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「頭のおかしな動物が何か言っている…」ひろゆきがコールセンターのバイトで実践した無敵のクレーマー対応

プレジデントオンライン / 2022年12月29日 10時15分

2022年1月、パリにて撮影。 - 撮影=松永学

お客からの不満や苦情を受け止めるクレーム対応。ストレスも多く、メンタルをやられてしまう人も少なくない。かつてコールセンターでバイトしていたひろゆき氏は、理不尽な言いがかりや主張をしてくるお客の怒りを収めるにはコツがあるという。メンタルをすり減らさない、ひろゆき氏ならではのクレーマー撃退法とは――。

※本稿は、西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■怒っている人をスッキリさせるコツ

僕は若い頃に、いろいろなアルバイトを経験しました。コンビニや中華料理店、スーパーの惣菜売り場、塾の講師、裏ビデオのチラシ配りなど、覚えているだけでも10種類以上あります。

そのうちの一つに、携帯電話会社のコールセンターのバイトがありました。

お客さんからかかってきた故障などのクレームの電話に対応する仕事です。

世の中には、理不尽な言いがかりをつけてくる人や、頭のおかしな主張をする人が一定数いるので、なかにはメンタルをすり減らしながらこの仕事をしている人も少なくないと思います。

僕もかなりの数のクレーム対応をこなしたのですが、クレーム対応はけっこう好きな仕事でした。

僕のクレーム対応は、基本的には2パターンです。

「いかに早く電話を切るか」、もしくは「気を抜いて長電話をするか」です。

まともなお客さんの場合は、質問があって電話してくるので、聞かれたことに対してちゃんと回答します。こちらに原因がある場合は、対処法を決めて作業として遂行すればいいだけです。

面倒なのは、感情的なクレーマーです。ただ怒りたいクレーマーの場合は、ちゃんと向き合う必要はありません。こういうタイプは質問したいことがあるのではなくて、怒りをぶつけたいだけだったり、「電波が届かないから基地局を増やせ」と対応不可能な要求をしてきたりします。

僕はそういう人に対しては、「さようでございます」などと言ったり謝ったりしながら、マンガを読んでいました。

怒っている人の大半は、話を聞いてあげるとスッキリするんです。こちらが何をしているかは電話ではわからないので、僕はひたすらマンガを読みながら、ダラダラと相槌を打っていました。

■ダラダラ相槌を打ってオウム返しする

話を聞くときに、僕がよく使ったテクニックは「オウム返し」です。

「なるほど、買ったものが動かなかったんですね」「そうですか、いろいろ試したんですね」などとオウム返しを続けていると、たいていの人はそのうち言うことがなくなっていきます。

あとは、ずっと話をし続けたいのか、上の人間の対応が必要なのかを判断すればいいだけです。

面倒くさい状況になったときは、僕は「上に確認します」と言って電話を保留にしていました。

でも、実際は上司に確認はしません。保留にしている間はマンガなどを読んで、数分たってから「上司に相談したのですが、やはり難しいようです」と応えていました。

それでも終わらないときは、また「上に確認します」と言って再び放っておきます。

当時、時給が1300円だったので、10分間お客を放置してマンガを読んでいるだけで200円もらえたわけです。そのうえ、周りからは「西村さん、クレーマーにつかまって大変そう」と、むしろがんばっていると見られることもありました。

マンガを読めて、お金ももらえて、周りから評価もされるので、クレーム対応はけっこう好きな仕事でした。

■頭のおかしな動物が何か言っている

クレーム対応のコツは、相手の要求が何なのかを見極めることです。「謝れ」なのか「お金払え」なのか。

よく僕は、相手の条件を聞き出して、「検討します」と言って持ち帰るという手を使っていました。相手も要求を言ったら、それ以上に要求することはないですからね。

あとは、バイトの僕にその場で決める権限はないので、「決まりしだい、ご連絡します」と伝えて上に丸投げする。そうすれば最小限の時間で済みます。

くれぐれも勘違いしてはいけないのは、クレーマーはあなたに対して文句を言っているわけではないということです。

メンタルを削りながらクレーム対応をしている人もいると思いますが、クレームに対して自分が叱られているとか、真摯に相手をしなければと考える必要はいっさいありません。

「世の中にはこういう頭のおかしな人がいるんだ、へぇ~」って思うくらいがちょうどいいんです。

「クレームを入れてくる動物に対して、いかに安いコストで自分の利益を最大化するか」

そう考えるようにすると、メンタルを削られなくても済むようになるはずです。

■ムダ玉は極力撃つな

相手のニーズを見極める能力は、どんな仕事でもあると重宝します。

たとえば、仕事で新規事業の話を持ちかけられたとします。僕はそういうときには、予算やスケジュールはもちろん、目的やゴールは何か、決裁者が誰かまでしっかりヒアリングします。

「目的はこれですよね」「このかたちだったら予算内に収まりますか?」などと、担当者に一つひとつ確認しながら進めていきます。

クライアントなどの相手がいる問題や目標の場合に、とくに重要なのは「相手の目的が何か」です。

たとえば、新しくマンガのサイトを立ち上げたいという場合なら、売上を上げたいのか、単にマンガが好きだから始めたいのかを、最初にはっきりさせます。おしゃれな新規事業を立ち上げて華々しく見せたいと思っている会社に、儲かる事業を提案しても時間のムダですからね。

だから、できるだけ相手に直接ヒアリングして、極力ムダ玉を撃たないようにします。

僕はわりと人にずけずけと質問するタイプなのですが、さすがにビジネスのときはストレートに聞きません。「こういう感じはどうですか?」などと提案すると、「それならこっちのほうが」などと返ってくるので、何回か質問して相手のニーズを絞り込んでいきます。

ほかにも、「売上は伸びるんですが、担当者の人が忙しくなるプランと、あまり売上は伸びないけれど、そのぶん担当者は何もしなくていいプランがあります。どちらがいいですか?」などと、二択にして絞り込むこともあります。

■決裁者の基準は何か

あと、必ず聞くようにしているのは、「決裁者がどういう基準で決めるか」です。

決裁者に直接聞けない場合は、担当者から過去の傾向などをヒアリングして、その範囲の中で松竹梅のようにバリエーションを提案して当てにいきます。

西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)
西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)

もちろん、予算の確認はマストです。1000万円規模のプロジェクトなのか、1億円規模のプロジェクトなのかで、やることはまったく違うので。

ときどき、「いくらお金がかかってもいいから」と言う人もいますよね。僕はそういうときには、「じゃあ、20億円ください」って返すようにしています。

すると、絶対にOKにならないんですよ。そういう人に限って、じつはそんな権限を持っていなかったりします。

問題解決であれ目標達成であれ、できるだけムダ玉を撃たないためには、しっかりヒアリングをして相手のニーズを絞り込むことが重要です。

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ひろゆき(ひろゆき)
2ちゃんねる創設者
東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。

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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)

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