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「分散投資のほうが安全」はウソである…3年で2.6億円稼いだ投資家が個別株集中投資を勧めるワケ

プレジデントオンライン / 2023年2月10日 13時15分

「卵を1つのかごに盛るな」は罠(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/R_Koopmans

分散投資はほんとうに必要なのか。投資ブロガーのチョコさんは「分散投資をすると、値動きをチェックする労力が増え、注意力が分散してしまう。むしろ集中投資したほうが損切りの判断をしやすい」という――。(第2回)

※本稿は、チョコ『リアルガチ!3倍になる米国個別株の見つけ方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■「卵を1つのかごに盛るな」の罠

株式投資の世界の格言に「卵を1つのかごに盛るな」というものがあります。

卵を1つのかごで運ぶと、全部割れてしまうリスクがあるので、複数のかごに分けるほうが安全です。

株式投資でも、1銘柄に全財産を投入するより、性質や値動きの異なる複数の銘柄に分散して投資した方がリスクセーフに運用できます。

ぼく自身も当初、元手資金を10万円~30万円程度に分けて、複数銘柄へ分散投資していました。

ある程度の資産規模になれば、この理論にも正しい側面があるのですが、元手もノウハウも少ない初期には、分散投資はむしろ悪影響ということが、しばらく投資してみると分かりました。

理由は幾つかありますが、まず第1に、株価や値動きをチェックする労力が増えることが挙げられます。

個別株投資で利益を出すためには、「これは!」と思うような、値上がりが期待できる株を見つけ、できるだけ安いタイミングで買い、最適なタイミングで売る必要があります。

そのため、投資銘柄を選ぶ準備や、投資した後も日常的に株価のチェックや、値動きの原因を調べるといった、一定の手間が必要です。

もし10銘柄に分散投資すると、その手間も10倍となり、注意力も分散されてしまいます。

フルタイムでチャートに張り付ける専業投資家の方なら、手間をかけることも可能かもしれませんが、ぼくの場合はサラリーマン兼業でした。手間をかける余裕がありません。

スマホで株価をチェックする人
写真=iStock.com/Thapana Onphalai
サラリーマン兼業投資家には余裕がない(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/Thapana Onphalai

また、注意力が分散してしまうと、値動きに反応できず、損をしてしまうリスクが高くなる、と思いました。

そのため、ぼくは分散投資をやめ、1銘柄に資金を集中する、集中投資をすることにしたのです。

■損切りの判断をしやすい

初心者に集中投資をオススメする理由がもう1つあります。

1銘柄に投下する金額が大きくなることで、利益も大きくなりますが、損失も大きくなります。

一見すると悪いことのようにも見えますが、ここに初心者向けのメリットが隠れています。

集中投資の場合、損失が大きくなりがちなので、すぐ損切りしようと思いやすいのです。

実際に株を買ってみると分かりますが、同じ100万円を投資する場合でも、10銘柄に10万円ずつ投資して、その中の1銘柄の株価が10%下がったとしても、たかが1万円ほどの損失に過ぎません。

その場合、「これくらいのマイナスならすぐに取り戻せるだろう」と、甘い判断をしてしまいがちです。

その結果、損切りをせず、放置して、気が付いた時には大きなマイナスになりかねません。

しかし、集中投資で1銘柄に100万円を投資すると、同じ10%下落した時の損失は10万円。分散投資時の10倍です。

この場合、「10万のマイナスはヤバい」と感じるので、損切りの判断をしやすくなります。

■「資金の塩漬け」でチャンスを逃がす

株式投資は、勝つべき取引で大きく勝ち、多少の負けをズルズルと引っ張らないのがものすごく重要です。

株価が大きく下がった時、初心者は「またいつか値上がりする」と思ってその株を持ち続けてしまいがちです。

あるいは、2倍、3倍の値上がりを見込んで買ったはずなのに、「この株は配当がおいしい」などと、目的とは違う理由で保有し続けるのが「世の常」です。

ただ、そうすると、資金が負けトレードに拘束されてしまい、塩漬けになって、もっと勝てたはずの他の銘柄に投資できなくなります。

そうなると、損失を取り戻すチャンスさえ逃してしまうため、とても良くない行動だと思います。

木のボウルに入った塩
写真=iStock.com/Coprid
「資金の塩漬け」でチャンスを逃がす(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/Coprid

