1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「なるほど」「たしかに」は使わないほうがいい…ビジネスシーンでは避けるべき“NGな相づち”とは

プレジデントオンライン / 2022年12月31日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/west

ビジネスシーンではどんな「相づち」を使えばいいのか。コミュニケーション心理トレーナーの松橋良紀さんは「『なるほど』『たしかに』という相づちは上から目線に感じられるので避けたほうがいい。できれば『おっしゃる通りですね』などと言い換えられるといい」という――。(第1回)

※本稿は、松橋良紀『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■ビジネスでは使わない方がいい“NGな相づち”

相づちを打たず、たまに打っても「はい」「そうですか」くらいでは、聴いてもらっている気がしません。かといって、NGな相づち言葉を連発してもいけません。特に注意したいのは、「なるほど」「たしかに」です。

よく使われていますが、ビジネスシーンでは避けた方がいい言葉です。その理由を考えてみましょう。

・「なるほど」

この相づちには、同意をしたり、納得した気持ちを表現する意味があります。しかし、相手を評価した上での同意と感じさせてしまいます。評価者としての上から目線がにじみ出てしまうのです。だからといって、敬語風の「なるほどですね」を使うのは、ますますNGです。「なるほど、そうですね」の省略形ですが、評価が含まれていることには変わりません。さらに文法的にも正しくないので、違和感をもつ人も多い相づち言葉です。

・「たしかに」

意味合いとしては、「たしかにそうですね。間違いありません」という同意です。これも「なるほど」と同じく、自分の考えを判断されて評価されたように感じさせる相づち言葉です。このような理由から、目上の人や取引先相手などのビジネスシーンでは、軽々しく使わないようにしましょう。では、正しい相づちを紹介します。

・「なるほど」の正しい言い換えは?

「承知しました」
「おっしゃる通りですね」
「私もそのように思います」
「私もそのように感じておりました」

・「たしかに」の正しい言い換えは?

「その方が確実ですね」
「間違いないですね」

ついつい癖で「なるほど」「たしかに」と言ってしまったら、そのあとに、すぐにこれらの言い換え言葉を付け足すことです。

「なるほど、おっしゃる通りですね」
「たしかに、そのほうが間違いないですね」

このように一流は、相づち言葉をスマートに使いこなします。

・POINT
一流は、正しい相づち言葉を選ぶ
「なるほど」「たしかに」は、上から目線の相づちなので要注意!

■「会話が盛り上がらない人」の根本的な問題

松橋良紀『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)
松橋良紀『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)

会話が盛り上がらない人の多くは受動的です。受動的な人は自分からは積極的に質問をしません。相手から話しかけてくれるのを待っていたり、質問してくれるのを待ちます。こういう人ほど、質問をされたらここぞとばかりに自分だけがしゃべりまくり、相手に質問を返すこともありません。

根本的に他人にあまり興味を持てない人が、この特徴的パターンをやりがちです。特に初対面では、相手に質問をしないと、相手のことを知ることもできません。また、自分から話を盛り上げようとして質問をしても、話が広がらない質問をしてしまう人も多いです。

【二流】お仕事は、会社員ですか? それとも自営ですか?
【相手】会社員です
【二流】この交流会に参加されたのは、初めてですか? それとも常連の方ですか?
【相手】はい、初めてです
【二流】私も初めてなんですよ。会社はお近くですか?
【相手】はい、近くです
【二流】そうですか……(うーん、何を話したらいいんだ?)

この会話では、何が問題だと思いますか?

■二流は「閉じた質問」で会話を途切れさせている

二流の質問は、相手が「はい」か「いいえ」、あるいは「それは○○です」という、狭い答えしか導き出せない形式になっています。このような質問の仕方を「クローズド・クエスチョン」といいます。「閉じた質問」という意味です。

向かい合って話し合う二人
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

この質問をされる側は、深く考えることもなく、機械的に答えやすいですが、聞かれたこと以上のことを話しにくい質問形式です。ですので、話は広がらず、会話が盛り上がることもありません。もちろん、相手がおしゃべり好きであれば、勝手にべらべらと追加情報を与えてくれますが、おとなしい人なら、すぐに会話が途絶えてしまいます。

