人生の終盤に"モテ期"が来る…「モテるおじさん、モテなくなるおじさん」を明確に分ける4条件
プレジデントオンライン / 2023年3月2日 9時15分
※本稿は、林伸次『結局、人の悩みは人間関係』(産業編集センター)の一部を再編集したものです。
■なぜ、「いつ頃、一番モテましたか」と質問するのか
「モテ期」って言葉がありますよね。ちょっと調べただけですが、これたぶん、日本だけにある概念ですよね。
アメリカ映画の邦題で「モテ期」という言葉が使われたことが何度かあるのですが、原題を見ると全く違う意味でした。
たぶん、日本映画の『モテキ』のヒットにあやかったのだと思います。
ちなみに中国で『モテキ』は『桃花期』というタイトルで、中国の方に聞くと、意味はわかるけど一般的な言葉じゃないとのことでした。
さて、モテ期って人生に3回あるってよく言われますが、どうでしょう? 「言われてみれば」と思う人も結構多いかもしれません。
でも、ちょっと夢がありますよね。「モテ期って3回あるらしいから、人生で後2回は来るぞ~!」って思うこともできます。そういうボーナスみたいな夢が持てる人生って悪くないです。
僕、対談のときや人にインタビューするとき「いつ頃、一番モテましたか?」って質問をよくするんですね。中には「ずっとモテ続けてます。今でもずっとモテてます」っていう最強の方っています。
■中学生の頃は不良っぽい男がセクシーに映る
でもやっぱり、多くの人はいつ頃一番モテたかって、それぞれ思うところがあるようなんです。どんな時期にどんな人がモテるのか、考えてみたいと思います。
①小学生の頃
男子の場合も女子の場合も、「教室の中心的人物」がモテますよね。男子の場合はそれに加えて、「足が速いとモテる」みたいなことがあります。
ほんと、どうして足が速いとカッコよかったんでしょうね。女性に聞くと、足の速い子が好きだった、って答える人が多いのですが、どの人も「理由はよくわからない」と言います。
女子の場合は、「明るくて、みんなに話しかける人」がモテましたよね。男子って女子から話しかけられると、「この子、俺のこと好きなのかも」って誤解しがちです。
恋の始まりって、「この子、俺のこと好きなのかも」である場合が多いから、小学生のときはそういう女子がモテたのかもしれませんね。
②中学生の頃
男子はスポーツのできる人や不良っぽい人がモテますよね。先生や世間に対する「反抗的な態度」って、一部の人には「セクシー」に感じられるそうです。
![心理士との個別会談中に行動、社会的障害の撤退反逆少年。](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/3/1200wm/img_93745da817e774eeddc02c3c3e9f0e40606122.jpg)
このあたりから男女とも外見が重視され始めますが、やっぱり女子は「明るい子、誰にでも話しかける優しい子」が相変わらずモテます。
■18歳以降から女子は「見せ方」がわかってくる
③高校生の頃
高校生になると、見た目が重視される傾向が顕著になっていきます。多くの女性が言うには、ここで髪型とか化粧とかにこだわり出すようです。
男子は相変わらずスポーツができる人と不良はモテますが、もう少しモテる人のジャンルが増えます。
デートの仕方を知っている大人っぽい男子、女性とのコミュニケーション能力がある男子、総じてちょっと遊び人的な男子がモテ始めます。
あるいは、バンド、ダンスなどの細分化したジャンルで目立ち、モテ始める人が出てきます。しかし相変わらず文化系はモテないそうです。
④10代終わりから20代前半
ここから、「モテる」がどんどん多様化していきます。男女ともに異性に強く興味を持つようになり、経済的にも時間的にも付き合いやすくなるせいだと思います。
18歳くらいから、いろんなタイプの女性がモテ始めるのですが、女性からよく聞くのが、この頃になると「自分の見せ方がわかってきた」「男性のことがわかってきた」という話で、これによってモテ始めるようです。
たぶん、いろんな男性と接する中で、「あ、私ってこういうところが異性の気を引くんだ」ということがわかってくるんだと思います。
男性の18歳以降は、「モテる理由」に今までにない要素が入ってきます。「いい大学」とか「いい会社」とか「いい職種」とか。あとは「夢を追いかけてる」とかが、すごく評価され始めます。
■なぜ女性は「離婚したら突然モテ始める」のか
⑤結婚してからと離婚してから
これもよく聞く話ですが、男性は結婚するとモテ始めます。「今まで全くモテなかった」っていう男性も、結婚したら女性たちからの視線が変わったって聞きます。
結婚するまで妻としか付き合ったことがなかったような人が、いきなり不倫するなんて話もよくあります。
女性からは逆に、「離婚したら突然モテ始めた」っていう話をよく聞きます。これ、女性のモテに関する最大の謎だと僕は思っているのですが、いかがでしょうか?
![ベッドに座っているアジアの若いカップル](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/0/5/1200wm/img_0591c18ec3c510de6df0372544c1ae71503817.jpg)
この話は本当によく聞くのですが、女性に聞いても男性に聞いても納得できる理由を聞けたことがありません。
未婚独身女性に対しては「いずれは結婚しなきゃいけないのかな」と躊躇してしまう。既婚女性はそもそも誘いづらい。
それらに比べ、離婚した女性は結婚を求めてこないのではという「男性特有のズルさ」が作用し、相手を誘いやすいのでは、という考察を聞きます。
でも、もう少し何か理由がある気がするのですが、思いつく方がいたらご意見いただきたいです。
今、雑誌の特集なんかでも「モテ」ってあまり受けません。それよりも、「たった一人の愛する人と出会う」みたいな話のほうが求められているそうです。
でも、「モテ」ってこの社会を映す興味深い現象だと思うんですよね。僕はすごく気になります。あなたはいつモテ期が来ましたか?
