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だから「話したくない」と避けられてしまう…ブッダが説く「話すだけで嫌われる人」の3つの共通点

プレジデントオンライン / 2022年10月31日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/caracterdesign

他人に嫌われる人にはどんな共通点があるのか。福厳寺住職でYouTuberの大愚元勝さんは「言葉遣いが荒い人、嫌みが多い人は嫌われやすい。これは、仏教で言う「慢」や「瞋」がタレ流されている状態で、その人の心がギスギスしている証拠だ」という――。

■「できるだけ話したくない人」の共通点

世の中には2種類の人がいます。

「もっと話をしていたい」と思われる人と、「できるだけ話したくない」と思われる人です。

「できるだけ話したくない人」には、共通点が3つあります。

1、言いたいことを一方的に話す
2、使う言葉や言葉遣いが荒い
3、嫌味や余計な一言を言う

の3つです。

それぞれをもう少し深く見ていきましょう。

■言いたいことを一方的に話す、はマナー違反

会話は言葉のキャッチボールです。言葉とは、その人が感じたこと、考えたことです。

つまり会話とは、思考や感情のキャッチボールなのです。互いに思ったこと、感じたことを投げかけ、受け取る。それが会話であることを忘れて、一方的に自分が言いたいことだけをまくし立てるのは、マナー違反です。これをやられたら、その人と話をするのが嫌になります。

問題は、自分の会話が自分で見えないことです。知らず知らずのうちに、つい、自分のことばかり話してしまいます。

私はこの現象を、「エゴのタレ流し」と呼んでいます。

エゴとは自我(じが)のこと。仏教では、人が自分をこの世で一番大切な存在として愛おしむ本能のことを、「自我(が))」、あるいは「我(が)」と呼びます。

私が、私を、私に、私の、私だけ……

自我は「わたし」を一方的に主張して、相手に付け入る隙を与えません。もちろん相手にも自我がありますから、これをやられたら、相手の自我が傷つくのです。

かくして「自我」VS「自我」がぶつかり合った結果、弱気な方、繊細な方が、表面上では相手に合わせ、心の内では、「もうこの人とは話したくない」と、相手を嫌悪することになるのです。

■言動が荒い人には近づきたくない

ガチャン、バタン、ドカン……

先日、ホテルのバイキングで隣に居合わせた男性は、終始大きな音を立てていました。ご飯のジャーや、欧風カレーの寸胴の蓋をバタン、バタンと、それはそれは大音を立てて閉めるのです。

しかもその男性は、私がまだ料理皿のトングを置く前に、横から手を伸ばしてくるのです。この距離感と遠慮のなさは、恋人か子どもしか有り得ない……。

私はその男性の側から離れようと、料理を取るのをやめて、自分の席に戻りました。

しかし……こともあろうか、その男性は私のすぐ後ろのテーブルに席取りをしていたのです。そして、その男性は、食事中ずっと耳障りな音を出し続けていたのでした。

行為とは「音」です。私たちは、その人が成す行為に伴って出す音によって、その人を好ましく思ったり、疎ましく思ったりします。

波紋水表面のクローズアップ
写真=iStock.com/Jacob Wackerhausen
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Jacob Wackerhausen

同じように、言葉も「音」です。その人が発する言葉や言葉遣いの音によって、その人を好ましく思ったり、疎ましく思ったりします。

■無意識のうちに相手を下に見ていないか

言葉や言葉遣いが穏やかな人は好かれ、荒い人は嫌われる。

問題は、自分の発する言葉の音が、自分には聞こえないことです。知らず知らずのうちに、つい、乱暴な言葉で、横柄に話してしまう。

私はこの現象を、「慢(まん)のタレ流し」と呼んでいます。

慢とは、仏教の言葉で、自分と相手を比較して、相手が自分より上か、下か、同等かの3つに分類する心のことです。

そして、相手を自分より下だと見ると、無意識のうちに乱暴な言葉で、横柄な態度で話してしまうのです。

当然、そのような言葉や態度で話をされた方は、「もうこの人とは話したくない」と、相手を嫌悪することになります。

■言葉に棘がある人は、心に炎症を秘めている

何気ない会話をしているだけなのに、嫌味や余計な一言を発する人がいます。発する言葉にいちいち棘(とげ)があるのです。

生きるということは、心に何かを思い、思ったことを口に話し、身体で行為することの連続です。

言葉に棘があるということは、心に棘があるということです。

バラの棘は、自分を守り、相手を攻撃するためにあります。同じく自分に自信がない人は、棘をもって自分を守ろうとします。それが嫉妬です。

また、心に怒りを持っている人の言葉にも、棘が生じます。発する言葉が攻撃的になるのです。

問題は、心中に秘めている嫉妬や怒りに、自分では気づかないことです。

私はこの現象を、「瞋(じん)のタレ流し」と呼んでいます。

瞋(じん)とは仏教の言葉で、怒りのことです。嫉妬も怒りの一種です。

自分に自信がないが故に他人に嫉妬する。心に怒りを秘めているが故に、発する言葉が刺々しくなる。何気ない会話をしているだけなのに、嫌味や余計な一言を発する人は、心に怒りを抱えているのです。

また、怒りは心の炎症だとも言えます。小さな炎症であっても、続けば心は疲弊します。疲弊すればするほど炎症は酷くなり、発する言葉の棘も大きく、多くなってしまうのです。

■人間関係をギスギスさせる話し方の根本原因

これら、「できるだけ話したくない」と思われる人の3つの共通点は、実は「話し方」の問題だけではなく、その人の心の問題を表しています。

仏教では、心を水のようなものだと捉えています。

水にお茶の成分が溶けていれば、お茶の味がします。コーヒーの成分が溶けていれば、コーヒーの味がします。

同じように、心に「我」が多く溶けていると、その人の話し方は、自ずと「我」を主張する、聞き辛いものになります。

心に「慢」が多く溶けていると、その人の話し方は、自ずと「慢」に毒された、聞き辛いものになります。

心に「瞋」が多く溶けていると、その人の話し方は、自ずと「瞋」に満ちた、聞き辛いものになります。

それらが人間関係をギスギスさせる話し方につながってしまうのです。

人は人の間でしか生きていくことができません。だから人間と呼ぶのです。そして、人間は言葉によってつながり、言葉によって支え合っています。

当然、コミュニケーションが下手な人は、生きづらくなります。

人間関係をギスギスさせる話し方をしてしまう人は、話し方の前に、心がギスギスしている可能性があることを、忘れてはなりません。

人間関係を円滑にする話し方。人間関係をギスギスさせる話し方。

どちらも、その言葉を発する人の「心」によって決まります。

そのことを知って、己の心を清らかに、穏やかに保ちたいものですね。

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大愚 元勝(たいぐ・げんしょう)
佛心宗大叢山福厳寺住職、(株)慈光グループ代表
空手家、セラピスト、社長、作家など複数の顔を持ち「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。僧名は大愚(大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意)。YouTube「大愚和尚の一問一答」はチャンネル登録者数29万人、5400万回再生された超人気番組。著書に『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)、『最後にあなたを救う禅語』(扶桑社)、最新刊としてYouTube「大愚和尚の一問一答」のベスト版として書籍化した『人生が確実に変わる 大愚和尚の答え 一問一答公式』(飛鳥新社)がある。

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(佛心宗大叢山福厳寺住職、(株)慈光グループ代表 大愚 元勝)

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