これから週休3日の会社はどんどん増える…今すぐ始められる「仕事を半分にして、人生を豊かにする」方法
プレジデントオンライン / 2023年2月13日 9時15分
※本稿は、山本憲明『5年で仕事を半分にして、自由を手に入れる』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■「仕事を半分」は決して大げさではなく実現可能
皆さんの中には、「『仕事を半分にする』なんて、大げさなんじゃないの、半分になんてできるわけないよ」とか、「仕事をちょっと減らすだけでしょ」などと思っている人もいるかもしれません。
仕事時間を減らそう、というアプローチはビジネス書などでも多くみられます。いろいろな技を使ったり、作業の効率化をしたり、皆さんも実践していることがあるのではないでしょうか。
しかし、本書で目指していくのは、「本当に仕事を半分にする」ことです。それくらい大胆でなければ、人生をいい方向に変えていくことなどできません。
■「今の仕事を続ける」という前提をなくす
もちろん、会社には「所定労働時間」というものが存在しますので、実際に仕事時間を半分にすることは、通常は不可能です。一日8時間仕事をしている人が、じゃあ明日から4時間しか働かない、なんてことは無理ですよね。
しかし、それは「今の仕事を今の形で続ける」という前提があるからそうなっているだけであって、その前提を取り払えば、実現可能となります。
例えば会社員をやめて、独立して自営業を行うとして、「自分は4時間しか働かない」と決め、それを頑なに守れば、仕事を半分にすることが達成できます。他にも、例えば転職をして労働時間が短い会社に勤めるといったことも可能です。
達成までの道のりは厳しいものがあるかもしれませんが、できないことはありません。はじめから諦めていては、可能性はゼロのままです。
■圧縮して、2倍の濃さで仕事をする
今やっている仕事を半分の時間に圧縮して、空いた時間にそれ以外のことをやっていくという考え方もあります。今やっている仕事が本当にやりたいことではない、しかし生きていくためにはやっていかなければならない、という場合です。
今の仕事を半分に圧縮できれば、それ以外のやりたいことや自分が好きなことにもっと時間を充てることができます。そのやりたいことというのは、今働いている会社の中でできることや、副業的なことを含みます。将来自分の生業になることかもしれません。
今の仕事を半分にして、その空いた時間でそれができるのであれば、仕事時間が変わらないまま2倍の濃さで仕事ができるわけです。これは、「仕事を半分にした」と言い換えることができるでしょう。
仕事を半分にした結果として、何も得るものがなければ(ただ時間が増えるだけであれば)意味はありません。もちろん楽になるかもしれませんが、今の仕事を半分にしたうえで、そのできた残りの時間を、自分の人生のために使っていこう、というのが本書の目的でもあります。
仕事は減らそうと考えなければ、どんどんたまっていき、仕事にかける時間もどんどん増えていきます。漫然とそうして過ごすのをやめることを、今誓いましょう。そのための方法や、仕事を半分にした後どうすればいいのか、ということをこれから詳しく紹介していきます。
■人間らしい生活をするために、所定労働以外に仕事をしない
1.残業や休日出勤を今すぐやめる
まず仕事を半分にして、自分の人生を充実させるには、残業や休日出勤をやめましょう。
仕事をしている以上、残業や休日に出勤することは不可欠、と思われがちです。しかし、残業というものは、仕事が所定の時間内に終わらない場合にやむを得ずするものです。本来は、必要ないと考えた方が普通です。
せっかく、決められた所定労働時間があるのですから、わざわざそれを超えて仕事をする必要はありません。所定労働時間というものは、長い年月を経て、多くの議論を通過して、決められてきたものです。
![暗いオフィスで疲れ切っている女性](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/a/e/1200wm/img_ae1778581d247b381850d006f36811b4482596.jpg)
人間らしい生活をするために、これ以上は仕事をしない方がいい、ということに他なりません。
それを無視して、残業の嵐、休日もなし、という人がどれほど多いことか。残業や休日出勤は、今すぐやめて、仕事を半分にすることに近づいていくべきではないでしょうか。
■労働時間が長く、生産性は低い日本
OECDが2017年に行った調査によると、日本の年間労働時間は1710時間、ドイツは1356時間だったそうです。ドイツは日本の80%以下しか働いていません。日本では10時間働くところ、ドイツでは8時間しか働いていないのです。
労働時間だけでなく、年収も比べてみましょう。ドイツ人の平均年収は5万7000ユーロです(ドイツ人の給与実態レポート「StepStone Gehaltsreport 2021」より)。
1ユーロ130円とすると、741万円の計算になります。一方、日本の平均給与は約430万円で、ドイツと比べて約300万円も低くなっています(2021年9月に国税庁より発表された「令和2年分 民間給与実態統計調査」より)。
