今度は側近が皇室を利用して100万円を要求…秋篠宮さまの"ご難場"はいつになれば終わるのか
プレジデントオンライン / 2023年2月10日 9時15分
■屋形船の前社長が「側近から要求され渡した」と証言
篝火(かがりび)に浮かぶ鵜(う)飼というのは情緒ある京都の夏の風物詩である。
伝統のある鵜飼は天皇家と縁が深く、「『日本書紀』神武天皇の条に残されているのは、鵜飼の起源とされる記述だ。律令制以前の日本では天皇に献上する贄(にえ)の猟として行われ」(週刊文春2月9日号)ていたそうだ。
その鵜飼の屋形船を運営する会社の前社長が「使途不明金を賠償せよ」と訴えられ、裁判が行われているという。裁判の過程で、前社長のX氏が、「秋篠宮の側近から100万円を要求され渡した」と証言したと、文春が報じているのである。
一民間企業の経営者から多額の金銭が、その側近を経由して秋篠宮に渡っていたとすれば、秋篠宮家の家名に傷がつきかねない。経緯を見てみよう。
側近というのは奥野卓司氏で、文化人類学者で、公益財団法人「山階鳥類研究所」の所長だった人物だ。研究所の前身は、昭和天皇のいとこで鳥類学者の山階芳麿氏が1932年に設立した「山階家鳥類標本館」である。
秋篠宮が20歳になって初めて、公的な肩書として就任したのが、この研究所の総裁だったそうだ。学習院大学時代は、彼のライフワークであるナマズ研究のために何度も通い、今も月1回程度、オンラインで会議に参加しているというのだ。
■10羽以上の鵜が病死したことを聞きつけ…
数多くの肩書を持っている秋篠宮だが、実際に活動しているということでは“別格”の存在だそうだ。秋篠宮は総裁、奥野氏は所長という関係だが、2人は2009年に共著を出していて、秋篠宮が発足に尽力し、常任理事だった「生き物文化誌学会」でも奥野氏は理事を務めているそうだから、親しい関係にあることは間違いないようである。
X前社長の話に戻る。彼がいた「嵐山通船」(京都市右京区)は創業1909年という老舗で、船頭たちが主な株主。近年の売上高は1億5000万円前後で推移していたという。
X氏が社長に就任したのは2017年1月だが、この年、感染症の流行で10羽以上の鵜が病死してしまったそうだ。
窮状を聞きつけた地元の宮司が奥野氏をX社長に紹介したという。2人は、感染症対策を強化した新しい鵜小屋の建設と、鵜飼文化の振興を目的に2018年2月に、一般社団法人「嵐山鵜飼観光文化振興協会」を立ち上げ、奥野氏は副理事長から、翌年には代表理事に就任している。
2018年秋には鵜飼協会が京都府の許可を受け、鵜小屋の建設もスタートしたそうだ。
■奥野氏への支出をめぐって主張が食い違う
順風かと思われた「嵐山通船」だったが、X氏が社長に就任してから4000万円の累積赤字が積み上がっていることがわかった。結局、X氏は2020年4月に解任された。だが、金庫にも通帳にも一銭もなく、新しい鵜小屋の建設費1億円超を会社の不動産を担保に借りていたため、銀行から「このままだと取引を中止する」といわれ、X氏を京都地裁に訴えることにしたと、現社長の小島義伸氏はいうのである。
証拠として提出された「帳簿」には、京都市長や知事、警察関係者らとの高額な飲食代が記されているが、
「帳簿で目立つのは、奥野氏に対する多額の支出だ。視察旅行などの旅費や飲食費に加え、奥野氏が鵜飼協会の副理事長だった十八年四月から十九年三月まで、毎月約二十万円を『奥野卓司 鵜飼研究費』などの名目で支出したとされている」(文春)
これについてX氏は裁判でこう説明したという。
副理事長でも無償とはいかないから、奥野氏に相談したら20万円ほしいといわれた。だが領収書は出せないというので、研究費という名目で現金で渡していたというのだ。
これに対して奥野氏は、裁判所に陳述書を提出して、「嵐山通船ではなく、協会からの役員報酬で月10万円」と主張して、X氏と対立しているそうだ。
■「秋篠宮殿下に百万円を渡した方がいい」
