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「ああいう人にはなりたくない」から決めるといい…志望校選びで迷ったときに、最も現実的な考え方

プレジデントオンライン / 2023年3月9日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/smolaw11

大学受験の志望校はどのように決めればいいのか。現役東大医学部生のベテランちさんは「周囲に『なりたくない人』を見つけて、その逆、あるいは上をいくように目指すという手段もある。最重視すべきは『志望校を具体的に決めること』なので、これでも問題ない」という――。

※本稿は、ベテランち『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■志望校を決めずに受験勉強を始めるのは得策ではない

「受験勉強」と聞くと「一にも二にも勉強」とイメージしがちですが、毎年多くの受験生がそのやり方で失敗しています。受験勉強は、いきなり勉強から始めるのは得策ではありません。むしろ、まず目標を設定し、志望校にどのような戦略で合格するかを決めてから勉強を始めるべきです。

一方で、「まず志望校を決定するべき」と聞いて、「自分は志望校は決めているから大丈夫だ」と安心してはいけません。

●特に行きたい大学はないけれど、自分の学力だとこのあたりか
●とりあえず受験勉強を始めないと

程度の気持ちで、基礎的な問題集から手を付けている場合、それは「志望校を決めていない方がまだマシ」といってもいいと思います。

■目標が決まれば逆算して「やるべきこと」を明確にできる

上のような志望校の決め方の何がよくないのでしょうか?

それは、「戦略が決定していない」ことです。

例えば「○○大学の○○学部に一般入試で合格する」という目標を立てているなら、「合格のためには夏ごろまでに英語で○○点、数学で○○点とる必要がある。そのためには今のうちにこの単元を理解しておく必要がある。そのためには……」といったように、逆算して「自分がいまやるべきこと」を明確にできます。

黒板に描かれた、山頂に旗が立つ山
写真=iStock.com/tadamichi
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tadamichi

もしこれができないなら、その目標は具体的な行程やアプローチを引き出せない「悪い目標」です。アプローチが見えてこなければ、何をするべきかがまったく見えてきません。大学に本当に合格したいのであれば、目標を「大学合格」から「○○大学合格」、「○○大学○○学部合格」と具体的にする必要があります。

とはいえ、受験生に「いますぐ志望校を決めろ」といったところで、どう決めればいいかわからず路頭に迷うことになるでしょう。「とりあえず決めなければいけない」と焦って適当な学部を選んだことで、受験勉強に身が入りきらなくなってしまっては本末転倒です。

■「やりたいこと」は「やりたくないこと」から逆算する

ただむしろ、まだ社会にも出ていない受験生に、「自分の将来をイメージして志望校を決定しなさい」といったところで無理があります。そもそも自分のことも社会のこともわからないのに、それを教えないまま「やりたいことは何か」などわかるはずがないでしょう。

ここからは、そんな受験生が「やりたいこと」を見つけるための具体的な方法を紹介します。

やりたいことが思いつかないのであれば、逆に「やりたくないこと」「できないこと」から考えてみるというのはひとつの手です。

●「他人と話すのが苦手」
●「暗記ができない」
●「じっくり考えるのが苦手」

例えばこういったことが苦手だとしましょう。これを掘り下げていくと、「これの方が自分に合っている」というものが見つかってくるはずです。

■何が苦手か掘り下げていくと志望学部選びが具体的になる

「他人と話すのが苦手」
→ゼミで共同研究するような学部は避けて、自分でコツコツ勉強できる学部を選ぶべき

「暗記ができない」
→こみ入った専門知識が必要な学部は避ける

「じっくり考えるのが苦手」
→実験が多い学部が向いているかも

上記の例でいえば、「暗記が苦手」だから「こみ入った専門知識が必要な学部」を条件から外すとします。ただそう考えているうちに、暗記が苦手というより「学んだことがすぐ活かせないから、覚えることが多い状況がイヤなのかもしれない」と思いいたるかもしれません。

「それなら、例えば学んだことがすぐに活かせそうな経済学部はどうか? でも経済に興味はない。ただ自分がイメージしている経済学部の勉強って、実際の経済学部の勉強とどれくらい合っているのか。少し調べてみよう」

