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ネガティブ思考は伝染してしまう…「負の発言」しかしない人と罪悪感ゼロで絶縁する最強のフレーズ

プレジデントオンライン / 2022年10月7日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/oatawa

後ろ向きなことばかり言う人がいる。脳科学者の黒川伊保子さんは「ネガティブな人からは一目散に逃げたほうがいい。そういう人と一緒にいると、自分までネガティブに引きずられてしまう。これは脳の神経細胞、ミラーニューロンが影響している」という――。

※本稿は、黒川伊保子『女女問題のトリセツ』(SB新書)の一部を再編集したものです。

■絶対迷宮「ネガティブ・ループ」の怖さ

会った瞬間、ネガティブなことを言う女性がいる。

「太った?」「疲れてる?」「忙しいんでしょ、大丈夫?」

たぶん、心配性なのだろうが、会った瞬間に気持ちが落ちる。このイラッが、意外に脳の勘を鈍らせるって、知ってましたか?

このため、こういう女性が恒常的に傍にいると、いいアイデアが出ないし、トラブルが起こるようになってしまう。

たとえば、「夫がこんなにひどい」「子どもたちも理解がない」と、嘆く。

「もう少し自分の好きなことをやったほうがいいよ」と言うと、「いや~、だって旦那が私の外出嫌がるし」「だって、自由になるお金ないし」と言う。

「だったら、自由になるお金のために、パートでもしたらどうかな? 働くことが性に合って、案外、生きがいになるかもしれないし」と水を向けると、今度は、「え~でも、旦那が許してくれないし」となって、「ほんと、旦那も家族も理解がなくてひどいのよ~」と最初の話に戻る。

完全なネガティブ・ループである。

■ループにハマってしまったときの切り上げ方

このループの外に出してあげたくて、「じゃ、夫に、こう言えば? うちは、これでうまくいった」とアドバイスすると「おたくの旦那さまは優しいから」と返される。

「いや、そんなことない。私が頑張ったんだよ」と言っても、「あなたはいいわ。私は、ダメだから」とくる。

こんなネガティブ・ループにはさすがの私も、閉じ込められて、出てこられないことが多い。

絶対迷宮なので、私は、ネガティブ・ループを一回回ったところで、「人生って、ほんっと一筋縄ではいかないわね」とまとめて、終わりにすることにしている。ほどよき時間なら、「じゃぁ、またね」と席を立つ。会ったばかりなら、自分が夢中になっている、韓流ドラマの話をして、その後、帰る。

ネガティブ・ループに付き合わないのは、私自身の脳を鈍らすわけにはいかないからだ。原稿が書けなくなってしまうのである。

■ネガティブ女子は周囲の運を下げてしまう

ネガティブな話をするとき、人は、口角を下げる。この表情が、話し相手に移って(ミラーニューロン効果)、こちらもネガティブ回路を起動してしまうことになる。ネガティブ回路に通電すると、その回路に信号が行きやすくなる。

つまり、ネガティブな人と一緒にいると、ネガティブ回路が活性化して、その人と一緒ではないときにもこの世がつらくなり、発想も好奇心も消えて、じり貧になっていくってことだ。

そりゃ、ときには、誰でも、ネガティブ・ループをこねくり回したくなるときがある。大切な女友だちのそれには、私も一晩中付き合う。けど、そんなこと、一生に何回もない。

今、話題にしているのは、「常にそれをぶん回している人」のこと。

そういう人は、会ってすぐ、ネガティブな話をする癖がある。本稿の冒頭で述べたように。その段階で、深入りしない決心をしてもいいかもしれない。

また、いい話もネガティブに倒すという癖もある。

「○○さんて、リーダーシップがあっていいね」「まぁ、ちょっと強引だけどね」

「あれ、いい映画だったね」「少し長すぎたけどね」

これも、静かにやられるよね。

■逃げることに罪悪感を持たなくていい

会ってすぐネガティブな話から入る人。いい話もネガティブに変える人。ネガティブ・ループを回す人。そのすべてから、一目散に逃げたほうがいい。

家族や、職場の人間で、どうしても離れられないときは、接触時間をできるだけ少なくしよう。

そのためには、自分が夢中なものをつくっておくことだ。習い事や趣味、「韓流ドラマに夢中」「最近、部屋の模様替えに凝ってて」とかでもいい。で、ネガティブ女子が「話聞いてよ~」と近寄ってきたら、「今から、ダンスのレッスンで」とか「今ドラマに夢中で、続きが気になって……ごめん帰るわ!あなたも観て。韓流ドラマの○○」とか「これからオンライン英会話なの」とか言って、爽やかに退散する。