これだけではなく、「店C 紀子妃殿下お土産5/12 18519円」「店D 悠仁親王プレゼント 5/18 37038円」、さらに「11/20 店D 秋篠宮様プレゼント(鵜飼船箱入り)18408円」というものまであるというのだ。
その上、2018年の帳簿には「5月28日 秋篠宮様へ 1000000円」と記されているそうだ。
2019年には「鵜小屋の建替」としても別に100万円が記載されているが、これについてX氏は、準備書面でこう主張している。
「一社(鵜飼協会)の名誉顧問に秋篠宮に就任頂く計画があり、サミット前に奥野氏に現金百万円を渡した。奥野氏から『秋篠宮殿下に百万円を渡した方がいい』とのアドバイスがあったからである」
サミットとは、2019年9月に嵐山で13年ぶりに開催された「全国鵜飼サミット」のことで、裁判で原告側の代理人が、「サミットに来てもらうためのというお話だったんですね」と尋ねると、X氏は「そうです」と認めている。
文春が、サミットの映像を確認すると、奥野氏が登壇して、
「(秋篠宮)殿下は大変鵜飼に関心を持っておられて、奥野君、是非とも調べてほしいとのことでありました」と述べ、サミットに来たいので調整してもらったが、皇嗣殿下になって忙しくなってしまったので、秋篠宮が皆さまによろしくお伝えくださいといっていたと、話している。
文春が、X氏が飲食した店や、紀子さんや悠仁さんへの贈り物を買ったとされる店に確認すると、概(おおむ)ね事実であることが判明したという。
■なぜ秋篠宮家ばかり“醜聞”が報じられるのか
贈り物はともかくとして、現金100万円は秋篠宮に渡ったのだろうか? 奥田氏に電話をするが「別に。何もないので」というばかり。質問状を送付すると、奥野氏の弁護士から、「本人はボランティアの気持ちでやっていましたので、騒動に巻き込まれたショックで体調を崩している」とのことで、回答は難しいといってきたそうだ。
文春の記事を読む限り、X氏が渡した100万円は、秋篠宮には渡っていないように、私には思える。
「皇室経済法・施行法」によれば、内廷皇族(天皇家や東宮家)以外の皇族は、年160万円を超える金銭を「譲り受ける」ためには国会での議決を経る必要があるという。
100万円ならその必要はないのかもしれないが、自らを律することに厳しく、金銭には恬淡としている秋篠宮が、そのようなおカネを受け取るとは到底思えない。
宮内庁も、「(百万円を受け取った)事実はありません。(名誉顧問就任の打診や鵜飼サミット出席の打診、お土産などを受け取った事実は)承知していません」と文春に答えている。
秋篠宮にしてみれば、「また週刊誌が根も葉もないことを書いて」とため息をつかざるを得ないのではないか。
しかし、秋篠宮ばかりがナゼ、こうした“醜聞”が週刊誌に報じられるのだろう。
■佳子さまの「最新動画」には心ない反応が
週刊現代(1月28日号)によれば、先日公開された秋篠宮佳子さんの動画をめぐっても、不敬といわざるを得ない騒動があったという。
「秋篠宮家の次女・佳子さまが、思わぬ形で注目を集めている。
昨年12月29日、佳子さまが28歳の誕生日を迎えたのに合わせて、宮内庁は『最新動画』を公開し、それが報道された。お住まいの赤坂御用地の庭を散策され、東屋で休憩する姿も映されている。
動画の終盤、それまで木の枝を見つめていた佳子さまが、カメラに視線を移して顔をほころばせるのが印象的だ」
ところがこの動画が、ネット上で「興奮する」などという心ない反応を招いてしまったというのである。
「母親である紀子さまは、ご一家の世間での受け止められ方についてきわめてナーバスになっておられます。お出ましを報じるニュースや、ご家族の評判について、ネットでお調べになることも度々あります。
当然、今回の反応についても認識されているはず。紀子さまのご心労が重なる事態に、宮内庁は頭を抱えています」(全国紙宮内庁担当記者)
毎年、誕生日を迎えるたびに佳子さんの近況映像は公開されている。なぜ今回だけ「不敬な反応」が目立ったのだろうか?