ここまで考えると、「暗記が苦手」をきっかけに、志望学部選びがかなり具体的になってきます。条件をひとつ付け加えるだけで、自分を深掘りするいい材料になります。

■周囲の「なりたくない人」を参考に受験スタイルを確立する

また、なりたくない人を見つけて、その逆、あるいは上をいくように目指すという手段もOKです。他人を軸にした進路選択法ではありますが、最重視すべきは「志望校を具体的に決めること」なので、これでも問題ありません。

例えば、「勉強もできて、センスもあるのに、実力より偏差値がはるか下の学校を志望校にあげている人」「あまりにも順当なレベルの学校を志望している人」が周りの受験生にいるとします。

もしこうした人にはなりたくない、自分は少しでも挑戦してレベルの高い大学・学部に行きたいと思うなら、その人よりもレベルの高い進路を選択しましょう。

逆に、「熱血で目標も意識も高いが、中身が伴っていない人」がイヤだと思うなら、現実的な戦略で合格できる志望校を選択するはずです。

「この人は嫌だ」という視点から志望校を決めるのは、人聞きが悪いようにも思えますが、その人にいわなければ、むしろ自分は何が許せないのかがはっきりして、自分の受験スタイルが明確になり、かなり効果的です。

「やりたくないこと」「できないこと」「なりたくない人」など、否定的な内容を紹介しました。ただ、これはあくまで志望校が具体的に決まっていない場合の話です。自分が行きたい志望校・志望学部が見つからないなら、真正面ではなく、少し別の視点から探ると、見つかりやすくなるということで、よくある「やりたいこと」など肯定的内容で決まるのであれば、その進路を選んだ方がいいでしょう。

■親や先生に決めてもらったほうがうまくいく人もいる

さらに、もし責任感の強い受験生なら、「人に決めてもらう」のもいい方法です。

僕が灘と東大理IIIで見てきた限りの話にはなりますが、「人に設定された目標、ハードルを越えることに、燃える人」がある程度います。「やりたいこと」も「やりたくないこと」もない受験生は、好き嫌いの少ない真面目な受験生が多いので、「目標を親や先生が設定する」と黙々と取り組む場合も多いです。

実は、僕が東大理IIIを志望した理由も、これに近いものでした。

僕としては「東大を卒業して活躍したい」という思いがあったのですが、父親に「何をしたいのか具体的になっていないのに、なぜ金を出して東京に行かせなければいけないのか」といわれてしまいました。両親としては、地元の大阪の国立大学に行ってほしかったようです。

ただ、話し合いを進めていくうちに「もし本当に行きたいのなら、医学部なら許す」といわれました。その結果、僕は東大理IIIを志望することになりました。

「親や先生の言いなりになるのはイヤだ」という受験生もいるかもしれませんが、ならば親や先生がいうよりも一段偏差値レベルの高い学校を目指すようにけしかけましょう。

■問題を解いている時間だけが勉強の時間ではない

ここまで、志望校決定の大切さと具体的な決め方を紹介しました。

ベテランち『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)
ベテランち『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)

受験勉強とは、とりあえずどこを受けてもある程度の点数が取れるように勉強する、というものではありません。あるいは「日本で一番偏差値が高い大学に合格するように勉強すれば、どの大学を受けても合格する」というものでもありません。

それは効率が悪いです。

さらに実際に問題を解いている時間だけが「勉強している時間」ととられがちですが、決してそうではありません。合格するには、目標を決め、アプローチを考え、逆算して戦略を練る。この段階をしっかり詰めていく方が、やみくもに勉強するより、のちのち時間あたりの効果が高くなってきます。

はじめに書きましたが、「一にも二にも勉強」ではありません。「英語の時間」「数学の時間」の前に「戦略の時間」を優先してとる必要があるのです。

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ベテランち(べてらんち)
東大医学部生・YouTuber
1998年生まれ。灘中学校・灘高等学校を経て東京大学理科III類に合格するも、現在2留中。2020年、リモート授業でできた空き時間を活用し、YouTubeへの動画投稿を開始。東大生とは思えないほどの怠惰な性格と現実的な物言いを活かした動画づくりで人気を集め、2022年12月現在、チャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)がある。

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(東大医学部生・YouTuber ベテランち)

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