"よいウンチ"は明るい黄土色で水に浮く…ウンチ博士が解説「トイレで観察すべき6つのポイント」
プレジデントオンライン / 2022年12月18日 14時15分
※本稿は、辨野義己『最高の睡眠は腸活で手に入る』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
■ウンチには大量の腸内細菌が含まれている
今日のウンチは何色か、どんな形状をしているか?
腸がどんな状態なのかを直に感じることができるのが、毎日のトイレタイムです。みなさんにウンチの中身を知っているかと尋ねると、ほとんどの人が「食べカス」と答えます。
実はウンチの80%は水分で、残りの20%のうち3分の2は腸内細菌とはがれた腸の粘液・粘膜です。つまり食べカスは、残りの3分の1にすぎません。腸内細菌は乾燥した大便1gに対して1兆個ほど存在しているはずです。
多くの人が、健康のために何をどう食べるかには気を使っていることでしょう。
しかし、毎日どんなウンチが出ているかまでちゃんと確認しているでしょうか?
ウンチなんて見たくないですか? あなたが自分で口に運んだものや体の一部が役目を終えて出てきているのに、どうして見たくないのでしょう。
最近の便器は自動で流れてしまうことも多いので、排便したらお尻をふいたトイレットペーパーをポイッと捨てる前に振り返る、つまり“見返り美人”になって今日のウンチを確かめてください。
■観察を続けると「ウンチのデザイン」が可能に
「やけに色が悪い……」「あれ、今日は量が少ないな」「ずいぶんブツブツと切れている」「ツルリと長いのが出たな」
そんなふうに何か特徴があったら、一昨日に何を食べたか思い出してみましょう。
あるいは出なかった日には、なぜ出なかったのかを考えてみます。そうすると、あれを食べたらこんなウンチになるんだと気づくことがあるかもしれません。
それを繰り返すうちに、何をどう食べるとどんなウンチが出るかがわかってきて、自分のウンチをデザインできるようになります。食物繊維をたっぷりとった日は、食べカスが増える分、ウンチの量も増えるでしょう。それこそが腸からの声で、腸のご機嫌を確かめるにはそれを知るのが一番の方法です。
トイレとは便所、つまり腸からのお便りどころなのですから。
■悪玉菌が多くなると黒ずんだ色に
ウンチは腸からの「ラブレター」です。それなのに、見もしないで流してしまうなんてもったいない。出したあとにチェックする習慣ができると、どんな食事をとるとどんなウンチになるのかもわかってきて、食事や生活習慣への意識も変わってくるでしょう。
1.どのくらいの量が出たか?
大人の場合、1日当たりの目安として、200~300gほどの排便量が望ましいと考えられています。排便の直前に一度体重計に乗り、排便後にもう一度体重を量ってみると、だいたいどれくらいの量だったかがわかります。一度調べてみると、毎回体重を調べなくても目安がつけられるようになるでしょう。
2.どんな色をしていたか?
腸内環境がよい状態に保たれている場合、便は明るい黄土色から黄褐色をしています。反対に悪玉菌が多い状態になるほど、より黒ずんだ色になります。ヨーグルトを日常的に多く食べると、バナナのような色も形もよいウンチにつながりやすいため、いつも黒っぽいという人は試してみてください。
■バナナ2~3本程度がスルリと出るのが理想
3.どんなにおいだったか?
腸がよい状態だと、ウンチは決してきついにおいではありません。肉類の食べすぎやお酒の飲みすぎ、便秘で悪玉菌が多い状態になるほど、ツンと鼻をつくきつい悪臭を放ちやすくなります。赤ちゃんの便のようにビフィズス菌が多いと、甘酸っぱいようなにおいがすることもあります。
4.ラクに排便できたか?
それほど力を入れなくてもスルリと排便できて、バナナ2~3本分程度のウンチが出るのが理想です。下痢状だと排便前にお腹が痛くなったり、便秘だとかなりいきんだりしないと排便しづらい場合がありますが、いずれもあまりよい状態とはいえません。腸がよい状態だと、排便はラクなのが普通なのです。
5.硬さや水分量などウンチの状態は?
ウンチの硬さは水分量や腸の通過時間によって決まります。よいウンチは水分量が75~80%で、練り歯磨きのようなやわらかさとなり、水に浮きます。一方、便秘や食物繊維不足だと水分は60%ほどで、コロコロでガチガチのウンチに。ストレスの影響などで下痢になると水分は90%以上のビシャビシャに。
6.排便の頻度は?
