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生卵5個を一気に飲む『ロッキー』主人公は大間違い…今さら人に聞けないタンパク質の最高の摂取法

プレジデントオンライン / 2023年1月3日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/chengyuzheng

日々、健康情報がネット上に大量に出回っている。プライオリティの高い栄養摂取法は何なのか。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんは「特に意識して取ってほしい栄養素は2つ。ひとつは、筋肉や皮膚をつくり、ホルモンや脳の神経細胞の材料にもなるタンパク質、もうひとつは骨の組成に関わり不足するとシワ・たるみの原因になるカルシウムです」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily2023年冬号』の一部を再編集したものです。

■今さら聞けない正しい卵の食べ方

毎日の食事は栄養バランスが大切ですが、特に意識して取ってほしい栄養素が二つあります。

その一つはタンパク質。

筋肉や皮膚など体をつくるのに欠かせず、ホルモンや脳の神経細胞の材料にもなるため、成長期の子供に取らせたい栄養素ナンバーワン。肉、魚、卵などさまざまな食材に含まれていますが、食の細い子供の場合、十分に取れていないことが多いのです。

そこで工夫したいのが調理法です。

たとえば、卵は1個につき約7gのタンパク質が含まれていますが、固ゆで卵にすると体内での吸収率がダウンしてしまいます。タンパク質を最大限取り込むには、半熟卵や温泉卵が最も適しているのです。火の入れ方で違いが生じるのは、タンパク質に凝固する性質があるため。調理でかっちり固まったタンパク質は、腸内で吸収されにくくなるのです。

ほかの食品にも同じことがいえて、牛肉のステーキなら焼き加減はウェルダンよりもミディアムレアがベター。柔らかく火を通したローストビーフもオススメです。

ローストビーフ
出所=『プレジデントFamily2023年冬号』

「だったら、卵も生がいいのでは?」と思うかもしれませんが、生卵は例外。生のままでは吸収しにくく、少し加熱するのがポイントなのです。余談ですが、昔、映画『ロッキー』で主人公が栄養補給に生卵5個を一気に飲むシーンがあり、「温泉卵ならもっと効率よく栄養を取ることができるのに」と思いながら見ていた記憶があります。

肉の生食に関しては食中毒の危険も潜んでいます。鶏肉にはカンピロバクターという細菌がいるので、レアで食べるのは厳禁。豚肉も中まで十分に火を通すのが鉄則です。

■魚のタンパク質は吸収されやすくEPA、DHAも摂取可

では、どうすれば効果的にタンパク質を取れるのか。活用したいのが低温調理です。中まで火を通すので菌は死滅しますが、タンパク質が固まりすぎないのです。

注意点は、加熱不十分にならないようにすること。中心温度と調理時間までしっかりと触れているレシピでつくるのがいいと思います。

特にオススメしたいタンパク質は魚です。魚のタンパク質は比較的吸収されやすく、EPA、DHAも摂取できるのが魅力です。最近の子供は魚離れの懸念がありますが、EPAは生活習慣病予防になり、DHAは脳の発育につながる栄養素なので、食生活に魚を取り入れましょう。

■カルシウム不足はシワ・たるみの原因に

さらにもう一つ、骨の組成に関わるカルシウムも積極的に取ってほしい栄養素です。

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、カルシウムはすべての年代で不足し、地域別では東京都が最も低いです。

『プレジデントFamily2023年冬号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2023年冬号』の特集は、「読解力」の家庭での伸ばし方。「文章を読める子が“新受験”を制す」「なぜ算数の“文章題”だと解けないのか」「食いっぱぐれないために大事なこと 自分で稼げる子にする!」などを掲載している。

そもそも骨の成長は20歳頃がピークとされ、それ以降、骨量(骨密度)は減りはしても増えることはありません。つまり、子供のうちにカルシウムをしっかり取って、骨量を十分に増やしておかないと、将来、骨粗しょう症などに悩まされる可能性があるのです。

もちろん、大人もカルシウムを取って、骨量をできるだけ減らさないようにすることが大切です。骨量が減ると骨折のリスクが高まるだけでなく、シワ・たるみの原因にもなる……と聞くと「カルシウムを取らなきゃ!」と思うお母さんは多いかもしれませんね。

カルシウムを多く含む食品としては牛乳や小魚のほか、チーズなどの乳製品や、小松菜・ホウレンソウ・ケールなどの緑黄色野菜などが挙げられます。

ただし、ここで注目したいのは、吸収率。牛乳は含有量の20〜30%、野菜はわずか10%程度しか吸収できないのです。そんなカルシウムの吸収の手助けをするのがビタミンDとビタミンKです。建物にたとえるなら、コンクリートにあたるのがカルシウムで、運搬役がビタミンD、建物の形を整える職人がビタミンK。三つの栄養素を一緒に取ることで、丈夫な骨をつくれるのです。

私がよくつくる一品にポパイエッグがあります。ホウレンソウとベーコンを炒めて目玉焼きをのせれば、タンパク質も取れてパーフェクト。今夜の一品に加えてみてください。

目玉焼きとホウレンソウの食事
写真=iStock.com/MarynaVoronova
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/MarynaVoronova

■【タンパク質を効率よく取る】

サラダチキン

サラダチキン
出所=『プレジデントFamily2023年冬号』

鶏むね肉に塩で下味をつけて、耐熱性があり密閉できる袋にいれて湯煎。中心部までゆっくり火を通します。

■【カルシウムを効率よく取る】

キノコポタージュorキノコグラタン

キノコポタージュ
出所=『プレジデントFamily2023年冬号』

キノコにはビタミンD、牛乳にはカルシウムが入っています。ビタミンKを含むケールを青みに加えれば最強に。

小松菜としらすのゴマ油和え

小松菜もしらすも、それぞれカルシウムとビタミンDが含まれています。さらに小松菜にはビタミンKも含まれており、吸収を促す油と一緒に食べると効果的です。

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赤石 定典(あかいし・さだのり)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部、管理栄養士
『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』などの本やテレビで、食事で健康になる情報を発信している。

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(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部、管理栄養士 赤石 定典 構成=上島寿子 撮影=よねくらりょう)

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