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つまらない仕事を黙認するな…会社にいながらストレスフリーで働ける「会社員3.0」の仕事術

プレジデントオンライン / 2023年1月24日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gradyreese

どうすれば仕事は楽しくなるのか。NTT西日本の連続社内起業家・猪原祥博さんは「自己中心的に仕事をしたほうがいい。自己中心的に仕事をカスタマイズすることで仕事が楽しくなり、その姿が人を惹きつける」という――。

※本稿は、猪原祥博『会社員3.0』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

■「仕事のカスタマイズ」で外せない4つのポイント

今の仕事がつまらないなら、その仕事を含んだもっと面白い仕事を自分で作ればいい。

ノーベル文学賞を受賞したジョージ・バーナード・ショーはこう言っています。

「この世界で成功する人々は、立ち上がって自分が望むような状況を探し回り、もし見つからなければ、それを作り出す人々だ」

与えられた仕事をカスタマイズするとは、平たくいうと、「自分の仕事の範囲を広げる」ということ。

ただし、なんでもかんでもカスタマイズすれば良いわけではありません。仕事のカスタマイズには、次の4つの外せないポイントがあります。

①最初に与えられた(つまらない)仕事が含まれていること
②自分が面白いと感じられること
③カスタマイズすべき理由に大義があること
④実行可能性があること

①を無視すると、言うことを聞かない「ただの自分勝手でワガママなやつ」というレッテルを貼られます。③や④については、あらためて別の章でご説明します。

ここでは、なぜ仕事のカスタマイズに「②自分が面白いと感じられること」が大切なのかについてお話しします。

■仕事を楽しむことで得られる3つの効果

「会社の仕事に個人的な面白さやワクワク感を入れ込むなんて……なんだか後ろめたいな」、このように感じるかもしれません。

しかしながら、あなたが「ワクワクして楽しい」ことは、あなただけの価値ではなく、会社の価値にも繫がります。

ワクワクして楽しんで仕事をすると、成果が上がりやすくなるからです。

「仕事を楽しむ人」は次のようなパフォーマンスを発揮します。

①主体的に粘り強く取り組める
②強みを発揮できる
③人を惹きつける

大事なことなので、一つずつ説明します。

「①主体的に粘り強く取り組める」は、仕事に対する「継続」の話です。面白い仕事は、つまらない仕事に比べて容易に続けられます。「継続は力なり」といいますが、面白くなければ継続することそのものに忍耐力が必要になります。

面白い仕事は、面白いがゆえに忍耐力など不要です。「石の上にも3年」といったマッチョな話も個人的には嫌いではないのですが、忍耐なしで面白く3年を過ごせるなら、それに越したことはありません。

「②強みを発揮できる」は、人間には誰でも持って生まれた強みが必ずあるということです。「あなたの強みは何ですか?」あらためてこう聞かれると、よくわからないという人も多いと思います。僕は自分が面白いと感じているときこそが、強みが発揮されているときだと考えます。

人間行動学の専門家のトム・ラスの研究によると、仕事で強みが発揮できている人は、そうでない人と比べて6倍も意欲的かつ生産的に仕事に打ち込めるだけでなく、総じて「生活の質がとても高い」と述べる傾向も3倍以上になることがわかっています。

「③人を惹きつける」はとてもシンプルな話です。楽しそうに仕事をする人は、人を惹きつけます。あなたの職場にいる人を思い返してみてください。楽しそうに働いている人には、話しかけやすくないですか?

