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「お年玉」なんてとんでもない…モナコの大富豪たちが「手伝いをしない子」に小遣いをあげないワケ

プレジデントオンライン / 2022年12月3日 14時15分

写真=筆者提供

どうすればお金を稼ぐことができるのか。モナコ在住の起業家プロデューサーで美容家のエミチカさんは「稼ぎとは、誰かを幸せにした対価だ。モナコの大富豪たちは、そのことをよく知っているので、お手伝いをしなければ自分の子供に小遣いをあげない」という――。

※本稿は、『結局、「手ぶらで生きる女(ひと)」がうまくいく』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■周囲に幸せを与える人ほど豊かになっていく

子どもから、「どうやったらお金を稼ぐことができるの?」と聞かれたら、何と答えますか?

「仕事をしたら、お給料がもらえるよ」
「物を売ったら、お金が得られるよ」
「ユーチューバーになったら、儲かるかもしれないよ」

どれもお金を稼ぐための方法ですね。

実は、これらの稼ぎ方には、重要な共通点があります。

それは、

「周囲に幸せを与える人ほど豊かになっていく」

ということです。

これは、商売の基本中の基本です。それなのに、脇目も振らずに仕事をしていると、つい忘れてしまうものです。

私も、経営者となって借金を重ねながらも地元の三重から東京に進出し、さらには、アジアまで進出してビジネスを拡大させていった時期は、商売の原点を見失っていたように思います。

「もっと目立てば、売り上げが上がるはず」「もっと広告を出せば、顧客が増えるはず」「もっとお金があれば、うまくいくはず」と考えては、空回りしていました。

そんな私に商売の原点を思い出させてくれたのは、モナコで知り合ったある経営者の女性でした。

■モナコのお小遣いは「お手伝い制」が基本

その日の食事中の話題は、「子どものお小遣い」でした。

私が、「日本では、お小遣いは親が金額を決めて、毎月子どもに手渡すのが一般的よ。私が子どもの頃は、祖母の家に遊びに行くだけでお小遣いをもらったりしていたわ」と話したら、彼女は驚いていました。

モナコの子どもたちは、家のお手伝いをして初めて、「素晴らしい仕事ぶりだね。ありがとう!」という感謝の言葉とともに、お小遣いがもらえるのだそうです。家庭によって違いはあるでしょうが、モナコのお小遣いシステムのスタンダードはお手伝い制。

幼児がお掃除するのを乳児を抱えながら手伝う父親
写真=iStock.com/Halfpoint
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Halfpoint

子どもたちは小さいときからお手伝い、つまり仕事を通じて誰かを幸せにすることを実践し、仕事の基本を学んでいきます。

また同時に、「誰かを幸せにすれば、お金を得ることができる」というビジネスの原則も身につけていくのです。

お手伝いをして大人から感謝された子どもたちは、「他に何ができるかな?」「どうしたら喜んでもらえるかな?」と考え始めます。そして、「バスタブをきれいにしてみよう」「蛇口もピカピカにしたら素敵かも」と自発的に動く人間に育っていきます。

その姿は、仕事の工夫をしながらお客さんを喜ばせようとする大人顔負け。経営感覚、金銭感覚を、お手伝いを通じて自然と養っています。

そんなふうにして、働かなければ子どもたちもお金がもらえないというルールになっているそうなのです。

■お金は、待っていたらもらえるものではない

私が、「なぜお手伝い制なの?」と聞くと、彼女はこう答えました。

「お金というものは、待っていればもらえるものではなく、誰かを幸せにすると、もらえるものだから」

これはまさに、「どうやったらお金を稼ぐことができるの?」の答えですよね。

仕事をして誰かを幸せにしたら、お金がもらえる。

持っているものを欲しいと思う人に手渡すことで、お金がもらえる。

ユーチューバーとして多くの人を喜ばせたから、お金が入ってくる。

お金を得るためのアクションは、いつも自分からスタートすべきもので、「周囲に幸せを与えている人」が豊かになっていくものなのです。

モナコでは、子どもの頃からその習慣を身につけていきます。そのためか、モナコの人たちは人を喜ばせることが大好き! 働くときも、どこか楽しそうな雰囲気があります。

「遊ぶように仕事をする」
「楽しみながら仕事をする」
「笑顔を作り出すために仕事をする」

モナコで暮らす人たちの楽しそうな姿は、いつもそのことを思い出させてくれます。

■お金持ちが寄付をする理由

2019年4月15日、フランス・パリにあるノートルダム大聖堂で、大規模な火災が発生しました。主要な構造物は消失を免れたものの、高さ90メートルを誇る尖塔や屋根などが崩落したことは、多くの人を驚かせ、悲しませました。

