1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

心臓・脳の機能が改善し、免疫力が高まり、寿命は延びる…ゼロ円で今すぐできる奇跡の習慣

プレジデントオンライン / 2022年12月3日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

日々の生活の質を高めるためにはどうしたらいいのか。カナダ出身で岡山県在住の著述家、スコット・アランさんは「パートナーや親、子供、友人、仕事仲間に対して感謝の心を持つことで感情、思考、振る舞い、さらに精神と肉体に大きな変化をもたらします」という――。

※本稿は、スコット・アラン(著)、弓場隆(訳)『GRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

■感謝の心が精神と肉体に与える好影響

あらゆる状況でよいものを見つけるように努めれば、人生が喜びであふれていることに気づき、心がとても豊かになる。
ハロルド・クシュナー(アメリカの作家)

感謝の心は人生のすべての分野を改善する。これは誇張ではない。感謝の心は長期にわたる幸せな人生を実現する妙薬なのだ。

これまで、感謝の心が人生のさまざまな分野にどのように影響を与えるかを探ってきた。本稿では、感謝の心がとくに精神と肉体の健康をどのように増進するかを説明しよう。

1 ストレスを軽減し、不安をやわらげ、抑うつを防ぐ

私たちは自分の力ではどうにもならないことをたえず思い悩む。たとえば、過ぎ去った出来事を悔やんだり、これから起こるかもしれないことについて心配したりするのがそうだ。

しかし、感謝の心はこういう問題を解消し、ストレスをやわらげることができる。もちろん、感謝の心を持ったからといって、不安を完全に打ち消すことはできないかもしれないが、大きな役割を果たすことはたしかである。「これから起こるかもしれないこと」から「現在のこと」に意識を向かわせるからだ。その結果、気持ちにゆとりができて心の平和を得ることができる。

さらに、感謝の心は抑うつを防ぐことができる。抑うつの主な原因は、失敗や挫折にともなう絶望感だ。しかし、感謝の心はふだん受けている恩恵に気づくきっかけになるので、絶望感から立ち直るのに役立ち、抑うつを防いでくれる。

生理学的な観点から説明すると、感謝の心をはぐくむことは副交感神経の働きを活発にし、全身のリラクゼーションを促進し、それによってストレスと緊張をやわらげる。

2 考えすぎを防ぐ

挫折は不満や心配、ストレスを引き起こし、考えすぎの傾向を助長しやすい。考えすぎると、ネガティブな思いにとらわれて、身動きがとれなくなるおそれがある。

ドイツでの2019年の研究によると、感謝の心はネガティブ思考を抑え、考えすぎを防ぐことが指摘されている。この研究は、感謝の心をはぐくむことが疑念や恐怖、不安などの有害な思考を抑え、好ましくない結果を未然に防ぐことを証明している。

■心臓と脳の機能が向上し、免疫力が高まる

3 熟睡できる

感謝の心は睡眠を改善する。これは多くの研究で証明されている。仕事、家庭、人間関係、健康、財産のどれであれ、たえず何かについて心配すると睡眠不足の原因になるが、感謝の心を持つと不安がやわらいで熟睡することができる。

慢性痛を抱える65人の被験者を対象にした研究で、感謝の日記を毎日つけていた人たちは、そうでない人たちよりも熟睡していたことがわかった。また、400人の被験者を対象にした別の研究でも、感謝の心を持っている人たちは、そうでない人たちよりも熟睡していたことが判明している。

感謝している事柄を就寝前に思い浮かべると、睡眠の質が上がる。感謝の心はポジティブ思考を促し、気分を落ち着かせることができるからだ。このように、感謝の心を持つことは、熟睡するうえで非常に大きな意味を持つ。

心理学者のロバート・エモンズ博士とマイケル・マクロー博士は、神経と筋肉の障害を抱える人たちを対象にした重要な研究で、感謝している事柄を就寝前にリストアップするように指示した。すると数週間後、被験者はより熟睡し、朝目覚めたときに気分がすっきりしていたことがわかった。以上の事実を総合すると、常に感謝の心を持って生活すると、心身を整えて熟睡するのに役立つと言える。

青いARIGATOのライティングを受けた東京タワー
写真=iStock.com/Ryosei Watanabe
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ryosei Watanabe
4 心臓と脳の機能が向上する

カリフォルニア大学サンディエゴ校のポール・ミルズ教授は同僚と共同で、感謝することが心臓の機能におよぼす影響を調べる研究をおこなった。のちにアメリカ心理学協会によって発表されたその研究は、ふだん受けている恩恵に感謝すると、心不全のリスクのある患者たちの心臓の機能が向上することを発見した。

別の研究では、いつも身の回りのものに感謝すると、脳の機能が向上することがわかった。南カリフォルニア大学脳科学研究所の研究者たちは、感謝することがどのように脳を変化させるかを見きわめるために、ホロコースト(ユダヤ人の大虐殺)の生存者のさまざまなエピソードを取り上げた。

研究者たちは、ホロコーストとは関わりのない20代の23人の被験者を使った。彼らはホロコーストの生存者たちが自らの経験を思い出しているドキュメンタリーを見た。その中で生存者は見知らぬ人からの衣食住の支援に感謝していた。研究者たちは被験者に、もし自分がホロコーストのさなかに誰かから救いの手を差し伸べられたらどんな気持ちになるかを想像させた。

