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「高級料理もブランド品もカメラの前だけ」金持ちYouTuberヒカルの"意外と質素な生活"

プレジデントオンライン / 2022年11月10日 17時15分

YouTuberのヒカル氏 - 写真提供=徳間書店

破天荒なお金の使い方で話題を集めてきたYouTuberのヒカルさんは、普段どのような生活を送っているのか。ヒカルさんは「お金を湯水のように使うのはあくまでキャラクター。カメラの前では羽振りはいいが、普段は400円の牛丼で満足している」という――。(第1回)

※本稿は、ヒカル『心配すんな。全部上手くいく。』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

■「やりたいけどできないこと」を動画にする

「キャラクター」「コンセプト」「ストーリー」僕はいつもそれを意識している。同時に、視聴者の具体的なニーズも探っている。ひと口にニーズと言っても相手によって違うし、世のなかのトレンドしだいでどんどん変わっていく。でも不変のニーズもある。つねに僕に求められている企画。それは「やりたいけど、現実的にはできないこと」、そして「知りたいけど、なかなかできないこと」だ。

実際に、その種の企画は爆発的にバズる。僕のキャラクターに合っているのだと思う。そうやってバズるたびに僕の知名度は急上昇し、ユーチューバーとしての大きなターニングポイントになってきた。

■「ヒカル」の名をとどろかせた「祭りくじ」の動画

なかでもヒカルの名を一躍有名にしたのは、「祭りくじ」の動画だった。祭りや縁日の露店でおなじみの祭りくじ。その1等には最新のゲーム機などの豪華賞品が用意されている。でも、僕自身当たったこともなければ、当てた人を見たこともない。ほんとうに1等は入っているのか? 調査に乗り出すことにした。

実際に祭り会場に出向いた僕は、くじのA賞(1等)としてニンテンドースイッチの本体が飾ってある露店を見つけた。まず10枚引いた。ぜんぶハズレ。こんどは30枚。

かすりもしない。さらに手あたりしだいにくじを買っては開けていく。ハズレ、ハズレ、ハズレ。結局、13万円ぶん引いたがB賞すら当たらない。そのうち観衆が集まり、大きな騒ぎになってきた。そこでその露店の店主が登場。「ほんとうにA賞はあるのか?」と僕。「それはわからない。すでにA賞が出ているかもしれない」店主がみょうな理屈でとぼける。

A賞としてニンテンドースイッチがこれみよがしに展示されているのだ。もしA賞がすでに出たのなら詐欺だろう。おとり広告だ。さらに問い詰めたが、店主は要領を得ない言い逃れを繰り返すばかり。最終的に15万円ぶんのくじを引いたものの、A賞どころかB賞すら当たらなかった。この露店は子どもたちの大事なお小遣いを騙し取っているわけだ。悪質だ。祭りくじの闇である。

■世間ができないことを代わりにやってみせる

2017年に公開したこの動画は約4800万回再生され、僕の代表作のひとつになった。

祭りくじをぜんぶ買うなんてことはまさに「やりたいけど、現実的にはできないこと」だ。ほんとうに1等は入っているの? でもじっさい検証するにはお金がかかる。それに祭りの露店ならではの雰囲気もある。そこにあえて踏み込むのはためらわれるだろう。

人々で混雑する祭りの日の屋台が並んだ通り
写真=iStock.com/JianGang Wang
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JianGang Wang

そこで僕が代わりにやってみせた。祭りくじをめぐる動画はこれまで3回投稿しているが、どれも1000万回再生を突破するキラーコンテンツとなった。

「知りたいけど、なかなかできないこと」もたくさんやった。かつて実写チャンネル開設直後にやったのは、ジュースの自動販売機を売り切れにしてみるという企画。1台の自販機にはジュースがぜんぶで何本入っているのか。売り切れにするにはいくらかかるのか。自分ではやらないが、やっている人がいたら見てみたいと思うはずだ。結果、視聴者の好奇心をうまく刺激することができた。僕の実写チャンネルで初めてバズった企画になった。

■好感度と引き換えに金に物を言わせて差別化を図る

さかのぼれば、実写チャンネルのまえ、ゲーム実況チャンネルに取り組んでいたころから視聴者のニーズには敏感だった。そのとき僕がプレイしていた「実況パワフルプロ野球」(パワプロ)は無課金でもじゅうぶん楽しめるが、課金したほうが強い選手を育てやすい。とはいえ、多くの人にとって課金しまくるのは夢のプレイ。そこで僕が代わりに夢のプレイを実際にやってみせたのだ。

こういった企画が当たって、僕のゲーム実況チャンネルの登録者数は当時としては大台の1万人を半年で突破。軌道に乗っていく大きな足がかりになった。

「なるほど。おもしろい企画にするにはお金を使えばいいのか」と皮肉を言う人もいるかもしれない。それははんぶん正解、はんぶん不正解だ。

金に物を言わせるのは下品だ、はしたない。いまでも僕のもとにはそんな批判が届く。そうなのかもしれない。下品なのだろう。だから、金に物を言わせるというのは好感度と引き換えなのだ。好感度を捨てる覚悟がないと、お金をじゃんじゃん使ってみせることはできない。

