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寝る前の3時間は「スマホ断ち」をするべき…ぐっすり眠れる自律神経を整えるための生活習慣

プレジデントオンライン / 2022年9月24日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ferlistockphoto

寝つきをよくするにはどうすればいいのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「夕食後から寝るまでの3時間は交感神経を休ませるべき時間。せめてその間くらいは自律神経をかき乱す原因のスマホを遠ざけるべき」という――。

※本稿は、小林弘幸『本番に強い子になる自律神経の整え方』(小学館)の一部を再編集したものです。

■「質の高い睡眠」のカギは副交感神経

自律神経は本来、寝ている間は副交感神経が優位になっており、目覚めて活動を始めるに従って交感神経が高くなります。

日中に活発に活動できるのは、交感神経がしっかり働いているからです。

一方で、夜になってまで交感神経が高いままだと、なかなかリラックスモードに入れません。そして、現代社会はそういう状況に陥りがちなのです。

とくに、夕食後から寝るまでの3時間くらいはとても大事な時間です。

ここで、副交感神経が優位になることで、質のいい睡眠が得られるからです。

この「副交感神経のゴールデンタイム」とも呼ぶべき時間に、いかに副交感神経が働いているかが重要です。

寝るまでの3時間は、逆に交感神経を刺激してしまう原因をできる限り取り除きましょう。

大人だったら、遅くまで残業することや、夫婦げんかもその原因です。

子どもにとっても、イライラギスギスしている親の姿を見せられるのは、やはりよくありません。

■自律神経をかき乱す「ブルーライトとSNS」

大人にとっても子どもにとっても共通の大敵は「ブルーライト」です。

スマホやパソコンのディスプレイから発生するブルーライトは、私たちが想像している以上に、脳に刺激を与えます。

本人は楽しく見ているつもりでも、脳の中では自律神経をかき乱す悪い作用が起きているのです。

加えて、SNSにあまり歓迎できない内容が書き込まれていれば、それが気になってさらに自律神経は乱れます。

本来であれば、SNSは便利な情報交換の場であったはずです。

しかし、当初こそ楽しくそれを使いこなしていたはずの人も、いつの間にかSNSに支配されているかのようです。

実際に、体調を崩して医療機関を訪れる患者さんには、SNSの書き込みが原因で自律神経を乱しているケースが多いのです。

暗い部屋でタブレットを見つめる少年の眼鏡に光が映り込んでいる
写真=iStock.com/ugurhan
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ugurhan

■親が率先して控えるべき

子どもたちの世界でも同じことが起きています。

本気で子どものメンタルを考えるなら、親が率先してスマホの利用時間を減らしましょう。とくに、夜は意識的に電源を落としてください。

スマホはあまりにも人々の生活に浸透してしまい、自律神経の専門家として私が「夜は使用を控えてください」と訴えても、なかなか実行に移してくれる人はいません。

逆に考えれば、それをしっかりやっている家庭は、ほかの家庭に大きく差をつけることができるということです。

自律神経が乱れ、いざというときに力を出せない子どもが多い中で、「夕食後はスマホの電源を切る」をやっていれば、勝負強さにおいて一歩抜きん出た子どもを育てることができるでしょう。

■スマホより「3行日記」を

私は30代の頃から、「1日の終わりに3行日記をつける」という習慣を持っています。留学していたアイルランドの医師仲間からすすめられたものです。

半信半疑で始めてみたら、メンタルの調子がとても良くなったので、ずっと続けているのです。

具体的には、1行目にその日に失敗したことを、次の2〜3行でその日に感動・感謝したことを書き、最後に明日の目標を書いて終わりです。

日記といってもメモ程度ですから、3〜5分もあれば十分。わざわざ専用のノートを用意せずとも、手帳に書き込んでもOKです。

ベッドに横たわり、ノートにメモを取る女性
写真=iStock.com/invizbk
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/invizbk

1行目に失敗したことを書くなんて、ストレスになるのではないかと思うかもしれません。しかし、逆です。書いてしまったほうがいいのです。

私たちは、「嫌なことは忘れよう」と思っても簡単に忘れることができません。そして、それを心の中でいつまでもグズグズ持ち続けています。

見たくないから向き合うこともせず、かといって消し去ることもできず持ち続けていることで、どんどん心の重荷が増えていきます。

それよりも、その日のうちに書いて明確にしてしまうほうがいいのです。

しかも、続く2行目の感動・感謝を思い起こすことで、良い感情で上書きされ、明るい気分に転換できます。

その流れで明日の目標を掲げれば、前向きに1日を終えられ自律神経が整っていくのです。

1日の終わりには、親子それぞれ3行日記をつけてみましょう。

わが子にはまだ難しいと感じたら、「今日つらかったこと」「今日嬉うれしかったこと」「明日やりたいこと」を1行ずつ書いてもらってください。

■「なにがつらいのか」を整理する

子どもたちは、大人が想像している以上に多くのストレスを感じ苦しんでいます。

でも、自分の心の中で起きていることについて明確に認識できていません。

3行日記で、それを整理する場をつくってあげるのです。

そして、「なにがつらいのか」「どうして苦しんでいたのか」ということについて、親が一緒に考えてあげましょう。

また、3行日記をつけることで、「でも、いいこともあった」ということに気づき、明日への希望を感じてもらうこともできます。

小林弘幸『本番に強い子になる自律神経の整え方』(小学館)
小林弘幸『本番に強い子になる自律神経の整え方』(小学館)

子どもだけに書かせるのではなく、隣で親も自分の日記をつけてみてください。

かっこつけず、1行目には正直に失敗を書きましょう。

2行目の感動・感謝はどんな小さなことでもいいので、必ず見つけてください。

親が、それを書いている姿を見ることで、

「そうか、お父さんやお母さんも大変なんだな。でも、楽しいこともあるんだな」

と子どもなりに納得し、大きな安心感につながるはずです。

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小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。

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(順天堂大学医学部教授 小林 弘幸)

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