ただ、火災のあとほどなくして、大聖堂の再建に向けて、日本円にして1100億円を超える寄付が、あっという間に世界中から集まりました。

資産家や企業家の中には、お金を稼ぐこと以上に「精神性」を高めていくことを大切にしている人たちがたくさんいます。私はこのとき、「本当に豊かなお金の使い方とは何か」についてあれこれ考えました。

「お金があるから、寄付なんてできるんだよ」
「高収入だから、寄付できるんだよ」

そんな声も上がりました。私も、日本にいた頃はそう考えていました。

でも、モナコに暮らして多くの豊かな人と出会ううちに、「彼らは、資産に余裕があるから寄付しているわけではないのかも」と思うようになりました。

お金があっても、寄付しない人は寄付しません。

お金がなくても、寄付する人は寄付します。

その違いはどこにあるのでしょう?

「困っている人を見つけたらすぐに助けたい」
「人を笑顔にしたい」

そんな思いを持っているかいないかで決まると思います。

モナコ在住の起業家プロデューサーで美容家のエミチカさん
写真=筆者提供

子どもの頃から誰かの幸せのために仕事(お手伝い)をしてきた彼らは、誰かが窮地に陥ったときに、最善を尽くして手を差し伸べるのが当たり前になっています。その価値観を持ち続けているからこそ、成功しているではないでしょうか。

■素晴らしい未来を手繰り寄せる秘訣は人を笑顔にすること

「お金があるから◯◯する」ではなく、「◯◯するからお金が入る」。

「お金が貯まったら◯◯をする」という条件付きの考え方がありますが、それではいつまでたっても状況は変わりません。

モナコの人たちは、金額の大小は関係なく、そのとき自分にできることを全力で行なって、周囲の人たちに幸せを与え続けています。

「お金が手に入ったら……」
「◯◯ができるようになったら……」

エミチカ『結局、「手ぶらで生きる女」がうまくいく』(PHP研究所)
エミチカ『結局、「手ぶらで生きる女」がうまくいく』(PHP研究所)

そんな「先延ばし思考」では、豊かさを逃します。

できることは先延ばしせず、今ある自分のエネルギーを使って周りの人の力になっていくこと。それが結果的に、富も豊かさも、理想の未来も、手繰り寄せるのではないでしょうか。

自らが動くことによって周りが変わり、人から応援されるようになり、めぐりめぐって自分のもとにお金が入ってくる。

私は、想像以上の素晴らしい未来を手繰り寄せる秘訣(ひけつ)は、自分の最善を尽くして周りの人を笑顔にすることなのだと確信しています。

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エミチカ 起業家プロデューサー、美容家
EMICHIKA Co.Ltd 代表取締役。三重県出身。モナコのパレスエリア(王宮前)で暮らす唯一の日本人。50歳のときに眼科医の夫が急逝し、2人の子どもを抱えながら2 億円の負債を抱える。51歳で美容ビジネスを立ち上げ、わずか5年で年商7億円企業に成長させる。しかし、その後大病を患い、生き方やビジネスの進め方の大転換を迫られる。その経験から、「古い価値観を手放して手ぶらになる生き方」にシフトし、本物の自由を手に入れる。2018年には、知り合いなし、コネなし、語学力なしの状態から、持ち前の行動力で次々とコネクションをつなぎ、「大富豪でなければ住めない」と言われ、世界中のセレブが集まる国・モナコで暮らし始める。また、「本物の幸せを見つければ人生は変わる」というアイデアをスピーチした海外TEDxは、2022年7月度の世界最高再生回数を記録(日本人女性初のランクイン)し、好評を博している。現在は、モナコのパレスエリアと日本を行き来しながら、多くの女性たちのプロデュースを手がけている。

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(起業家プロデューサー、美容家 エミチカ)

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