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「27歳差夫婦」の結婚生活…ドリフ・仲本工事さんはなぜ「糞尿の臭いがするゴミ屋敷」に住んでいたのか

プレジデントオンライン / 2022年11月10日 9時15分

2011年11月14日、池田模範堂「MUHI」のPRイベントにて、仲本工事さん(コメディアン、歌手、俳優 ザ・ドリフターズのメンバー) - 写真=時事通信フォト

■「年の差夫婦は離婚しやすい」の内情

「おもしろうてやがて哀しき年の差婚」

先日亡くなったザ・ドリフターズ(以下ドリフ)の仲本工事さん(享年81)の妻に関する記事を週刊誌で読みながら、こんな言葉が口をついて出てきた。

私は、年の離れた夫婦が不幸になると思っているのではない。むしろうらやましい。

11月末で私も喜寿になる。仲本さんや加藤茶さん(79)のように、30も40も年の離れたカミさんと紅葉狩りにでも行って、帰りに、うまい蕎麦をたぐりながら酒でも酌み交わしたらどんなに楽しいだろうと思ったことはある。

だが、そうした穏やかな生活はそう長くは続かない。老いていく身の哀しさに震え、自分がいなくなった後の妻の人生に思いを馳せ、身悶えする夜をいくつも重ねることだろう。

米国アトランタにあるエモリー大学の教授が行った調査によると、夫婦の年齢が1歳違うと離婚率は3%高くなる。年齢差が5歳になると18%、10歳で39%、20歳以上では95%になるという統計があるそうだ(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、2014年11月13日付)。

どこまで信用できるのか疑問だが、この95%という中には、年下の相手のことを思って別れるというケースが少なからずあるのではないか。

年をとってからではなく、まだ、再婚できる年齢のうちに相手を自由にしてあげようと考え、お互いが了解しあって離婚するのだ。相手が次の幸せをつかむまでの金銭的保障をすることはいうまでもない。

■「オイラが死んだら再婚して」と言われた45歳下の妻

加藤茶さんの妻・綾菜さんは45歳下である。結婚当初、「遺産目当てではないか」と週刊誌で何度もバッシングされたことがあった。彼女もつらかっただろうし、夫のほうも精神的に落ち込んだようだが、今はおしどり夫婦としてテレビにも出て活躍している。

彼女は自著『加トちゃんといっしょ』(双葉社)の中で、こんなことを書いている。

テレビに出ている夫が、「奥さんには、オイラが死んだら、絶対に再婚してほしいんですよね」といったのを聞いて彼女は、「えぇーーー⁉ なんで⁉」と声を上げてしまったという。

それからことあるごとに、「再婚して幸せになってほしい」というようになったそうだ。だが彼女は、この先、加トちゃん以外の男性と結婚する可能性があるのかを考えてみるが、再婚する気はゼロだという。

「なぜなら、もうきっと一生分、加トちゃんに尽くすから。別の人に、同じだけ尽くすのは無理じゃ(笑)! という気持ちです」

そして夫がいなくなったら、「あとはひとりで気ままに生きていくことが、いまのわたしの等身大な未来です」というのだ。

■仲本夫妻にそうした絆はあったのだろうか

そうなのかもしれない。はるか年上の夫は、この女性はオレが守ってやらなければと信じ込み、オレが死んだら再婚して幸せになってほしいと願っているのだろうが、45歳も離れた若い妻は、夫のことを愛しているが、半分以上は看護しているつもりなのではないか。

彼女は結婚してから介護食アドバイザーの資格や介護福祉士実務者研修を修了している。先に逝くであろう夫を最後まで看護したら、その後は看護疲れを癒し、それから、今までできなかった気ままに生きてみたい。もし、いい人が見つかれば再婚を考えるのかもしれない。妻が年上でも同じではないか。

残念ながら、仲本さんの妻・三代純歌さんには、こうした考えがなかったようだ。年の差のない夫婦のように、毎晩一緒に外出して遊びまわり、昼夜を問わず自分を喜ばせてくれるのが夫婦だと思い違いしていたのだろうか。

だが、後期高齢者になり、80歳を超えれば、自分の身体を思うように動かせなくなる。思いはあっても、妻をベッドで喜ばせるためには、命の危険を冒すことになるかもしれない。そんなやるせない老いた夫の心など、この女性は分かろうともしなかった。週刊新潮や週刊文春を読む限り、そうとしか思えなくなるのだ。

“事件”の発端は週刊新潮(10月20日号、以下新潮)だった。

■カラオケバーを訪ねると動物の糞尿の臭いが…

仲本さんは演歌歌手、三代純歌さん(54)と10年間事実婚をしていて、彼女と一緒に居酒屋やカラオケバー「ピンクローズ」をやっていたという。

居酒屋は結婚後3年で開店したが、昨年7月以降、店は開いていないようだ。新潮によれば、彼女が出て行ってしまったためだそうである。仲本さんはというと、店の2階や1階部分で起居しているという。

