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20代独身女性の12%が経験済み?…副業感覚の「パパ活女子」がSNS上に増殖するワケ

プレジデントオンライン / 2022年12月19日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/west

男性とデートをしてお金をもらう「パパ活」をしている女性はどれくらいいるのか。街コンサイトを運営する三輪賢治さんは「アンケート調査では20~40代の独身女性の約10%がパパ活の経験があると答えており、副業感覚でやっている人が多い」という――。

※本稿は、三輪賢治『100歳まで出会える人生』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

■愛人をカジュアルにした“パパ活女子”

パパ活――援助交際や売春という言葉にまとわりつく暗く重たいイメージに比べ、なんとカジュアルな響きなのでしょうか。

言葉の軽さが罪悪感、うしろめたさを希薄にするのでしょう。パパ活はツイッターのほか、SNSを利用する若い女性を中心に広がりを見せました。2017年にはインターネットテレビで、そのものズバリの『パパ活』なるタイトルのドラマまで配信され、言葉の認知度も急速に広まっていきました。

さて、その交際の方法ですが、定義は緩やかに変化していっているのが現状です。

パパ活とは、女性が男性とデートし、その対価として金銭の援助を受けること。昔は、お金持ちの男性に囲われる女性を“愛人”と呼んでいましたが“パパ活女子”は、そのライト版、カジュアル版とでも表現するとわかりやすいでしょうか。

デートの内容に決まりはなく、交渉の余地を残しながらも、基本的には女性側が設定した条件に男性が沿う形になります。食事やお酒に付き合うだけという女性もいれば、大人の関係、つまり性行為までOKだという女性もいます。

■主役は港区のキラキラ女子から普通の女子へ

しかし、パパ活という言葉が生まれた2014年頃は、性行為の含まない関係を、援助交際や売春と区別するために“パパ活”と呼んでいました。しかし、メディアでの報道によりその関係がメジャーになればなるほど、行為も過激化し、近年は性行為を含む関係のほうが多いのが現実です。

もともとパパ活は、港区に存在する“港区女子”や“キラキラ女子”の間から始まったとされています。ラウンジでバイトするような、容姿が端麗で、おしゃれな女性たちです。SNSで輝いていた彼女たちは、同世代の女性たちの憧れの存在でした。そのため、彼女たちから始まったパパ活は、都心から地方へと、憧れられる一部の女子から普通の女子へと波及していき、市場規模は急速に膨らむこととなりました。

その急拡大を促したのが、出会い業者が競うようにリリースした、パパ活系のマッチングアプリの数々です。

■働く女性たちの副業になりつつある

スマホで簡単に登録できて、お小遣いがほしいときに、簡単にパパ探しができる上、ほとんどのアプリが無料(男性は有料)で使うことができます。お金持ちの男性の人脈がない普通の女子でも、お小遣いをくれるパパと出会えるようになったというわけです。しかも、アプリに登録するだけで。

その気軽さが、女性たちのパパ活に対するハードルをグッと押し下げたことは間違いありません。

パパ活は今や、学生などの若い女性がお小遣いを稼ぐための手段という域を超え、会社員を始め看護師や幼稚園の先生といった専門職、キャバクラ嬢やガールズバーといった水商売の女性からパート主婦にいたるまで、様々な女性の“副業”と捉えられるまでに広まっています。

同時に近年では、お酒の相手をすることで対価を得る“ギャラ飲み”、会わずにオンライン上で相手をするだけの“リモートパパ活”といった形態も登場しています。つまり、パパ活の細分化が進み始めていのです。

■20代独身女性の12.4%が「経験あり」

では、実際にパパ活をしている女性というのは、世間にどの程度の割合で存在するのでしょうか。

「パパ活をしていますか? もしくは過去にしたことがありますか?」という問いに答えた女性は、おおよそ10%です(図表1参照)。つまり、あなたの周囲にいる独身女性の10人に1人がパパ活をしている、もしくは過去にパパ活をした経験があるということになります。これは、かなり多い数値だと感じるのではないでしょうか。

【図表】パパ活をしている/したことがあるか
出所=『100歳まで出会える人生』

年代別のデータを見ると、やはり20代が最も多く12.4%ですが、40代でも6.9%がパパ活経験者です。若いほど、お手当の金額を高く設定できるのが現状であるため、それも20代パパ活女子を増やしている要因でしょう。