被験者がその様子をイメージしているとき、研究チームがMRI検査で彼らの脳の画像を調べたところ、ふだん受けている恩恵に感謝することは、脳の中の公正な道徳観念を生み出す部位である前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)と前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)を刺激することがわかった。

5 免疫力を高める

感謝の心を持つことは精神的な健康だけでなく肉体的な健康も増進する。これは単なる理論ではなく、少なくとも137の研究がそれを証明している。

これらの研究は、感謝の心が手術後の速やかな回復や免疫力の向上といった好影響を与えることを示している。また、科学的研究によると、感謝の心を持っている人たちは血圧が安定し、精神疾患にもかかりにくいので、医者の世話になる必要がめったにないことがわかっている。

■身の回りのものに感謝…心身共に健康に、寿命も延びる

6 逆境から立ち直る

感謝の心を持つと、逆境から立ち直る力が強くなる。110人の大学生を対象にした研究で、それが証明された。

50人の学生は常に感謝の心を持つように指示され、3カ月にわたって毎日そういう趣旨のメールが届いた。一方、残りの60人はそのような指示をされなかった。

その結果、常に感謝の心を持つように指示された学生は、他の学生に比べて、逆境に見舞われたときに立ち直る力が強いことがわかった。

7 寿命が延びる

もちろん、感謝の心を持ったからといって、不老不死が実現するわけではない。しかし、寿命を延ばすことはできる。きっとあなたは「どうやって?」と尋ねるだろう。

これまで見てきたように、身の回りのものにいつも感謝すると、より幸せを感じ、ストレスがやわらぎ、睡眠が改善し、心臓と脳の機能が向上し、免疫力が高まり、心身ともにより健康になるから、寿命が延びることにつながる。

また、さまざまな研究が、楽観的な人は悲観的な人より数年長生きする傾向があると指摘している。おそらくその理由は、楽観主義が視野を広げるのに対し、悲観主義は視野を狭めるという事実によるものだろう。

視野が狭まると、人生がうまくいかないときに適切な解決策を見つけることができず、ピンチを切り抜けるのが困難になる。その結果、心身の健康を損ない、寿命を縮めるおそれがある。

8 活力がわいてくる

意外かもしれないが、感謝の心は活力と密接な関係がある。この数年来、多くの研究がそれを証明してきた。

笑顔で握手し礼をするビジネスマン
写真=iStock.com/GCShutter
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/GCShutter

たとえば、238人を対象にした研究で、感謝の心と活力のあいだに明確な相関関係があることがわかった。研究者たちはその理由を見きわめていないが、この作用は、前述のとおり、感謝の心が熟睡につながり、逆境から立ち直る力を強め、心身の健康を増進することに由来すると見て間違いない。

当然、ストレスがたまると精神的に落ち込みやすいから、活力は低下する。心配事をいっぱい抱え、一晩中もがき苦しみ、生産性の低さに悩み、すこぶる機嫌が悪く、心身の不調にさいなまれているときも、活力は失われる。だが、そんなときでも感謝の心を持つと、活力がおのずとわいてきて人生に対して前向きになることができる。

さらに、感謝の心はドーパミンとセロトニンのレベルを上げる。このふたつの神経伝達物質は、自信と意欲を高めるうえで重要な役割を果たす。これらの「幸せホルモン」が体内を循環すればするほど、あなたはますます活力にあふれ、苦難や障害を乗り越える力をつけることができる。

■感謝の日記をつける人は週に平均40分多く運動する

9 もっと運動するようになる

感謝の心がもたらす驚異的な恩恵をもうひとつ紹介しよう。聞いたことがないかもしれないが、この見出しは真実だ。感謝の心はもっと運動するように促すのである。

96人のアメリカ人を対象にした研究で、感謝の日記をつけている人たちは、そうでない人たちよりも週に平均40分多く運動することがわかった。

研究者たちはその理由を分析していないが、これまで見てきたように、感謝の心が多大な恩恵をもたらすことを考慮すれば、感謝の心と運動のあいだに密接な関係があることに気づくはずだ。

よく眠れて、ストレスがやわらぎ、より明晰(めいせき)に考えることができれば、人生の重要なことに注意を払うのは容易になる。当然、それには健康の増進が含まれるから、もっと運動するという決定をくだすことができる。

スコット・アラン(著)、弓場隆(訳)『GRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
スコット・アラン(著)、弓場隆(訳)『GRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

感謝の心は健康を意識するのに役立ち、それが素晴らしいことだという事実に気づかせてくれる。この気づきは健康管理に注意し、運動を含めて適切な対策をとるように働きかける。

概して言えば、感謝の心を持って楽観的であればあるほど、運動の習慣を維持することが容易になり、それによって健康を増進することができる。

感謝の心は純粋な喜びである。感謝の心は多大な恩恵をもたらすから、あなたはそれを人生に積極的に取り入れようと努めるに違いない。

誰もがいつも幸せで、自信にあふれ、情熱を燃やし、ストレスから解放され、健康ではつらつと暮らしたいと願っているはずだ。感謝の心を持つことを習慣にすれば、それらの願いはすべてかない、さらにより多くのものが手に入る。

感謝の心は豊かな人生を実現する。感謝の心をはぐくめば、満ち足りた気分になるからだ。たとえば、普通の食事がごちそうになり、平凡な家屋が愛にあふれた家庭になり、見知らぬ人が親友になる。
メロディ・ビーティ(アメリカの作家)

(ライフコーチ、作家 スコット・アラン)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください