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休憩時間にスマホをいじってはいけない…学びを身につけられない人が無意識にやっているNG行動

プレジデントオンライン / 2022年11月2日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AzmanJaka

効率よく学ぶためにはなにが重要なのか。編集者の藤吉豊さんと小川真理子さんの著書『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)より一部を紹介しよう――。

■学びの質は「上手な休憩」で上げられる

脳科学の分野では、休憩を挟まずにまとめて勉強する「集中学習」と、小刻みに休憩を挟む「分散学習」を比べた場合、分散学習のほうが記憶に定着しやすいことが明らかになっています。

休憩を挟まずに際限なく勉強をすると、

「集中力が続かない」
「記憶が定着しにくい」

ため、「時間をかけたのに成果が出ない」ことになります。

マインドマップの考案者であるイギリス人教育者、トニー・ブザンは、「休憩は、学習した内容を脳が吸収する時間」ととらえています。

「たとえば20~50分に一度の間隔で短い休憩を定期的にとることで、学習中に正確な情報をかんたんに想起できるようになる」(『トニー・ブザン 頭がよくなる本』/東京図書)

■休憩を取る4つのメリット

(1)記憶の定着が良くなる。
(2)集中力が保たれる。
(3)飽きるのを防げる。
(4)肉体的な疲労が緩和される(肩こり、目の疲れなど)。

また、休憩を取ると、「初頭効果」と「親近効果」を活用できます。

◎初頭効果
……「最初」に提示された情報は記憶に残りやすい。
◎親近効果
……「最後」に提示された情報は記憶に残りやすい。

「最初と最後の記憶が残りやすい」という脳の特性を踏まえると、「最初」と「最後」の回数が増えるほど、学習効率が高まることがわかります。

たとえば、「休憩を入れずに3時間勉強する」場合は、「最初(初頭効果)……1回、最後(親近効果)……1回」です。

しかし、3時間を「『50分勉強+10分休憩』×3回」に分ければ、「初頭効果」と「親近効果」がそれぞれ3回発揮されることになります。

【図表1】休憩を挟んで、「最初」と「最後」の回数を増やす
出所=『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』

■スマホやゲームでは脳は休まらない

休憩の一番の目的は、「勉強で疲れた体や脳を休める」ことです。

100冊の著者の多くが、「休憩中のスマートフォン(スマホ)やゲームはおすすめできない」と述べていました。脳が休まらないからです。

【図表2】休憩時間の過ごし方の例
出所=『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』

「休憩中も勉強をしてはどうか」と提案するのが、中田敦彦さんと河野玄斗さんです。

「受験勉強には“最高の休憩”ってものがある。信じられないかもしれないけど、それは休憩中も勉強することなんだよね!」(中田敦彦『大合格』/KADOKAWA)

たとえば、日本史の勉強に行き詰まったときは、休憩時間に英単語の暗記をする。すると、「“勉強モード”を維持したまま気持ちの切り替えができたりする」と中田さんは述べています。

「『得意科目を休憩』にできたら、これほど強いことはありません。苦手科目を勉強していて疲れたら、休憩がてら得意科目をやって、また苦手科目に戻って……を繰り返せば、1日中勉強できることになります」(河野玄斗『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法』/KADOKAWA)

■「集中力が続く時間」で区切る

100冊の著者は、「集中力は長く続かない」という考えで一致しています。

しかし、「集中力はどれくらい持つのか」については諸説あるため、100冊で示されている「集中が続く時間」にも、20分、45分、60分、90分など、差がありました(長くて「90分」でした)。

集中力は個人差もあり、90分集中できる人もいれば、15分で注意散漫になる人もいます。

したがって、「50分勉強+10分休憩」「45分勉強+15分休憩」「90分勉強+20分休憩」など、自分に合った「勉強+休憩」の組み合わせを見つけることが大事です(あとで紹介する「ポモドーロ・テクニック」も参考になります)。

「どのくらいの時間にどんな活動をするのが効果的なのか、自分でいろいろと試せばいい」(ベネディクト・キャリー『脳が認める勉強法』/ダイヤモンド社)
「集中力には個人でいろいろなタイプがありますから、それぞれが自分に合った方法を見つけて、それを実践するのがいちばんだと思います」(安河内哲也『できる人の勉強法』/中経出版)
「集中できる時間はその日のコンディションにもよります」(葉一『自宅学習の強化書』/フォレスト出版)

