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小室さんの司法試験合格では解決できなかった…秋篠宮家の「親子対立」の解決に本当に必要なこと

プレジデントオンライン / 2022年12月15日 13時15分

57歳の誕生日を前に、記者会見される秋篠宮さま=2022年11月25日、東京都港区の赤坂東邸(写真=時事通信フォト)

■関係は修復したかに思われたが…

秋篠宮と眞子さんとの関係は断絶したままだった。

それが明らかになったのは、11月30日に57歳の誕生日を迎えた秋篠宮の会見の席でのことだった。

ここ数年の誕生日会見は、「およそ皇室に相応しからぬ“スキャンダル”が質疑の大きなウエイトを占めてきた」(週刊新潮12/8日号)

2017年は、眞子さんと小室圭さんの婚約内定会見から2カ月余り後に行われ、秋篠宮は小室さんのことを「非常に真面目な人だというのが第一印象」だと語った。

だが、その後、小室圭の母親の金銭トラブルが発覚し、婚約が延期された後の2018年の会見では、一変して、秋篠宮は「二人が結婚したいという気持ちがあるのであれば、やはりそれ相応の対応をするべきだと思います」と突き放した。

「その後、19年には『小室家とは連絡は私は取っておりません』と明かされ、翌年は『(対応が)見える形になるというのは必要なことではないか』と強調されました。

さらに昨年は、小室圭さんを『夫の方』『娘の夫』などとよそよそしくお呼びになった上で、『(小室さんとの面会で)印象に残ることというのは特に私にはありません』『(入籍会見では)自分の口から話をして質問に答える機会があった方が良かった』等々、ネガティブなご回答に終始されたのでした」(宮内庁担当記者)

■「難題の“総決算”と言っても過言ではなかった」

しかし今年は、小室圭さんがようやく3度目の試験でニューヨーク州の司法試験に受かった。眞子さんから、「受かりました」という連絡も秋篠宮家にあったという報道もされていたため、「今年の会見は、御代替わりをはさんで長らく皇室を苛(さいな)んできた難題の“総決算”と言っても過言ではなかった」(週刊新潮)のだが、そうはならなった。

秋篠宮はこう語ったという。宮内庁が発表した誕生日会見の全文からやりとりを見てみよう。

次女佳子さんの結婚問題について聞かれると、

「まず、それでは最初の次女のことからですけれども、現在、いろいろな所から依頼を受けて、それで公的な活動を行っております。私としては、そうしてせっかく声を掛けていただいているわけですので、それら一つ一つに対して真摯(しんし)に取り組んでいってもらいたいと思っております。

それから助言でしたか。

――はい。

これについては、何か聞かれればそのときに私の意見を言うことがあります。恐らくそれぐらいだと思います。それから結婚についてですけれども、今、特に何か話し合っているということはありません。また、女性皇族が結婚後も皇室に残ることと、娘のその意思の尊重ということにつきましては、私は今までも本人の意思はできる限り尊重する、という立場をとっておりました。一方で、結婚後も内親王が皇室に残ることというのは、これは制度のことであって、そのことについて私が何か申すことではないと考えております」

■「話をするのは控えてほしいと申しているようですので」

長男悠仁さんについては、

「次は長男の学校生活ですか。この4月から高校生になって、恐らく今まで12年間、それまでの幼稚園から中学校まではある意味同じ学校と言いますかね、過ごしてきて、この4月から新たな所での生活になったわけですけれども、本人は授業や部活ですね、忙しくも充実した日々を送っているように見受けられます。

また、その次のことにつきましては、これも私は以前にお話ししたことがあったと思いますが、私自身の経験も少し含まれているわけですが、日本は本当に各地に様々な文化があります。そういうものを若いうちに実際にその場所を訪ねて、そこでそういうものに直(じか)に触れるということは、将来的にも非常に大事なことなのではないかなと思っております。

それなので、折々に私もそういうことを本人には勧めております。また、それとともに書籍などを通じて、様々なことを、中でも日本の歴史などについては知っておいてほしいと思ってそういう話もすることがあります」