9月のある日、新潮の記者が「ピンクローズ」を訪ねると、建物の2階から犬の吠える声がした。扉を開けると、動物の糞尿の臭いが鼻をつき、生活用品がそこかしこに散らかり、床には新聞紙が敷き詰められ、犬猫の世話をするためのグッズや仲本さんの私物が積み上げられていたという。

仲本さんが経営する店の関係者は、

「急に純歌さんが出て行ってしまったのは、表向きは“横浜でカレー屋をやるから”という理由でした」「ただ、私はその少し前、純歌さんから“私のことを好きだって言う人がいる”“結婚しようって言われているんだ”と聞かされていたので、出ていった本当の理由は男なのかな、と推測していました。

彼女は“彼氏”という言葉を使っていましたし、“私も好きかも”なんて言いながらデートを重ねていたのは間違いないと思います」

出ていったのは仲本さんの誕生日直前で、一応、「ピンクローズ」で開かれた夫の誕生会には出席していたが、今年は彼女の手料理ではなく、スーパーで買ってきた総菜が並んでいたそうだ。

■「“仲本さんの介護はしたくない“と言っていた」

仲本さんの知人は、こう話している。

「出て行く前に純歌さんは“私は仲本さんの介護はしたくない。面倒をみたくない”と言っていたから、今更“愛”でもないのかもしれませんが」

かくして、犬数匹と小鳥数羽、猫1匹と仲本さんが置き去りにされたというのである。

しかし、ドリフの仲本工事といえば、相当な資産を持っていると思うのだが、店の関係者にいわせると、純歌さんは数万円から高いものだと20万円ぐらいの買い物を毎日ネットでして、仲本さんに代引きで払わせていたという。

店のポストに督促状が溜まっているのを見たことがあるそうだ。おととしから昨年にかけて、居酒屋やカラオケスナックの家賃を1年分滞納していたと話している。

そのため、ビートルズが来日したとき、前座で仲本さんが弾いた思い出のギターを200万円で売って支払ったというのだ。

バーのカウンターに酒の入ったグラス
写真=iStock.com/epicurean
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/epicurean

新潮が純歌さんを直撃すると、

――純歌さんに彼氏がいるという話を純歌さんから直接聞いた人が複数いる。

「それはね、仲本とずっと一緒にいて裏切られた部分とかいっぱいあるので、一緒にいたくなくなったっていう理由が元ですよね」

――籍には入っていない?

「入ってないですね。私は結婚したかったですけど」

一方の仲本さんは、新潮の取材に対して、「今の暮らしに対する不満は何もない」と繰り返し、妻が出ていった経緯について聞いても、要領を得ない答えが返ってくるばかりだったという。

■「寂しくて、辛くて…」の翌週に客との不倫報道

だが、この号が発売されてわずか5日後に、仲本さんは、妻が住む横浜に行って交通事故に遭い、意識が回復しないまま亡くなってしまったのだ。

週刊文春(11月3日号、以下文春)は「鬼嫁」とタイトルを付けて、純歌さんのインタビューを掲載した。そこで彼女は、

「今は寂しくて、辛くて、会いたくて。残念で仕方がないです」

と語っている。

その文春が、次の号(11月10日号)で「僕は純歌の愛人でした」と告白する男性の話を掲載したのである。彼女も唖然としたのではないだろうか。

愛人は元々、仲本夫妻がやっている店の客だったという。

「純歌から『今度ご飯食べに行こ』と誘われたのがきっかけです。ピンクローズで飲んだ後、自由が丘駅近くのビジネスホテルで関係を持ちました。一泊二万円ぐらいで高かった(笑)。それからは、店が閉店するくらいに純歌から電話で呼ばれ、自由が丘駅前のバーで合流してからホテルに行ったりしました」

そのうち彼女は、店から10分ほどのところに家賃10万円台前半のマンションを借りたという。ホテル代節約のためで、1LDKで中央にベッドを置いたおしゃれな隠れ家的な部屋だった。

■瀕死の夫の隣で写真をパシャパシャ撮りはじめ…

愛人にいわせると、夫のいない時を見計らって店の客やスタッフも誘っていたという。

しかも、仲本さんもその“現場”を見てしまったことがあったというのだ。だが彼は、「俺も年だからしょうがねえよ」と寂しそうにぼやいていたそうだ。

「純歌さんと出会った〇六年頃は、まだ仲本さんも六十代で元気でした。でも、仲本さんが七十歳を過ぎたくらいから、純歌さんは周囲に『最近ないんだ……』とぼやき、バイアグラを欲しがっていたそうです。その頃から彼女の周りに男が増え始めました」(仲本夫妻と長年付き合いのあるB氏)

彼女が釣りにはまったのは事実らしいが、周囲にも、「新しい彼氏ができた」と語っていたそうだ。

文春は純歌さんに電話で直撃。

――仲本さん以外の男性と肉体関係にあった?

