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次の暴露ビジネスは「小室圭さん&眞子さん」かもしれない…そう思わせる番組『ハリー&メーガン』の衝撃

プレジデントオンライン / 2023年1月20日 8時15分

ヘンリー英王子(右)と妻のメーガン妃(=2022年12月7日、アメリカ・ニューヨーク) - 写真=AFP/時事通信フォト

■回顧録とドキュメンタリー番組が空前の大ヒット

小室眞子さんと圭さんがハリー王子とメーガン妃のように、ネットフリックス(Netflix)に出たり、回顧録を出版したりする日が来るのだろうか。

私は、その可能性は十分にあると思っている。

なぜなら、ハリー&メーガンが批判しているのは、一貫して、英国王室の閉鎖性と大衆紙を含めたメディアがパパラッチを使って、メーガン妃のプライバシーを暴きたて、記事を捏造(ねつぞう)してきたことに対してだからである。

眞子さんと圭さんもメディアには相当な不信感を持っているはずだから、いいたいことは山ほどあると思う。

英国王室を離脱したハリー王子が上梓した自伝『Spare』が発売され、ものすごい勢いで売れているという。発売初日、全世界で143万部が売れ、この手のジャンルでは空前のベストセラーになっていると報じられている。

昨年暮れにはNetflixで2人をインタビューした『ハリー&メーガン』(エピソード1~6)が放送され、公開第1週目は、Netflixのドキュメンタリー番組としてはこれまでで最多の視聴者数を獲得したそうである。

本の印税は2000万ドル、Netflixの出演料は1億ドルといわれているようだ。

私は、『Spare』を真っ先に買って、共感を持って読んだのは眞子さん夫妻ではないか。そんな“妄想”を抱いている。

私は英語が不得手で『Spare』は未読だから、週刊新潮(1月19日号)とCNN日本語版(1月10日18:58)から紹介してみよう。

■「予備」でしかない次男としての悲哀がテーマ

新潮によれば、タイトルの『Spare』というのは、ハリー王子を出産したダイアナ妃に、夫であるチャールズ皇太子(当時)が「後継者(ウィリアム)とスペアまで産まれて、任務は完了だ」と声をかけたということからきているそうだ。常に「予備」でしかない次男としての悲哀や懊悩が、この本の中に流れている通奏低音だという。

新潮で英国在住のジャーナリストが、「王室との間に拭い難い禍根を残す内容であることに驚きました」といっている。

「中でも目を引いたのは2019年、兄のウィリアム王子がヘンリー王子の自宅を訪れた際、メーガン妃を『不躾』『気難しい』などと批判したことから喧嘩になり、兄が弟につかみかかって床に押し倒したという記述。この時ヘンリー王子は背中に傷を負い、兄は『メグ(メーガン妃)に言う必要はない』と言い残して帰っていったというのです」

■兄や父との確執、キャサリン妃とのエピソードも

兄嫁のキャサリン妃とメーガン妃の確執も書かれているという。2005年にハリー王子が、仮装パーティーにナチスの制服を着て出席し、非難を浴びたことについて、「私の人生で一番大きな過ちの一つ」だとしていたが、回顧録の中では「コスチュームについて事前に兄とキャサリン妃(当時は交際中)に相談したところ、ナチスの衣装を勧められた」ので、自分の選択ではないと主張しているという。

また、父親のチャールズ皇太子(当時)から、「私が君の本当の父親かどうか誰にも分からない」といわれたこともあったと暴露している。

その当時、ダイアナ妃の恋人だといわれたヒューイット少佐が、「ハリー王子の父親ではないか」との噂が広まっていた頃だった。

だが、実際にダイアナ妃がヒューイット氏と出会ったのは、ハリー王子が生まれた2年後だったようだが、大衆紙は大喜びで疑惑を書き立てたと、ハリー王子は振り返っている。

メーガン妃の気の強さを示すエピソードもいくつかあるようだ。第3子を産んだばかりのキャサリン妃とウィリアム王子が、自宅にハリー夫妻を招いた時のことだという。

当時はまだ子供のいなかったメーガン妃がキャサリン妃に、「赤ちゃん脳」になっているのではと揶揄(やゆ)したそうだ。

赤ちゃん脳とは、妊娠中や出産直後の女性がホルモンの関係で記憶力などが低下する俗説で、ウィリアム王子が「失礼だ」とメーガンを指さしたところ、彼女は、「私の顔に向けた指をどかして」といい返したという。

■タリバンの標的を「チェスの駒」と表現

CNNからも紹介しよう。

「昨年9月に死去した祖母エリザベス女王との別れについても書いている。それによると、最初にチャールズ国王から電話で、スコットランドのバルモラル城に滞在中だった女王の病状が悪化しているとの連絡が来た。

すぐにウィリアム皇太子とキャサリン妃にメッセージを送り、バルモラル城にいつ駆けつけたらいいのかと尋ねたが、返事はなかった。

続いて国王から、バルモラル城を訪れてもいいがメーガン妃は歓迎しないという電話があった。スコットランドへ向かう機中でメーガン妃から連絡があり、ニュースサイトで女王の逝去を知ったという。遺体が安置された部屋で、母の遺体とは対面できず後悔したことを思い出したとつづっている」

