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現役東大生へのインタビュー調査で判明…受験生が親からされてイヤだったこと、うれしかったこと

プレジデントオンライン / 2022年12月31日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taka4332

試験を間近に控えた受験生にはどう接すればいいのか。現役東大生ライターの布施川天馬さんが、現役東大生約20人にインタビューした結果をお伝えしよう――。

■受験シーズンの受験生への接し方

もう冬もだいぶ深まった季節になってまいりました。冬といえば、クリスマス、鍋、雪などといろいろイメージできるものも多い季節なように感じます。皆さんは、冬といえば何を思い浮かべるでしょうか。

その中でも、僕などは、この季節になると「受験」というワードをついつい連想してしまいます。1月になればセンター試験に代わって始まった共通テストの本番が待ち構えていますし、2月には各大学の個別試験が始まるからです。受験生を応援するキャッチコピーの書かれたお菓子やCMなども登場してきますよね。

受験は、受験生本人はもちろん、その家族にとっても人生の一大イベントでしょう。受験生本人はまったく気にしていないのに、周囲が異常に過敏になってしまって逆にストレスを感じた、という話は、学生の間で実体験としてよくある笑い話です。

とはいえ、デリケートな受験生に対して応援したくても、どう応援すればいいのか分からないという方もいらっしゃるかと思います。

そこで、今回は実際に現役東大生たちにインタビューしてたどり着いた「受験生にすべきでないこと」「受験生が本当にしてほしいこと」を皆様にお伝えします!

■受験生の一番のストレスは勉強の進捗や成績を聞かれること

まずは「受験生がしてほしくなかったこと」から本音を聞いていきましょう。やはり一番目を引いたのは「成績や勉強の進み具合に過干渉されること」がありました。

僕自身も受験生だった頃はこれをされたくなかったので大変な共感があります。今となっては、親はどれほど計画が円滑に進んでいるのか確かめたくなるものであると分かります。しかし、あまり茶々を入れられても困るというのも実際のところです。

受験勉強の進行具合や模試の成績などを気にして何が悪い、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。たかだか成績のことなのですから、別に教えてもらったとしても減るものではないように思えます。

しかし、受験生にとっては大変な重荷。なぜなら、受験生側には達成すべきノルマなどは予測不能だからです。どれほどの結果なら認めてもらえるか分からないのに成績を差し出さなくてはいけない。自分の頑張りが相手の気分次第で一方的に処断される感覚は、きっと社会人になっても通じる心苦しさがあることでしょう。

■受験生にとって親は「人生のスポンサー」

そんな大げさな、と思われるかもしれませんが、そう極端な話でもありません。なぜならば、受験生にとって、親とはスポンサーであり、学費や生活費の出所に他なりません。親に否定されることは、すなわち人生の否定にもつながります。

さらに学生という立場から言うなら、親たちは時として受験を理解していません。彼らが難しい受験勉強をこなしたのはもはや過去のこと。目の前の簡単な2次関数の解の配置問題すらも解けなくなっているのに、遠い昔の記憶を引っ張り出して「俺が受験生の頃は~」なんてやられてしまっては、目も当てられません。

僕の親の場合、あまり勉強に関しては干渉してこなかったので、お互いにいい距離を保つことができていました。しかし、もしも逐一成績を確認されたり、志望校に口出しされていたりしたら、間違いなくそれが原因でケンカになっていただろうと断言できます。受験生からすれば、それほどストレスフルなことなのです。

■受験生にとって「成績」は聖域

一番良いのは、受験勉強に不用意に首を突っ込まないこと。多くの家の中で受験に一番詳しいのは、間違いなく現役の受験生です。自分の努力、自分の計算、自分のペース。これらを無遠慮にかき回されることこそが、受験生が一番恐れることなのです。

重ねて言いますが、肯定否定にかかわらず、干渉されないことこそが一番の幸せとなります。肯定されても「この成績をとり続けなければ」とプレッシャーになりますし、否定されれば「俺の勉強の苦労なんてみじんも分からないくせに」と反感を買います。勉強については何も言わず、何も触れず、自分から言ってきた時だけ「うん、うん」と静かに話を聞いてもらえることが、一番子供たちのためになることだと考えてください。

実際に、成績や志望校について全く口出しされなかったことを「良かったこと」として挙げた東大生が多くいました。親御さんからすれば、心配になって聞きたくなってしまうわが子の成績事情ですが、これは受験生にとっては聖域に等しいもの。あまりみだりに立ち入らず、ただ外から見守ってあげてください。