■メンタリストDaiGoが紹介「ポモドーロ・テクニック」

読書猿さん、メンタリストDaiGoさんらが自著で紹介しているのが、「ポモドーロ・テクニック」です。

◎ポモドーロ・テクニック
……「25分間の勉強+5分の休憩」を繰り返す時間管理術。
イタリア人のフランチェスコ・シリロが考案した。「ポモドーロ」とはイタリア語で「トマト」のこと。シリロが愛用していたトマト型のキッチンタイマーに由来する。

「ポモドーロ・テクニックは短時間の集中作業を繰り返すことで、一日のうち集中力の高い状態にいる時間を増し、知的生産性を高める技法である」(読書猿『独学大全』/ダイヤモンド社)

【図表3】ポモドーロ・テクニックのやり方
出所=『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
【図表4】「ポモドーロ・テクニック」の流れ
出所=『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』

元クイズプレーヤー・鈴木光さんの『夢を叶えるための勉強法』(KADOKAWA)にも、「タイマーを使って勉強時間を区切る」方法が紹介されていました。この方法なら、「どれぐらいの時間で、どれぐらい進めることができたか」がわかるため、自分に合ったサイクルが見つかります。

【図表5】
出所=『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』

■「勉強しない日」をつくる

「休むと勉強が遅れてしまう」「みんなががんばっているのに自分だけは休めない」「休みグセがつきそうで怖い」といった理由で、「休むこと」に罪悪感や焦りを覚える人がいます。ですが、目指す目標がまだ先にある場合、焦らずに「勉強をしない日」をつくることも大切です。

「心身がリフレッシュする」
「メリハリがついた質の高い勉強ができる」

からです。

100冊の中には、「勉強のスケジュールの中に、オフの予定をあらかじめ組み込んでおく」ことをすすめる本もありました。

「毎日休みなく勉強するのではなく、1週間に1日、まったく新規の勉強をしない午後をつくるのです。『時間がもったいない』と言う人もいるかもしれませんが、まったく休まないと効率が落ち、トータルで見るとマイナスなのです」(佐藤大和『ずるい暗記術』/ダイヤモンド社)

藤吉豊、小川真理子『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)
藤吉豊、小川真理子『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)

「人間の能力は有限ですから、疲れてくれば、当然、『能力』も『脳力』も下がってきます。(略)そこで私は、『戦略的に休む』ようにしています。『やるべきこと』の予定の中に、『休むこと』自体をタスクとして組み込んでしまうのです」(白川敬裕『本物の勉強法』/ダイヤモンド社)

「最初から『休む予定』を組み込んでおくのもいいでしょう。たとえば、1週間のスケジュールを組むときに『月・火はしっかり勉強して水の午後は休む。木・金・土と勉強して、日は1日休む』と事前に決めてしまうのです。個人的な感覚では、高密度の勉強をするためには、3日に1日くらいは休みが必要です」(水上(みずかみ)颯(そう)『東大No.1頭脳が教える 頭を鍛える5つの習慣』/三笠書房)

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藤吉 豊(ふじよし・ゆたか)
編集者
文道代表。有志4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。 編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、自動車専門誌2誌の編集長を歴任。 2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。06年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力。大学生や社会人に対して、執筆指導なども行っている。共著書に『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)、単著書に『文章力が、最強の武器である。』(SBクリエイティブ)がある。

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小川 真理子(おがわ・まりこ)
編集者
文道取締役。「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。編集プロダクションにて、雑誌や企業PR誌、書籍の編集・ライティングに従事。その後、フリーランスとして、大手広告代理店の関連会社にて企業のウェブサイトのコンテンツ制作に関わる。現在はビジネス書や実用書、企業をクライアントとするPR誌などの編集・執筆に携わる。共著書に『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)、自ら企画編集執筆に携わった本に『親が倒れたときに読む本』(枻出版)がある。近年は、ライティング講座にも力を注ぐ。

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(編集者 藤吉 豊、編集者 小川 真理子)

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