続いて、ニューヨークにいる眞子さんについて聞かれると、

「次に長女のことですけれども、これは本人が近況などについての自分のことについては話をするのは控えてほしいということを申しているようですので、私もここではお話を控えることにいたします」

と答えたのである。

■新潮は「深刻な亀裂がいっそう浮き彫りになった」

それ以前に、加地隆治皇嗣職大夫も定例会見で、小室さんの司法試験合格の報を聞いて、「秋篠宮ご夫妻はお喜びのご様子とお見受けします」と語っていたのだ。

そのため、少しは眞子さんについて話すと思われていたが、驚いたことに、口止めされているといったのである。

新潮は、この会見で秋篠宮一家の深刻な亀裂がいっそう浮き彫りになったといっている。

「それは殿下のご回答にあった“控えてほしいと申しているようなので”という言い回しに端的に表れています。つまりは殿下が直接、眞子さんからご希望をお聞きになってはいないという意味なのですが、実際に現在、紀子妃殿下ともども、眞子さんとは直接にお話しできない状態にあります」(秋篠宮家の事情を知る関係者)

ではどうやって眞子さんの情報を聞いているのだろう。

「いまの宮邸には、その間に分け入って双方とやり取りできるほど信頼を得ている職員は皆無。眞子さんの近況や要望は、もっぱら妹の佳子さまを通じてのみ両殿下に伝えられているのが現状なのです」(同)

そういえば、紀子さんも9月の誕生日の時には、「(眞子さんの)近況や生活については、本人の希望もあり、お答えは控えます」といっていた。

ニューヨーク市マンハッタンのダウンタウン
写真=iStock.com/deberarr
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/deberarr

このときはまだ、小室圭さんの合否が分からなかったから仕方ないだろうが、今回は記者も国民も、秋篠宮の口から、何かひと言聞けると思っていた。

■女性自身は「小室夫妻への怒りが表れている」

だが、新潮は、妹の佳子さんを通じて、「自分の生活については絶対に触れてほしくないと言っている」(同)と極めて強い要望がもたらされ、秋篠宮もこれに同意せざるを得なかったと報じている。

娘夫婦が結婚して1年以上たった。そのことへの感想ぐらい父親が語ってもいいと思うのだが、それさえも「やめてほしい」と釘を刺されたというのである。

さらに、次女の佳子さんとの関係も良好ではないようなのだ。

会見で、このところ公務に励んでいる佳子さんだが、公務の原稿については助言することはあるようだが、あくまでもそれは仕事の範囲で、お互い心を開いて話をするというのには程遠い関係が続いているというのである。

女性自身(12/20日号)は、秋篠宮発言には小室圭さんと眞子さんへの秋篠宮の怒りが表れているとみている。

「例えば、『この場では詳しく申し上げることを控えますが、長女も現地で新しい生活を送っています』といったマイルドな言い回しも可能であったはずです。眞子さんの要請があったことをあえて明かしたことからも、秋篠宮さまの小室夫妻への強い怒りが感じられます」(宮内庁関係者)

しかし、この会見が、皇嗣としての秋篠宮の権威を損ね、父親としての義務の放棄ではないのかという批判も出てきているようだ。

■皇嗣家の当主としていささか頼りない?

静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、女性自身でこう語っている。

「会見で秋篠宮さまは“皇室についての正確な情報がタイムリーに出されていくことが必要”といった内容もお話しされています。

小室夫妻のアメリカでの生活については、“経済基盤はどうなっているのか”“総領事館からどれほどの特別待遇を受けているのか”など、疑問を抱いている国民もいます。

情報の正確性を力説されながら、そのいっぽうで眞子さんの近況をいっさい語られないのであれば、“都合のいい情報は出すが、都合の悪い情報は出さないのか”とも受け止められてしまいます」