女子高生
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

■受験生が家族からされてうれしかったこと

それでは、受験生がされてうれしかったことはいったい何だったのでしょうか? これはかなり多岐にわたる回答が出ました。ここではその一部をご紹介させていただきます。

●お風呂やご飯の時間を自分のスケジュールに合わせてくれた
●本番当日の動きを全部任せられて自分は勉強に専念できた
●不安になるたびに『絶対大丈夫』と声をかけてくれた
●落ち着かない時にハグしてくれた

これらの中でもやはり目を引いたのは、「自分のスケジュールに合わせてくれたこと」という回答でしょうか。お風呂やご飯など生活するうえで必須の事柄ではありますが、これらが時間によって決まっていると、子供たちにとっては生活のかせとなります。

受験生の中には「自分の決めたスケジュール通りに勉強したい」という人も多くいます。そうしたタイプの学生には、やはり自分の立てたスケジュールに合わせて生活リズムを刻んでくれるということが、一番の励ましになったようです。

僕自身、両親にとても自由にさせてもらったことを大変感謝しています。生活の上で義務化されていたのは夕飯が必要かどうかを伝えることと、家に帰るおおよその時間を連絡することくらいで、あとは僕が必要と思ったことならすべて理由を聞かずに了承してくれたのでした。また、遅い時間になっても帰宅に合わせてご飯を用意してくれるなど、極力僕が家のことに脳のリソースを割かないように、さまざまな面で気を使ってくれていたように思います。

■メッセージ入りのおやつが力になった

珍しいところでは、親からの声掛けや励ましが力になったという東大生もいました。ただ、これはかなり人によります。「大丈夫」と声掛けをされてうれしい人もいれば、自分の力で何とかしたいと考えるタイプの人もいるでしょう。そういった人に「大丈夫だからね」と声掛けしすぎるのも、また考え物です。相手がどんなタイプか慎重に見極めたうえで使うと良いテクニックかもしれません。

布施川天馬『人生を切りひらく 最高の自宅勉強法』(主婦と生活社)
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また、僕の場合だと親からおやつを渡されたことも大変励ましになりました。キットカットというチョコレートバーのお菓子があるのですが、これの個包装になっているものに一つひとつ「大丈夫!」「頑張れ!」とメッセージを書いて、渡してくれたのです。

メッセージ自体がありがたかったことはさることながら、やはりおやつとしての効能も見過ごせません。受験本番は朝から夕方までの長丁場となりますが、カンニングなどさまざまな不正防止のため、多くの場合、受験日の間は、丸一日大学構内からの出入りを禁止されてしまいます。一度入ったが最後、テストが全て終わらないと大学から出てこられないなんていうことも珍しくはありません。

ですからおやつは大変心強い味方となります。長い試験時間とプレッシャーから小腹がすいてくることも多いので、これは必須です。ただし、眠くならないように、おにぎりのような重いものは避けるべきでしょう。僕のおすすめは個包装になっているキットカット。糖分が取れますし、持ち運びも便利です。僕もリラックスするために休み時間に2、3個つまんでいた思い出があります。

■受験は本人だけでなく家族一丸で臨むべきイベント

それでは、実際にこれからの季節に親からできることはいったい何でしょうか? まとめると、「成績や志望校について、なるべく口出ししないようにする」「子供の様子を見て、ご飯のタイミングなどをなるべく合わせてあげるようにする」「受験日当日には、一口大のつまめる甘いお菓子をおやつに持たせてあげる」などが挙げられるでしょう。

チョコレート
写真=iStock.com/skodonnell
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/skodonnell

また、その子によっては日ごろから「大丈夫!」などと声掛けしてあげることも重要かもしれません。ただし、ここであまりしつこすぎたり、成績について聞いたりしてしまうと逆効果となりかねませんから、過度な干渉は避けるべきでしょう。

12月も終わり、1月に入れば受験もいよいよ本番となります。大学に限らず、中学にせよ高校にせよ、受験とは、受験生本人のみならず、家族が一丸となって臨むべき大事なイベントの一つです。

ぜひ、受験する本人がリラックスして試験に臨めるよう、適切な環境をつくってあげてください。

【図表1】東大生へのアンケート結果
筆者作成

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布施川 天馬(ふせがわ・てんま)
現役東大生ライター
世帯年収300万円台の家庭に生まれ、金銭的余裕がない中で東京大学文科三類に合格した経験を書いた『東大式節約勉強法 世帯年収300万円台で東大に合格できた理由』の著者。他にも『人生を切りひらく 最高の自宅勉強法』(主婦と生活社)、『東大大全』(幻冬舎)、『東大×マンガ』(内外出版社)、『東大式時間術』(扶桑社)などがある。

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(現役東大生ライター 布施川 天馬)

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