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「海外で深夜に両替が必要になった」ひろゆきがフィリピンのコンビニで叫んだひと言

プレジデントオンライン / 2023年1月3日 10時15分

2022年1月、パリにて撮影。 - 撮影=松永学

海外で想定外のトラブルに遭遇するのが楽しいというひろゆき氏。フィリピンとマレーシアでトラブルに遭遇したひろゆき氏が問題解決のためにとった意外な行動とは――。

※本稿は、西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■フィリピンで真夜中に両替えするには

僕はいまフランスのパリに住んでいるのですが、もともと海外に行くのは好きで、これまでに60カ国以上を訪れました。

外国に行くのがおもしろいのは、日本では想定しないようなことが起こるからです。

想定外のトラブルに遭遇したときに、手段も限られる中でどう解決するかというゲームを楽しんでいる感覚です。

これまでに海外でいろいろな体験をしたのですが、ここでは問題解決にちなんだエピソードを紹介します。

20代の頃、友だち数人とフィリピンへ行ったときに、夜中に買い物をしようとなったんです。でも、誰もフィリピン通貨のペソを持っていませんでした。両替所も閉まっている時間でしたし、誰もクレジットカードを持っていなかったのですが、買い物はしたい。

そんなとき、みなさんならどうするでしょうか。

両替所が開く次の日まで待つという人が多いかもしれません。でも、僕は違う方法をとりました。

ペソがないままコンビニへ行ったんです。

■交渉は相手が困る状況を狙え

夜遅かったのですが、そのコンビニにはけっこうお客さんがいました。僕たちは買いたいものをカゴに入れて、レジ待ちの列に並んで、順番が来たらレジの店員にカゴを渡しました。

そして、レジの店員が「○ペソです」と言ってきたときに、店内のお客さんに聞こえる声でこう言ったんです。

「僕らはペソを持ってないので、誰かドルで○ペソを買わせてくれる人、いませんか?」

すると、僕らの後ろにレジ待ちで並んでいたうちの1人が、「じゃあ、オレが買うよ!」って言ってくれたんです。それで、ペソとドルを交換してもらって、無事にコンビニで買い物をすることができました。

これは僕の思惑どおりでした。

たとえば、道端でいきなり外国人に「両替してくれ」と言われても、大半の人はとりあわないでしょう。でも、この場合だと、誰かが両替えしないとレジ待ちの列が進まないので、並んでいる人は解決するまで待たされるんですよね。

要するに交渉は、相手が困る状況のほうがうまくいくんです。

だから、僕らの問題が解決しないと、並んでいる人たちは会計ができないという“困る状況”をあえてつくったわけです。

■お願いごとを頼む相手の見つけ方

交渉や問題解決では、相手がどういう状況のときを狙うかで、成功確率が大きく変わります。

もう一つ、海外で体験した問題解決エピソードがあります。

僕はマレーシアの10年間の長期滞在ビザを持っているのですが、それを取得するときの話です。

この長期滞在ビザは現地でしか取得できないので、ビザの申請に必要な書類をオンラインで調べて、一式そろえてからマレーシアに行きました。ところが、いざ現地の役所へ行くと、その場になって「マレーシア人の証人とサインが必要だ」と言われたんです。

でも当然、マレーシアに知り合いは1人もいません。そのうえ、2日後には帰国するので、その日のうちに証人になってくれるマレーシア人を見つけないといけませんでした。

さて、どうしよう?

ムダなことはしたくないので、次にマレーシアを訪れたときに取得するという先延ばしは避けたい。いろいろと考えた結果、ホテルの受付の人にサインしてもらおうと考えました。

■いちばん成功する確率が高いのは誰か?

受付のスタッフは何人かいたので、まず誰にお願いするかを決めます。

おじさんのスタッフは、面倒くさいから、と断られる確率が高そうでした。

それに、滞在中にマレーシアには男尊女卑な傾向があると感じていたので、女性のほうが男性客に対して丁寧に対応してくれると考え、ターゲットを若い女性スタッフに絞りました。

年齢が若いスタッフを選んだのにも理由があります。「いちばん若い人なら、面倒な話だからといってほかのスタッフに振ることができないだろうから、対応せざるをえなくなる」と職場の人間関係を想像したのです。

ターゲットを決めたら、次はいつお願いするかを考えました。

受付の仕事は、おそらく13時頃まではチェックアウトの業務で忙しくて、15時になると今度はチェックインが始まるのでまた慌ただしくなる。だから、いちばん対応してくれそうなのは13~15時の間だろうと。お客さんが来て交渉が中断したりすると、断られる確率が上がるので、相手が逃げづらい時間帯を狙うことにしました。

■この人は何をしたら動いてくれるか

そうして13時をすぎたときに、ターゲットの女性スタッフに声をかけました。

「僕は西村博之といって、日本人でエンジニアをしていて……」と自己紹介してから、「長期滞在ビザを申請したいんですが、マレーシア人に知り合いがいなくて。申し訳ないんですが、サインしてもらえないですか」と切り出しました。

自分がちゃんとした日本人だということをアピールしたら、その女性は「いいですよ。あなたは別に悪い人じゃなさそうだから」とサインをしてくれたんです。

じつは、この女性スタッフに断られたらビザの取得は厳しいかなと思っていました。

お願いごとは1人目に失敗すると、2人目以降も「あの人も断ったんだから」と成功する確率が下がるんですよね。だから、なんとしても1人目で成功させたかったんです。

こうして僕は、制限時間内に長期滞在ビザを取ることができました。

交渉やお願いごとをするときに重要なのは、まず相手の状況を想像することです。

相手がどんな組織で働いていて、どんなモチベーションや目的で動いているかを具体的に想像できたほうが、仮説の精度が上がるので、成功する確率も高まります。

■行動原理がわかれば相手の裏をかける

こういう対人の課題解決の場合に大事なのは、「相手のモチベーションが何か」です。

相手がどういうモチベーションで行動しているのか。

そうした行動原理をしっかりシミュレーションできていると、相手の裏をかけたりするわけです。

なかには、相手のモチベーションが思いもよらない場合もあります。

たとえば、超多忙のビジネスパーソンだと、こちらが必死にプレゼンしても取引してもらえないことがあります。いくらいい商品だとしても、相手が「もうこれ以上、仕事を増やしたくない」と思っていたら、契約しようというモチベーションにはなりません。

西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)
西村博之『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)

そういう相手に対しては、「その人の手間にならないかたちで、その人の手柄になるには、どうすればいいか?」を考えるのがポイントです。

「判(はん)子(こ)さえ押してもらえれば、あとは全部こちらがやるんで、何もしなくてもいいです」などとアピールすれば、相手はメリットがあるとわかるので、採用されやすくなりますよね。

世の中には、担当者がかわいいから契約するという人もいるぐらいなので、対人の問題解決のときは、相手のモチベーションをシミュレーションするクセをつけると、成功確率はぐっと上がると思います。

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ひろゆき(ひろゆき)
2ちゃんねる創設者
東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。

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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)

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