毎朝、ほぼ決まった時間に自然な便意を感じるのが理想。人によっては一日に数回の排便がある場合もありますし、あるいは、たまに出ない日があってもそれですぐに便秘というわけではありません。2~3日のサイクルで定期的なお通じがあれば問題なし。ただ3日以上出ないなら、便秘対策が必要です。
■毎日、一定のリズムで動くほうが体によい
体には体内時計が備わっています。
毎朝、なるべく同じ時間に起きて食事をし、夜は同じ時間に寝るように、同じサイクルの生活をしていると、体に自然とリズムができます。
「ロボットじゃないんだから、そんなのは無理だ」と思うでしょうか?
実は体にとっては一定のリズムで動くほうが消耗が少なく、無理なく効率的に活動ができます。排便の時間もおおよそ決まってきて、「そろそろかな……」と思う頃にトイレに行きたくなりますし、実際にラクに排便ができて、時間も短くてすみます。
睡眠だって同じです。
毎日起きる時間、寝る時間を決めて生活していると、目覚まし時計がなくても、自然と決まった時間に目が覚めるようになります。
睡眠ホルモンのメラトニンは体内の時間調整の作用も備えていて、朝の光を浴びて目覚めると、だいたい14時間後に眠気が起こるしくみを持っています。
ですから一日を一定の周期で動くことが、体には自然なことなのです。
![目覚まし時計と快い目覚め](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/5/b/1200wm/img_5b5c3b9293a803955b27197702a859f8302453.jpg)
■睡眠の質を整える秘訣は腸にある
不規則な生活は、労力を使います。
若いときや体力があるときはそれが楽しく、思いつきで行動しても、睡眠が不規則でも平気だったりします。しかし、ある程度年齢を重ねてくると、リズムが変わるのを負担に感じてしまうものです。そして、一度そのリズムが乱れると元に戻すのに時間がかかったり、変化に対応しづらくなったりします。
快適な生活を送るにはそのサイクルに身をゆだね、流れに乗るようにすること。努めて規則的な毎日を送ることです。ちなみにそれは、平日も休日もありません。だから週末の寝だめはできないし、する必要もないのです。
もちろん、食事時間も一定にして腸を同じサイクルで動かすことで、睡眠時間や質も整いやすくなりますよ。
■便秘の人に試してほしい「2つのツボ」
最後に、便秘に悩んでいる人にお勧めのツボを紹介しましょう。
![辨野義己『最高の睡眠は腸活で手に入る』(扶桑社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/e/0/1200wm/img_e0cb5d31e2ee212863bb734755030b05258987.jpg)
「たかがツボ押し」とあなどってはいけません。「されどツボ押し」といえるほど、思っている以上に体をラクにしてくれるものです。
ツボ押しは東洋医学の一種で、現在はWHO(世界保健機関)も認めている治療法であり、リラクゼーションの手段です。「経絡」という気の通り道にある、目的に応じたツボ(経穴)を刺激すると、その刺激によって経絡にエネルギーが通ると考えられています。
頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」は、めまいや耳鳴り、頭痛、目の疲れなど、自律神経の乱れによって起こる症状の改善によいツボです。
自分で押してもいいですし、家族や友人に刺激してもらうのもよいでしょう。
また「天枢(てんすう)」と「大巨(だいこ)」は、便秘解消にピンポイントで効くツボ(図表1)だとされています。
![【図表1】眠れる快腸の「ツボ押し」](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/8/1200wm/img_383cc01fb1c03e8ba13b39d910a3d406385895.jpg)
便意が感じられなくても、毎朝同じくらいの時間にトイレに座り、あきらめずに2つのツボを強めに押すことを続けているうちに、だんだんと出るようになってきたという人もいるほどです。
ツボ押しだけでなく、食事、運動、呼吸法などの便秘解消の対策を並行して行うことをおすすめします。
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一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長
1948年、大阪生まれ。酪農学園大学酪農学部獣医学科卒業。東京農工大学大学院獣医学専攻を経て理化学研究所研究員。1982年東京大学農学博士授与。2009年同所辨野特別研究室特別招聘研究員、2021年退職後、現在、国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員、十文字学園女子大学客員教授。およそ半世紀にわたって腸内細菌の分類と生態を研究し続けている。著書に『「腸内細菌」が健康寿命を決める』、『長寿菌まで育てる最高の腸活』(宝島社)など。
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(一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長 辨野 義己)
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