ブスッとした表情の人にはなんとなく近寄り難いですよね。表情だけならまだしも、会社や仕事に対する不平不満を堂々と口にしているようであれば、なおさら人が離れていきます。

「人を寄せ付けないことに問題がありますか?」「かえって集中できそうじゃないですか?」と思う方もいるかもしれませんね。

大問題です。

■いい意味で自己中心的であることが価値を生む

会社とは、人の集まりです。人の集まりである会社において、価値あるアウトプットが、他の人の協力や支援なしに生まれることはありません。しかもこれは、社内に限った話ではありません。取引先やパートナー企業においても同じことがいえます。

楽しそうに仕事をしている人は、人を巻き込んで高いパフォーマンスを発揮できる可能性が高まるのです。難しい専門知識や経験は必要ありません。楽しく働く。たったそれだけで、人を惹きつけ、価値を生み出せるのです。

せっかくの会社なのに、他の人の力を結集せずに仕事をするのはもったいないことです。

鏡の中の自分を褒めている男性
写真=iStock.com/Orbon Alija
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Orbon Alija

このようにワクワク楽しく働くことは、個人のメリットに留まらず、会社のメリットにも繫がります。仕事をカスタマイズする際に、「ワクワク楽しむ」というポイントを必ず意識して、外さないようにしてください。

このポイントを外して、「上司に気に入られるようにカスタマイズ」「まわりからデキる社員と思われるようにカスタマイズ」「今会社にとって必要だと言われている方向性にカスタマイズ」などは厳禁です。

自分以外の何かを優先すると、つまらない仕事から抜け出せません。自分のためではなく「誰かのため」に歩む不自由な仕事人生となってしまいます。

たとえ、その仕事のカスタマイズが了承されたとしても、あなたが持っている力をフルに発揮できない非効率的なカスタマイズとなり、高い成果は期待できません。

仕事のカスタマイズは、自分が「楽しい」と感じてはじめてできることだと肝に銘じてください。いい意味で自己中心的であることが、あなたにとっても会社にとっても価値を生むのです。

■世界のトップは「楽しむ」「遊ぶ」の大切さを強調

与えられたつまらない仕事は、まさにあなたを拘束する鎖です。その鎖には、自分が楽しめる仕事にカスタマイズできる「魔法の鍵」がついています。

営業であれ、総務であれ、経理であれ、広報であれ、会社の中のありとあらゆる仕事は自分がもっと楽しめる「面白い仕事」にカスタマイズすることができます。どのようにカスタマイズするのかは、あなた自身が決められるのです。

仕事を楽しむということは、僕だけが主張しているわけではありません。世界的に有名なデザイン会社IDEOのCEOティム・ブラウンは言いました。

「仕事は制約のある遊びである」。

好業績を続けるサウスウエスト航空の指針には「何事も楽しんでやらなければ、まず成功しない」と書いてあるそうです。

『エッセンシャル思考』(かんき出版)でベストセラー作家になったグレッグ・マキューンも、著書の1章分をまるごと使い、「遊びは、視野を広げ、ストレスを軽減し、創造性と探求心の源となる」と遊びの大切さを主張しています。

Googleやピクサーなどの先進的な企業は、軍隊的な管理統制から、創造性を育む組織マネジメントへの転換を推奨しています。

猪原祥博『会社員3.0』(サンマーク出版)
猪原祥博『会社員3.0』(サンマーク出版)

世界のトップを走る人たちは、仕事を楽しむ大切さに気づいているのです。

「お金をもらっているのだから、つまらなくても我慢してやり遂げる」という考えは、誰のためにもなりません。

現在の仕事が「つまらない」と感じている方は、ぜひカスタマイズの扉を開けてみてください。まずは、今より少しは面白いと感じるレベル感でも大丈夫です。すぐには見つからないかもしれませんが、必ずカスタマイズの扉は存在し、あなたはその扉を開けられるのです。

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猪原 祥博(いのはら・よしひろ)
連続社内起業家
1973年広島県生まれ。NTT西日本の新規事業の創出組織に所属。国内最大級の電子コミック配信サイト「コミックシーモア」を運営するNTTソルマーレ、太陽光発電の遠隔監視装置「エコめがね」を展開するNTTスマイルエナジー、ねむりのDXによって未病ケア社会を創るNTTパラヴィータの戦略子会社を3社連続して立ち上げた。社内ベンチャー・新規事業創出のプロフェッショナルとして、NTTドコモ、NTT東日本、オムロン、旭化成、アサヒビールなど複数の企業社員に対して講師を務め、慶應義塾大学、大阪市立大学などでも講演を行っている。

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(連続社内起業家 猪原 祥博)

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