そのほかにも、メーガンの発言で兄嫁のキャサリンともめたこと、10代でコカインを使用したこと、年上女性との初体験、メディアとの攻防などについて書いているという。

中でも英国国内で批判を呼んだのが、入隊してアフガニスタンに従軍中、タリバンを25人殺したと書いた箇所である。

しかも、標的を人ではなく「チェスの駒」と表現しているそうだ。

タリバンはこれに激怒していて、英国王室が狙われることになるかもしれないと、大変な騒ぎになっているという。

■2人の出会い、インタビュー、パパラッチとの戦いまで

2人が王室を離れたのは2020年1月。2年以上の年月がたち、2児の父親になったハリー王子とメーガン妃が、今もなお王室批判を執拗に繰り返しているのはなぜなのだろう。

その「解」を求めて、Netflixの『ハリー&メーガン』をすべて見てみた。

2人のインタビューを中心に、友人たちの談話やプライベートフィルム、写真をふんだんに使ったドキュメンタリーである。

メーガンと知り合ったハリー王子は、アフリカのボツワナへ彼女を誘った。猛獣たちがそこここにいる大草原で、テント暮らしをして愛を深めていった。彼女がアフリカ系黒人の母親を持っているからではなかった。ハリー王子は以前からアフリカが好きだったようだ。

秘められた愛は友人たちに見守られながら順調に育っていった。誰かがメディアにリークするまでは。その日からパパラッチはメーガンを四六時中追い回し、ごみ箱を漁ったり口座の動きを探ったり、友人たちのところへ押しかけ、「全英国メディアがトロント(カナダ・メーガンが住んでいたところ)に押しかけてきたみたい」(メーガン)

イギリスの売店に並ぶ新聞各紙
写真=iStock.com/Lisa-Blue
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Lisa-Blue

■大衆紙は「おとぎ話」づくりに執拗にこだわった

離婚してメーガンと住んでいた母親は最初、「乳母」と思われていたという。メーガンは白人だと思われることが多かったようだが、貧しい育ちの混血女性が王妃になるかもしれないという「おとぎ話」づくりに、大衆紙は執拗(しつよう)にこだわった。

子供の頃から人種差別に敏感で、ボランティア活動にも熱心だったメーガンは、ハリー王子とともに“人種差別的な報道”に対して声明を発表する。

英国に住む黒人の割合は全国民の3.5%だが、ジャーナリズムには約0.2%しかいないという。メディアは白人の産業で、新聞の見出しをつける人たちもほぼ白人。人種差別の行き過ぎの是非も白人が決めるから、差別報道はなくならない。

特に、それが女性で黒人の場合は格好の獲物になるという。彼女の声明にメディア側は怯(ひる)むことがなかった。

メーガン妃は、「トロントの自由な生活から、ハリーと婚約したことで暗転した」と語っている。

しかし、メディアとの攻防はまだ序の口だった。差別問題と向き合うのは、正式に婚約・結婚してからだった。

メーガン妃は「2人なら世界に挑める」と思っていたという。彼女が王室に入れば、黒人への見方が変わると、英国の黒人たちは熱烈に彼女を歓迎した。だが、この当時はEU離脱が大きな問題になり、移民をアフリカに返せなどと主張する保守主義が台頭してきていた。

■税金を「払っているから見せろという話です」

著述家のダヴィッド・オルソガ氏は、「英国に黒人のプリンセス。誰が想像したことでしょう」といっている。

英国王室は奴隷制の中心にいた。ロンドンは白人中心の都市。それでもオルソガ氏は、「英国王室が英国の現実に追いつく真の瞬間になりうると思っていた」という。

その期待通り、聡明で美しいメーガン妃は“マジック”のように、多くの英国の国民に受け入れられたのである。

しかし、メディアはメーガン批判を続け、王室は沈黙を守ったままだった。

アーチウェル戦略顧問のティム・バート氏は、「英国タブロイド紙は王室と特別な関係にあります。王室機構とマスコミの間にはある種の暗黙の契約があるのです。王室には納税者が納めた税金が使われています。だからメディアは、その代償に王室のメディアへの対応を期待するのです。払っているから見せろという話です」

元宮殿担当官のジェームズ・ホルト氏は、「彼らの要求に逆らうと愛想を尽かされ、ことあるごとに否定的なことを書かれ、強調され続けるのです」といっている。

英国王室にとって“沈黙は金”なのだ。しかしメーガン妃は、果敢にメディアのあり方を批判し、挑戦しようとしたのである。

■「彼らに悪く書かれたら自分が正しい証拠」

当然のことながら、王室の中には奴隷の絵や彫刻が飾られている。ハリー王子も「(自分の中にも=筆者注)無意識の偏見があった」ことを認めている。

この高い壁は崩せるのか。王室の人間から差別的な扱いを受けていたことを、2人が明らかにするのは王室を離脱してからである。

エリザベス女王や兄のウィリアム王子夫妻、チャールズ皇太子とも会い、結婚式が華々しく開催されようとしていた。

だが、そこに、離婚していたが結婚式には出るといっていた父親が、パパラッチから10万ドル受け取って「やらせ写真」に協力していたことが明るみに出る。その後、メーガン妃が父親に宛てた手紙まで、父親は金目当てにデイリー・メール紙に渡してしまって、内容を公開されてしまうのだ。

