自宅への嫌がらせが尋常じゃない…"日本一バッシングを浴びる男"クロちゃん流・心を守るたった一つの方法
プレジデントオンライン / 2023年2月4日 11時15分
※本稿は、クロちゃん『日本中から嫌われている僕が、絶対に病まない理由 今すぐ真似できる! クロちゃん流モンスターメンタル術30』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
■日本一バッシングを浴びる男の日常
国民的ヒール。稀代の嫌われ者。炎上の魔術師。日本一バッシングを浴びる男――。
おかげさまで最近はいろんな呼ばれ方をされるようになりましたが、実際、僕の叩かれっぷりはみなさんが想像しているよりもはるかにひどいと思います。正直、「なんでこんなこと言われなきゃいけないんだろう?」と感じることも結構ありますから。
だって「死ね!」とか平気で言ってくるんですよ。それがネットのNGワードということでBANされるようになると、カタカナで「タヒ」とか言い換えたりして、なんとか僕に死んでほしいという気持ちを伝えようとする。
相手の憎しみの感情がピークに達していることが、文字面からも伝わってくるんですよね。「テレビの中の人に対して、ここまで憎悪の感情を爆発させられるんだ」ってこっちが感心してしまうくらいです。
なにしろテレビ局にはもちろん、僕が通っているスポーツジムにまで「通わせるな!」って苦情が来るくらいですから。それこそ所属事務所になんてハンパじゃなく苦情が寄せられます。
「総務じゃ話にならない! 直接マネージャーを出せ!」「非通知でいいからマネージャーから電話をかけさせろ!」と高圧的に電凸を何度も繰り返すアンチが何人もいる。もう本気で怒鳴ってくるんですよ。まるで反社勢力の恫喝みたいです。
■普通だったらノイローゼ……
しかも僕の場合、『水曜日のダウンタウン』によって自宅が晒されているので、マンションの場所がほぼ割れているじゃないですか。だから家への嫌がらせも尋常じゃない。普通だったらノイローゼになりますよ。毎日が異常事態です。
僕だって別に嫌われたくて嫌われているわけじゃないですよ。でも「あえて嫌われ者役を演じているんでしょ?」「見る人がヒートアップするように世間を煽っている」という見方も一部にはあるみたいなんですよね。
プロレスでいうところのヒール(悪役)みたいな感じ。タイガー・ジェット・シンとかアブドーラ・ザ・ブッチャーが嫌われれば嫌われるほど、観客がヒートして興行全体は盛り上がるじゃないですか。
あるいは「悪名は無名に勝る」という表現がありますよね。「みんなのヘイトを集めることで、タレントとして存在感を出していくという戦略なの?」という訝(いぶか)しがる見方もあるようですが、そんな器用な真似は僕にできません。普通にナチュラルに嫌われているだけです(苦笑)。
■ガラスのメンタルを守る術
そもそも僕はもともと芸人じゃなくて、本気でアイドルになりたくて芸能界に入ったくらいだから、わざわざ自分から嫌われようなんて考えるわけがない。「しめしめ、またバッシングされているな」なんて思わないですって。
先日、ラジオ番組で『アイドルマスター』でも活躍している声優・逢田梨香子ちゃんに聞かれたんです。「なんでそんなメンタルが強いんですか?」って。
実は彼女もSNSでたわいのない嘘をついたら、それがファンの間で大炎上したという過去があったらしくて、その際は相当思い詰めたらしいんですよね。
![孤独な女性は家で落ち込んでいる](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/d/b/1200wm/img_dba2f9a5b783b245e9799ffa9853d409756111.jpg)
ただ、そこで僕は少し答えに窮しちゃったんです。逢田ちゃんは僕がすごくタフな男みたいに考えているようだけど、実際はビビリのチキン野郎。臆病者だし、ガラスのメンタルなんです。
じゃあなぜ飄々(ひょうひょう)としていられるかというと、それはメンタル的なディフェンス術を身につけているから。ボクシングでいうとスウェーやダッキングでかわしている状態で、まともに攻撃を食らっていないんです。