明るく、好奇心の赴くままに生きていると、ネガティブ女子には取り付く島がない。そのうち、なんとなく疎遠になっていく。

かわいそう、って? いやいや、彼女は、他のターゲットを探して、ちゃんとネガティブ・ループを回していく。できれば、同じタイプの人と出逢って、ふたりで、ふたつのループを回し合ってくれれば、被害がなくて助かるんだけど。

ネガティブ母や、ネガティブ姑だと、「ただの主婦のあなたが、英会話なんてしてどうするの」とか、別の正義を立てて攻めてくるかもしれないけど、気にすることはない。「子どもに、いつまでも学ぶ姿を見せるためです」とか、「○○さん(夫)の海外出張に備えて」とか言い返せばいい。

なお、実際に英会話をしてなくても大丈夫。母や姑になんかに、ばれやしない。実際に英語で話しかけられて、話せなかったとしても、「まだだわぁ、もっと頑張らなきゃ」とにっこり笑えないいのである。

■本当の自分を手に入れる

そんなふうにはとてもできないな、と、思った方。

あなたが、ネガティブ女子から離れられないのだとしたら、もしかすると、「いい人」でいなければいけない、という呪縛があるのでは? 人の悩みは、優しく聞いてあげなければならないと思い込んでいるのでは?

拙著『女女問題のトリセツ』(SB新書)では、何度か「いい人」をやめようという話をしている。誰かの評価軸を生きていると(ましてや、「世間」などいう実体のないものの評価軸を生きていたら)、自分を見失って、自己肯定感の低さに苦しむことになる。「いい人を生きる」のではなく、「何かに夢中になって生きる」ことこそが、本当の人生を生きる鍵である、と。

自分が「いい子」だから、母親が愛してくれた。そう思い込むと、人は「いい人」をやめられなくなる。だから「いい子だから《自分の言う通りにしたから》褒める、悪い子だから《自分の思い通りにしないから》叱る」という子育てが、私は大嫌いなのだ。

けれど、そうやって育てられた人は、本当に多い。

もしも、あなたが、ネガティブ女子から離れられないのだとしたら、心の中で母親を捨てるといい。実際に縁を切って断絶するという意味じゃない。「母親の表情やことばに影響を受けない」と決めるのだ。

――母親は、私を支配しようとして、一部間違った子育てをした。私はもう、母親の「がっかり」を恐れない。母親の「反対」を気にしない。全部、受け流して、自分の中に残さない。

この文章を、声に出して読んでもいい。あなたは、あなたの人生を歩き始めよう。

夏の日本人女性
写真=iStock.com/kokoroyuki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kokoroyuki

■友だちは選んでいい

あなたが「いい人」だから、「自分の愚痴を、ゴミ箱みたいに全部受け入れてくれるから」友だちでいる、なんて言う友だちは要らない。

あなたならではのものの見方や、あなたならではのことばに惹かれて、一緒にいたいと思ってくれる、本当の友を探さなければ。

黒川伊保子『女女問題のトリセツ』(SB新書)
黒川伊保子『女女問題のトリセツ』(SB新書)

そのためには、やっぱり、好きでたまらないものを見つけて、まっすぐにそれを愛してみよう。今はSNSで、自分ならではのものの見方を発信できる時代だ。きっと、あなたのことばや、あなたの目線(写真)に反応してくれる人が現れる。

それにね、人は「ひとり」にならないと、「自分だけのことば」は降りてこない。物理的にひとりになるだけじゃだめだ。SNSから離れ、人の思惑から離れる時間がないと、脳が世界観をつくれないのである。

人の思惑を探る瞬間、脳では、横方向の神経信号が流れる。世界観をつくるには、縦方向の信号を使う必要があり、そのためには、ひとりでぼんやりしたり、何かに没頭したりする時間が不可欠なのだ。

人の思惑に巻き込まれて、寝るまでモヤモヤしたり、イライラしたりしているなんて、人生の無駄遣い。思い切って、ひとりにならないと。

ひとりになるのが怖くて、「いい人」をやめられない。けど、思い切ってひとりにならないと、本当の友は得られない。

それは、水泳のビート板に似ている。泳ぎを習ったとき、ビート板を手放すのは怖かったけど、手放したら、自在に泳げるようになったはず。ビート板のように、「いい人でいようとする気持ち」を手放そう。

誰かの愚痴のゴミ箱になることだけは、もうきっぱりやめてね。私が応援してる。

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黒川 伊保子(くろかわ・いほこ)
脳科学・AI研究者
1959年、長野県生まれ。人工知能研究者、脳科学コメンテイター、感性アナリスト、随筆家。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピュータメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳とことばの研究を始める。1991年に全国の原子力発電所で稼働した、“世界初”と言われた日本語対話型コンピュータを開発。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。近著に『共感障害』(新潮社)、『人間のトリセツ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)など多数。

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(脳科学・AI研究者 黒川 伊保子)

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