「姉の眞子さんが皇室から抜けた後、佳子さまは以前にも増して、ご公務に積極的に取り組んでおられました。宮内庁としては、そんな佳子さまの健気さをアピールする映像を作ろうと気合を入れたのだと思います」
■何をやっても、違う方向に向いていってしまうようだ
「また、秋篠宮家は眞子さんと小室圭さんの『結婚騒動』で世間から好奇の目で見られるようになりました。そのイメージを払拭しようと、今回のような親しみやすい映像を作ったのでしょう。そんな宮内庁の狙いが完全に裏目に出てしまったといえます」(別の全国紙宮内庁担当記者)
何をやっても、秋篠宮家の思惑とは違う方向に向いていってしまうようだが、お気の毒としかいいようがない。
1月21日に小室圭さんと眞子さんが厳冬のニューヨークの街を散策している姿が、週刊新潮(2月2日号)のグラビアページに掲載された。
「お馴染みのロン毛をオールバックにして束ね、左手をポケットに突っこんで歩く小室圭さん(31)。『メンズノンノ』の撮影かと見紛うほど、堂々たるウォーキングだ」(新潮)
私は服装については無知だから何ともいえないが、たしかに小室圭さんのスタイルは決まっている。
それに比べると、眞子さんのほうは何となくあか抜けない。表情もどこか物憂げである。
私の勝手な想像だが、他人の目やマスコミへの目配りばかりを気にする夫に、多少苛ついているのではないか。
「私が、ニューヨークへの留学も、その地で暮らすことも、みんな指示して、あんたはそれに沿って忠実に動いただけじゃない。しかも司法試験に2度も失敗して」
そんな雰囲気が伝わってくるようなツーショットではある。
■元客室乗務員の“側近”就任は渡米の準備?
女性セブン(2月16日号)は、眞子さんとの唯一の橋渡し役である妹の佳子さんが、このほど完成した新邸には移らず、それまで住んでいた御仮寓所に住み続ける見通しだと報じている。
そうなれば、これまで以上に眞子さんの情報が秋篠宮夫妻には入らなくなるのではないかと危惧している。
そうしたこともあってか、宮内庁の「御用掛」というポストに、以前、ANAの客室乗務員から初めて宮内庁職員になり、昨年3月に定年退職になった岩見美鈴さんが登用されたというのである。
皇室関係者はこう話している。
「表向きは“宮内庁”の御用掛と発表されましたが、実は岩見さんは“秋篠宮家”専属の御用掛だそうです。秋篠宮ご夫妻にとって重要な“海外案件”の1つが、眞子さんのことでしょう。
海外経験が豊富な岩見さんには、外務省だけではなく、さまざまな“外交ルート”があります。総領事館を頼らずとも、眞子さんの生活を支える環境を作れるかもしれません。
秋篠宮ご夫妻にとって、眞子さんのことを相談するのに、これ以上に心強い側近はいないでしょう」
ちなみに、一昨年、小室夫妻がニューヨークへ旅立った時の航空会社もANAだった。
「秋篠宮ご夫妻や佳子さまが、たとえば眞子さんの出産などの重要なタイミングで渡米をされるとしても、岩見さんの経験と人脈が重宝されるのではないでしょうか」(同)
眞子さんが妊娠して、最初に妹の佳子さんがニューヨークへ行き、時期を見て秋篠宮紀子さんも渡米するとなれば、秋篠宮家に垂れこめている暗雲は一掃され、陽光が降り注ぐに違いない。
「もうすぐ春ですね」。そう秋篠宮に声をかけてあげたいものだ。
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ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。
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(ジャーナリスト 元木 昌彦)
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