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「ああ、それ、わかる」と言ったら一発アウト…一流の人が相手に同調するときに使う絶妙な"共感フレーズ"

プレジデントオンライン / 2023年2月6日 14時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PrathanChorruangsak

ある映画作品の感想を語った人に「あー、わかるわかる! 私も感動した!」と返すのは正しいのか。エグゼクティブ・コーチの林健太郎さんは「わかったような気になって、『わかるよそれ』って返すと、相手は『ちぇっ、なんにもわかっていないクセに』って思うかもしれません」。では、どんな言い方をするべきなのか――。

※本稿は、林健太郎『否定しない習慣』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

■相手の話を引き出す「合いの手」の5フレーズ

→合いの手は「餅つき」と同じ

「相手が話し終わるまで黙っていましょう」というのが会話の基本ですが、とはいえ、黙りこくっていると、相手はとてもしゃべりづらいものです。

ですから、「合いの手」を入れる。相手の話の息つぎのタイミングで、まるで、「餅つき」をしている2人になったようなつもりで、うまく差し込んでいきましょう。

合いの手は餅つきと似ています。

そもそも「餅つき」における合いの手は、「均一に全方位的に餅をつくため」「木臼(きうす)に餅がくっつかないため」のもの。会話においても、合いの手をうまく入れることで、相手の話を一方向からではなく、全方位的に掘り下げて聞いていく。また、会話が止まることなく、どんどん引き出すことが可能になる。

それが「合いの手」です。

合いの手は「餅をサッとひっくり返すイメージ」ですから、長ったらしい言葉では、相手の話の腰を折ってしまいます。餅つきなら、杵(きね)で手を叩かれてしまいますよね。

ですから、「相手に有益なことを伝えなくては」なんて余計なことはさらさら考えないで、短い言葉で済ませてください。

合いの手の基本となるフレーズは、次の5つです。

■相手の話に合わせて順番に使う合いの手

「合いの手」の基本フレーズ5
「そうなんですね」
「もう少し詳しく」
「ほかには?」
「というと?」
「だとしたら?」

極端に言えば、この5つを手元にメモしておいて、相手の話に合わせて順番に使うだけで、ほかに何も言わなくても会話が成立します。

相手は、「あー、たくさん話せて満足」と満足感を覚えてくれるでしょう。

→会話は「皿回し」のように行う

誰かと会話をしているときは、頭の中で、こんな映像を思い浮かべてみてください。

「自分と相手の間で、一枚の皿が、棒の先でクルクルと回転している様子」

このお皿が、自分と相手の今の会話そのものです。

良好な状態は、お皿がクルクルときれいに回っているイメージで、とくにお皿のことを気にしていなくても会話が進んでいる状態を指します。

否定をするということは、回っていたお皿を手で払ったり、止めようとして落としたり、別のお皿を横で回し始めるようなものです。

反対に復唱や承認などを使うことは、お皿をより円滑に回すことにつながると考えてみてください。

ちなみに、夫婦ゲンカも、会話しているときに、どちらかが片方の言葉を否定して、別のお皿を回すことで起こることが多い。

「否定しない会話」とは、一枚のお皿をきれいに回す状態をキープするのにもっともよい方法なのです。それをコントロールするのは、ほかでもないあなたです。

この「一枚のお皿が回っている映像を思い浮かべる」という方法は、相手との会話だけでなく、会議や打ち合わせで話し合いをうまく進めたいときにも有効です。

「議事」や「討議の内容」が、一枚のお皿として、うまく全員で回せているかを常にイメージする。誰かが、別のお皿を回し始めたり、手で払おうとする人がいたりしないかをウォッチしながら会議をファシリテーションするのです。

■相手とアイコンタクトする最高のタイミング

→「ずっと相手の目を見る」はNG

会話するときは、非言語が言葉以上に大切です。その非言語の要素の中で、まだ触れていない、「相手と目線を合わせる」という行為。つまりアイコンタクトについての話です。

よく、「相手と話をするときは、相手の目を見ましょう」なんて言われますよね。

それって本当でしょうか?

昔ならいざ知らず、最近は、相手との直接コミュニケーションが苦手な人も多くて、話をしているときに、ずっと目を見つめられ続けたら、正直言って嫌がる人のほうが多数派なのではないでしょうか。いくら「会話のときは相手の目を見ましょう」と言っても、凝視するのはアイコンタクトとしてはやりすぎです。

では、どうしたらいいのか?