娘に強くいわれたからといって、その通りに“従ってしまう”のでは、皇嗣家の当主としていささか頼りないではないかというのである。

秋篠宮の優柔不断な姿勢は、眞子さんが小室圭さんと結婚するまでの紆余曲折の中で、たびたび指摘されてきた。

眞子さんは、秋篠宮の「多くの国民に祝福される結婚を」という願いさえも無視して、ニューヨークへ旅立ってしまったのに、表立って批判の言葉は口にしなかった。

それが、秋篠宮の広い寛容の心からなのか、長女夫婦とはもはや他人と割り切ってのことなのか、私には分からない。

だが、このところの秋篠宮発言を見ていくと、ある種の“冷たさ”を感じてしまうのだ。

■「ゼロか100か、白か黒か」という考えが根底にある

森暢平成城大学教授はサンデー毎日(12/18・25日号)で、秋篠宮の「情報発信」発言を取り上げ、秋篠宮に「本質主義的発想」があるのではないかと書いている。

秋篠宮は会見で、「皇室の情報発信というのも、正確な情報を、タイムリーに出していくということが必要」と語った。

森教授は「発信」という言葉使いが気になる。SNS時代で重要なのは一方的な発信ではなく、受け手との「対話」ではないかというのである。

さらに秋篠宮は、誤った情報には「それは違うよ」と反論することがあり得るともいっているが、一つの事実について反論すると、ほかに書かれていることは全部正しいということになってしまうと危惧してもいる。

しかし、こうした秋篠宮の発想は、「ゼロか100か、白か黒か」というもので、「小室圭さんが母親の『金銭トラブル』に対して文書で説明した時もそうだったが、一方的な説明はいくら詳しくても、逆の効果を持つことがある」(森教授)

ではどうするか? 森教授はこういう。

「粘り強く、繰り返し自分たちの姿や考えを伝え続ける地道な方法を取るしかない」

事実無根の情報を信じる人が100人いたとしても、説得を繰り返し試みる「対話(コミュニケーション)」をしていけば、50人、20人と減らしていくことができるはずだという。

■頑固さは「弱さを隠そうとする本能」ゆえなのか

英国では、今年6月の故エリザベス女王の「プラチナ・ジュビリー(在位70年記念行事)」のとき、人気キャラクターのクマと女王が共演する楽しい動画を制作して、YouTubeやツイッターなどを使って拡散させたそうだ。

2012年に開催されたロンドンオリンピックの開会式では、映画『007』シリーズの俳優ダニエル・クレイグと共演し、世界中を大いに沸かせた。

そこまでは望まないが、確かに秋篠宮や宮内庁の考え方は、時代遅れになっているという指摘には頷けるものがある。

そこからは、秋篠宮の見かけによらない頑固さ、悪くいえば人のいうことを聞こうとしない頑なさが透けて見えてくる気がする。

江森敬治氏の『秋篠宮』(小学館)の中で、秋篠宮自身が「自分勝手で独善的とも思える夫」といっている。

失礼ないい方になるが、人間としての真の強さではない。自分の弱さを隠そうとする本能のようなもので、他人の意見を聞かず、殻の中に閉じこもってしまうのではないか。

眞子さんが秋篠宮に連絡をしてこないのは、秋篠宮の頑固さ、一度こうと思い込んだら梃子(てこ)でも動かないというのを知っているからではないのか。

眞子さんも、小室圭さんとの愛を最後まで貫いたように、父親以上とも思われる意志の強さがある。

歩み寄りは難しいが、いつかはやらなければならない。

■「父は永遠に悲壮である」とはいうけれど

今の時代、会って話さなくても、SNSを使えば対話はできる。こちらから話しかけるのは父親としての沽券にかかわるなどといっていないで、次女の佳子さんに仲介してもらって、話し合えばいい。

眞子さんが15歳の時、2人で行ったマダガスカルの話をすればいい。狭い車内で何度も車の天井に頭をぶつけたこと、徳利の形をしたバオバブの木の話をすればいい。失われた時間は一瞬にして戻ってくる。

晴れた日の屋外で幼い子供を抱きしめる父親の手
写真=iStock.com/Julia_Sudnitskaya
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Julia_Sudnitskaya

秋篠宮を見ていると、詩人・萩原朔太郎の「父は永遠に悲壮である」という言葉を思い出す。妻子からは良き家庭人であることを期待されるが、一方で家族には理解してもらえず、煙たがられる存在。そんな中でも体面を保ちながら、生きていかなくてはならない。父親というのはつらいものだ。

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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(ジャーナリスト 元木 昌彦)

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