「努力は報われる」と考えている人は伸び悩む…本当に仕事ができる社会人になるための基本の"き"
プレジデントオンライン / 2023年1月23日 14時15分
※本稿は、へいうさぎ『ポンコツOLでも成果を出せた! 世界一やさしい仕事術図鑑』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
■自分ひとりでできる範囲は限られている
「とにかく、できるように見せなきゃ」。
仕事ができなかった頃は、背伸びをしていました。「どうすれば、アドバイスをもらえるのか」。そうした方法を知らなかったことも原因です。でも、一番の原因は「頑張れば、ひとりでも解決できる病」でした。
少し昔話になりますが、私は運動が苦手でした。でも、そんな中で運動神経のいい子と唯一渡り合えるのがマラソン大会でした。そして、小学6年生の頃、密かに自主練を重ねた結果10位になることができたのです。初めて自分の努力が報われる成功体験を手にした瞬間でした。
そうした経験から、学生時代は勉強も部活動も「自分が頑張れば、努力は報われる」と信じてきました。でも、みなさんお気づきの通り、自分の努力だけでなんとかなる範囲は限られています。
社会に出たら、なおさらです。ならば、不得意は助けてもらえばいいし、わからなければ教えてもらえばいい。もし、あのときにポンコツさを受け入れて、自分の弱さをさらけ出せなければ、「ひとりでできなきゃ。できない自分が悪いんだ」という意識を捨てきれず、いつまでもできない自分を許すことができなかったでしょう。
■上司が一番困るのは正直に状況報告してくれないこと
では、問題が発生したときに、どう進めていけばいいのでしょう? それは、周りを巻き込んで問題を解決することです。
仕事はひとりでするものではありません。人に頼ってもいいですし、頼ることがチームのためでもあります。仕事は学校のテストとは違い、カンニングが許されます。私は、これがわかっていませんでした。私は新人時代、仕事を抱え込みがちでした。ポンコツだけど、できない人と思われたくなかったし、怒られるのもイヤだったからです。そして、納期ギリギリまで案件を抱え込んでしまい、最後になって上司に仕事を巻き取ってもらう……。
![ビジネスマンが部下から報告を受ける](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/1/7/1200wm/img_17d064dabc15cf77146a442ab69ddd62371610.jpg)
自分のために、上司を休日出勤させてしまったこともあります。現在、チームリーダーとして働く私がこれをやられたら、非常に困ります(笑)。
上司にとって一番困るのは、部下が仕事を完遂できないことよりも、正直に状況を報告してくれないことなのです。
私のしくじり体験からみなさんに伝えたいのは、仕事の報告をした時点で、責任はあなたではなく、部下の仕事を管理している上司に移るということです。
上司は部下から報告を受けた時点で、仕事の進捗が芳しくなければ何かしらの対策を打たなければなりません。でも、報告がなければ上司も手の施しようがないでしょう。
怒られたくない気持ちはよくわかります。ただ、ここで怒られたとしても、上司に爆弾をプレゼントするよりダメージは少ないはず。
社会において、ひとりで完結する仕事は少ないのです。自分だけで責任が取れる仕事も多くはありません。チームワークを意識し、「苦手なことは助けてもらう」「得意なことで相手を助ける」を実践して、メンバーに配慮のある仕事を心掛けましょう。
■上司への正しい報告の仕方
「その仕事、あとどれくらいで終わりそう?」。上司の言葉をその通りに受け取って「あと2時間です!」と返事していないでしょうか?
残念ながら、上司が知りたいのはそこじゃないんです! 上司が知りたいのは「全体像」。つまり、「あと、どれくらいで終わる?」は、意訳すると「全体のうち、何割くらい進んでる?」です。
そこで、見栄を張る必要はありません。遅いのは恥ではありません。大事なのは、遅いなりに「正直に経過報告をすること」です。「全体の3割しか終わっていないので、あと4時間はかかりそうです」と伝えましょう。
また、先ほど「仕事はひとりで抱え込まない」「上司に報告をした時点で、責任はあなたから上司に移る」というお話をしたかと思います。これは何も、自分が怒られないためにそうしろと言っているわけではありません。「自分で処理しきれない課題は、実力者に解決してもらおう」ということです。
プロジェクトの責任を取るのは、チームリーダーです。ですから責任者が早めに決断をくだせるよう、部下はパスを出すべきなのです。
一番やってはいけないのは、最後まで我慢、限界まで言わない、沈黙すること。私は「ちんげんさい」とよんでいます。ポンコツさんは、「困ったら、使える奴に、投げる」の「こまつな」を教訓にしてください。
■ピンチの時の正しい助けの求め方
「この仕事、終わらないかも。危ない」と思ったら、即上司に助けを求めよと言いましたが、上司から「頑張れ」と突っぱねられることもあるかもしれません。でも、それはそれで大丈夫です。あなたには、まだ頑張る時間が残されている証拠だからです。
![へいうさぎ『ポンコツOLでも成果を出せた! 世界一やさしい仕事術図鑑』(PHP研究所)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/1/2/1200wm/img_1265e6ae6c7c271bcb5363ac86585fe8313347.jpg)
上司に助けを求めるときは、相手への気遣いを忘れずに。「できない」「教えてください」の受け身ではなく、「解決するためには誰に聞いたらいいか、教えてください」など、なるべく相手に負担をかけない、主体的な姿勢の聞き方を心掛けましょう。
これは私自身、最悪のポンコツから脱却するきっかけでした。「これ、どうしたらいいですか?」と上司に聞いたところ、「いや、あなたはどうしたいの?」と聞き返されたことがあります。この雑な質問の仕方自体、自分の頭で考えていなかった証拠だと反省しました。思考停止を許してくれるほど、職場は甘くありません。
では、正しい助けの求め方とは? それは次の2つです。
1 自分の状況を説明できること。
2 「どう助けてほしいのか」を説明できること。
たとえば、1について。
「今私は、○○の仕事と××の仕事と△△の案件を抱えています。期日から逆算すると、○○の仕事はできそうですが、××と△△は7割くらいまでしか、終わらない可能性が高い」。
2については、「なので、××と△△の納期を伸ばしてください、もしくは手伝ってください」という報告の仕方をします。
これで大抵は、具体的な方針が出てくるでしょう。
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現在、社会人7年目。チームリーダーとして活躍。仕事とキャリアをテーマに、ポンコツが身につけた外資で生き抜く術を、Twitterでシェアするインフルエンサー。2021年より自身の経験をもとに、「すぐに使えるお仕事知識」をテーマに情報発信を開始。「敬語の使い方」や「タスク管理の仕方」などの図解ツイートがバズり、数万いいねを獲得する。「等身大、なのに使える」と評判になり10カ月で2万フォロワー、月間1000万インプレッション超えを記録。「仕事ができない人の気持ちがわかる、デキる人」だからこそ、できない人に寄り添った優しさに定評がある。
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(ITエンジニア へいうさぎ)
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