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やる気が出ないのは甘えにすぎない…先延ばし癖が一気に治る「遺書を書く」という荒療治

プレジデントオンライン / 2022年11月28日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

何をしてもやる気が出ないときはどうすればいいのか。メンタルコーチの藤由達藏さんは「遺書を書くといい。心からやりたいと思っていることがわかるはずだ」という――。

※本稿は、藤由達藏『「すぐやる人」になる一番かんたんな方法』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。

■絶対にやる気を出させるダメ押しテクニック

これまで1分間で小さな行動を始めてしまう方法や、行動力を高める思考法などを紹介してきました。

それらを読んで、「自分にもやれそうだ」「もう手を付けてしまおう」と思った方は、その調子でどんどん進んでいきましょう。しかし、まだ踏ん切りがつかないとか、どうもやる気にならないという方がいるかもしれません。

そんな方のために、「すぐやる」ためのダメ押しテクニックを紹介します。とても危険なテクニックですので、読んでいる内に、「そんなことまではできない。それくらいだったら、もう観念してやり始めるさ。もうわかったから、それ以上言わないでくれ」と思えたら結構です。行動することの方が大切なので、この本を閉じてしまって構いません。

■仕事も会社も辞めてみる

すぐやれないのは、やることが多すぎるからかも知れません。「すぐできない」というのも思い込みで、あれやこれやとさまざまな雑事を片っ端から片づけても、まだまだ仕事が山のようにある。だから自分のやりたいことにまでなかなか手を出せないのだ、という場合です。

たくさんのことをこなしている人は、もっとやろうとしてしまって自分を反省してしまいます。

「私は、ぜんぜんできていない」

実はたくさんのことをやっているのです。もう自分の容量をはみ出るくらいのことを抱えているのではないですか?

もしもそうであるならば、全部やめてみましょう。1週間くらい休みをとって、すべてを手放してみましょう。

「でも、それじゃあみんなに迷惑がかかります」

心の優しいあなたはそのように感じるでしょう。しかし、だからたくさんのことを一人で抱え込んで、やりこなそうとしてきたのではありませんか。あなた一人が、仕事の矛盾を抱え込んでも、問題は解決しないのではないですか? 多くの人がその問題を自分事として共有して、みんなで解決をはかろうとした方がよりよい解決策を見い出すことができるでしょう。

そのためにも、一旦、手放してしまいましょう。もしも、1週間休むことができなければ、会社自体辞めてしまいましょう。それくらいあなたは、抱え込んでいる可能性もあるのです。

■あなたがいなくても仕事は回る

あなたがその仕事を手放したとしても、誰か代わりの人がやることになるでしょう。それでも、仕事は回っていくのです。誰もが定年や転職、その他の事情で仕事を辞めていくけれども、仕事は続いていきます。背負い込みすぎないでください。

1週間も休めないというのであれば、土日などの休みに続けて1日余分に休みを付けてみてはいかがですか。3日間の休みをとって、完全に仕事を手放し、リフレッシュしてください。

休んだ後に、また気持ちもあらたに仕事に取り組むときに、一番大事なことやあなたが心からやりたいと思っていることから手を付けてください。そうすれば、もう「すぐやらない人」ではありません。大事なことを大事にする人になり、「すぐやる人」になることができます。

あなたは、いつでもやめられるし、いつからでも変わることができるのです。あなたの内なる無限の可能性に心を開いてください。

■嫌な仕事はどんどん断る

仕事のできる人は、頼られます。その結果、いろいろな仕事が集まります。愛想が良くて断らない人のところにも仕事が集まります。人から頼られ、仕事が集まるのはとてもいいことです。

会社員ではなく、個人事業主ともなると、どんどん仕事が集まるようでないと食べていけません。どんな仕事も引き受けたいという気持ちにもなります。

しかし、仕事が少ないときには、もっと仕事が欲しいと思い、「いくらでも引き受けてやる!」と意気込むのですが、誰にも限界があります。仕事を引き受けられる許容量があるのです。

