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「俳優の仕事はグレーの世界」明治大学農学部生命科学科出身の女優・山本美月の「脱リケジョ宣言」

プレジデントオンライン / 2023年1月6日 11時15分

山本美月さん(出所=『プレジデントFamily2023年冬号』)

高3時に『CanCam』の専属モデルになり、その後、俳優・モデルとして活躍している山本美月さんは明治大学農学部生命科学科出身のリケジョだ。プレジデントFamily編集部のインタビューに、「得意な算数のテストはいつも100点、百マス計算ではクラスで1番」「ノーベル化学賞のクラゲ研究に憧れて研究者を目指したこともあった」と語った――。

※本稿は、『プレジデントFamily2023年冬号』の一部を再編集したものです。

■明治大学農学部生命科学科出身の俳優・山本美月さん

大学では理系学部で学んでいたので、数学も得意だったように思われるのですが、実はそうでもなくて……(笑)。ただ、小学校のころの算数は、好きというより得意でした。

『プレジデントFamily2023年冬号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2023年冬号』の特集は、「読解力」の家庭での伸ばし方。「文章を読める子が“新受験”を制す」「なぜ算数の“文章題”だと解けないのか」「食いっぱぐれないために大事なこと 自分で稼げる子にする!」などを掲載している。

「親に勉強しろと言われたことがない」っていう人がいますけど、うちは普通にガンガン言われていまして(笑)、公文にも通っていました。何年生からだったっけ? 自分の意思で通い始めたわけじゃないので、よく覚えていません(笑)。

でも、公文では、2年上の学年まで進んでいたので、学校の算数で苦労したことはありません。テストはいつも100点でしたし、百マス計算ではクラスで1番でした。

その代わり、といっては何ですが、国語は本当に苦手でした。物語文の読解に出てくる「登場人物の気持ち」というのが本当に難しかったです。人の気持ちっていろいろだし、そういうあいまいな、グレーな感じがどうも苦手でした。

その点、算数は答えが一つ。そう今でも、ムシもヘビも平気です。見たことがないムシに出合うと、写真を撮って祖父に送り、名前を教えてもらったりしています。

高校生になったころ、iPS細胞とかクローン技術とかが話題になっていました。クラゲの蛍光たんぱく質の研究で下村脩先生がノーベル化学賞をとったのもそのころなのですが、私はすっかりその世界に憧れるようになりました。研究者になりたい、と思ったのです。誰も知らないことを発見するって、わくわくしますよね。学校の課題にあった論文では、遺伝子をテーマに書きました。

その後、明治大学農学部生命科学科に入学したのですが、受験のときの小論文の問題がとてもユニークでした。

「水槽があります。水草、砂、そしてたくさんの魚が泳いでいます。あなたはこれらから、何を研究したいですか」と。

生物の教科書で学んだこととは関係ない問題で、驚いたことを覚えています。私の解答ですか? 確か、「温度や水圧やエサなどの条件を同じにして、最も生命力の強い魚を割り出し、食糧問題を解決する一助としたい」といったようなことを書いたと思います。

■俳優の仕事は苦手な国語と同じ白黒あいまいなグレーの世界

こういう記述式の問題って、自分の世界、自分の得意分野に持っていけるのでとても楽しかった。夢中で書いているうちに、試験時間が終了していました(笑)。

実験をして、どれが一番かを確かめていく工程って、結局、白黒はっきりさせていくことなんだと思います。そこは、小学生のころに算数に感じていた面白さにつながっているのかもしれません。

山本美月さん
出所=『プレジデントFamily2023年冬号』

無事に大学には合格しましたが、高校在学中からモデルの仕事を始め、大学時代からは俳優の仕事もいただけるようになりました。

今、痛感しているのは、俳優のお仕事は本当に文系的だということ。苦手だった国語と同じ、白黒があいまいなグレーの世界で、正解がありません。脚本を読んでも、行間から役の人物の気持ちを読み取ることは今も苦手で、監督さんにとにかく質問をするようにしています。

理系の勉強が役立ったことですか? う〜ん、たまに研究者の役が来たときに、実験器具の使い方がわかるってことぐらいですかね(笑)。

算数が苦手なお子さんを持つ親御さんにアドバイスですか? 私も結局、苦手な国語を克服できないまま大人になっていますから、難しいです……。

でも、私が中学受験をするとき、父や母がずっとそばにいてくれたように、わからなくてもいいから、一緒に勉強してあげたらいいと思います。親がそばにいてくれるだけで、勉強が楽しくなるし、明日も頑張ろうと思える。そうしているうちに、少しずつできるようになるんじゃないでしょうか。

イラスト2点は山本さんの作品。
出所=『プレジデントFamily2023年冬号』
イラスト2点は山本さんの作品。
イラスト2点は山本さんの作品。(出所=『プレジデントFamily2023年冬号』)

小学生のころは、図工も得意で、特に絵を描くことが好きでした。持ち前の負けず嫌いから、「誰ともかぶらないものを描こう」と、家を描いた絵の窓に布のカーテンをつけたら、すごく褒められたことを覚えています。

算数の図形も得意でしたが、絵を描くことと、算数の力は別だと思います。創作というのは文系の世界なんですね。感情とか、思いとか、気持ちとか、そういったものを表現していくもの。私も常識とか公式とかにとらわれず、自由に描きたいと思っているのですが、気がつくとみっちり、きっちり、理系的に描いてしまっている自分がいます(笑)。

いつかは脱・理系をして、枠にとらわれず、のびのびとした作品を描いてみたい。それが今のところの目標です。

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山本 美月(やまもと・みづき)
俳優、モデル
1991年、福岡県出身。筑紫女学園中学校・高等学校卒業後、明治大学農学部に進学。高校3年生のとき、第1回「東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリを獲得。同年、ファッション誌『CanCam』専属モデルとしてデビューした。大学在学中の2011年からは俳優活動も本格的にスタート。絵を描くことも得意で、自身のインスタグラムで絵と手書きの文字で近況を報告する「#近々の美月」が好評を博している。現在NHK Eテレで放送中の趣味の園芸「山本美月 グリーンサムへの12か月」にも出演中。

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(俳優、モデル 山本 美月 構成=田中義厚 撮影=岡村智明 スタイリング=黒崎 彩 ヘアメイク=イワタユイナ)

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