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カリスマ投資家が断言…それでも「米国株を買うべき4つの理由」と「いまは避けたほうがいい2つの資産」

プレジデントオンライン / 2022年11月5日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ivan Chertok

投資で豊かになれる人、なれない人の差はどこにあるのか。40代で「億り人」となった米国株投資のカリスマ・たぱぞう氏が、それでも「米国株を買うべき4つの理由」と「いまは避けたほうがいい2つの資産」について解説する――。(第2回)

※本稿は、たぱぞう『僕が子どもに教えている1億円のつくり方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■それでもやっぱり米国株をお勧めするわけ

足元は冴えなく見える米国株ですが、それでも私は資産形成手段として米国株をお勧めします。

『僕が子どもに教えている1億円のつくり方』の中でも紹介していますが、日本株の代表的株価指数TOPIXと米国株の代表的株価指数S&P500の推移を比較して、米国株が圧倒的に優位だからというのが一つの理由です。

理由はあと四つあります。

一つ目は米国では人口が増加しており、消費成長国であることです。米国の人口は増加し続けており、2030年には3.5億人、2050年には3.8億人を超えると見込まれています。人口が増えれば、消費活動が盛んになり、労働生産力が維持されます。年金などの社会保障を担う層が多く存在するため、社会保障負担が過度にならず、税金が適切に再投資されるなど、経済成長につながりやすくなります。

二つ目は、洗練された投資の法整備がなされていることです。米国の証券取引所は上場基準が厳しいです。株式市場には成長性の高い銘柄だけが集まり、自ずと株価指数は上昇しやすくなります。

三つ目は、世界の有力企業の多くが米国発祥だということです。アップルやマイクロソフトといった世界的に有力なIT企業の多くは米国企業です。ほかにも軍事、金融、ヘルスケアなど、多分野において米国が主導権を握っています。

四つ目は、日本においても比較的投資しやすいことです。この後ご紹介しますが、米国株投資というくらいですから、海外の資産に投資するわけですが、ありがたいことに今はそれを日本で手軽にできます。投資の先輩たちにも利用者が多いです。

■投資の第一歩として何を買えばいいか

高成長が期待できる国に投資するという視点で言えば、新興国も候補になりそうですが、そうとも言い切れません。なぜなら、新興国では経済成長と株価が連動していないケースもあるからです。また、企業の情報開示や市場の透明性が未成熟で、投資を始めて日が浅い方が、必ずしも安心して投資できる環境とは言い切れないのです。

たぱぞう『僕が子どもに教えている1億円のつくり方』(KADOKAWA)
たぱぞう『僕が子どもに教えている1億円のつくり方』(KADOKAWA)

前項で述べたように、米国株とて、常に好調ではありません。しかし米国がくしゃみをすれば、米国以外の国は風邪や肺炎になっていることが少なくありません。たとえ軟調なマーケットでも、米国株が相対的に優位になることが多いことも、「それでもやっぱり米国株」を勧める理由です。

米国株に投資することが資産形成に最もふさわしいとご理解いただけたでしょうか? では、次に知りたくなるのは「何を買えばいいか?」でしょう。はい、お答えします。

「iPhoneを使っているし、米国株投資ならアップルを買ってみたい」と思われる方がいらっしゃることでしょう。アップルやマイクロソフトという特定の企業の株式への投資は、個別株投資といいます。なんとなくかっこよさげに見えて、試してみたくなるかもしれませんが、ちょっと待ってください。

個別株投資は、銘柄を選択する必要があり、ある程度の知識、情報、株価をチェックする手間などが必要なほか、センスも求められます。経験値が必要ですし、少数の個別株に集中投資するのは、一企業のダメージを大きく食らいます。

■個別株と指数の値動きの違いを理解しよう

一つ例をご紹介しましょう。

図表1で横ばいに見えるのがS&P500です。一方、前半は好調でしたが、その後急激に下落しているのは、世界最大のネット動画サービス提供企業であるネットフリックス(NFLX)です。

S&P500指数とネットフリックス株の値動きの違い
出所=Yahoo! Finance

ネットフリックスは、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要を吸収し、それを好感した投資家のお金が集まって株価が急上昇しました。しかし、ワクチン接種が世界的に進み、人々が外に出て行動するようになったころに需要が減り、それに伴って株価が急激に下落しました。ならば、株価が高いときに売ればいいじゃないと思うかもしれませんが、それはプロでも難しいです。

一方、S&P500はマイルドな動きをしていますね。これが500銘柄に分散された効果です。500銘柄あれば、アップルやマイクロソフト、アルファベット(グーグル)といった、最先端のIT企業だけではなく、景気が低迷していても需要がそれほど変わらないヘルスケア企業や、世界的に需要が増加している軍事関連企業があり、それらの企業の株価がS&P500を下支えしてくれます。

投資を始めて日が浅いうちは、少数の個別株投資より、株価指数の銘柄分散効果を享受した方が精神衛生上いいと思います。投資で一番大事なのは、コツコツ続けることです。投資を始めたてのうちは、上昇もマイルドながら、下落も相対的にマイルドな方が続けやすいと思います。