ズバリ、「話し始め」「相手の話の句点のタイミング」「話しおわり」で相手の目を見る。それで十分です。

オフィスで談笑する女性二人
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kokouu

話している相手にとっては、あなたが自分を見ているかどうかというのは、最初と最後しか印象に残っていないものです。ですから、相手の話し始めと、そろそろ話が終わりそうだな、というタイミングで、相手の目を見る。

そして、話している最中は、相手の言葉の「。」の部分。ちょうど、句点が入るタイミングで、「そうなんだ」などの合いの手を入れながら、アイコンタクトするのです。

こうすれば、相手は「ずっと見られている」というプレッシャーを感じませんし、「ぜんぜん目を合わせてくれない」とも思いません。

■「ああ、それ、わかる」は嫌われる

→「わかる」から「わかる気がする」へ

相手と会話しているとき、あなたは、つい、こんな相槌(あいづち)を打っていませんか?

「ああ、それ、わかる!」

ここでうかがいます。

「あなたは、それを本当にわかっていますか?」

もしかして、想像でわかったような気になっているだけではありませんか?

「それ、わかる!」と言っていませんか?
写真=iStock.com/JakeOlimb
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JakeOlimb

私もあるとき、こんなことがありました。

ある人から、「林さん、上司から『もっとロジカルに話せ』と言われてしまったのですが、どうしたらよいのでしょう?」という質問メールが届いたとき、私はつい、反射的に「わかる、それ」と返信しかけて、ハタとメールを打つ手が止まったのです。

そして、こんな言葉が頭に浮かびました。

「あれ? 自分は本当にわかっているのかな? もしかしたら、わかっていないかもしれない」

そして、相手にはこう返信しました。

「そうなんだ。もっとロジカルに話せって言われたんだね。なんかそれ、ちょっとわかる気がする」

何が言いたいのかというと、たとえ、どんな場合でも、相手の言葉に対して「わかる、それ」と言い切るのではなく、「わかるような気がする」と言うようにする。だって、あなたはその人本人ではないのですから、相手の気持ちの全部なんて、どう考えたってわかるはずがないのです。

こんな会話、つい、していませんか?

「○○という映画を観て、メチャクチャ感動したんだよ」
「あー、わかるわかる! 私も感動した!」

いやいや、相手が感動した場面と、あなたが感動した場面はぜんぜん違うかもしれません。

林健太郎『否定しない習慣』(フォレスト出版)
林健太郎『否定しない習慣』(フォレスト出版)

相手には相手の育ってきた人生があって、映画の主人公と自分の人生がリンクしたから大感動したのかもしれません。または、相手は、映画そのものより、出演していたある俳優の演技に感動したのかもしれません。

それなのに、わかったような気になって、「わかるよそれ」って返すと、もしかしたら、相手は「ちぇっ、なんにもわかっていないクセに」って思うかもしれない。

ですから、相手とよりよい関係を築くうえでも、安易に「うん、わかる、それ!」を使うのは要注意なのです。

「わかる気がする」
「半分くらいわかったかも」
「なんとなくわかるよ」
「8割は理解した」

など、「全部はわからないけど……」という含みを残すのがお勧めです。

おおやけに発表されているデータや、ニュースで報道されているものなどの事実情報は「わかる」でもオーケー。ただ、主観や感情については、「わかる気がする」のほうが話を進めやすいと覚えておきましょう。

一見すごく細かい話ですが、こういった言葉一つひとつにこだわることで、否定しないコミュニケーションは習慣になっていくのです。

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林 健太郎(はやし・けんたろう)
リーダー育成家
合同会社ナンバーツー エグゼクティブ・コーチ。一般社団法人 国際コーチ連盟日本支部(当時)創設者。1973年、東京都生まれ。バンダイ、NTTコミュニケーションズなどに勤務後、日本におけるエグゼクティブ・コーチングの草分け的存在であるアンソニー・クルカス氏との出会いを契機に、プロコーチを目指して海外修行に出る。帰国後、2010年にコーチとして独立。リーダーのための対話術を磨くスクール「DELIC」を主宰。2020年、オンラインでの新しいコーチングの形態「10分コーチング」(商標出願中)を開発。

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(リーダー育成家 林 健太郎)

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