連れ添った夫が妻に三くだり半をつきつけるのは、相当な思いがあってのことだろう。夫婦関係の修復を望むなら、相手が軽い気持ちでしたことではない分、こちらもしっかり戦略を練って行動する必要がある。

そのためには、第三者の協力をあおぐことも視野に入れたい。親や子供、上司であっても、夫婦関係の修復に向けて効力を発揮することもあるからだ。「この人のためなら、もう一度やり直そう」と心が動くケースは決して多くはないが、可能性はゼロではない。

大切なのは、「ここまでやってダメなら、仕方ない。でも後悔のないよう、最後まで修復の努力をしよう」という覚悟を持てるかどうか。そんな捨て身の戦略と努力が、熟年離婚を回避する鍵になるといえるだろう。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家
NPO日本家族問題相談連盟理事長。株式会社カラットクラブ代表取締役立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに25年間、3万件以上の相談を受ける。『最新 離婚の準備・手続きと進め方のすべて』(日本文芸社)『再婚で幸せになった人たちから学ぶ37のこと』(ごきげんビジネス出版)『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)など著書多数。

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(夫婦問題研究家 岡野 あつこ)

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