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だから韓国人は反日感情が強く、自殺率が高い…被害者意識を高ぶらせる「剥奪感」という特殊な感覚

プレジデントオンライン / 2023年3月7日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LumineImages

なぜ韓国には根強い反日感情があるのか。韓国生まれの作家シンシアリーさんは「韓国人は自分たちのことを、正当な権利を奪われた優秀な民族だと信じている。その剝奪感が、日本への敵対心や被害者ビジネスに影響しているだけでなく、若者を自殺に追いやっている」という――。

※本稿は、シンシアリー『韓国の借金経済』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■日本人には理解しにくい韓国人の「剝奪感」

まず、日本ではほとんど聞かない言葉ですが、「剝奪感(バクタルカム)」について簡単に説明しますと、「当然、自分のものであるはずのなにかを、奪われたとする感覚」のことです。

日本語の場合、剝奪となると、何かの資格を持っている人に対し、相応の理由でその資格を取り上げる場合に用います。ある人物がすでに持っているライセンスかなにか、たとえばスポーツのチャンピオンの座などを、何かの違法行為がばれたことにより「剝奪」、そんなときに目にします。ここまでは韓国語でも同じです。

でも、日本語で「剝奪感」という言葉は、そうですね、少なくとも私は聞いたことがありません。この剝奪感の核心は、実際に持っている権利や資格ではないにもかかわらず、いま自分がそれらを所有していないのは、「持っているはずなのに、いま現に持っていないのは、誰かに奪われたからだ」と思っている点です。ハッキリ言って、勘違いです。この点、先に書いた剝奪の意味とは大きく違います。

■持っていなかったのに「奪われた」という矛盾

なにせ、持っていたわけでもないのに、「奪」された(うばわれた)と書く時点で、すでに矛盾しています。「持っていた」に相応するなにかの理由が無いなら、それは奪われたものとは違うし、実際に奪われたことが無いなら、奪われた感じがどんなものなのか、分かってすらいないでしょう。いろいろ不自然です。

でも、剝奪感を訴える人たちの論拠は、実に簡単です。「当然、持っていたに違いない」と信じてやまないからです。そんな人たちに「いや、違うでしょう」と言うと、「なんで人を見下すのだ。お前は悪い人だ」と怒られます。

この剝奪感の定義は、私が適当に創作したものではありません。韓国語にしかないと言われている言葉で、辞典にも載っています。高麗(コリョ)大学韓国語大辞典を直訳しますと、「権利や資格など、当然自分にあるはずのなにかを奪われたと感じること」で、心理学関連の専門家などは、「相対的剝奪感」と言います。

■「私の権利を奪った誰か」にひどい目にあってほしい

実はこれ、韓国では「民族情緒」とされる、恨(ハン)の基本的な心理そのものでもあります。韓国内では、恨(ハン)の民族だとする主張に反対する人はそういません。優秀な民族なのに、他の勢力、主に日本のせいで、正当に持つべき権利のほとんどを奪われてしまった、そんな民族だと信じているからです。

恨(ハン)は、「私が持っているはずの正当な権利を、不当な方法を使った誰かに奪われた」とする心理から始まります。その「誰か」がどこの誰なのかは分かりません。だから、ハンは消えません。

このように、恨(ハン)と剝奪感は高い相関関係を持っています。しかし、基本的には「誰が悪いのか」をはっきりできないし、実際に何か出来ることがあるわけでもないので、そのまま抑え込むしかありません。だから、鬱状態になったり、病気になる人も少なくありません。韓国ではこれを、鬱火病、または火病といいます。最近はまったく逆の意味で、ちゃんと抑え込まず何でもカッと怒り出す人を火病と言う場合もありますが。

■韓国で被害者ビジネスがまかり通る理由

日韓関係はもちろんのこと、国内の事案についても、韓国にはいわゆる被害者ビジネス(被害者という点を強調して各種恵沢(けいたく)を受け取ろうとする)が多く存在します。これもまた、社会に蔓延するこの恨(ハン)の心理を利用したものだと言えるでしょう。本当に悪いのかどうかは二の次、ただ「あいつが悪い」と標的を決めつけて、「だからあいつに怒ればいい」という名分さえ作ることができれば、社会的にかなりの支持を得ることができます。

もちろん、医学的にも、現代社会の副作用的にも、この恨(ハン)状態、相対的剝奪感をなんとかすべきだと思う、肯定的な方向性で悩む人たちはいます。漢方医学で、カウンセリングで、そして様々な書籍などで、彼らは相応の活動をしました。

しかし、そのような流れは、長らく、そして広く根付いている、「恨」の文化の前では、大きな成果を出すことはできないでいます。なにせ、なんの戸惑いもなく「韓国人は恨の民族」だと言う人が多いですから。まるで、被害者だからと自慢でもするかのように。特に、この相対的剝奪感や鬱火病関連の研究は、青年層にはほとんど向けられませんでした。