「ふふ。そんなのあるわけがないですよ」

――不貞関係は一切ない?

「はい」

新潮(11月3日号)は、仲本さんの病室での彼女の振る舞いを、こう報じている。

ICUベッドで仲本さんが横たわり、瀕死の時にも純歌さんは化粧をばっちり施し、彼の手を握り、何かを訴えるような仕草をしていたが、その視線はカメラのほうに向けられていたというのである。

新潮は、夫の身を本当に案じているのなら、瀕死の状態にある夫のベッドの横で、カメラ目線で写真に納まる女性はいないと難じている。それだけではなく、彼女の取り巻き連中を次々に呼んでは、意識のない仲本さんの写真をパシャパシャ撮り、ツーショット写真まで撮影していたというのだ。

■「お前のせいだからな! とんでもない女だ!」

そこに加藤茶さんと高木ブーさん(89)もかけつけた。ICUから出てくると加藤さんは、「ダメかな」と肩を落としていたそうだ。

だが、病室で会った純歌さんに加藤さんが詰め寄り、「仲本がこうなったのはお前のせいだからな! とんでもない女だ!」といったというのだ。

加藤夫妻は、純歌さんが目黒の家を出て行ったのは、釣り仲間の彼氏ができたからではないかと疑っていた。そこに新潮の記事が出て、「許せない!」となったそうだ。このことがなければ仲本が行く必要のない横浜へ行くこともなければ、事故に遭うこともなかったのに。そういう思いが爆発したようだ。

何十年も苦楽を共にしてきた仲間だから、仲本さんを蔑ろにした彼女のことが、許せなかったのだろうか。

■目を疑う行動は告別式でも

女性自身(11月8日号)は、仲本さんが死去した翌日、遺体が運ばれた斎場近くの焼肉屋に、取り巻き連中と現れた彼女が、仲本さんの事務所から預かった戒名料60万円の一部をネコババする密談を交わしていたと報じている。

さらに驚くべきは、告別式で純歌さんがとった行動だったと新潮が報じた。

葬儀
写真=iStock.com/ayaka_photo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ayaka_photo

会場内では彼女と仲本さんのデュエット曲が流されていたが、いかりや長介さんの娘が、「仲本さんはドリフターズだよ」といい、参列者が持ってきていたドリフのCDに替え、『ドリフのズンドコ節』を大音量で流したという。

花入れの時、彼女は仲本さんの顔に覆いかぶさるようにして、遺体の写真をパシャパシャ撮っていたそうだ。それに高木ブーさんの娘が怒り、きつい調子で、「ご遺体は記憶の中に留めておくものだ」と注意したが、聞く耳を持たなかったという。

加藤さん、高木さんは会場内の椅子に座り、純歌さんには近寄ろうともせず、彼女のほうも参列者に、「最後に顔を見てやってください」という声もかけなかったそうだ。

週刊誌報道のすべてを信じるわけではないが、“事実婚妻”のこうした行動が、もし事実だとしたら、彼女と暮らした仲本さんの結婚生活とは何だったのだろうかと考え込んでしまった。

■お金のかかることはしないと言われていたが…

ドリフの『8時だョ! 全員集合』(TBS系)は視聴率50%台を記録した人気番組だった。加藤茶さん、志村けんさんの陰に隠れてはいたが仲本工事さんも大スターだった。

ドリフのリーダーだったいかりや長介さん(享年72)は、『だめだこりゃ』(新潮文庫)の中で仲本さんについて、「圧倒的に仲本がずば抜けていたのは、節税に関する知識だった。そんな本ばかり読んでいた」といっている。

仲本さん自身も雑誌『SPA』(1992年8月12・19日号)で、こう語っていた。

「ドリフ時代と今と収入はほとんど変わらないんだよね。逆に増えてるくらい。ボクは税金のこととか、デビュー当初から全部自分で管理していた」。酒は飲まない、カネのかかる趣味には一切手を出さない。人生で大切なことは資産を残すことだとまでいい切っていた彼だったのに、2度の離婚と事実婚妻の蕩尽癖で、ほとんどの資産を失ってしまったのだろうか。

私のような年金暮らしの身には、資産目当ての若い女性も散財するカネもないが、安穏な生活だけはある。今は、そのことに感謝しなくてはいけないのだろう。

仲本工事さんのご冥福をお祈りする。

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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(ジャーナリスト 元木 昌彦)

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