■年をとってモテるおじさん、モテなくなるおじさん
僕と同世代のすごくイケメンの知り合いがいまして、先日5年ぶりくらいに偶然見かけたら、ちょっと太ってて雰囲気が変わっていたんです。
かつては二重で眉毛が濃くてホリが深い濃い顔のイケメンだったんですが、太って年をとった今の姿は、たぶんそんなにモテる見た目じゃないように思ってしまいました。
彼、若い頃はムチャクチャモテたんです。もういつ会っても違う綺麗な女性と一緒に歩いていて、その女性たちもうっとりしていたんです。
本人も「イケメン風」と言いますか、モテる男らしい振る舞いをしていました。もちろん先日会ったときもイケメン風の振る舞いをしていたのですが、見た目が変わってしまったので、ちょっと違和感を抱いてしまったんです。
たぶん、今の彼に初めて出会った人たちはちょっと「イタい人」として認識してしまうだろうなあと。それってなかなかつらいものがあります。
そういえば先日、特にイケメンではなかったのに、年齢を重ねるに連れてモテていくタイプの男性がいる、というような記事を見かけました。
先ほどの彼とは逆に、いい感じに年齢を重ねられればモテるおじさんになれる可能性があるんですね。
若い頃はそんなにモテなかったのに、逆転サヨナラ満塁ホームランと言いますか、人生の終盤にモテ期が来ることがあるようなんです(ちなみに、なんでも野球で例えるのって、おじさんの象徴だそうですよね。すいません。ついやってしまいました)。
■おじさんの「お洒落」は清潔感や余裕につながる
ではそのホームランを打てる条件って何なんでしょうか。
モテるおじさんの4条件
①体型をキープしている
もうこれにつきます。僕の知り合いにモテるおじさんが何人かいるのですが、全員体型がシュッとしています。みんなジム通いとかランニングとか何かをやってます。
僕は妻とお昼に銀座や麻布十番のヨガに通っているのですが、来ているおじさんたちはすごくモテそうな人が多いです。
②お洒落
若い男性の「お洒落過ぎ」って、女性によっては嫌がる人がいるそうなんですね。若い男性が、靴とか時計とかいろんなことに凝りすぎていると、なんかトゥーマッチな気がして、気持ち悪いそうなんです。
でも、おじさんがお洒落過ぎなのは、すごくいいようです。若い男性の場合は「お洒落なんて気にしていない感じ」が逆に「爽やか」に見えますが、おじさんの場合は「お洒落を気にしている感じ」が「清潔感」とか「お金に余裕がある感じ」に繋がるのでしょう。
若い人は上から下までユニクロの服でもOKですが、おじさんになったらそれなりに高級なお店で買うべきなのかもしれませんね。
僕、『LEON』で女性にインタビューする連載をやっているのですが、みなさん「おじさんのスーツの質・ランク」「持っている鞄や時計」すごくチェックしています。
![窓の近くに立ってエレガントなスーツを着たスタイリッシュな成熟したひげを生やした男](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/4/0/1200wm/img_40871a8fa3e828f9e28f8d7c8c6103db522393.jpg)
■ギラギラせずに、『バチェロレッテ』の話ができるか
③自分の話をしない
モテるおじさん全員に共通しているのが、「自分の話をしない」です。これは本当に大事なことです。おじさんって、どうしても自分の仕事の話とか、自分が日々気づいたこととか、自分の過去の自慢話とかをしてしまいますが、モテるおじさんは、まずその手の話をしません。
あるいはですね、モテるおじさんはアメリカの大統領選挙の話とか、日露戦争や明治維新の話とかをしないです。『愛の不時着』とか『バチェロレッテ』とか「美味しいベトナム料理店」の話をします。
③ギラギラしていない
ギラギラしている人とお酒を飲むと、女性って疲れると思うんです。話を合わせなきゃいけないし、なんなら褒めなきゃいけないし。
![林伸次『結局、人の悩みは人間関係』(産業編集センター)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/2/1200wm/img_92da4b2b49841b95e260817212d4bf9e364663.jpg)
でも、人生の終盤でお洒落でモテ始めた男性ってイケメンじゃないし、さっぱりしているし、そんなに積極的にホテルに誘ったりしてきそうでもないですよね。
たぶんこの「ギラギラしていない」も大きなポイントのような気がします。
もちろん、これらはみんな「ちゃんと全部おごる。ケチケチしない」とか「下ネタを言わない」とか「口が臭くない」とか「ダジャレを言わない」とかといった、「おじさんの最低限のマナー」は通過した上での話ですが、そんなにイケメンじゃないのに、おじさんになってすごくモテ始める男性って、こういう条件の人なのかなって思いました。
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「bar bossa」店主
1969年生まれ。徳島県出身。渋谷のワインバー「bar bossa(バールボッサ)」店主。レコファン(中古レコード店)で2年、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)で2年、フェアグランド(ショット・バー)で2年勤務を経た後、1997年渋谷に「bar bossa」をオープンする。2001年ネット上でBOSSA RECORDSをオープン。選曲CD、CDライナー執筆多数。著書に『大人の条件 さまよえるオトナたちへ』(産業編集センター)、『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)、『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』(DU BOOKS)、等がある。
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(「bar bossa」店主 林 伸次)
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