年齢が上がるにつれて経験者の割合が減っていきますが、40代でもパパ活需要があるということは、おそらくは50代にも広がっていると考えられます。パパ側にも幅広い世代がいるということでしょう。

次は男性が気になるお手当についてです(図表2)。

■「5万円未満」が過半数、中には「100万円以上」も

パパ活収入が100万円以上という女性は3%。“失われた30年”と言われる平成・令和不況の中にあっては実感の湧かない数字ですが、これだけの高収入を得ているパパ活女子が少数ではありますが、存在するのも現実のようです。

【図表】パパ活の月収
出所=『100歳まで出会える人生』

ちなみに、「10万~30万円未満」までを含めてもパパ活だけで生活できるような金額を稼げているのは33%と少数派です。

かたや「10万円未満」が77%と大半で、中でも「5万円未満」が半数以上の61%を占めている点は注目に値します。5万円未満という数字はまさに“お小遣い”“副収入”と呼ぶべき金額だからです。

愛人を囲うことが男のステイタスだったのは、今は昔。高級マンションをあてがわれ生活費一切の面倒をみてもらい、プレゼントにダイヤのアクセサリーやブランドバッグが与えられる……そんな愛人像は昭和の話であることが、如実に表れた結果と言えるのではないでしょうか。

■パパ活女子がSNSで使う不思議な言葉

先述した通り、パパ活はツイッターなどのSNSやアプリを利用する若い女性を中心に広まってきました。若者が同世代同士で情報をやりとりする際には、いわゆる“若者言葉”が存在します。

パパ活に関しても例外ではありません。文字から想像できる言葉から、一見しただけでは意味不明な言葉まで、特徴的なものをいくつかご紹介していきましょう。

P活=パパ活。Pのみの場合はパパを指す。
PJ=パパ活女子。
飯P=食事をするだけのパパ。
細パパ(細P)=少額しか払ってくれないパパ。
太パパ(太P)=気前よく大金を援助してくれるパパ。
神パパ(神P)=太パパと同義。スーパーリッチPも同義。
新規パパ(新規P)=新しいパパ。「新規パパ募集」のように使用する。
定期パパ(定期P)=定期的に一定の額を援助するという契約をしたパパ。
都度P(都度)=お手当をその都度支払うパパ。
月極パパ(月極P)=お手当をひと月ぶんまとめて支払うパパ。
ガチ恋パパ(ガチ恋P)=相手に恋心を抱いてしまうパパ。迷惑、痛いという意味で使われることがほとんど。
好きP(彼P)=お金と割り切っていたはずなのに、好きになってしまったパパのことを指す。
地雷P=ドタキャンや冷やかしなど、迷惑行為を常習的に行うパパ。

■「大人」「円」はセックスありを示す

大人(大人の関係)=セックスありを示す。
(サポ・割り切り)=「大人」と同義。
食い逃げ=男性が、食事代やお手当を払わずに逃げること。
やり逃げ=大人の関係を持ったのにお手当を払わずに逃げること。
業者=パパ活女子個人を装った風俗業者。援デリ、闇デリ、裏デリとも言う。
魔法=睡眠薬などを使用されてレイプされること。「魔法かけられて警察に通報した」などと使用。
お手当=デートや性行為の対価として支払われるお金、ギャラ。
イチゴ(苺・1.5)=1万5000円。
諭吉(1.0)=1万円。「1諭吉」、「2諭吉」と使用する。
ホ別=ホテル代別。

寿命が短い若者言葉のこと。こうして本書を執筆しているうちにも新しい言葉が生まれ、消えているに違いありません。しかし、パパ活に関して言えば、若者言葉というだけでなく、“隠語”としての意味合いも果たします。むしろ後者のほうが強いともいえます。

なぜなら、出会い系サイト、アプリなどでパパを募集する際に、「3万円くれればセックスもOKです」などと書き込めば、そのメッセージは運営サイドによってすぐ削除されてしまいます。パパ活女子たちは、運営サイドが定めた削除対象ワード検索から逃れようと、隠語でボカしているというわけなのです。

スマホを使用する女性の手元
写真=iStock.com/Urupong
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Urupong

