年275万円の不労所得を稼ぐサラリーマン投資家が教える「2022年下半期の注目株ベスト5」
プレジデントオンライン / 2022年9月28日 10時15分
※本稿は、長期株式投資『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■シンプルで誰でも真似できる「1株投資」のやり方
個別株の投資はしたいけれど、買ったことがないから気おくれする。そんな方にオススメの手法が「1株投資」です。
現在、多くの証券会社で「1株投資」のサービスを提供しており、手数料を比較検討して、自分に合ったサービスを選択すればよいと思います。参考までに、私はネオモバイル証券を利用しており、現在その手数料は220円/月で、200円分のポイントが毎月付与されるため実質手数料は20円/月となっています。
「1株投資」のやり方は極めてシンプル。誰にでも真似できます。具体的な方法は以下のとおりです。
STEP1 20銘柄を1株ずつ買う
STEP2 各銘柄への投資金額を均一に調整
STEP3 キャッシュを含めてポートフォリオを考える
私の手法は配当投資といわれる手法。短期間で爆発的に資産を増やすことはできません。でもその代わり、配当銘柄を積み立てで買っていき、配当金を再投資すれば複利の力で雪だるま式に資産を増やしていける可能性が高い手法といえるでしょう。買う銘柄も決まっているため、サラリーマンが副業で行うことも十分可能です。
■もっとも大切にしなくてはならないことは、相場で生き残ること
STEP1では、図表1の「死ぬまで持ちたい銘柄17」の最新版とご自身で選んだプラス3銘柄の計20銘柄を1株ずつ買っていきます。
![【図表1】死ぬまで持ちたい銘柄17(2022年9月10日現在)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/8/f/1200wm/img_8f7448a38af5ba9ff41d8093e61c33e5406142.jpg)
1週間に1銘柄ずつ買ってもいいですし、資金に余裕のある方は毎日1銘柄ずつ増やしていくのもいいでしょう。ただし、一気に買うことは避けてください。投資初心者がもっとも大切にしなくてはならないことは、相場で生き残ること。「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」というジョージ・ソロス氏の名言を自分に言い聞かせながらじっくりと取り組んでいきましょう。
20銘柄を1銘柄ずつ買い続けていくと、1週間に1銘柄ずつ投資した方は5カ月後に、毎日1銘柄ずつ投資した方は1カ月後に、20銘柄の分散ポートフォリオができています。
STEP1を終えると20銘柄を1株ずつ保有している状態となります。でも、同じ1株でも株価が数百円の銘柄もあれば数千円のものもあります。各銘柄への投資金額は株価によりバラバラです。
■均一に分散されたポートフォリオをつくるためには
STEP2では、このバラついた投資金額を均一に調整していきます。
例えば、保有している銘柄で最も高い銘柄Aの株価が1株6000円、最も安い銘柄Bの株価が1株600円とします。この場合、最も安い銘柄Bを9株買い増しします。すると、銘柄Aへの投資金額は株価6000円×1株=6000円、銘柄Bへの投資金額は株価600円×10株=6000円と投資金額を均一に調整できます。
同様に株価1000円の銘柄Cがあれば、5株買い増しして、株価1000円×6株=6000円。株価2000円の銘柄Dがあれば、2株買い増しして、株価2000円×3株=6000円。
このように調整を続けていくことで、STEP2を終えれば、20銘柄に投資金額がだいたい5%ずつ均一に分散された株式ポートフォリオが完成します。
ここに到達するまで、1週間に1銘柄ずつ投資してきた方は10カ月程度、毎日1銘柄ずつ投資してきた方で2カ月程度です。この段階で皆さんのポートフォリオは理想的な形になっています。あとはコツコツと1株投資を継続していくことで運用資産は増加していきますし、配当がでれば再投資することにより複利効果でリターンは加速するでしょう。
■現金比率を維持するために1年に1回リバランスする
STEP3では、現金比率とリバランスを考慮したポートフォリオを構築していきます。「ご自身の年齢と同じ数値の%」を現金で保有しておき、その現金比率を維持するため1年に1回リバランスします。
具体的には、証券口座へ入金してもその全額を投資にまわすのではなく、一定金額を現金で残しておくようにします。これも一気にやろうとせずに、積立投資を継続しながら、徐々に現金比率を増やしていけばよいでしょう。
このような過程を経て、最終的には株式と現金比率が一定に保たれ、株式は20銘柄に均等に分散されたポートフォリオが構築されます。あとは継続あるのみです。
■なぜ今ハウスメーカー2社が「投資に値する」のか
さて、「死ぬまで持ちたい銘柄17」を永久保有銘柄とすると、20銘柄にするためには、あと3銘柄必要ですが、自身で考えていただく余地を残し、銘柄を検討することを通して投資練度を上げ、また、銘柄研究の楽しみを知っていただきたいという想いもあります。
本稿では、「株価次第では投資に値すると考える銘柄」を、ここ最近の株価を踏まえながらあらたに5つ紹介したいと思います。永久保有できるとまではいきませんが、「私が実際に保有している銘柄で安心して長期保有できると思える銘柄」、それと「現在は保有していないものの投資先として検討している銘柄」です。それでは一つひとつ見ていきましょう。
1.積水ハウス
積水ハウスは、累積建築戸数254万戸を誇り、戸建て住宅では長年No.1を誇っています。中期的な平均配当性向を40%以上とするとともに、断続的な自社株買いをおこなっています。実質累進配当銘柄で、業績が一時的に振るわなくなった時期に、わずかでも増配しようとする経営陣の姿勢は評価でき、長期的に保有したいと思える銘柄の一つです。
