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「仕事が遅い」「取引先への態度が悪い」…部下に嫌われずに問題点を改善する上司のうまい伝え方

プレジデントオンライン / 2022年12月28日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/itakayuki

部下への注意はどのようにすべきか。メンタルアップマネージャの大野萌子さんは「部下の好ましくない行動には必ず理由がある。頭ごなしに言うのではなく、まずは理由を聞くようにすると印象は大きく変わる」という――。

※本稿は、大野萌子『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

■職場での話し方の大原則は「平等」

職場での基本言語は「です・ます調」の丁寧語。丁寧すぎる敬語を使ったり、へりくだりすぎる必要はありません。周りの人には平等に接することが、なにより大事です。

大野萌子『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』(幻冬舎)
大野萌子『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』(幻冬舎)

たとえば、あなたの職場に「インターンの大学生」と、「自分よりも年上の部下」がいるとき。2人に対して“平等な言葉遣い”をすることが求められます。

大学生には「これ、やっといて!」という命令形、年配者には「すみません、これをやっておいていただけますか?」という敬語。

もし、このような言葉の使い分けをしていたら、要注意。どちらの人からも不満が出やすい環境を作り出してしまいます。

ここでは、対等・尊重の視点から、職場の「神対応・塩対応」をお伝えしていきます。うわべのやりとりだけではなく「なぜ、そうなのか」という理由もお話ししますので、フレーズを忘れてしまっても大丈夫。またほかのシーンに応用もできるでしょう。

■部下が取引先に対して失礼な態度をとったとき

塩対応「​ちょっと! さっきの態度、失礼でしょう⁉」

塩対応「​ちょっと! さっきの態度、失礼でしょう⁉」
イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

事情を把握しないまま、叱ったり怒鳴りつけたりすると、部下は萎縮するばかりか、心を閉ざしかねません。子ども同士の喧嘩によくありますが「お友達を叩いた子」は、その前の段階でイヤなことをされていることが少なくありません。それと同じ話ですよね。「失礼な態度」だけにフォーカスするのは酷と言えます。

神対応「もしかして、なにかあった? よかったら聞かせて」

神対応「もしかして、なにかあった? よかったら聞かせて」
イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

部下と取引先との表面的なやりとりを見ただけで、注意をするのは、ちょっと待って。もしかすると、あなたの知らないところで(メールのやりとりなどで)、なんらかのトラブルが起こっていたかもしれないからです。まずは状況をたずねて事実を把握しましょう。先方へのお詫びは、それからでも遅くはありません。

■部下が指示した方法とは別の方法で対応しているとき

塩対応「そんなやり方じゃダメ。前例通りにやってよ」

塩対応「そんなやり方じゃダメ。前例通りにやってよ」
イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

「指示通りでない」「前例(マニュアル)を踏襲していない」と、頭ごなしに叱りたくなる気持ちはよくわかります。正義感の強い人ならなおさらでしょう。ですが頭ごなしに否定すると、部下のモチベーションは急降下。結果的に、「言われたことしかしない、無気力な指示待ち人間」となってしまいかねません。

部下の行動には理由が必ずひそんでいるもの。その意向や事情を探り、それを否定せず、いったん受け入れる姿勢が信頼関係を深める。

神対応「いつもと違うようだけど、プランを教えてくれる?」

神対応「いつもと違うようだけど、プランを教えてくれる?」
イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

部下が違う方法で進めているとき、その理由(事情や意向)をまず聞き出しましょう。業務の改善点に気づけるかもしれません。理由が特になかったり、ミスである場合は、改めてもらう。「違う方法」にデメリットがあるなら、理由を添え修正してもらう……。そんな的確な上司判断のためには、ヒアリングが第一です。

■仕事が遅い部下がいるとき

塩対応「みんなもっと早いんだけど」

塩対応「みんなもっと早いんだけど」
イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

部下の作業の遅さに気づき、声がけするのは問題ありません。しかし、嫌味のようなフレーズを投げかけても、相手を傷つけるだけ。状況はなにも改善しないどころか、ハラスメントにもつながりかねません。誰かと「比較」するのは、基本的にNG。そして、人格否定にあたる「使えない人ね」は明らかにアウトです。

どんな人にも得意、不得意はあるもの。上手なフォローで、職場全体の効率はアップ。嫌味や放置は、逆効果になりかねない。

神対応「滞っているみたいだけど、どこかに問題がありそう?」

神対応「滞っているみたいだけど、どこかに問題がありそう?」
イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

部下の遅れに気づいたら、状況改善を試みること。①「作業に時間がかかっている原因を、本人に聞く」、②「これからどうするか具体的な指示を出す」という2段構えで、早めの対策を立てましょう。特に大事なのは①の本人へのヒアリング。部下を威圧するのではなく、話しやすい態度で、耳を傾けられれば理想的です。

■相手の名前が思い出せないとき

塩対応(このまま気づかないフリをしよう……)

塩対応(このまま気づかないフリをしよう……)
イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

「この人、もしかしたら?」と思いつつ、互いに目を逸らしたり、黙り込んだり。重苦しい状況で、まるで我慢比べのように「声をかけ合わない」、そんな不毛な状況です。心にわだかまりがあっては、動作がぎこちなくなったり、のびのびとした発言ができなくなったりするもの。ひと言でも言葉を交わすのが得策です。

どこかで会った気がするけれど、そのシチュエーションや相手の名前を思い出せないとき。先に名乗ったほうが「勝ち」。

神対応「○○と申します。失礼ですが、以前お会いしましたよね?」

神対応「○○と申します。失礼ですが、以前お会いしましたよね?」
イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

「あれ?」と思ったら先手必勝。自分から名乗り、押し付けがましくないトーンで「過去にお会いした気がするのですが」と相手に伝えましょう。もし自分の勘違いであれば、「失礼しました」で十分。恐縮しすぎる必要はありません。その誤りをきっかけに「今後、よろしくお願いします」と挨拶で終わればスマートです。

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大野 萌子(おおの・もえこ)
メンタルアップマネージャ
法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行う。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)、『1ステップで気分があがる↑気持ちのきりかえ事典』(扶桑社)など。

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(メンタルアップマネージャ 大野 萌子)

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