なんと言っても1日24時間、1年365日しかないのです。無限に仕事を引き受けて、こなすことなどとうてい無理なのです。なんらかの基準を設けて、間引きしたり、断ったりしないと、自分の許容量を超えてしまいます。

断るビジネスマン
写真=iStock.com/sabthai
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sabthai

無理をしていけば、やがて体にもたたります。体を壊してしまったら、元も子もありません。だから、自分の基準を明確にして、仕事を断ることも大切です。

その時々の時間的・体力的余裕の有無によって断ってもいいでしょう。また、要求されている仕事の質や分野によって断ってもいいでしょう。さらには、先方に伝える理由は別に考えるとして、自分が嫌だなと思う仕事を断ってもいいでしょう。

「そんな自分の気分で仕事を選ぶのは良くないですよ」

そういう考え方もあります。しかし、あらゆる仕事をすべて引き受けることはできず、なんらかの基準で断らなければならないときに、やりたくない仕事は真っ先に断ってもいいのではないでしょうか。

■やりたいことを優先順位1位にする

子どもの頃、お弁当を食べるときに、大好きなデザートか果物が入っていたら、最後までとっておいて食べたほうですか? それとも、一番に食べてしまったほうですか?

私は、最後にとっておく方でした。しかし、あるとき祖母からこんな話を聞きました。

「関東大震災は、ちょうどお昼に始まったんだよ。早めにお昼を食べていた人は良かったけれど、後からゆっくり食べようと思った人は食べ損なったんだ」

早めに昼食をとっておけば、食べた上で逃げることができたということなのでしょう。一番大事なことを最後にしておくと、一大事が起きたときにその大事なことをし損なってしまうという教訓でした。

それも一理あるでしょう。いつもいつも大変なことが起こるとは限りません。しかし大事なことを常に先にやっておけば、いざというときにもやり損なうということはありません。

どうしてもすぐできない、という方は、特にやりたいことに注目して、やりたいことだけをやってみましょう。やりたいことならば、先延ばしにしないはずです。いろいろなことを考えて先延ばしにするのではなく、やりたいことを優先順位第1位にして生きてみましょう。それ以外のことは、全部後回しにしてしまうのです。

■今生きているのは当たり前のことではない

やりたいことをやらなかったり、やるべきことをやらないでいるということがどういうことなのか、ひょっとすると腹の底からは理解していないのかも知れません。

私たちが今、この瞬間に生きているということがどんなにありがたいことなのか、忘れてしまっている可能性があります。今、生きていることはそんなに当たり前なのでしょうか。私たちは、誰の世話にもならずに、飄々と生きていると言えるのでしょうか。

私たちは、先人の流した血と汗の上に生きています。後世の人の幸せや後世の人の充実した人生を祈って生きてきた先人達のお陰で、現在の私たちがあるということを忘れてはなりません。

■戦争で亡くなった方に思いを馳せる

生きたくても生きられなかった方々がいた。自分の命をなげうってでも、後世の人々の幸せを祈った人がいた。当然生き延びて生を謳歌(おうか)したかったけれども、やむを得ず命をなげうたなければならなかった方々がいた。そんな方々の思いを受けとめたとき、私たちは、すっと立ち上がり、やるべきことをやろうという気持ちになるものです。

そのために、先の世界大戦の記録や、神風特攻隊(特別攻撃隊)の隊員の方々の遺書などを読んでみてはいかがですか。

鹿児島県鹿屋市にある知覧特攻記念館
鹿児島県鹿屋市にある知覧特攻記念館。屋外に展示されている特攻隊員の銅像「とこしえに」と航空自衛隊練習機T-3(2011年7月26日、写真=STA3816/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons)

私たちは、先の戦争について知らないことが多いものです。戦争の善悪や国の善悪の問題ではなく、人類が戦争をしてきて、それは何のためだったのか。人々はそこで何を体験していたのか。それをよく知るということです。