9月8日の中間決算では通期の業績を上方修正し配当も4円の増配予想から14円に引き上げています。配当利回り4%程度(株価2600円)程度を上限の目途としてコツコツと積み上げていけば問題はないと認識しています。私も今年の5月から7月にかけて断続的に買い増しし、本記事を執筆している時点で1280株の保有となり準主力の一角となってきました。
2.大和ハウス工業
大和ハウス工業は、建設・資材セクターで時価総額トップです。ハウスメーカーでありながら、準大手ゼネコンのフジタを100%子会社としているなど、事業の多角化を推進しています。配当性向は35%、配当下限を130円と設定している累進配当銘柄です。株主還元への姿勢は評価でき、ポートフォリオへ組み込むことを検討してもよい銘柄の一つだと考えます。
大和ハウス工業は現在保有していませんが、累進配当銘柄ですので、配当利回りが4%程度(株価3250円)を確保できるのであれば、少しずつ買っていってもよいかなと考えています。
■ニッチ市場で世界シェアトップをとる日東電工
3.信越化学工業
信越化学工業は素材・化学セクターで時価総額トップに君臨しています。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー世界首位で、売上高営業利益率は30%前後を誇る超高収益企業です。財務基盤も鉄壁で自己資本比率は80%以上を維持しています。
これまで配当利回りの低さから敬遠していましたが、最近、株価の大幅な下落で投資妙味がでてきました。私は安定的な業績推移を好みますので、業績が急拡大している現状に懸念は残っています。しかし、配当は実質累進配当となっております。株価が突発的に安くなり1万5000円を切るようであれば、配当利回りは3%となるので、その水準であれば積極的に投資したいと思えます。
4.日東電工
日東電工は、精密回路付き薄膜金属ベース基板、熱はく離シート、ディスプレー用偏光フィルム等の特定のニッチ市場で世界シェアトップです。成長が期待されるマーケットで先行者のいないニッチ分野を見つけ、固有の技術を生かした製品でトップシェアを狙う「グローバルニッチトップ」戦略をとっています。
売上高営業利益率は10%を上回り、自己資本比率は75%前後を維持し、財務基盤は盤石です。実質累進配当となっていることから、配当利回り3%程度(株価8000円)まで株価が下落するようなことがあれば、投資を検討したいと考えます。
■焦らず長く続ければ、結果が付いてくる可能性は高まる
5.稲畑産業
稲畑産業は業界2位の化学専門商社です。これまでに紹介した4社と比べると時価総額は10分の1程度ですので一般的には馴染みのない会社かもしれません。しかし、その配当利回りの高さや株主優待のお得感から個人投資家には人気のある銘柄となっています。
![長期株式投資『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/8/9/1200wm/img_8997fe128d39c56f11c520bc7e517648284092.jpg)
稲畑産業の株主還元方針は、累進配当で自社株買いを含めた総還元性向を50%程度としています。今期予想EPS(1株利益)が358円で、配当予想は115円ですので、配当性向は32%です。自社株買いを考慮してもまだ増配余力はあると考えられ、11月の中間決算発表時には配当の上方修正を行ってくるのではと考えています。
そのあたりを踏まえると株価は2500円(配当利回り4.6%)でも問題はない、と私は判断しています。また、増配による利回りの上昇も期待できます。そして、株価が下落しても累進配当であるため、ある程度の安心感をもって買い増しをおこなうことができます。
さらに株主優待は100株保有で500円のクオカードがもらえ、6カ月以上保有すると1000円にグレードアップ。3年以上の保有となると2000円へアップするため、長期保有のインセンティブがあります。また、200株保有、300株保有と保有株数を増やすことでクオカードの金額も増えますので、安くなった時に買い増しという戦術が取りやすい銘柄といえます。
![【図表2】稲畑産業の株主優待(クオカード)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/c/1/1200wm/img_c10182787d049670988714ffeb6b3e3b376819.jpg)
以上、5つの銘柄でした。
初心者の方は、早く資産を増やしたいからと一気に大量購入しがち。でも繰り返しになりますが、それはオススメしません。暴落時の資産下落に耐えられず売ってしまう可能性が高まるからです。
まずは相場で生き残ることを最優先としましょう。そして、業績が安定している配当銘柄を1株ずつ買っていくことで、配当を享受しながら投資を少しずつ学んでいきましょう。焦らずとも長く続ければ、結果が付いてくる可能性は高まります。
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「日本の配当株」専門の現役サラリーマン投資家
1977年、熊本県生まれ。2004年株式投資を開始。ハイリターン・一攫千金を求め新興市場にて個別銘柄の投資をするも、ライブドアショックで痛すぎる損失を経験。以降、大型株へ投資対象をシフトするが、リーマンショックで含み損が600万円にまで膨らむ。2009年、ポートフォリオを大型配当株メインにスイッチ。以降は安定的に資産を増やし、2021年の税引き後の手取り配当額は223万3199円と過去最高を更新。「どのような相場でも安定的に配当を受け取るには?」を日々模索。近年は、計18年の投資生活で磨いた技術やノウハウをTwitterやブログにて配信。著書に『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)がある。
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(「日本の配当株」専門の現役サラリーマン投資家 長期株式投資)
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