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眠い目をこすり夜中まで机にかじりつく…そんな勉強スタイルの受験生が志望校に受かることはない

プレジデントオンライン / 2022年10月21日 19時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Saturated

効率よく勉強するにはどうすればいいのか。現役医学部生YouTuberの藤白りりさんは「勉強時間を増やすために生活リズムを変えるのはよくない。自分の体力や集中力を考えて、規則正しく続けられる時間帯を見つけることが重要だ」という――。

※本稿は、藤白りり『いつも気分よく集中できる 「必要なことだけ」勉強法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■勉強中に「眠い」と思ったら寝たほうがいい

勉強はストイックにやるもの、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。勉強自体はストイックにやったほうがいいですが、勉強するための“環境”に関しては、自分を思い切り甘やかしてあげましょう。

大切なのは「欲求を満たしてあげる」こと。欲求が満たされていないと勉強に集中することができないからです。

たとえば、勉強していて「眠い」と思ったら我慢しないほうがいいです。眠いまま勉強しても集中できず、記憶にも残りません。これでは何もしていないのと一緒ですよね。だったら、いっそ寝て、スッキリした頭で勉強を再開するほうが効率的です。「お腹がすいた」「喉がかわいた」「暑い」「寒い」「体がだるい」なども集中力の敵です。私はいつも勉強を始める前にお腹をある程度満たすようにしていました。そんなに間食をするほうではありませんが、脳を働かせるには糖分が必要ですから、勉強中にお腹がすいたらお菓子などを食べながら復習などの軽い作業をしていました。

■机の散らかりが気になるならすぐ片付ける

部屋の温度設定や、着るもの・はおりものなどで体感温度を調整するのも大事です。喉がかわいたら水分を補給し、体がだるいと感じたら少しストレッチをしてみましょう。ほかにも、「なんだか机の上が汚いな」と思ったら、ささっと片付けてしまいましょう。「汚くていやだな」と思いながら勉強しても気が散るばかりです。

勉強は脳の“運動”です。実際の運動も、準備運動をしたり動きやすい格好をしたりと、コンディションを整えますよね。勉強もベストの状態で臨めるよう、環境を整えてあげるのが大事です。

机に向かってみたものの、「なんだか調子が悪いな」「気分がのらないな」と感じることは誰にでもあります。そんなときは、自分の体が何を欲しているのかに耳を傾けてあげましょう。自分の欲求に向き合い、コンディションを整えてあげることで、思い切り勉強に集中できるようになります。

ただ、最初は誰でも机に向かうだけでストレスになるものなので、できるだけ自分の欲求を満たしつつも、慣れるまでは多少の我慢も必要だと思ってください。

■勉強時間の単位は「50分やる→10分休憩」

勉強時間の長さを人と競い合う必要はないとお伝えしました。「覚えるのに時間がかかる人」もいれば、「すぐに覚えられる人」もいます。「覚えるのに時間はかかるけど一度覚えたことは忘れにくい人」もいれば、「覚えるのは早いけどすぐに忘れてしまう人」もいます。自分の特性を把握し、自分に合った計画をたてる必要があるのです。

必要な勉強時間の長さは人によって違ってくるため「何時間勉強しないといけない」という決まりはありません。ただ、たくさん勉強時間を確保すれば埋めるべき穴をたくさん埋められます。どんな人も、毎日ある程度の勉強時間はとりたいところです。

とはいえ、勉強に慣れていない人は、いきなり何時間も集中するのは難しいです。おすすめは「50分」。人間の集中力の限界は50~90分と言われており、私の体感としても50分がちょうどいいと感じています。

まずは50分やって、10分休憩。もう少しできそうだったらまた50分やって10分休憩。これを繰り返し、1日最低でも合計2~3時間(学校の授業以外)は机に向かえるようになることを目指しましょう。

勉強は「慣れ」です。たくさん勉強できる人は「集中力が高い」というよりは、単に勉強に慣れているのです。最初はあまり集中できなくても、毎日少しずつ取り組んでいると“耐性”がつきます。慣れていない人はいきなり3時間やろうとせず、まずは50分から始めてみましょう。

■ギリギリで始めて自分を追い込む作戦はリスクが高い

なお、「早くから取り組むよりギリギリで始めたほうが集中できる」と主張する人もいます。たしかに、「もう時間がない!」と自分を追い込むと驚異的な集中力が生まれる経験は私にもあります。

ただし、この作戦は正確に逆算ができていなかった場合、大ピンチに陥ります。定期試験の副教科などには使える方法ですが、期間も長く量も膨大な受験勉強では使わないほうがいいです。「いかに穴を埋められるか」勝負の受験では、早く本気になったもの勝ちです。