僕はたまたま芸人で人前に出る立場だから、こんなに目も当てられない叩かれ方をしています。でも、現代社会に生きている人は多かれ少なかれ全員ストレスと向き合っているんじゃないでしょうか。
僕は自分の経験から心のダメージを減らす方法を身につけた。ここからそのやり方を順序だてて説明していきたいと思います。
■他人の評価は秒で豹変するからまともに向き合うな
笑われるかもしれませんが、僕、自分のことは繊細な人間だと考えているんです。
裏切られたりするたびにショックを受けてきたし、男なのにメソメソ泣いてきました。テレビ番組ですぐドッキリに引っかかるのも、要するに心がピュアだからだと思っています。
![男たちは別の男の背中にステッカーを貼った。](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/c/1200wm/img_fc8cea52bb82d27b108d693a1e708fde636036.jpg)
世の中には細かいことなんて一切気にしない精神的にマッチョな人たちもいますよね。でも、僕は「ガハハ!」って笑い飛ばすような豪傑野郎にはなれないんです。
例えばLINEを送ったけど、相手から返信が来ない。
「もしかしたら病気?」「電車に乗り遅れた?」「それとも嫌われている?」
……ビビリだから、いろんなことを勝手に想像して心配してしまう。自分の文章で相手が気分を害さないか、何度も読み返したりしますしね。
常に一番ひどい状況のことを想定するので、本当に最悪な事態には陥らないという言い方もできます。臆病な自分が嫌いな時期もあったけど、ガラスのメンタルだったからこそ、なんとか今まで生き残ってこれたという面も確実にあるでしょう。
メンタル防御術を身につけるうえで最初に覚えておいてほしいのは、「人の評価はすぐに覆(くつがえ)る」ということ。これが鉄則。人前に立つ仕事をしている以上、僕もそれは常に頭に叩き込んでいます。
ファンがアンチに豹変することもあれば、アンチが急に「クロちゃんの言うことにも一理ある」と見直すこともある。
僕が新型コロナにかかったときなんて、モロにそうでした。それまで矢のような勢いで「死ね!」と言われてきたのに、「おいおい、大丈夫かよ」「クロちゃんのアホなツイートが読めないと、それはそれで寂しいな」「早く万全の体調に戻して、憎まれ口を叩いてくれ」といった応援メッセージで溢れるようになりましたから。普段との差があまりにも激しくて、さすがの僕もギョッとしましたけどね。
そこには愛憎入り混じる感情があると思うんです。でも人間、それが当たり前なんですよ。ここまであっさり世の中のリアクションは豹変するのに、いちいち一喜一憂していたら、自分を見失ってしまう。
ひょっとしたら、あなたのことを嫌いな人がいるかもしれない。だけど、「だからどうした?」という気持ちでいることが大事。そんなところでウジウジ悩むのは、貴重な時間を浪費するということです。
■相手を心の中でバカにする
今はSNSの普及などで、誰でも発信ができる時代じゃないですか。配信をしている一般の子でも「気づいたら千人同時に視聴されている」なんてことは当たり前になっています。千人もいれば1人くらい「ブスだ」とか「キモい」など心ないことを言う奴が現れるかもしれない。
アンチが1人いたところで999人が味方だったらどうでもいいはずなんだけど、やっぱり叩かれ慣れていない人だと取り乱してしまう。「気にするな」と言われたところで、やっぱりネガティブな意見ばかりが頭に残っちゃうのもわかります。
これは別に芸能人や配信者に限った話じゃなく、普通の会社員や学生でも上司や先輩や先生から怒られることはありますよね。そのとき、自分に向かってくる批判の声を真正面から受け止めるから病んでしまう。
だから、そんな声は軽く受け流せばいいんです。もしくは逆転の発想で相手を心の中でバカにする。「この人は説明スキルがないから、こうして怒鳴り散らすしかないんだな。
上に立つ器じゃない。憐れな奴だ」って。自分よりも人間性能が低いという認識に切り替え、見下してやるんです。そうしたら腹も立たないでしょ?