あらかじめ、10~20%など、一定のラインで損切りするというルールを決め、その通りに実行するのがとても重要です。

分散投資すると、損切り判断に迷いが生じやすいので、集中投資して損失の絶対額を上げることで、ルール通りに損切りを実行しやすくなるとぼくは考えています。

■「5回に1回ヒット」で十分

株式投資は一連の取引で利益を出すことが重要です。なので、多少の負けは引っ張らず、勝つべき取引で大きく勝つことが必要です。

期待通りに値上がりする株はすぐに利益を確定させず、株価が下降トレンドに入るまで手放さないようにしましょう。

■下手な投資信託より個別株のほうが良い運用成績

少ない銘柄に絞って、一定のルールで損切りを徹底していれば、必ずどこかで期待通りに2倍、3倍に値上がりする株のチャンスがやってきます。

2倍株を狙うとき、損切りラインを15%に設定していれば、狙った通りに値上がりする確率は、実は2割で十分です。

これはあくまで、手数料等を度外視した単純計算に過ぎませんが、5回投資したうち、1回でも価格が2倍になれば、元は十分取れます(図表1)。

【図表1】損切りラインを15%に設定していれば、勝つのは5回に1回でOK
出典=『リアルガチ!3倍になる米国個別株の見つけ方』

金融庁によると、日本国内の投資信託の平均利回りは5%前後、手数料が0.5%~1%程度なので、実際の利益は4%ほどです。

下手な投資信託を買うより、個別株に投資するほうが良い運用成績を残せるのです。

自分で個別株に投資し、こういう判断を繰り返していくことで、銘柄選定や、売買のタイミングについてのノウハウがどんどん貯まっていきます。

ノウハウが貯まれば貯まるほど、成長株に巡り合う可能性も高くなります。

こうしたノウハウの蓄積は、投資信託では不可能です。

初心者こそ個別株にチャレンジすべき、とぼくが考えるのは、まさにそのためなのです。

■「経済最強の米国株」は中長期で有利

ぼくが初期に投資した銘柄は、日本株が中心で、あまりいい成績を残せませんでした。

その後、米国個別株への集中投資にチャレンジしたことで、ぼくの金融資産は約3年で3000万円を超えました。

それ以降も、ぼくの株式のポートフォリオは、ほとんどが米国株になっています。

それくらいぼくは米国株を信奉しています。

当時、米国株投資は今ほど一般的ではありませんでした。ただ、実際に投資をしてみると、日本株より米国株の方が圧倒的に魅力的で、かつ、初心者向けだと感じました。

当時と違い、近年は米国株投資の情報も充実し、初心者でも始めやすくなっています。

そのため、これから投資を始める方には、まず米国株からチャレンジすることを強くオススメしたいと思っています。

なぜかと言えば、米国経済は圧倒的に強いため、持ち続けていれば、中長期ではまず負けないと考えられるからです。

日本株の指標としてTOPIXがあります。東証1部に上場する企業2000社以上の時価総額の合計を評価し、1968年1月の値を100として指数化したものです。

S&P500とTOPIXの過去の推移を比較すると一目瞭然、圧倒的にS&P500の方が成長しています(図表2)。

【図表2】TOPIXよりS&P500のほうが圧倒的に成長している
出典=『リアルガチ!3倍になる米国個別株の見つけ方』

■米国株は暴落しても回復する

また、米国株の強さは暴落からの復調力にも見て取れます。

日本株がバブル期の高値を超えられない一方、米国はITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックと何度も暴落を乗り越えながら最高値を更新し続けています。

つまりこれは、中長期的に見れば、米国株の方が株価上昇の可能性が圧倒的に高いことを意味しています。

■ヒト・モノ・カネは米国に集まる

国の経済力は、人口、生産性、資本の3つで見ることができます。

チョコ『リアルガチ!3倍になる米国個別株の見つけ方』(KADOKAWA)
チョコ『リアルガチ!3倍になる米国個別株の見つけ方』(KADOKAWA)

米国の人口増加率は2022年で0.4%程度と高く、人口が減少に転じている日本はもとより、ヨーロッパや中国をも上回っています。労働力の面で他の主要国より優位に立っていると言えます。

また、世界でも優秀な大学を多数抱えるほか、シリコンバレーに集中するIT・サービス企業が、米国経済の生産性を牽引しています。

最後に資本の部分は言わずもがなで米国が圧倒的に有利です。

米国の国内総生産(GDP)は日本の約5倍ですし、TOPIXを構成している日本全国に存在する上場企業の時価総額合計は現在730兆円程度ですが、S&P500を構成する上位3銘柄(アップル、マイクロソフト、アマゾン)の時価総額合計だけで、その金額があっさり抜かれてしまいます。

今や、世界の時価総額TOP10の企業はほとんど米国企業です。

【図表3】時価総額TOP10のほとんどが米国企業
出典=『リアルガチ!3倍になる米国個別株の見つけ方』

時価総額が大きいということは、米国企業が世界中から調達できる資金量が大きいということです。その分、企業買収や新規事業への投資、人材開発等にお金をかけることができ、より成長しやすいということに他なりません。

つまり、ヒト・モノ・カネが集まり続けている米国は、今後もますます成長していく可能性が高いのです。

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チョコ(ちょこ)
投資家・ブロガー
某IT企業に勤務する傍ら、2011年から個人投資家としてのキャリアをスタート。日本株・米国株・不動産・仮想通貨への投資のほか、複数の事業買収やバリューアップ、エンジェル投資にも携わる。現在は個人投資家としての活動に軸足を置きつつ、独立してファンド企業の代表を務める。運営するブログ「チョコの株式投資Diary」は月間100万PV以上を記録。

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(投資家・ブロガー チョコ)

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