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1日を1週間のように濃く使う…アメリカのビジネスエリートが実践する科学的な時間操作の方法

プレジデントオンライン / 2023年2月14日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/marchmeena29

時間をもっと有効に使うには、どうすればいいのか。経営コンサルタントのリサ・ブローデリックさんは「じつは時間は平等ではない。アスリートが最高のパフォーマンスを発揮するときに経験する、いわゆる『ゾーンに入る』状態は、意識的に生み出すことができる」という――。

※本稿は、リサ・ブローデリック『限られた時間を超える方法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■コロナ禍で変わった時間の感じ方

2020年に新型コロナウイルス感染症パンデミックが発生し、「ステイホーム」を命じられた人々は、ほんの数カ月前には生活の慌ただしさに圧倒されていたにもかかわらず、買い物や人づきあい、通勤・通学、自由な移動といった日常生活すら送れなくなってしまった。

パンデミック発生直後からの数カ月間、私は、時間の感覚が以前と変化したかどうかについて、多くの人に頻繁に尋ねてまわった。

するとほぼすべての人が、次のように「変わった」と答えた。

まず、「パンデミックの前は、時間はものすごい速さで過ぎていくように思えた。ところがいまでは時間があまりにゆっくり流れるので、毎日、1日が1週間のような気がする」と感じている人がいる。

一方で、「時間の経過があいまいになって、数カ月間の出来事が長い1日のなかで起きたように感じられる」と言う人もいた。さらに、どちらもそうだと思う人もいた。つまり、1日が1週間のような気がすると同時に、数週間が数日のことのようにも感じられるというのだ。

■時間の常識は本当か

人々は、これほど長く家で過ごせることを(当初は)おおむねありがたいと思いながらも、次のような疑問を抱きつつとまどっていた。

時間がこんなにも奇妙な振る舞いをするように感じられるのは、なぜなのだろうか?

その問いに、私はこう答えた。

「時間は、あなたが思っているものとは違うのです」

「あまりにも足りない」であろうと、「ゆっくりすぎる」であろうと、時間はいまなお、私たち全員に共通する問題だ。よくいわれるのは、「時間は、この世で唯一の、再生できない資源である」ということだ。そう、過ぎ去った時間を戻すことは決してできず、しかもその事実を変えることなど誰にもできない。

だが、本当にそうなのだろうか?

私自身の時間の感覚は、4~5歳のころに劇的に変化した。大きなガラス窓を突き破って、死にかけるという経験をしたときのことだ。

やがて回復してふたたび元気いっぱいの女の子に戻った私だったが、それ以来、私の世界に対する見方はすっかり変わってしまった。

■「ゾーンに入る」ことで最高の結果が出る

周囲にあるものすべてが生きていて意識を持ち、私と結びついているのではないかと思うようになったのだ。それだけでなく私は、アスリートたちが「時間の流れが遅くなる超越体験」と形容する、いわゆる「ゾーンに入る」ということを何度も経験していた。

レーストラックで走る若い男性アスリート
写真=iStock.com/simonkr
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/simonkr

たとえばボウリングやランニングといった運動中に、時間がゆっくりと流れるようになり、いつもの自分ならとうていできないような驚くべき結果を出していた。

そして次第に、自分には「時計の針の進みを遅くできる」強大な力が備わっているのではないかと、思うようになったのだ。

今日では、「ゾーンに入る」ことが自身の能力を最大限に発揮して、最高の結果を出すための鍵であると一般的に認識されているが、私は当時のそうした経験から、子どものころの自分は普通の子どもより優れていると感じていた。

そして、その感覚は正しかったのだ。

時間にまつわる自分の経験が、どうやらまわりの人のものとは違うらしいと気づいた私は、それがなぜだか知りたいと思うようになった。

■科学とデータにもとづいて時間を検証する

そうして、古い文献や秘教学校、秘伝の精神修行などを通じて何十年もかけて調べた結果、記憶のなかの自分の経験は新たなものでもなければ、めずらしいものでもないことがわかった。

私が思いがけず身につけた力は、何千年にもわたって実践者たちに脈々と受け継がれてきた、古代東洋での精神世界の教えとまさに同じだったのだ。

だが、西洋世界の住人である私は、こうした経験が本当に可能かどうかを科学とデータにもとづいて検証したかった。そうして、一連の探究で最終的に現代科学に辿り着き、物理学の理論のおかげで、自分の長年の経験について納得することができた。

私が科学から得た知見は、「時間とは物理的であると同時に感覚的なものでもあり、それゆえゴムひものように伸縮するように感じられるときもある」ということだ。

つまりあなたも、時間にまつわる経験の一部を司っている。

時間を操る能力を向上させるための秘訣は、先にも述べた「超越した感覚」の精度を高めることにある。この「超越した感覚」とは、より高い次元で覚醒した状態であり、「スポーツをしている」「重大な危機に直面している」といったさまざまな場面で起こりうる。

■時間の流れを遅くする方法

あるいは、特殊な手法によって意図的に生じさせることもできる。

この状態に入ると、「集中力が大いに高まる」「達成感が満たされる」「自己意識が薄れて自己超越の次元に到達する」と感じる人もいる。

夜の企業のオフィスでデータ調査をする男性
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

また、時間の感覚がいつもと違うという特別な経験をすることになり、大抵の場合、時間の流れが遅くなるか完全に止まっているように感じられる。

この状態を自らの手でつくりだす方法がわかれば、あなたもいよいよ時間を超越できるようになる。あるいは、あなたも何らかの「超越した感覚」によってもたらされた、時間にまつわる不思議な経験をすでにしているかもしれない。

ところで、「時間を超越する」とはどういうことだろうか?

そこに到達した状態を表すときによくいわれるのは、「集中力が大いに高まっている」「気分が高揚して前向きになる」「達成感が満たされている」「自己意識が薄れている」「自己を超越したと感じられる」だ。

この経験は「ゾーンに入る」「フロー」「ザ・ナウ」「いまこの瞬間に存在している」などと呼ばれることが多い。あるいは単に「いまを生きる」ともいわれている。

■自分の力で「ゾーンに入る」ことはできる

通常、これらの経験は思いがけないものであり、臨死体験(私の経験)、極度の危険状態、究極の愛(例:霊的啓示を受けた、生まれたばかりの我が子を抱っこした)、極度の集中(例:バスケットコートでの試合中)といった特定の状況がきっかけとなることが多い。

だが私は、危険な瞬間や考え事に没頭している最中にそういう経験をするのをただ待つのではなく、時間を超越する感覚を「自由自在」に呼び起こす方法を伝えている。

そのやり方は、時間の仕組みのなかで自分が司っている領域、つまり「自分の感覚」を変えることだ。誰でも身につけられる簡単な方法を通じて、あなたも時計の文字盤と、あなた自身が時間に対して抱いてきた古い概念を、ついに超越できるようになる。

探究を続けてきてわかったのは、人はどんな問題を抱えていようと、自分のなかの時間の概念を変えれば、自己変革への扉を開けられるということだ。すると、人生のあらゆる面で「量子的な飛躍」、つまり「飛躍的な進歩」を実現できる。

■時間を操るための2つの方法

このように私は、臨死体験を経て「時間を超える感覚はどのようにして得られるのか」について長年にわたって探究し、何十年間も鍛錬を行ってきた。その中から、会得したことからきわめて重要な部分を抜き出し、自分の感覚を超越させて、時間とのかかわり方を変えられるような実践的手法として紹介しているのは、次の2つの方法だ。

1.時間の概念を見直す

最初の段階は、人間がつくりだした時間の概念を見直していく。

変わることなく一方向に進んでいく人間の経験だと思われていた時間が、実際はそうではないという科学的根拠を、科学の歴史を大まかに振り返りながら考えていく。

これらの根拠にもとづく考察は「時間とは、それまで考えられていたものとは違って、物理的なものであると同時に、感覚的なものでもある」だ。

まず私たちの経験の「物理的領域」は、「アインシュタイン、重力、相対性理論」の世界によって、特徴づけられている。この世界では、アインシュタインをはじめとする多くの科学者たちの研究のおかげで、時間はゴムひものように引っ張って伸ばしたり、縮めたりできることが、いまや科学における一般理解になっている。

一方で「感覚的領域」は、神秘的で幻想的で、さらには「不気味な」量子論の世界によって特徴づけられている。

この世界では、ほぼどんなことでも起こりうる。

意識は「波動関数の収縮」を引き起こすが、この現象自体が(時間を含む)現実の源である可能性もあるのだ。

これはサイエンス・フィクションではない。本物の科学だ。

時間には2つの領域があるというこの考え方は、私たちが時間を曲げたり伸ばしたりするための科学的に有効な手法を明示した、まったく新たな時間の概念である。

科学の分野では、「古典物理学の法則」と「量子論」を統一する理論を、「統一理論」または「万物の理論」と呼んでいる。私が提唱している上述の理論は「時間に関する万物の理論」と呼ぶに相当するものだ。

2.時間を操る手法を極める

自分が抱いている時間の概念を見直せれば、「自分の感覚を超越させる」こと、「時間とのかかわり方を変化させる」こと、さらには「時計が示している実時間にまでも影響を与える」ことに取り組める。

リサ・ブローデリック『限られた時間を超える方法』(かんき出版)
リサ・ブローデリック『限られた時間を超える方法』(かんき出版)

そうした能力は一般的な、あるいは通常求められているレベルを超えているかもしれない。だがそれは、決して超自然や魔法の力ではなく、私たち人間に生まれつき備わっている潜在的な可能性の一部だ。

「科学」と「自己変革」を組み合わせた簡単な手法を実践すれば、慌ただしい日常生活のなかでも時間を曲げたり伸ばしたりできる「超越した感覚」を保持する能力を身につけられる。

そうすれば、あなたにとって時間はもはや「敵」ではなくなるはずだ。

その手法を極めれば、あなたも「時計の文字盤が示す時間」を超えた先にある「時間」を捉えられるようになる。

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リサ・ブローデリック 経営コンサルタント、作家
スタンフォード大学卒業後、デューク大学でMBAを取得。ビジネス・金融コンサルタントとしてキャリアをスタート。モンロー研究所で意識の拡大について学び、ジェラルド・エプスタイン医師のもと15年にわたって米国メンタルイメージング研究所で心的イメージと夢の分析を学ぶ。ABCニュースにビジネスレポーターとしてレギュラー出演。マーシャル・ゴールドスミスやGEキャピタルなどの一流の専門家、企業がクライアントに名を連ねる。

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(経営コンサルタント、作家 リサ・ブローデリック)

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