特に、私たちの直接の過去である先の世界大戦について調べ、その当時の人々の思いを深く味わってみましょう。私たちはあの戦争を踏まえた世界を生きているのです。そして、現在でも戦争が世界各地で起きており、そこで暮らさざるを得ない人がいるということにも意識を伸ばしていきましょう。

胸に感じたものをベースにして、もう一度立ち上がり、今日を生きていってください。

■遺書を書いてみる

私たちが先延ばししていられるのは、まだ時間があると思っているからではないでしょうか。明日でいいや、そのうちいつか、時間ができたらと思っていられるのは、私たちに明日以降の時間があると思っているから。

しかし、私たちは自分にどれだけの時間が残されているのか知ることはできません。いつ何時天災や事故や病気に見舞われるかわかりません。本当はいつでも一寸先は闇なのです。そのことを忘れているので、いつかそのうちにやろうと考えていられるのです。

もしも自分のやりたいことややるべきことに取り組めず、いつも先延ばししているようであれば、一度、ご自身の遺書を書いてみましょう。

今日突然、この世を去らなければならなくなったと仮定して、これまでにやってきたこと、やり残したこと、家人や友人、そして後世の人に伝えておきたいことを遺書という形にまとめてみるのです。

実際遺書に書いてみようとすると、いかに何もしてこなかったか、いかになんの実績も残せていないか、いかに人を愛してこなかったかということに気づかされることでしょう。

もう時間が残されていないのです。今日、この世とおさらばする。もう先送りしてきたことには金輪際取り組むことができないということがわかるでしょう。

世界の見え方が一変するはずです。

■絶対にやり逃したくないことを見つける

・やろうと思ってきたことが、もうできなくなったと思ったらすっきりした。やらないでいいならやらないで済ませたかったと実は思っていた。それがわかった。
・あと3カ月だけでも時間があれば、悔いを残さず最低限のことをやれるのに。残念だ。
・無駄なことのために気を遣い、あくせく働いてきたということがわかった。
・人生に希望を失ったのがあのときだったのかと気づかされた。
・できればもう一度やり直したい、と心から思った。
・もう今日で終わりだと思うと、泣けてきた。
・なんてくだらないことにばかり時間を費やしてきたんだ! と情けなくなってきた。

藤由達藏『「すぐやる人」になる一番かんたんな方法』(ぱる出版)
藤由達藏『「すぐやる人」になる一番かんたんな方法』(ぱる出版)

そんな気持ちを十分に味わったら、それで結構です。同時にこのままではいけない、という気持ちが湧き上がってきたのではないでしょうか。

まず、何をしてみますか? もし1日だけ、寿命が延びて、生きることができるなら、何をしたいですか?

あと余命が1日しかないとしたら、何をしたいのか、リストに書き出してみましょう。書き出した「やりたいことリスト」を眺めて、もっとも重要で、絶対にやり逃したくないことを見つけてください。

そしてそれにすぐ取りかかりましょう。そこから、あなたの人生は再出発です。書いた遺書はもう要りません。破り捨ててしまいましょう。あなたは新しい人生を生き始めたのです。あなたの今後ますますのご活躍を心より応援します。

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藤由 達藏(ふぢよし・たつぞう)
メンタルコーチ
1991年、早稲田大学卒業後、プラス株式会社に入社。営業や企画、新規事業設立などを経験。2009年全プラス労働組合中央執行委員長に就任。2010年、平本あきお氏のプロコーチ養成スクール(講師:宮越大樹氏)でコーチングを学ぶ。2013年独立。2016年に株式会社Gonmatusを設立し、コーチングや研修、ワークショップなどを企業や労働組合、個人の方々に提供している。主な著書は、35万部突破した『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(青春出版社)、『「鬼滅の刃」に学ぶ「夢を叶える8つの力」』(ぱる出版)など。

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(メンタルコーチ 藤由 達藏)

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