■パパ活そのものを処罰する法令はない

なぜサイトやアプリ上では、あからさまな表現が削除されるのでしょうか。それは出会いを提供する運営者が「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則」、通称「出会い系サイト規制法」により、警察の指導、監督の下にあるからです。

この規制の目的は犯罪から児童を保護すること。そのため、売春を誘発するワードを放置する運営会社は摘発を受けることになります。逮捕されるのはサイトの運営者で、たとえ摘発対象のサイトを利用していたとしても、利用者が逮捕されることはありません。

では、パパ活そのものは違法なのか、それとも合法なのでしょうか。パパ活は金銭が介在する男女関係だけに、そのあたりを心配される人も多いのが現状です。

結論から言えば、解釈が分かれるところではあります。けれども、パパ活が、本来の意味でのパパ活であれば、基本的に犯罪ではなく処罰するような法令もありません。

例えば、ネットで知り合った女性に、一緒に食事やカラオケに行ってもらい、時間を割いてくれたことに対するお礼として金銭を渡す。この行為が犯罪になるはずがありません。

では、パパ活女子と金銭が介在する肉体関係を持ったケースはどうでしょうか。

■売る側には罰則がなく、逮捕もされない

金品を支払って性行為をすることは売買春に当たります。そのため「売春防止法」で取り締まられている行為に当たれば違法となります。売春防止法で定められた売春行為とは、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう」と法律で定められています。つまり、1人の相手と定期的に会い、お小遣いをもらうのであれば、売春には当たらないとも解釈できます。

また、もし売春に当たったとしても、逮捕されるのは売春行為をあっせん、または売春行為を行うための場所を提供した者とされています。つまり、買う側、売る側には罰則がなく、逮捕もされることがないのが現状です(ただし、男性が性行為を前提に金銭を提示してパパ活女子を募集した場合は売春あっせんにあたる可能性があります)。

それ以前に、パパ活デートの延長線上で体の関係を持ったとしても、お互いの同意があれば、“自由恋愛”になると解釈もできます。

しかし、全てのパパ活が法に触れないわけではありません。

「知らなかった」と言い逃れすることすら非常に困難で、逮捕される可能性も非常に高いケースがあります。それは18歳以下の未成年と性行為を行った場合です。

この場合、児童福祉法違反、児童買春・ポルノ禁止法違反、各都道府県の青少年健全育成条例違反といった罪に問われる可能性があります。

しかも、未成年の場合は、性行為がなくても罪になる可能性があります。例え同意があっても、車で連れ回したりすれば、未成年者誘拐罪に問われる可能性はゼロではありません。

■解釈次第で合法になるグレーな存在

現在、未成年保護という観点からSNS上でも警察の監視や取り締まりが強化されています。ツイッターなどのSNSでパパ活女子と検索すれば、未成年者と見られる書き込みも数多くあります。意図せずとも、関係を持ってしまうリスクは一定程度あるのです。

三輪賢治『100歳まで出会える人生』(扶桑社)
三輪賢治『100歳まで出会える人生』(扶桑社)

その点で、利用料が発生しても、18歳未満の利用を禁止するパパ活アプリを利用するほうが安心だと考える人もいるでしょう。

「シュガーダディ」や「ペイターズ」などのマッチングアプリは、「出会い系サイト規制法」を遵守しており、「警視庁に『異性紹介事業届出』を行ったうえで運営」「会員全員に年齢確認があり、18歳未満は利用できない」「運営による24時間365日の監視パトロールによって悪質会員を取り締まっている」と謳っています。

場合によっては違法になるケースもありますが、解釈次第では合法になる。そんなグレーな存在がパパ活の実態なのです。

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三輪 賢治(みわ・けんじ)
ノマドマーケティング代表
1981年、愛知県生まれ。慶應義塾大学在学中から出会いのイベントを企画、実行する。大学卒業後、一般企業に就職。インターネット上での出会いに未来を感じ、独学でホームページの制作・運用を学ぶ。アフター5と休日のサイドワークとして街コン・婚活サイト「e-venz」を2009年に立ち上げる。同サイトが人気となり、2014年に起業。出会いイベントのプラットフォームサイト、オウンドメディアの先駆けとして、新しい出会いの形や情報を提供し続けている。著書に『100歳まで出会える人生』(扶桑社)がある。

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(ノマドマーケティング代表 三輪 賢治)

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