この数字を見て愕然とされた方もいるでしょう。調査のベースが違うのかもしれないので、単純に比較はできませんが、一時間当たりに稼ぐ金額が相当違うということはわかるはずです。
単純に平均年収・給与を年間労働時間で割ると、ドイツは5464円、日本は2514円となり、なんと2倍以上の差があります。労働生産性という意味では、日本はかなり劣っていると言えます。
■残業前提の仕事を半分にする
残業や休日出勤をすると、確かに割増賃金などをもらえます。それがないと生活が成り立たない、という人もいるでしょう。しかし、せっかく労働時間が決まっているのですから、所定労働時間の範囲内で仕事をして、つまり今の残業前提の仕事を半分にして、生産性を上げていくべきです。
そして、その減った残業や休日出勤分は、自分の価値を高めたり、将来のために使ったり、休息をしたりすることに使ってください。
今の給与を増やしていくために、残業や休日出勤で賄う、ということもできなくはないです。しかし、それをやっていると泥沼にハマるだけです。給与も劇的に上がることはないでしょう。
生産性を上げ、健康を保ち、自分の価値を上げていきたいのであれば、まず残業や休日出勤をすぐにやめるべきです。そして、仕事の時間を半分にして、その残った時間を使って何ができるかを考えてみてください。
■作業の順番を変え、徹底的に仕事の無駄を省く
2.仕事の「超効率化」を行う
「残業や休日出勤をやめて、所定労働時間の範囲内で働き、それ以外の時間を、自分の価値を高めるために使うのがいい」という論を述べましたが、それがなかなか難しいという人も多いでしょう。
そこで、残業や休日出勤をなくして仕事を半分にするために、何をすればいいのか考えてみます。
その1つの答えとなるのは、「仕事を超効率化する」ということです。ただの効率化ではなく、“超”効率化です。効率化を超える効率化をしてはじめて、仕事が半分になる状態に近づいていきます。
超効率化をするためには、常に効率化のことを考えて、仕事をしなければなりません。徹底的に仕事の無駄を省いたり、作業の順番を考えたり、時間のかかりすぎる作業をやめたり、動き方を変えていく必要があるのです。
■何も考えずに働いていては、時間は減らせない
突然ですが、皆さんは「サイゼリヤ」をご存じでしょうか。低価格で美味しいイタリアンが食べられる、言わずと知れた人気レストランです。
そのサイゼリヤでは、従業員の一挙手一投足を計測してマニュアル化し、秒単位で無駄がないように研究しています。改善を繰り返して、まさに「超効率化」を図っているのです。
何も考えずに働いていては、自分の仕事時間を減らしたり、少ない時間で多くの稼ぎを得たり、ましてや仕事を半分にすることなど無理でしょう。
仕事量が多いと感じる場合、通常は仕事時間を延ばして、残業をして仕事を片付けます。その考え方をやめ、仕事時間は変えないまま、または逆に仕事時間を減らして、その減った時間の中でこれまでよりも多くの仕事ができるようにしましょう。
ただ、仕事時間を減らして仕事を多くこなすという発想がよいとは言えません。仕事の作業量は減らしたうえで、質の高い仕事をして、これまでよりも短い時間でこれまでよりも大きな成果を出す、という考えを持ってください。そのために必要なのが超効率化です。
■増えていく週休3日制の会社
3.“週休4日”にチャレンジする
仕事を半分にすれば、単純に休みも多く取れるようになります。現代では週休2日が主流なので、「週休4日」なんて絶対無理、と思うかもしれません。週の休みをどれだけ増やしていけるか、ということについて考えてみましょう。
普通に考えると、会社員であれば、会社で決まっている所定の休日しか取れないのは当然です。週休2日+祝日が休み、という場合がほとんどでしょう。しかし、考えてみてください。私の年代、今の50代が子どもだった頃は、週休1日が普通でした。
それが週休2日になり(なんと休みが倍になるという改革!)、今ではそれが当たり前になっています。
2022年は、「パナソニック 選択的週休3日制検討」というニュースが話題になりました。日本を代表する大企業が週休3日制を検討しているというのです。これは大きなインパクトを与えました。
政府が選択的週休3日制を推進していることもあり、その他の大手企業も検討していたり、実際に導入していたりする企業が増えています。
パナソニックのことを言うのではありませんが、会社の業績がうまく伸びず、人余りの状態になってしまう場合は、週休3日制にして給料を下げるということも考えられます。
ましてや選択制にして、選ばせるのであれば給料を下げる名目にもなります。今後は、休みを増やす企業が増えていくことでしょう。
■もはや不可能ではない“週休4日”
ここで、「仕事を半分にするために、週休4日にチャレンジする」という当初の目的に沿って考えてみましょう。
週休4日を目指すというのは、不可能ではないと考えます。まず、週休3日の会社を選び、そこで働くようにします。
コロナ禍も経て時代は変わり、働き方は大きく変わってきています。すでに、リモートワーク前提で住む場所と働く場所の関連性を問わない企業も増えてきています。その流れでは、休日が増えていってもおかしくないはずで、週休3日制の会社も増えていくことでしょう。
そのような、自由を重んじる会社で働き、週休3日から週休4日を目指していき、週の半分が仕事、週の半分が仕事以外という環境を作れれば最高ではないでしょうか。
週休4日だと、労働は週3日です。今までの5日と比べると半分にはなっていませんが、通勤時間や無駄な会合が減ることで、精神的な負担は半分以下になることでしょう。
まずは、今後の世の中の流れに沿って、週の休みを増やしていきましょう。
■週休4日を実現しやすい自営業
私は自営業をやっていますが、繁忙期以外、週に1日は必ず「平日でも仕事をしない日」を決めています。勝手に週休3日制にしているのです。やっている仕事は週休2日のときと同じ量でも、超効率化をすることによって休みを増やしました。
雇われている身であっても、例えば週のうち1日を「事務処理禁止、将来につながることだけを行う日」と決めるなど、やる仕事の種類を制限したりして、「勝手に週休3日」を行うことは可能です。ぜひ一度試してみてください。
私の知人のある税理士も、月曜日と金曜日を「税理士業禁止の日」にして、その日は休んだりクリエイティブな仕事をしたりするなどして、週休4日を実現しています。
別の知人は、毎月2週間、海外に行くことで「月の半分は休み、半分働く」生き方をしています。会社経営者や自営業であれば、このように休みを多くして自由な働き方を実現しやすいです。
週5日でやっている仕事は、集中力を高めれば週4日や週3日でできるはずです。仕事の量は、与えられた時間によって増減します(パーキンソンの法則)。まずは週休3日、そして週休4日を目指して取り組んでいきましょう。
![青い海と青い空を満喫する男性](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/6/1200wm/img_96d757a783c6a45c425d1d610d2e0fb2405703.jpg)
■家族がいて家のローンも残った状態での独立
4.「自分で決めて仕事をする」モードにシフトする
仕事の量を半分にするには、他人からコントロールされるのではなく、自分で仕事をコントロールしなければなりません。ただ他人から指示をされて仕事をしていく、というのであれば、仕事を半分の状態に近づけることはできません。
私がサラリーマンをやめて独立したのは、「とにかく、自分で決めた仕事をやっていきたい」という思いが突き上げてきたことが原因でした。
家族がいて家のローンも残った状態での独立。独立したとしても食べられる保証はないわけですからリスクは高かったと言えます。しかし今では、それしかなかったと思いますし、それほど「自分で決めて仕事をすること」は、私にとっては大切だったのです。
■自分ですべての責任を負うことでストレスが軽減
人にコントロールされてする仕事と、自分で決めてする仕事との違いですが、まずは仕事に対する“責任”が違ってきます。
上司から指示をされて仕事をする場合、責任の所在は上司や会社にあります。自分がミスをしても、基本的には上司が守ってくれたり、自分がすべての責任を負わなくてもよかったりする場合が多いでしょう。
これに対して、自分で決めて仕事をする場合は、責任はすべて自分にかかってきます。人を雇うなどして仕事をお願いしたとしても、それは同じです。
責任を背負って仕事をすることはとても大切です。ミスをすればすべて自分の責任だと考えて、しっかりチェックをしながら仕事をしていけば、相手にも迷惑がかからないし、いい仕事ができる可能性が高くなります。
また、自分で決めて仕事をしていると、ストレスが軽減されます。指示を受けての仕事は、どうしても思い通りに進めることができず、ストレスを感じてしまいます。
![山本憲明『5年で仕事を半分にして、自由を手に入れる』(明日香出版社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/1/1200wm/img_91a1a5714ddd9a3a6cfe3348742ba2a6163290.jpg)
しかし、自分で決めるとなると、仕事の量や質などをすべて「自分でコントロール」することができるのです。
仕事でストレスを感じたとしても、やり方は自分で決められるので、やめたり仕事の方向を変えたりすれば済むことです。
まずは、自分で何事も決めて仕事をするためにはどうすればよいか、ということを考えてみてください。
1人で事業をはじめることはもちろん、雇われの身であっても、新規事業を提案したり、新しい部署を会社に提案して作る、などもできなくはないでしょう。そこがすべてのはじまりとなります。
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山本憲明税理士事務所代表
1970年兵庫県西宮市生まれ。税理士、中小企業診断士、気象予報士。山本憲明税理士事務所代表。H&Cビジネス株式会社代表取締役。1994年早稲田大学政経学部卒業。大手制御機器メーカーで、半導体試験装置の営業・エンジニアと経理を経験。11年の会社員生活ののち、2005年、山本憲明税理士事務所を設立。本業のかたわら、「仕事を速くする」技術を発揮し、各種投資や馬主活動、少年野球指導なども行っている。
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(山本憲明税理士事務所代表 山本 憲明)
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