ネットに沸くアンチにしても似たようなもので、「ディスるにしたってボキャブラリーが貧困すぎる」「いい年してかまってちゃんなんだろうな」とか上から目線で傍観しているうちに、「自分がムキになって、このレベルの人たちと言い争うようになったらおしまいだ」って気づくんですよ。この発想を常に持ってもらいたいんです。
これがメンタル防御の基本編。おそらく似たような話はどこかで聞いたことがあるかもしれませんね。次からは、さらに踏み込んだ話をしていきたいと思います。
■Twitter炎上「ヤクルト事件」で得られた教訓
嫌な意見をまともに正面から受け止めていたら神経が参ってしまう。だから「柳に風」のスルースキルを身につける。この考えは現代社会を生きるうえで非常に大事になってきます。
しかし、だからといって世の中の声を完全に無視する“唯我独尊(ゆいがどくそん)スタイル”はあまり望ましくない。それだと裸の王様になっちゃいますから。実際、僕は自分の名前でエゴサーチするのが大好きです。
ときにはバッシングが自分を成長させてくれることもある。アンチの言うことは9割9分が的外れだとしても、芯を食っているような意見もごく稀(まれ)にですが存在するんですね。それって自分にとっても成長の糧になるんです。
だから僕は自分に対して否定的な意見も、一応は目を通すことにしています。基本、他人からの批判なんて気にしない。でも、一応は耳を傾ける。そのバランス感覚が大事なんです。
では、どんな意見なら真摯に受け止めて、どんな意見を切り捨てるべきなのか? その判断基準が実は難しい。ここからは僕が実際に経験した事例をピックアップしながら解説していきたいと思います。
アンチとの攻防を振り返ったとき、自分の中でターニングポイントとなった一件があるんです。それを僕は「ヤクルト事件」と呼んでいます。
ある日、お風呂の中でヤクルトを飲もうとしたら、容器が浴槽の中に落ちてしまったんですね。その様子が可愛かったから、なんとなく写真を撮ってツイッターに上げたら、ものすごい勢いで炎上しましてね。「食品を粗末にするな!」って叩かれまくった。
弁解をすると、そのヤクルトは蓋が開いていなかったし、決して食品ロスになっているわけではないんです。だけど叩いてくる人からすると、写真を撮るためにわざわざヤクルトを落としているように見えたのでしょう。
実際はそんなことないんだけど、そう誤解された時点で僕にも落ち度があるってことじゃないですか。飲食関係者が見たら気を悪くするかもしれないですし。
これはたしかに僕も反省したほうがいいなと思い、以降、食べ物について発信するときはことさら注意を払うようになりました。間違いなく、炎上したことで勉強になった一件です。
■嫌な意見にも一応耳を貸してやる度量としたたかさ
また、これもツイッターでの出来事なんですけど、公園の写真をアップしたことがあるんです。そのときは公園の中に大きな鉄球があったから、「あさま山荘事件みたい」とか書いたんですよね。
そうしたら「いやいや、それはダメだろ。死んだ人もいる事件なんだから」という反応が寄せられまして。言われてみたら、その通りだったと思う。遺族の方だっているわけですし。これも大いに反省しました。デリカシーがなさすぎましたね。
![クロちゃん『日本中から嫌われている僕が、絶対に病まない理由 今すぐ真似できる! クロちゃん流モンスターメンタル術30』(徳間書店)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/a/1200wm/img_3af7f887bb9e8d6a3cfda892a3436946222317.jpg)
現在は「10年前だったら問題にならなかったかもしれないな」という発言でも簡単に炎上する時代。しっかり感覚をアップデートして、発言は慎重になりすぎるくらい慎重になったほうがいいと学びました。
これは著名人じゃなくても同じです。誰もが社会とコミットしないといけないわけじゃないですか。だから、SNSなどでなにかを発信するときは、これまで以上に神経質になって日本語を使う必要がある。
この表現はアウトなのか、セーフなのか? そのジャッジは自分だけではできないこともあるので、なおさら文句を言ってくる人の意見にも一応耳を傾けるべきなんですよね。
バッシングも自分のプラス要素にしていくというか、ちゃっかり養分にしていく。そのしたたかさが求められるんです。アンチの声を無条件に切り捨てていると、その結果、自分が損することになりかねないですからね。
ムカつくからといってすべての反対意見を遮断していたら、人間的成長は望めません。嫌な意見にも一応耳を貸してやる度量が必要というわけです。
テレビやラジオに出ていると、発言の一部を切り取られて炎上したりして、「これって一種の言葉狩りじゃないか?」と思うこともありますけどね。だけど、時代は確実に変わっているんです。
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芸人
1976年12月10日生まれ。本名黒川明人。広島県出身。松竹芸能所属。2001年、団長安田、HIROと共にお笑いトリオ・安田大サーカスを結成。『水曜日のダウンタウン』(TBS 系列)がきっかけで結成されたアイドルグループ・豆柴の大群、都内某所のアドバイザーを務める。
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(芸人 クロちゃん)
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