■「1時間早起きして勉強しよう」はおすすめできない

「勉強時間を捻出するために、普段と違う時間帯に勉強をする」のはあまりおすすめできません。生活習慣や体内時計が乱れてしまい、集中できなくなるからです。

実は私も、勉強時間を増やすためにいつもより1時間早く起きて勉強をしていた時期がありました。しかし、この試みは残念ながら続きませんでした。理由は、体力的につらかったことです。また、気分がめいったりイライラしたりと、全体的に調子が悪くなってしまいました。結局、「朝早く起きての勉強は自分には合わない」と気づき、もとの生活に戻しました。

ベッドで頭を抱える女性
写真=iStock.com/Viktoria Korobova
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Viktoria Korobova

集中しやすい時間帯は人によって違います。早寝早起きは体にいいと言われますが、朝型の人ばかりではありません。要は、「自分に合った時間帯に勉強する」ことを規則正しく続けるのが大事なのです。

高校時代の私の生活は、朝7時半に起き、夜は12時半くらいに就寝。体調を崩してしまうので夜更かしはしないようにしていました。もっと睡眠時間を削れば勉強時間を増やせるとは思いましたが、失敗した経験から「自分には最低7時間は睡眠時間が必要」とわかっていたので、無理はしませんでした。休日も早朝からではなく、11時から20時くらいまでを勉強時間にあてていました。

現時点で極端に乱れた生活をしている人は、規則正しい生活にあらためたほうが勉強に集中できるようになるかもしれません。ただし、新しいリズムに慣れるのには時間が必要です。生活リズムや習慣を変えるなら、受験勉強を始める前までに済ませておきましょう。高3になるまでにいろいろと試し、自分に合ったリズムを見つけておけるといいですね。

■「区切りのいいところまでやろう」が実は効率を落とす

気分がのっていると、休憩時間をとらずに勉強し続けたくなることもあるかもしれません。また、焦っているときも「休憩なんてしている暇はない」と感じやすいですよね。

藤白りり『いつも気分よく集中できる 「必要なことだけ」勉強法』(KADOKAWA)
藤白りり『いつも気分よく集中できる 「必要なことだけ」勉強法』(KADOKAWA)

しかし、長時間集中し続けることは不可能です。気持ちばかりが先行してダラダラとした勉強をしてしまうと、全体的な効率は落ちます。ずっと同じ姿勢で勉強していると首や腰を痛めるかもしれないですし、思ったほど進まず、しかも途中で疲れてしまい予定時間の最後までやりきれなくなることもあります。こうなっては本末転倒なので、意識的に休憩をとったほうがいいです。

コツは、「区切りのいいところまでやろう」と思わないこと。区切りのいいところで休憩したい気持ちはよくわかりますが、長い目で見ると定期的に休憩を挟んだほうが効率的です。なぜかというと、「あと1問」「この問題が終わるまで」と思っているうちにやめるタイミングを逸してしまうことが多いからです。時間が来たからとスパッとやめて休憩すれば、意外と、戻ってきたときに「さっきの続きは何だったかな」と記憶を呼び戻すことになるため、脳への定着力も高まりやすいです。

■合間の息抜きは「勉強に戻ってきたくなるようなこと」をする

また、いざ休憩時間になったとき、息抜きとしてスマホいじりやゲームをするのはやめておきましょう。言うまでもありませんが、勉強に戻ってこられなくなるからです。

代わりにおすすめなのは、ずっと続けるのが難しくて途中でやめたくなるような“ちょっとしんどい”ことです。たとえば、ジョギング、散歩、ストレッチなど。体を動かすと気持ちがよくてリフレッシュできますが、疲れるので長時間は続けられないですよね。「疲れたからもうやめたいな。勉強でもするか」と思えるので、勉強の息抜きにはぴったりです。

もちろん、健康にもいいですしね!

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藤白 りり(ふじしろ・りり)
YouTuber
智辯学園和歌山高等学校卒業後、東京医科歯科大学医学部医学科に進学。塾にほとんど通わず独学で現役合格した自身の経験をもとに、中高生時代の効率的な勉強法を発信するYouTubeチャンネル「藤白りり」を開設。2022年現在、登録者数約20万人。リクルート運営のオンライン予備校「スタディサプリ」では中学講座の理科を担当している。著書に『いつも気分よく集中できる 「必要なことだけ」勉強法』(KADOKAWA)がある。

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(YouTuber 藤白 りり)

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