だがメーガン妃は強い女性である。私文書を公開したデイリー・メール紙を提訴する。

2年間にわたり「嘘を流され続けてきた」(メーガン妃)英国メディアとの闘い。ハリー王子は母・ダイアナ妃がこういっていたと語っている。

「彼ら(メディア)に悪く書かれたら自分が正しい証拠」

そして2人はカナダへの移住を決行するのだ。その際、父親のチャールズ皇太子には話したが、エリザベス女王には会わせてもらえなかったという。

■王室は「家族内で対処する」と発表したが…

SNSでも、激しいメーガン批判が燃えさかり、「メーガンは死ぬべき」だというものまであった。だが調べてみると、少数の人間たちが83のアカウントを使って、さも多くの人がメーガン批判をしていると見せかけていただけだった。しかし、その中には彼女の義理の姉もいたのである。

「本当に頑張ったんです。でも、(王室には)溶け込めなかった」(メーガン妃)

王室による心理的な虐待が続き、うつにもなったとメーガン妃はいう。

王室の人間から、赤ちゃんの肌の色のことをいわれたこともあったと告白し、英国内で「王室の人間が差別」と大きな騒ぎになった。

この時は、エリザベス女王の名前で声明を発表している。

「2人にとって困難な数年間だったと知り、王室全体が悲しんでいます。提起された問題点、特に人種問題は懸念します。記憶との相違点はあるものの、深刻に受け止め、家族内で対処していきます」

だが、この問題はその後、放置されたままのようだ。

■いじめにも似た陰湿な人間関係が描かれている

見終わった正直な感想は、ハリー王子はメーガン妃と結婚しなければ、王室を出ることはなかっただろうということだった。

人種的偏見に晒(さら)されて生きてきた母を見て育ち、自らもアメリカ系白人とアフリカ系黒人の血を引くメーガン妃は、差別問題への意識が高く、自分が思ったことをはっきり口に出す現代女性である。

英国王室に代表される英国国民の差別や偏見に屈して生きる人ではない。一方、ハリー王子は、スペア的な生き方に不満を抱えていても、自ら進んで王室を飛び出そうと考える人ではないと思う。

ウインザー城
写真=iStock.com/bgwalker
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bgwalker

英国のEU離脱(ブレグジット)をもじって、2人の王室離脱は「メグジット」といわれるそうだが、文字通り主体はメーガン妃だったと思う。

メディアから高額な契約金を受け取っていることが批判されるが、ハリー王子がいっているように、王室を離れれば、それまでもらっていたおカネももらえなければ、警備もつかなくなる。カネはともかく、警備なしにパパラッチたちと戦うのは恐怖だったに違いない。

ロサンゼルスに広大な邸宅を構え、そこを警備するための費用は莫大なものになるに違いない。彼らにはカネが必要だったのだ。

Netflixのドキュメンタリーは、2人の一方的ないい分だけで、都合の悪い部分は出さないのだろうが、それを差し引いたとしても、タブロイド紙の取材の仕方や、王室のいじめにも似た陰湿な人間関係が、よく描かれていると思う。

■次の「暴露ビジネス」のターゲットは小室夫妻?

日本のメディアは、高額なカネが払われる「暴露ビジネス」の次のターゲットは小室圭・眞子夫妻ではないかと報じている。

週刊ポスト(1月27日号)は、小室夫妻がこうした契約を結べば、ハリー王子以上の200億円超のおカネが動く、圭さんの母親・佳代さんは飛びつくのではないかと報じている。

私は冒頭書いたように、違う理由から、その可能性はあるのではないかと思っている。

眞子さんは結婚会見で、「事実に基づかない情報に惑わされず、私と圭さんを変わらずに応援してくださった方々に感謝しております」と述べた。

圭さんも「この数年間、誤った情報があたかも事実であるかのように扱われ、誹謗(ひぼう)中傷が続いたことにより眞子さんが心身に不調をきたしたことをとても悲しく思います」と続けた。

2人の週刊誌やワイドショーへの恨みは、メーガン妃に劣らず強いものがあるはずだ。

メーガン妃と並ぶほど意識が高く、間違ったことにははっきりと主張する眞子さんだから、時機を見て、私がいわなければという“覚悟”を決める時が来るかもしれない。

それに下世話な話で恐縮だが、警備費用の問題もあるのではないのか。秋篠宮家や日本政府ときっぱり縁を切り、これから自立して生きていくには、眞子さんの“持参金”や圭さんの年収ではとても足りないと思う。

そう考えてくると、ハリー王子・メーガン夫妻と小室圭・眞子さん夫妻の対談&結婚に至るまでのドキュメンタリーというのはあるかもしれない。

私がアメリカのプロデューサーなら、この企画の実現に絶対動くのだが。

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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(ジャーナリスト 元木 昌彦)

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