なぜなのか。恨(ハン)とは、親が子に残すものであり、子が親のためにそれを晴らすのが「最高の親孝行」だからです。そういう観念があるためか、「若い奴らに相対的剝奪感などあるわけないだろう。自分で頑張ればなんとかなる」とする社会的雰囲気が強く、若い人たちが心のストレス、社会への絶望などを話しても、それを「剝奪感」と結びつけて考える人は、そういませんでした。

まだ若いのに剝奪感も恨(ハン)もあるわけないだろう、もっと良い職業に就くことができれば、すべて治るから大丈夫だ、それだけでした。

■子が親から「もっとも言われたくない言葉」

就職優先という指摘が間違っているという意味ではありません。経済的に豊かになれば、世界観が変わることだってあるかもしれません。それに、韓国は、青年ニート率がかなり高い国です。「中央日報」など大手メディアが集中的に取り上げて特に話題になったのが2019年のOECD(経済協力開発機構)報告書(データは2017年基準)で、就職せず、教育訓練も受けない、いわゆるニート青年の比率が、韓国18.4%、36カ国のうち7位でした。

ストレスを抱えたビジネスマン
写真=iStock.com/tuaindeed
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tuaindeed

ちなみに、日本でもよくニートという言葉が問題になりますが、同データで日本は9.8%。当時、経済危機または長期的な経済低迷に襲われていたトルコ(27.2%)、イタリア(25.2%)、ギリシャ(22.4%)、メキシコ(21.3%)などもあるので、7位となると、事実上、五本指、または四天王です。

だから、就職して頑張ればなにもかも解決できると、専門家たちは、青年層の心の問題を剝奪感とは別のものだと考えていました。どことなく、若い人たちをちょっとだけ見下している、そんな見解だとも言えるでしょう。

シンシアリー『韓国の借金経済』(扶桑社)
シンシアリー『韓国の借金経済』(扶桑社)

韓国で子が親から「もっとも言われたくない言葉」とされる、「なんでお前はサムスン(韓国最大の企業)に入れないの?」と同じレベルの幼稚さではないでしょうか。

でも、そもそも「若い人は恨を残すのではなく、親の恨を晴らす役」という考え方そのものが、微妙すぎます。復讐(ふくしゅう)をテーマにした時代劇ならともかく、詳しく誰がどう悪いのかも分からないまま「ええい、これだから世の中って」と中二病みたいなことを言い残して亡くなった親の恨(ハン)って、子がなにをどうすれば晴らすことができるのでしょうか。

世の中全般が相手じゃ、もう世界征服でもしないと無理じゃないでしょうか。そう、大人が恨(ハン)のなかで生きる姿を見て育った子は、恨(ハン)に依存するしかありません。青年層の心のなかにも、この相対的剝奪感はしっかりと根を下ろし、大きくなりつつありました。

■韓国の自殺率は、OECD不動の1位

一部の専門家たちがこの事実に気づいたのは、つい最近のことです。数年前から、自殺率データ関連でこの話が出てくるようになりました。韓国統計庁が発表した2021年死亡原因統計データによると、韓国の自殺率は、人口10万人あたり26人。

OECDの集計方式に合わせると23.6人です。一応、ここ数年間で少しずつ減ってはいますが、もうずいぶん前からOECD不動の1位です。同じくOECD基準だと、韓国以外に20人を超えるのはリトアニア(20.3人)だけです。

ちなみに、一時は日本の自殺率が世界でもっとも悪いようなニュースがよく流れましたが、いまはむしろ米国(15.2人)のほうが多く、日本は14.6人です。これでも結構高いほうではありますが。

■相対的剝奪感が若者を死に追いやっている

国の「良からぬ」データが対外に流れるのを極端に気にする、韓国。「老人貧困」「出生率」そしてこの自殺率データは、政府レベルで様々な政策を出していますが、いまのところ目に見える成果はありません。でも、なんだかんだで、少しずつ改善はされています。一時は28人まで上がっていましたから。

しかし、その中、20代の自殺率が増えてきました。同じく世界最低とされる出生率問題もあり、青年自殺についてもいろいろと分析が出てきましたが、そのなかに「単に就職が問題ではなく、重要なのは相対的剝奪感か」という指摘もあり、ようやく社会的にも注目されるようになりました。

就職の可否、職業がどうなのか、所得など経済的条件だけでなく、不平等な社会構造による相対的剝奪感が、青年層の極端な選択に影響を及ぼす、と。

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シンシアリー(しんしありー)
著作家
1970年代、韓国生まれ、韓国育ち。歯科医院を休業し、2017年春より日本へ移住。アメリカの行政学者アレイン・アイルランドが1926年に発表した「The New Korea」に書かれた、韓国が声高に叫ぶ「人類史上最悪の植民地支配」とはおよそかけ離れた日韓併合の真実を世に知らしめるために始めた、韓国の反日思想への皮肉を綴った日記「シンシアリーのブログ」は1日10万PVを超え、日本人に愛読されている。著書に『韓国人による恥韓論』、『なぜ日本の「ご飯」は美味しいのか』、『人を楽にしてくれる国・日本』(以上、扶桑社新書)、『朴槿恵と亡国の民』、『今、韓国で起こっていること』(以上、扶桑社)など。

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(著作家 シンシアリー)

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