おもしろい企画とは、すなわち差別化だ。ほかのだれかと異なっていることが大前提だ。だからそこにはつねに代償がつきまとう。お金がないなら、時間や気力や体力をありったけ費やさなければならない。一方、お金を使ってだれかを楽しませようとするなら、下品だとのそしりも免れない。

ようするに、ニーズに対してどこまで愚直になれるのか。どこまで代償を払えるのか。おもしろさとは、その勝負なのだ。

■「お金の価値観」を壊しているからバズる

僕は一時期、自分を「金持ちユーチューバー」と称していた。図に乗って「俺たち金持ちユーチューバー ~We are Rich YouTubers~」なんて曲もリリースした。もちろん、はんぶんネタだ。

僕のYouTube動画では、ブランド品を買いまくってみたり、高額のガチャガチャを当たりが出るまでひたすらやり続けてみたり、はたまた高級料理店で大食い勝負をしてみたりと、大金を投じる企画も少なくない。そしてそれがことごとくバズる。

人はお金に縛られて生きている。でも僕はなんのためらいもなく湯水のようにそれを使ってみせる。お金の価値観を壊しているわけだ。それがウケている一因だろう。

そんな動画をたびたびアップしているから、ヒカルは羽振りがいい、金遣いが荒い、なんてイメージが定着した。まさに金持ちユーチューバーだ。狙いどおりだ。夢があっていい。

でも裏を明かせば、湯水のようにお金を使うのはYouTube撮影のその場かぎりのことだ。番組製作費のようなものだ。

僕の普段の暮らしは簡素だ。住まいこそ高級賃貸マンションだが、その家賃以外はたいしてお金を使わない。そのマンションだって動画撮影のスタジオを兼ねている。

僕の時間はほとんどYouTubeに費やされる。撮影、編集、企画会議、アップした動画の反響の検証。だからほかにお金を使おうにもそんな暇もない。

■普段の食事は400円の牛丼でじゅうぶん

食事はうまければいい。400円の牛丼でじゅうぶんだ。それをデリバリーで取り寄せる。中華料理が食べたくなったら近所にある「餃子の王将」だ。一食にわざわざ何千円も何万円もかける気にならない。

ヒカル『心配すんな。全部上手くいく。』(徳間書店)
ヒカル『心配すんな。全部上手くいく。』(徳間書店)

洋服もお気に入りの数着を着まわしている。ブランド物のネックレスや腕時計は金持ちユーチューバー用だ。普段からそれをじゃらじゃらさせているわけじゃない。

お金なんてそんなもんだ。たいして使い道はない。普通に暮らすぶんには少しあればやりくりできる。でもみんなお金の心配ばかりしている。

そしてお金の心配をするあまり、やりたいこと、挑戦したいことがあっても尻込みしてしまう人が少なくない。でもそれでは本末転倒だ。やりたいことはお金では買えない。やりたいことをやってお金を稼ぐ。そこを目指さないでどうする。

何度でも言うが、失敗なんて恐れるに足りない。もしあなたの挑戦が大コケしたとする。それで野垂れ死ぬのだろうか? そんなわけはない。困ったらだれかに頼ればいい。最悪、実家に帰ればいい。友だちの部屋に転がり込めばいい。僕はいつでも安アパートに引っ越す気でいる。出直すための手立てはいくらだってあるのだ。

僕の人生最大のピンチは、「VALU(バリュー)騒動」だった。僕はそれですべてを失った。でもそれは振り出しに戻っただけだ。何者でもない自分に戻っただけだ。きっとやり直せる。僕はそう信じた。で、実際そこから巻き返せた。

オセロといっしょだ。たとえあなたがどんなピンチにおちいっても、四隅を取られなければ大丈夫だ。四隅を取られるとは? それはあなたがあきらめたときだ。あきらめないかぎり必ずひっくり返せる。必ずだ。

お金なんて大した問題じゃない。ぜんぶなんとかなる。人は簡単には死なない。四隅さえ取られなければ、チャレンジは続けられる。成功の火は消えない。

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ヒカル YouTuber
1991年、兵庫県生まれ。実業家。本名は、前田圭太まえだけいた。2013年、ゲーム実況チャンネル「Hikaru Games」を開設し、ユーチューバーデビュー。2016年、現在のメインチャンネルとなる「ヒカル(Hikaru)」を開設。テンポの良いトークと異彩を放つ企画で、たちまち大ブレイク。YouTubeチャンネル登録者数100万人/200万人到達の国内最速記録(当時)を打ち立てた。また、ユーチューバーグループ「Next Stageネクストステージ」を結成し、楽曲リリースやファッションショー出演など、さまざまなパフォーマンスを披露。2019年にはアパレルブランド「ReZARDリザード」を創業。若者を中心に人気を博し、実業家としても手腕をふるう。現在、「ヒカル(Hikaru)」のチャンネル登録者数は480万人、総視聴回数は42億回を超える(いずれも2022年8月時点)。国内トップクラスのユーチューバーとして活躍中。

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(YouTuber ヒカル)

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