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予備校で最初に読むべきなのは「過去問」より「合格体験記」である…現役東大医学部生が教える最強受験テク

プレジデントオンライン / 2023年3月12日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yusuke Ide

受験勉強を効率的に進めるには、どうすればいいか。現役東大医学部生のベテランちさんは「まずは合格までのロードマップをつくることが必要だ。必要な合格点から逆算して、何月までにどの教科で何点を目指すか目標を定める。その際に、予備校が出している『合格体験記』が参考になる」という――。

※本稿は、ベテランち『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■目標から逆算して合格へのロードマップをつくる

多くの受験生が、受験勉強をはじめたとき「とにかくやみくもに勉強する」ということをしてしまいがちです。しかし受験勉強は「勉強すればするほど志望校合格に近づく」とは一概に言い切れません。

それは、志望する学校や学部によって、必要な科目や点数が異なり、それによって合格までの道のりも違うからです。

そのため受験勉強はまず志望校を決定し、そこから合格までのロードマップをつくったうえで、それにそって勉強する必要があります。

前回、志望校をどのように決定すればいいかを具体的に紹介しました。

志望校が決まったら、一度合格までのロードマップをつくるといいと思います。「志望校の受験科目は何か、それぞれ何点ほど取ると合格なのか。その合格点をゴールとして、何月までにそれぞれの教科をどれくらいまで伸ばさないといけないのか」と逆算するのです。

■「11月の模試では○点をとる」と目標を書き出す

実際に紙に書き出すと可視化されて、一層わかりやすくなります。例えば、紙のいちばん上には「ゴール:○○大学合格 数学:○○点、英語:○○点、物理:○○点」と書きます。その下には、「共通テストでそれぞれ○○点」その下には「11月の模試ではそれぞれ○○点は必要」と書いていきます。紙のいちばん下には直近の模試の点数を入れます。

「高校3年、5月のこの時点で点数がこれだけ低いのに、11月までにこんな点数が取れるか?」と不安に思うなら、このロードマップをもっと細分化します。「1週間でこの単語帳を終わらせる、次の1週間はこの参考書……」といった要領です。

■戦略を立てる材料として先輩の経験談を聞く

ただここで、多くの受験生が戸惑うと思います。というのも多くの受験生が、「合格するにはどの程度点数をとればいいのか」「合格点をとるにはどのような勉強計画を立てればいいのか」といったロードマップを立てる材料を持ち合わせていないからです。

そこでやるべきことが「情報収集」です。しかし多くの受験生が「志望校合格のための情報収集」と言われたとき、とりあえずその大学の公式サイトを見て、それからなんとなく偏差値を見て、頑張る人は過去問を見て、それで情報収集が完了したと思い込んでしまいます。しかしそれでは不十分です。先ほどのロードマップを埋めることができません。

ロードマップを埋めるほどの詳しい情報は、他人の経験から引き出すほかありません。

例えば、自分の志望校に合格した先輩に話を聞き、「合格者はいつから勉強を始めていたのか」「高校3年の春、夏では模擬試験でどのくらいの点数の伸びがあったのか」「その勉強方法とはどんなものだったのか」などの情報を集められるだけ集め、整理して時系列に並べてください。

その人の辿った道を同じように辿り、「6月にはここまでやる」「8月には模試でこのくらいの点数を取る」とその人の経験をトレースして、細かい到達点を設定していけば、それが自然と合格までのロードマップになります。

■予備校に置いてある「合格体験記」を手に取るべき理由

ただ、ロードマップを埋めるための情報源である他人の合格経験は、先輩やOB・OGから聞けばいいですが、周りに情報を持つ人がいないこともあります。たとえ情報を持つ人がいたとしても、ロードマップを埋めるのに十分な人数の先輩がいることは少ないです。

そこで「合格体験記」を読んでください。「合格体験記」とは、各予備校や塾が出している「大学合格までの受験生の道のり」をまとめた小冊子です。勧誘のために受付に置いているところや、自習室や講師室などにもあります。

トレースする経験を見つけるために、なるべくたくさんの人の合格体験に触れて、そこから少しずつ真似できるところを吸収していくことが大切です。この「合格体験記」は1冊に数十人の体験が載っているので、先輩ひとりひとりに「話を聞かせてください」と声をかけるより、はるかに効率的なのです。

図書館で勉強する学生
写真=iStock.com/paylessimages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/paylessimages

■自分と条件が近い合格者の勉強スタイルをトレースする

ただ、注意してほしい点がひとつあります。それは、トレースすべき合格者のスタイルは、受験生が憧れる、あるいは受験生に近いものでなければいけません。

例えばあなたが、現時点で高校3年生、まったく勉強をしてこなかったとします。その場合、高校1年生からコツコツと勉強し、着実に力をつけてきた人の勉強法を真似しても仕方がありません。

むしろ、「甲子園に出場して、高校3年の夏までいっさい勉強してこなかった人」の勉強スタイルをトレースするべきです。

合格体験記によるとこの人は、最初こそ成績が伸びたものの、夏休み明けに伸び悩む。けれど参考書を変えて、塾を変えたことで、また一気に成績が上がる。

「なるほど、この時期に伸び悩む人は結構いる。いちいち落ち込まなくていいのか」とこれでわかります。「この人は、どこの塾に変えたのか」「参考書はどれにしたのか」「自分は最初からその塾、参考書を使えばいいのではないか」など、メンタルの部分から、具体的な塾・参考書の名前まで、学ぶべき点が数多くあります。

「甲子園球児だからな、そもそも根性があるから、もしかして自分とは違うか。なら、この『高校3年まで、部活も勉強もせず遊び歩いていた』という一見チャラそうなこいつの方が、自分に近いのか……」

このように「合格体験記」を読んでいるととにかくいろいろな人の体験を吸収でき、それによってロードマップをさらに詳しくすることができるのです。

■体験記を読んで参考書を買って満足してしまわない

ただ、ここで一定数の受験生が勘違いしてしまうのですが、合格体験記を読むといっても、「合格体験記をたくさん読んだ」だけで満足してしまう、単なる「受験マニア」になってはいけません。

ベテランち『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)
ベテランち『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)

先ほど僕は「情報を集めることがまず大事」と書きました。しかしそれはあくまで第一段階です。そこから自分がトレースすべきスタイル、自分に合った勉強方法を取捨選択していきます。

ただ「受験マニア」は、情報を集めただけで終わってしまいます。もしくは「合格体験記のあの先輩が使っていた参考書を買った」というだけで勉強した気になってしまいます。

情報を集めるだけでなく、ロードマップを描き、きちんと手を動かして勉強し、うまくいかないのであれば再度合格体験記を読みながらロードマップを書き直す、といったPDCAサイクルが受験でも必要です。

1年という時間はとても短いです。合格体験記は、その1年という時間内では体験しきれないことを教えてくれるだけです。そこから得た情報を生かすも殺すもその受験生次第ということになります。ただ情報を集めるだけで満足せず、必ず自分に置き換えて、合格までの距離を縮められる受験生になる必要があります。

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ベテランち(べてらんち)
東大医学部生・YouTuber
1998年生まれ。灘中学校・灘高等学校を経て東京大学理科III類に合格するも、現在2留中。2020年、リモート授業でできた空き時間を活用し、YouTubeへの動画投稿を開始。東大生とは思えないほどの怠惰な性格と現実的な物言いを活かした動画づくりで人気を集め、2022年12月現在、チャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)がある。

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(東大医学部生・YouTuber ベテランち)

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