まずは、米国を代表する株価指数であるS&P500に連動するものか、米国の市場全体を対象とする商品から始めましょう。分散効果を自動的に得られるものでもありますし、実は、始めやすく続けやすいという特徴を持ちます。

■億万長者を目指すなら、やめておきたい投資先

投資の対象はさまざまあります。そして次々にさまざまなものが誕生し、中には意識しなくても見聞きするほど「話題」になるものがあります。

しかしながら、特に億万長者を目指す過程では敢えて手を出すべきではないと考えるものがあります。ぜひ、知っておいていただきたいです。

1)「レバレッジ」を使った商品

「レバナス」という言葉を耳にしたことがないでしょうか? 「レバナス」は「レバレッジをかけたNASDAQ100」の略語です。

「レバレッジ」は「てこ」を表す英語です。てこの原理自体は小学校の理科などで学習したと思いますが、意味としては、小さな力で大きなものを動かすことができる“仕組み”を指します。

資産運用の世界における「レバレッジ」は、借り入れを利用することで、自己資金のリターン(収益)を高める効果が期待できることを指します。FXと呼ばれる為替証拠金取引はレバレッジを使って取引する方が多いものです。レバレッジを効かせるということは、大きなリターンが狙える半面、大損するリスクも増大するので、十分な資産管理が求められます。

iFreeレバレッジ NASDAQ100の値動き
出所=Yahoo! Finance

その値動きの象徴が「レバナス」です。チャート(図表2)は、大和アセットマネジメントが運用している「iFreeレバレッジNASDAQ100」という投資信託の値動きです。いわゆる「レバナス」と呼ばれるものの一つです。NASDAQ100とは、米国株式市場の株価指数の一つです。

この株価指数は、2021年末まで米国のハイテク企業の株価が大きく上昇したことが寄与し、驚異的な上昇をしました。その株価指数の2倍の動きになるよう設計された「レバナス」が、原指数であるNASDAQ100より大きく上昇したことは言うまでもありません。この値動きが話題を呼び、「レバナス」を購入する人が相次いだのです。

NASDAQ100の2倍の値動きになるよう設計された「レバナス」は、NASDAQ100が下落すると、2倍の動きで下落します。それが2022年に入ってからの動きです。高値のピークの半分ぐらいになったということですね。これがレバレッジを使った商品の光と影両方の側面です。

私は決してレバレッジを否定はしません。上手に使っている人はたくさんいます。しかしながら、コツコツ資産を作る段階には向いていないと考えています。億を築いてから、資産のごく一部を使ってチャレンジしても遅くないですよ。

■「レバナス」以上に値動きが激しい暗号資産

2)暗号資産

仮想通貨やバーチャル・マネーとも呼ばれます。

日本銀行によれば、暗号資産はインターネット上でやりとりできる財産的価値を持つものです。「資金決済に関する法律」において、次の性質を持つものと定義されています。

・不特定の者に対して、代金の支払い等に使用できる。
・日本円や米国ドルなどの法定通貨と相互に交換できる。
・電子的に記録され、移転できる。
・法定通貨またはプリペイドカードなどの法定通貨建ての資産ではない。

暗号資産は、銀行等の第三者を介することなく、財産的価値をやり取りすることが可能な仕組みとして、高い注目を集めました。代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアムなどがあります。

ビットコインのチャート(図表3)を見てみましょう。過去1年を振り返ると、最高値は6万9000ドル近く、安値は1万8000ドルを下回っています。

ビットコインの値動き
出所=Yahoo! Finance

「レバナス」以上に値動きが激しい資産だということがわかりますね。

暗号資産には米ドルや円、ユーロなどの通貨とは大きな違いがあります。国家やその中央銀行によって発行された、法定通貨ではありません。持っているだけでは金利はつきません。また、裏付け資産がありません。値動きに合わせたうねり取りが得意な人には向いていますが、コツコツ積み立てて資産形成する人は距離を置いた方が安全でしょう。そのボラタイルな(値動きの激しい)性格は、投資する人を選ぶと言えます。万人向けではありません。

参入した時期がよく、なおかつ大きめに勝負ができた人は、それだけでFIRE(早期リタイア)を実現しています。同時に、つかんだ時期が悪い人は人生の計画が大きく狂う可能性があります。それが裏付け資産のないアセットの特徴です。上場したての小型株などにも同じボラタイルさはありますが、要は、そのようなアセットだということです。

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たぱぞう(たぱぞう)
米国株ブロガー
2000年より投資を始め、2010年以降、米国株投資を中心に行う。2016年、自らの投資観をブログにて書き始める。2017年より、某投資顧問業にてアドバイザーを務める。2019年より、すでに設立していた資産管理法人の運営に専念。セミリタイアを果たす。同年刊行の初著書『お金が増える 米国株超楽ちん投資術』(KADOKAWA)が6万部超のベストセラーに。

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(米国株ブロガー たぱぞう)

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