それに対して一流は、自由度が高く、話が広がる「オープン・クエスチョン」を使います。

【一流】お仕事は、どんな関係のお仕事を?
【相手】会社員ですが、ITの仕事をしています
【一流】へえ~、ITでしたら、今一番発展している分野ですね! 具体的にはどんな?
【相手】システムエンジニアなんですよ。ECサイトのプログラムやらなんやら……

このように、「どんな?」「どういう?」「どうしたら?」などの言葉を使って質問をすると、相手の話が広がります。「はい」か「いいえ」では答えるだけで終わらせることができないので、思ってもみないことが相手の口から飛び出してくることも多くなります。一流は、常に相手を饒舌にさせる質問術を使っているのです。

・POINT
一流は、質問で相手を饒舌にさせる
「どんな?」「どういう?」「どうしたら?」を使いこなそう!

■二流は断り文句を真正面から潰そうとする

ビジネス上では、反論されたり否定されることもよくあります。提案をしたら反論をされたり、否定的なことを言われるのは日常茶飯事です。

【三流】こちらの服が、最高の素材を使っていておすすめです
【相手】でもお値段、高いわねえ~

三流は、このような断り文句を言われることを強く怖れます。ですから、相手から否定的な言葉が出ないように、商品やサービスの説明に必死になります。相手から否定的な言葉や、反論、断り文句が出たら、そこで引き下がってしまいます。

二流は、反論や断り文句を真正面から潰そうとします。

【相手】この洋服、お値段が高いわね~
【二流】いえ、同じ素材の他社商品に比べたら、とってもお安いですよ! 素材は最高級ですので、丈夫さなどを考えると、かえって安いです!
【相手】そうはいっても、素材や丈夫さはそこまで求めてないからね
【二流】しかし、耐久性に不安がある商品だと、結局高くつくことになりますから、最高級の素材を使っているこの商品がおすすめです!
【相手】また来ます

このように、「いえ」「でも」「ですが」「しかし」と、反射的に相手の意見を否定した瞬間に、そこまで築いてきた信頼関係は一瞬で消えます。いくら正論だとしても、自分の言っていることを一度でも否定されたら、もはやあなたのいう言葉に耳を貸しません。理論的にやりこめて議論に勝っても、一瞬でも相手を否定したら、関係修復は不可能です。

■相手を否定せずに話題を変えるのが一流

一流は、お客様の断り文句を拒みません。

【相手】でもお値段、高いわね~
【一流】そうなんです、他のものに比べたら、お値段が高いんです。ところで高い理由ですが、素材を触ってください。他のものとはまったく別格なのがわかります。それは最高級の素材を使っているからなんです。そして耐久性も段違いです。価格は高いですが、価格に見合った高品質の商品なのでおすすめですよ

伝えている内容は、「素材が最高級なので高い」です。つまり話している内容は二流と変わりません。しかし、話題を転換して相手を一切否定せずに伝えていることで、印象がまったく変わります。大事なのは、相手の反論や断り文句も、反論しないことです。かといって、言いたいことをがまんするわけでもありません。

相手を尊重するために、相手を否定しないで話題の転換をしつつ、自分の意見を伝えるのが一流です。

・POINT
一流は、話題転換法を使って自分の意見を伝える
「ところで」「そういえば」など話題を転換してから意見を言おう

----------

松橋 良紀(まつはし・よしのり)
コミュニケーション心理トレーナー
1964年生まれ。青森市出身。20代で営業マンを経験するが、強度の人見知りで人間関係が大の苦手なため、まったく売れず……。ところが30歳のとき、カウンセラー養成学校で心理学を学んだことで人生が激変。支店長となり社内研修講師として全営業所の全社員の営業研修を担当すると、1年で会社の売り上げが140%アップ。2007年にコミュニケーションが苦手な人、困っている営業パーソンのための協会を設立。著書はこれまでに30冊、累計40万部。『話し方で「成功する人」と「失敗する人」の習慣』(明日香出版社)、『「売れる営業」がやっていること 「売れない営業」がやらかしていること』(大和書房)、『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』(中経の文庫)など著書多数。

----------

(コミュニケーション心理トレーナー 松橋 良紀)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください