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親にも学校にも本当のことを言えない…進学校の女子高生が「1回3万円」で56歳男性と会う切実な事情

プレジデントオンライン / 2023年3月2日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tdub303

男性から金品をもらう見返りに食事などをする「パパ活」は、女子高生にも広がっている。パパ活を紹介する「交際クラブ」で面接官を務めた日向琴子さんは「進学校に通う『ユキちゃん』は、3万円をもらって56歳男性と会っていた。そこにはアルバイト以外で稼がなければいけない事情があった」という――。

■「交際クラブ」面接官が見た女子高生のパパ活

女性が男性とデートをし、見返りに金銭的な援助を得る「パパ活」。援助交際と呼ばれていた時代と比べるとカジュアルに感じるためか、若者の間で「パパ活ブーム」が起こって久しい。

パパ活には、ツイッターやアプリなどで相手を探すオンラインのものと、水商売や風俗、ギャラ飲み、パパ活女子を紹介する「交際クラブ」など、オフラインで相手を探すものの2種類がある。実際に、交際クラブの運営会社に勤務し、クラブに登録しようとする女性やパパ候補の男性と面接を行っていた経験を持つ筆者は、交際クラブに集まる男女の人間性を掘り下げ、『ルポ パパ活』(彩図社)にまとめた。

取材の過程でパパ活に手を染める女子高生を目の当たりにしたとともに、日本の学校教育現場で見逃されている、ある問題点に気付いたという。

■女の子に支払った額は合計3200万円

18歳の現役女子高生を連れてインタビュー場所に現れたのは、都内でIT関連の会社を経営している成瀬明宏氏(仮名)、56歳。年収は4000万円で、千葉県某所の高級住宅街にある一戸建ての自宅で妻と2人の子どもと生活している。

成瀬氏が交際クラブに登録したのは2019年のことだ。女の子に払うお手当ての額は都度5~10万円で、これまでパパ活に使った費用は3年間で合計3200万円にも上る。風俗を辞めさせ、現在も定期的に会っている女の子に1300万円、その他の子に合計1200万円、ホテル代や食事代に700万円がその内訳だ。

自身のパパ活について話す場に女子高生を連れてくることからもわかる通り、成瀬氏はロリコンである。その趣味を自覚したのは高校生の頃で、友だちの知り合いの中学生を紹介してほしくてたまらなくなった時に気付いたという。その後、大学で塾講師のバイトを始め、女子高生と付き合ったときに確信したらしい。ただ今は、法に触れないよう自分の欲求を抑え込みながら活動を楽しんでいると語る。

■未成年とは基本ご飯だけだが…

「本当に欲情するのは未成年の女の子なんですが手を出すのはさすがにマズいので、外見が幼い成人女性との行為で欲望を満たしています。女性の体って、実年齢のほかにも体の年齢があるじゃないですか。成人していても幼い感じに見える体型の子もいれば、未成年でもおばさんに見える体型の子もいます。

未成年の女の子と会うこともありますが、その場合は基本ご飯だけ。でも体を売るということに抵抗がない子もいて、2万~3万円を提示してくる子もいます。そのときは欲望に負けそうになります」

交際クラブや出会い系アプリは年齢確認が必須となっているので、未成年とはツイッターかインスタグラムで知り合うという。しかし、パパ活をうたうアカウントにはサイバーポリスが混じっていることもあるし、保護者から捜索願を出され、GPSで足がついてしまうこともある。そのため、会う場所、時間をふくめ、成瀬氏は慎重を期しているそうだ。

■推薦合格した「ユキちゃん」がパパ活をする理由

そんな成瀬氏がとなりに座っている女子高生「ユキちゃん」と出会ったのもツイッターである。

「あっくん(前出の成瀬氏)のことは、ツイッターで知りました。元々フォローしてたわけじゃなくて、パパ活用のアカウントを作ったら、おすすめに出てきたので私から連絡したんです」

ユキちゃんがパパ活をしてでもお金を稼ぎたいと思ったのは、高校卒業後に一人暮らしをする資金が必要だったからだ。高校3年生のユキちゃんは取材当時、推薦入試で大学に合格が決まっていた。実家、大学ともに都内にあるが、一人暮らしをしなければならない理由は両親にあった。

「親から虐待されているので家にいたくないし、親からも出て行けって言われるんです。虐待は母のほうがひどくて、手を上げられることもあります。私が中学生のときから母がご飯を作らなくなったので、牛丼とかコンビニでご飯を買って食べています。親とご飯を一緒に食べることはほとんどないです」

■アルバイトがバレたら推薦取り消しになる

虐待は母親からだけではない。父親からは言葉の暴力を受けてきた。

「小さいころに習いごともたくさん通いましたけど、“どうしてできないんだ”とか“バカ”とか色々言われ続けてきました。逆に弟は親からすごく可愛がられているので弟とも比較されるし、ほかの生徒とも比較されます。もうすぐ両親は離婚するみたいで、母は新しい男のところに弟を連れて出ていくんです。なので、一人暮らしをしなかったら、父と2人で暮らすことになります」

ユキちゃんは以前、メンタルの不調から体を壊して半年間入院していたこともあるという。そのため、一刻も早く家を出る必要性を感じアルバイトを始めようとしたが、ユキちゃんの通っている高校は進学校で私学ということもあり、アルバイトが禁止されているのだ。バレると推薦が取り消しになるという。

ユキちゃんは成瀬氏と会うたびにお小遣いとして3万円を受け取っている。知り合って3カ月だというが、すでに10回ほど顔を合わせているのでトータルで30万円。物件にもよるが初期費用くらいはまかなえていることになる。成瀬氏は「ユキちゃんは未成年なのでまだ体の関係は持っていないです」と話すが、高校を卒業したユキちゃんの処女を狙っているのは明らかだ。

机の下でスマートフォンを操作する生徒
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

■せめて学校が特別な事情を認めてくれれば…

「彼女はホステスの仕事に興味があるということなので、この間も私が知ってる六本木の女の子と同伴する時に事情を話して、ユキちゃんの勉強のために同席させてどういう感じなのか雰囲気を見てもらったりしたんですけど、最初は否定的だったママも、話すうちに全然やっていけるとなって。最初から銀座のホステスでいけそうだから、どうしてもってことなら紹介するからと言ってもらえたんです」という成瀬氏の言葉に、思わず耳を疑った。

未成年とパパ活をし、その未成年をインタビューの場に平気で同席させ、さらにはアルコールが提供される夜の店に同伴させているという、成瀬氏の常軌を逸したモラルのなさに思わず狼狽してしまった。

日向琴子『ルポ パパ活』(彩図社)
日向琴子『ルポ パパ活』(彩図社)

処女を「捨てる」か「捧げる」か、はたまた「売る」かで、その後の少女の人生は変わってしまう。ユキちゃんはおそらく、成瀬氏に処女を売ることになるのだろう。

家庭環境も深刻な問題だが、未成年のユキちゃんがパパ活に手を出したのは、そもそも学校がアルバイトを禁止しているからだ。ユキちゃん本人にも問題はあるかもしれないが、例えば学校がアルバイトを頭ごなしに禁止にするのではなく、推薦で進路が決まった場合や特別な事情がある場合だけでもアルバイトを認めていたら、ユキちゃんはパパ活をしなかったかもしれない。

大学合格が決まった11月から3月までの5カ月間、時給1000円のアルバイトをするだけでも引っ越し費用くらいは貯められたはずなのだ。

(ラブホテル評論家 日向 琴子)

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