1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「いい意味で」が口癖の人間は浅い…香取慎吾が明かした深い人間関係を築くために必要な言葉&不要な言葉

プレジデントオンライン / 2022年9月16日 10時15分

香取慎吾さん●1977年、神奈川県横浜市出身。音楽だけでなく、映画、バラエティ、ファッションなど、様々なジャンルで活躍する。最新の出演作『犬も食わねどチャーリーは笑う』は、9月23日全国公開。 - 撮影=小田駿一

アーティストとして人々の心を動かし続けてきた香取慎吾。仕事の現場では、どのような言葉で仲間たちの心を動かしているのだろうか。「プレジデント」(2022年9月2日号)より、記事の一部をお届けします――。

■「いい意味で」とすぐ口にする浅さ

これまで自分が出演してきた映画を振り返ると、漫画が原作だったり、いわゆるキャラクターものが多くて。それが今回の『犬も食わねどチャーリーは笑う』では、あくまでフラットな日常を生きる、ホームセンター勤務の田村裕次郎という役を演じています。

この裕次郎という役は、一言で言えばダメな男。自分で演じていながら、腹が立ってくるほどでした。それなりに仕事はできる人間で、職場の人間関係もうまくやっているように見えるけれど、人間的に浅いんです。

何かを発言した後に、「いい意味で」と言うのが裕次郎の口癖。この言葉遣いにも、あまり物事を深く考えていない彼の特徴が出ています。監督が「いまの良かったよ」と声をかけてくださるときは、心の中で「なんて最低なやつなんだ」と思ってしまうようなダメっぷりを発揮しているシーンなので、素直に喜べないというか、複雑な心境でしたね。

■大事なのはいざというときの言葉

この映画は夫婦の物語です。時に夫婦というのは、いちいち言葉を交わしたりしなくても、深いところで繋がっているから大丈夫、みたいに言われることがあります。でも、それはお互いの関係や調子が良いときの話。もし相手の調子が悪そうだったりした場合は、ちゃんと声をかけないと。

付き合いが長くなればなるほど、お互いのことをわかったふりをしてしまって、実際はわかってなかった、ということが起きます。だから、その時々で、どんな言葉を相手にかけるかが大切だと思います。裕次郎は、妻に対して、余計な一言だったり、言わなくてもいいことをすぐ口にしてしまうところがありますが、大事なのはいざというときの言葉です。

アーティスト 香取慎吾さん
香取慎吾さん

夫婦関係に限らず、あらゆる人と人との関係において、僕は人と深く繋がりたいと思うタイプで、人を深く愛します。仕事相手でも友人に対しても、言うべきじゃないことは言わないようにしています。こういう仕事をしていると、自分の発した一言で多くの人が動いてしまうことを自覚しているからです。

たとえば映画に出演する場合。僕は衣装合わせとかで意見を求められたとしても、「どうですかね〜」としか言いません。それで時間が過ぎるのを待ちます。自分が演出やプロデュースを務める作品であれば、細かい部分にまで意見を出しますが、いち出演者として参加する作品は、あくまで監督のもの。そういうときは、どっちがいいとも言わないし、どっちでもいいとも言わない。あくまで「どうですかね〜」とだけ伝える。監督や衣装の方の決めたことを全うするのが僕の仕事です。

何か相手に対して思うことがあっても、自分が飲み込めるかどうかが大事で、その原因について何度も考えるようにしています。いやな部分があったとして、それはその人の個性かもしれないし、その人なりの考えがあってのことかもしれない。そこまで考えて、もし飲み込めるようであれば、何も言いません。思ったことをいちいち言えば、周りの人から「うるさいな」と思われてしまうでしょう。

こういう慎重な姿勢は、小学生のときから芸能界で仕事をする中で培われたのかもしれません。最近はブログやTwitter、YouTubeもやっていますが、発信する言葉にはかなり注意しています。ファンの皆さんがどんな反応をしてくれているか、間違った表現をしていないかなどをチェックするため、コメントはすべて見るようにしています。

■「思ったことは言葉にしたほうがいい」

そんな僕が、いまだに忘れられず、大切にしている言葉があります。10代の頃に、萩本欽一さんに言われました。「思ったことは言葉にしたほうがいいよ」「人にはいろいろなやり方があるけれど、慎吾ちゃんはそうしたほうがいい」と。10歳で事務所に入り、大人の顔色をうかがうことが当たり前だった僕に、思い切って言葉にしていいんだと背中を押してくれたんです。

本当は飲み込めなかったのに、言わずに我慢してしまうことは、かなりマイナスだと思うんです。人と人が関わる以上、どうしたって衝突は起きます。でも、理由さえわかれば、一緒に乗り越えることができるじゃないですか。

ちゃんとぶつかって、それで関係が壊れてしまうほうが、まだ人間味がある。もし壊れてしまったとしても、そこから関係を修復したり、気持ちを立て直したり、それぞれがお互いどうしたらいいかを考えることが大切だと思うんです。

ちなみに……ブログは完全に空想で、本当のことはひとつもない、と銘打って書いている、完全なファンタジーです。Twitterの投稿も、僕の言葉に隠された意味を深読みする方がいますが、謎解きの要素は一切ありません。それだけ、お伝えしておきます。

----------

香取 慎吾(かとり・しんご)
アーティスト
1977年、神奈川県横浜市出身。音楽だけでなく、映画、バラエティ、ファッションなど、様々なジャンルで活躍する。最新の出演作『犬も食わねどチャーリーは笑う』は、9月23日全国公開。

----------

(アーティスト 香取 慎吾 構成=おぐらりゅうじ 撮影=小田駿一 スタイリング=細見佳代 ヘアメイク=石崎達也)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください